「東大」以上の学歴が簡単に手に入る…「普通の高校生」が世界のトップ校に入学できる裏技とは
プレジデントオンライン / 2023年3月22日 16時15分
※本稿は、山内勇樹『やりたいことが見つからなければ留学しなさい。』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
■東大よりも世界のトップ校に入る方が簡単
「タイムズ・ハイヤー・エデュケーション」は、大学の世界ランキングを長年発表している機関です。その最新のランキングで、世界のトップ大学について、具体的に学校名を見ていきましょう。
2023年のランキングでは、次のような学校が並んでいます。
このように10位中、7校がアメリカ、3校がイギリスとなっています。トップ100に入る日本の学校は、39位の東京大学と68位の京都大学の2校だけです。
(※ ☆は私の生徒達で合格が出ている大学です。データには、大学院、ビジネススクールなども含みますが、正規留学にあたらない語学留学、エクステンションへの留学は除きます)
私の元からこのようなトップ校に入った生徒さんたちは、飛び抜けて優秀だったり、人より飛び抜けて意欲があった、というわけではありません。悪い意味ではなく、どこにでもいる一般的な高校生、つまり「普通」の子です。しかし卒業後はそうではありません。海外生活と有名校での勉学を経て、相当な力をつけて卒業し、社会へ羽ばたいています。
これから本稿では、「東大、京大の合格よりも、留学で世界の大学ランキングトップ100以内の学校に入れる可能性のほうがずっと高い」理由についてお話しします。
■コミカレ2年間→3年次編入ルートが王道
ではなぜ「普通」の子が、東大、京大と肩を並べるトップ校に入学できるのでしょうか。それは、「編入(トランスファー)」という方法を使うからです。
流れは次の通りです。例としてアメリカの大学に入学するケースを、2024年3月に高校卒業、というケースを起点として示します。
2024年6月 現地2年制大学のコミュニティカレッジ(コミカレ)の語学学校入学
2024年9月 コミカレ入学
2026年9月 4年制大学の3年次へ編入
2028年5月 大学卒業
つまり、コミカレで2年間学び、その後トップ100の大学に編入するというコースをとります。高校の成績は、10段階評価で平均6くらいを取っていれば問題ありません。また、現地の語学学校を卒業すれば、4年制大学の入学に求められるTOEFLのスコアの提出も必要ありません。これらが、「普通」の子がトップ校に入れる秘密なのです。
海外進学は「意識が高い・お金持ち・成績優秀」という3拍子が揃った高校生だけの特権と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。「何がしたいかわからない」「引きこもり」「毎日ゲーム三昧」という高校生も、海外進学を選んで成功しています。つまり、海外進学は人生を逆転するための有効な手段なのです。
■海外進学のルートは4つある
日本の高校を卒業して、海外大学に進学する場合、その方法はいくつかあります。
①フレッシュマン入学
一般的に多くの方が想像する留学スタイルです。4年制大学に直接入学するタイプの留学です。日本の高校の成績(GPA)、TOEFL(トフル)等の英語スコア、出願エッセー、推薦状、地域によってはSAT(エスエーティー)等の標準テストスコアを海外大学に提出し、合否判定を得ます。
②トランスファー入学
実際に多くの学生が使う留学ルートです。高校卒業後、一度2年制のコミュニティーカレッジ(コミカレ)に2年間在籍し、3年次で4年制大学に編入学する方法です。世界の名門大学に合格している日本人学生の大多数はこのルートです。
③国際バカロレア(IB)、ケンブリッジ国際認定校からの入学
国際カリキュラムとして世界に広がっているバカロレアやケンブリッジプログラムを採用している高校で履修し、その修了証明をもって、資格を認定している大学に出願します。IB入試と呼ばれるように、IBのスコアを使って合否を判定する場合もあれば、IBのスコアを一般入試の判定基準の項目のひとつとして扱う場合もあります。
④海外協定校への推薦入学
日本の高校と海外大学との間で「協定」がある場合、その協定先に推薦入試の形式で出願する方法です。UPAS(海外大学進学協定校推薦入試制度)、UPAA(海外協定大学推薦制度)という枠組みに加盟している高校で学び、協定先の海外大学から出願先を選び、合格を得た学校に留学します。それぞれ「加盟校」と調べれば一覧が出てきます。
このように海外進学といっても、出願の仕方は複数あります。どの方法が絶対的に優れているということではなく、海外進学を実現するための道筋が複数あるとお考えいただければと思います。
③と④は高校の制度によるものですから、今回は②の「トランスファー入学」についてご説明します。
■約9割が「トランスファー入学」を選んでいる
世界の多くの国で見られるトランスファーの仕組みについてお話しします。ここではアメリカの事例をもとに進めますが、原理は共通です。
日本からアメリカの名門大学へ留学する学生のざっと9割が、トランスファー入学をしています。
「トランスファー」とは、日本語に訳せば「編入」のことです。日本では編入での大学の入学はあまりなじみがありませんが、アメリカをはじめ、世界の多くの国では当たり前のように行われています。
1、2年生のカリキュラムは、どの大学にも共通するため、1、2年次の2年間の学習をコミュニティーカレッジ(コミカレ)、もしくは他の4年制大学で行い、3年になって目的の大学へ編入するという方法です。ある4年制大学から別の4年制の大学へと移る学生もいます。念のため、一般的な海外のカリキュラムの構成を次に載せるので、ご覧ください。
コミカレは、地域に根ざした2年制の大学です。
女子の割合が多い日本の短大とは違い、地元に住む学生であれば、誰もが通える学校というイメージです。
■日本の大学のような受験勉強はいらない
コミカレにもいろいろあり、4年制大学へのトランスファーに強い学校と、そうではない学校があります。ですからコミカレに留学をする際には、最終的に希望する4年制大学とつながりの深い学校を選ぶ必要があります。
州立の4年制大学は、同じ州のコミカレとの結びつきが強いことが多いという特徴があります。
コミカレが日本の短大と違うのは、「条件を満たせば誰でも入学できる」というところです。
ですから、基本的に入学OKが出ます。日本の大学受験のような準備はいりません。英語で書類をそろえる必要はありますが、それさえクリアすれば難しいことはありません。
このように、名門大学への入り口のハードルは、単に出願したかどうか。やるか、やらないかだけなのです。
コミカレは4年制大学より、1年間の授業料が数百万円安いです。これも留学生がコミカレに入学する理由になっています。日本からの名門大学への留学に関しては、このトランスファーが主流です。
■州立4年制大学の学生約3割がコミカレ出身
州立のコミカレから州立の4年制大学へのトランスファーと、その手順を紹介します。この方法でのトランスファーが一番多いです。
日本とは違いアメリカでは、編入制度が整っています。特に州立
州立大学をターゲットとするのには、学費が私立に比べて安いという理由の他、もうひとつ超おすすめの理由があります。それは、コミカレは同じ州にある4年制大学との結びつきが強く、優秀な生徒を同地域の大学へ送り出す役割を果たしているからです。
■すでに確立しているルートを使う
A州のコミカレ→A州の4年制大学
というルートがすでに築かれているのです。多くの留学生は、このルートを活用します。たとえば、
カリフォルニア州の州立のコミカレ→カリフォルニア州の州立の4年制大学
というルートです。
「このようなルートを取らなくても、直接4年制大学に入ればいいのでは?」と思われる方もいるかもしれません。先ほどご説明したように、もしお子さんが、高校での成績がオール10に近いもので、TOEFLやIELTSで高得点を取得し、英語での推薦状を書いてくれる人が身近にいて、志望理由を英語で書いた出願エッセーを用意し、社会奉仕活動や生徒会活動の経験があるなら、それでも問題ありません。
しかし、「普通」の高校生で、このような条件を満たしている人は、ほんの一握りでしょう。そのため、高校生が名門大学に入学するためには、コミカレからの編入というルートが現実的になるのです。
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1980年長崎生まれ、広島育ち。MIT、スタンフォード、ハーバード、UCバークレーなど「世界の名門大学」に合格を出し続けている海外進学のエキスパート。自身はUCLAを脳神経科学(Neuroscience)専攻で卒業。英語講師として、TOEFL、IELTS、英検、SAT、ACT、TOEIC等の指導も行っている。英語力はTOEFL120点満点、英検1 級、TOEIC990点満点、TOEIC SW 400点満点など。ケンブリッジ英語指導資格TKT保有。通訳・翻訳資格保有。おもな著書に、『やりたいことが見つからなければ留学しなさい。』『Storyで覚える! TOEIC R テスト エッセンシャル英単語』ともに(かんき出版)などがある。
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(山内 勇樹)
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