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「お前より稼いでいるんだ、文句言うな」妻を捨てて実母を選んだ夫が今、4時半起床を強いられているワケ【2022下半期BEST5】

プレジデントオンライン / 2023年3月20日 7時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RyanKing999

2022年下半期(7月~12月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。人間関係部門の第2位は――。(初公開日:2022年8月5日)
離婚すべきか回避すべきか、判断の基準はどこにあるだろうか。夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「一時の感情やその場の勢いで、離婚しかないと思い込む前に、一度立ち止まって考えることが大事です」という。離婚したことを今も後悔し続ける妻と夫、3つのケースを紹介しよう――。

■離婚したことを今も後悔し続ける妻と夫3ケース

「あの時、別れなければよかった」「離婚以外にも選択肢はあったはず」そんなふうに離婚を後悔している人たちもいる。離婚か修復か、こじれてしまった夫婦関係をどうするかは、最終的には自分自身で決断しなければならない。

ところが最善の選択をしたつもりでも、離婚の先に後悔が待っていることもある。たとえば、こんなケースだ。

※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。

CASE1

■草食系の夫から肉食系の浮気相手に乗り換えた妻

「私はしたいのに、夫はしたがらなかった」とセックスレスが離婚の理由だと語るK子さん(36歳)は1年前に6歳年上の夫と9年間の結婚生活に終わりを告げ、離婚を決めた。夫に対してはそれまでも、家事に参加しようとしない、休みの日はゴロゴロしているだけ、K子さんの両親と積極的に関わろうとしない、など日常的な夫への不満を抱えていたK子さんだったが、離婚の決定打となったのはセックスに関する価値観の違いが明らかになったことだった。

「離婚する3年前あたりから、私のほうから誘ったのに断られる、というパターンが4~5回続きました。思い切って夫に理由を尋ねたところ『申し訳ないが、もう女性として見ることができなくなった』と、当時まだ40手前だった夫に言われたんです。子供をつくらないことは結婚する時から夫婦で決めていたものの、だからといってセックスレスの関係になることには納得がいきませんでした」

その後もあきらめなかったK子さんは、親しい友人に相談したり、ネットで調べたりして、セックスレスの関係を解消しようといろいろな作戦を試みたという。

男女の頭部のシルエット
写真=iStock.com/KrizzDaPaul
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/KrizzDaPaul

「新しく買ったセクシーな下着を身に着け、官能的なアロマの香りで満たした寝室で夫が来るのを待っていた晩、ドアを開けて雰囲気を察知したのか『犬の散歩を忘れてた』と出て行ってしまいました。夫の帰りを待ちくたびれて眠ってしまった私が朝になってリビングに行くと、パジャマにも着替えないままソファで寝ている夫がいました」

それでもK子さんは「女磨き」を続けていたところ、思いがけないところで努力が報われる形になったのだった。

「夫を振り向かせるためにヘアスタイルやメイク、ファッションや言動を女性らしくしようと奮闘したにもかかわらず、相変わらず夫は私の性欲に見てみないフリを続けていた。ところが、パート先の同僚の年下の独身男性から『最近、急にキレイになったけれど何かあったんですか?』と声がかかり、誘われるままに浮気をしてしまいました」

「若い男性から数年ぶりに女性として扱われ、よろこびを感じた」というK子さんは浮気相手にすっかりのめり込み、夜も家を空ける頻度が高くなった結果、夫に浮気がバレてしまったのだった。

「『セックスレスだから愛情がないとは限らない。性欲だけのつながりが欲しいなら別れよう』と離婚を切り出された」というK子さんは、「売り言葉に買い言葉で、『私はまだ30代なのに、このまま一生セックスをしない人生なんてまっぴらよ』とその場で離婚に応じてしまいました」。

離婚後、浮気相手と本格的に付き合いはじめたものの、二人はお互いに趣味や会話がまったくかみ合わないことに気づいたという。

「セックスレスの夫婦関係は望んでいなかったが、セックスだけの関係でもうまくいかないことも今回のことで身に染みてわかりました。今となっては、なぜあの時、離婚以外の方法でもう一度やり直そうとしなかったのだろう、と深く後悔しています」。

CASE2

■家事や育児に不満を募らせる妻を実母になじった夫

来春に小学校に上がる子供を育てるシングルファーザーDさん(43歳)は、2年前に4歳年下の妻と離婚。表向きは「性格の不一致」だったものの、Dさん夫婦が離婚に至った本当の理由は、家事や育児の負担の大きさに妻が疲弊し、けんかが絶えなくなった結果だという。

新婚当初、子供が生まれる前は「学生時代からひとり暮らしを経験しているので、家事には自信がある」「家事や育児には自分も積極的に参加させてほしいから等分にしよう」などと宣言していたDさんは、結婚後、自分の仕事が忙しくなったことを言い訳に家事や育児を妻にまかせっきりになったのも事実。

「実際、結婚している時はゴミ出しくらいしかやらなかったし、子供のオムツもひとりでは取り替えたことはありませんでした」

妻は在宅でできる仕事だったため、必然的に家事や育児のほとんどを担う形になった。それについて「話が違う」「外で働くほうが何十倍も楽に違いない」と妻から不平不満をぶつけられるたびに、「お前より稼いでいるのに文句を言うな」「オレだってできる限り手伝っている」などとDさんも苦しい言い訳を続け、夫婦仲は次第に険悪になっていったのだった。

夫婦関係の悪化を加速させる原因はほかにもあった。都内の邸宅でひとり暮らしをしているDさんの母親の存在だ。

「はじめは孫の様子を知りたくてかかってきた電話のついでに、何の気なしに妻のグチを伝えたことがありました。その日を境に、母親にとって妻は完全に“悪者”。『家事や育児は女の仕事。それを放棄して夫に押し付けるなんて母親としても妻としても失格ね』『仕事で疲れているのに、家庭でも休まらないなんてかわいそう。お母さんがそばにいてあげることができたら、あなたをそんな目に遭わせないのに』などと、日を追うごとに母親の妻に対する評価の厳しさはエスカレートしていきました」

ある時、ついに母親はDさんにこう提案した。「そんなにつらいなら、もうあんな女とは別れちゃいなさいよ。息子と孫の世話くらい、お母さんがやってあげるわ。実家に帰ってくれば家賃も要らないわよ」。母親のその言葉で、Dさんは妻との離婚を決意したという。

「その頃にはすでに、妻との連日の言い争いに疲れ果てていたこともあり、家事と育児をまかせられる母親がいる実家に住めることがベストな選択だと思っていました。自分自身の次の幸せのためにも、新たなスタートを切る覚悟が高まっていきました」

結局、Dさんは実家の力もあって、親権と養育権を持ち離婚。肩書はシングルファーザーだったが、家事や育児は全面的に母親にまかせ、自分は仕事に集中しようとした矢先、事態は急変した。

「子供と二人、実家に戻って1カ月もたたないうちに、母親が急逝してしまったんです。気がつけば自分に残されたのは、持て余すほど大きな家と子供だけ。これから先のことを想像して愕然としました」

頼りにしていた母親という大きな後ろ盾を失ったDさんは、しばらく心療内科に通うほど落ち込んだものの、現在は仕事と家事と育児に忙しく奮闘する毎日とのこと。「まだ要領が悪く、毎朝4時半に起きて子供の弁当を作り、朝食を作って食べさせて、園まで送り届けてから出勤しています。幸い、夕方以降は近所に住む妹夫婦がサポートしてくれていますが、こうなるとわかっていたら、あの時、絶対に離婚しませんでした」

曲げわっぱの弁当箱に入った弁当
写真=iStock.com/hawk111
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/hawk111
CASE3

■仕事のストレスを夫にぶつけた挙げ句、浮気をされた妻

「もう一度やり直せたら、と願わない日はありません」と離婚を後悔するA美さん(47歳)は、31歳で同じ年の夫と結婚し、6年前に離婚。中学生の子供と暮らしている。

「最終的な離婚の理由は、夫の浮気。でも、それまでに自宅に帰りたくない雰囲気をつくったのは私にも責任があると思っています」

共働きで、すれ違いも多かったという二人の結婚生活では毎日のように夫婦げんかが勃発していたという。

困難な関係のカップル
写真=iStock.com/kemalbas
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kemalbas

「毎日キリキリしていた私は毎日、本当にささいなことで夫にけんかをふっかけていました。トイレットペーパーの買い置きを忘れたとか、靴下を裏返しのまま洗濯機に入れたとか。今なら『ストレスがたまっているから不機嫌になる。だったら自分でストレスを解消する方法を考えよう』と問題解決できるのに、当時の私にはそれができませんでした」

夫の浮気に気づいたのは、A美さんが管理職に昇進してしばらくした頃だった。

「その頃、夫はお酒を飲んで帰ってくることが多くなりました。ある晩、リビングで寝落ちしていた夫の横を偶然通った時、近くに落ちていた携帯電話の画面に『今晩も楽しかったね。いつもごちそうさま。今年の夏も旅行に行こうね』とハートマークのついたラインのメッセージが表示されたのを見て、初めて夫が以前から浮気をしていることに気がつきました」

翌朝、夫を問い詰めたところ、浮気をアッサリと認めた。そのうえで、こう言って頭を下げたそうだ。

「いつもニコニコしているアイツといると、くつろげるんだ。この際だからいうけれど、いつもオレに対して怒っているA美とはもう無理だと思う。ごめんな」

これに対して、A美さんは……

「当時は私も今より収入があったし年齢も若かったことで強気にもなれました。だから、『私ひとりでも子育てくらいできるわ。別れましょう』と自分から離婚を言い渡しました」

現在、離婚して6年という年月がたつものの、A美さんに新しい恋人はできていない。

「先日、私と似た性格をしている仕事仲間で既婚者の女友達の家に遊びに行ったら、口うるさいタイプの旦那さんにもかかわらず、上手にあしらっているというか、おおらかに対応している姿を目の当たりにして軽くショックを受けました。『夫に文句を言い返したり不機嫌な顔を見せたりしても、私に得なことは何もないでしょう?』と夫の前で笑っている彼女が円満な夫婦関係を続けているのを見て、『愛される妻』でいるための努力を知った。離婚する前に私にはすべきことがあったのだ、とも」

■「離婚しかない」と決めるより確実に幸せになれる思考法

言うまでもなく結婚生活で大きく変化するのは、それまでは「個人戦」だったことが「チーム戦」になるということ。つねにパートナーと一緒に、日常生活でたびたび起こる予測不能な出来事を乗り越えていくチームづくりがポイントになる。

だからこそ、パートナーの考え方やものの見方、お金や時間の使い方、子育てへの取り組み方などを理解し、受け入れながら自分のそれとすり合わせていくことが大切だ。一時の感情やその場の勢いで「離婚しかない」と思い込む前に、「もっとほかに幸せになるための選択肢はないか?」と一度立ち止まって考える意味は大きい。「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも必要な思考といえるだろう。

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岡野 あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー
夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに32年間、38000件以上の相談を受け、2200人以上の離婚カウンセラーを創出『離婚カウンセラーになる方法』(ごきげんビジネス出版)。近著は夫婦の修復のヒントとなる『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)。著書多数。

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(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー 岡野 あつこ)

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