47歳で無職状態に…アンジャッシュ渡部の活動自粛中に企業から続々舞い込んだオファーの驚くべき内容【2022下半期BEST5】
プレジデントオンライン / 2023年3月28日 17時15分
※本稿は、渡部建『超一流の会話力』(きずな出版)の一部を再編集したものです。
■超一流の人たちが使っている「シンプルな会話のコツ」
「初対面の人と、なにを話せばいいかわからない」
「すぐ話題がなくなり、会話が続かない」
「表面的な話ばかりで、ぜんぜん盛り上がらない」
「人と会話をするのがすごく疲れる」
「相手に嫌われてしまっている気がする」
そんなあなたへ
この本を手にとってくださり、ありがとうございます。アンジャッシュの渡部(わたべ)建(けん)です。
まずは、なぜ僕がいま、「会話」をテーマにした本書を出すことになったか、その経緯から説明させてください。ご存じの方も多いかもしれませんが、僕は2020年より芸能活動を自粛(じしゅく)し、47歳にして無職のような状態になりました。
僕は大学生時代にお笑いコンビ「アンジャッシュ」を結成し、以後、芸人としてしか働いたことがありません。いったいこれからどうやって生きていけばいいのか、こんな自分にこの先なにができるのか、途方に暮れていました。
そんなとき、とある方から「企業向けに講演をしてみないか」というお話をいただきました。「何をお話ししたらいいですか?」と聞くと、「周囲を明るくするコミュニケーション術」という、かなりざっくりとした依頼でした。
たしかに、僕はこれまで芸能界で、しゃべることを生業(なりわい)にしてきた人間です。そして芸人ですから、どうすればその場を明るくし、目の前の人たちを笑わせることができるかを考え、実践してきました。
また、芸能界はコミュニケーションのプロフェッショナルたちが集まっている世界です。
とりわけ、何十年も芸能界で活躍し続けている「超一流」の人たちが使っている会話のコツを間近で学ぶことができたのは、とてもありがたいことでした。実際、僕自身もそうしたコツをいろいろ吸収しつつ応用したりして、仕事ができていたのは間違いありません。
とはいえ、それはあくまでも芸能界という特殊な世界での話。果たしてそうした経験や知識が、まったく違う業界で働いているビジネスパーソンのお役に立てるものなのか……という不安はありました。
■円滑なコミュニケーションのコツは、シンプルで簡単
それに、僕はこれまでコミュニケーションのノウハウについて、人に教えたこともありません。一体なにを、どういうふうにお伝えすればいいのか……。それを勉強するために、僕は書店に向かいました。
そこで僕はすごく驚きました。ビジネス書のコーナーは、膨大な数の「コミュニケーションのハウツー本」であふれ返っていたのです。
![会議を開く日本人ビジネスマン](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/b/1/1200wm/img_b15270dcf877179e0a31637b663c67bc378904.jpg)
人に好かれる話し方、会話が途切れない雑談のコツ、自分の言いたいことを端的に説明する技術、仕事が上手くいく報告・連絡・相談の仕方……。世の中の人たちは、こんなにもコミュニケーションで悩んでいるのか!
それは、芸能界でしか生きてこなかった僕にとって、新鮮な驚きでした。幸い、僕には時間がありました。だから、それらの本を片っ端から読み漁ったのです。
「会話術」「雑談力」「要約力」「説明術」「伝え方」「語彙力(ごいりょく)」「インプット」「アウトプット」「ユーモア」……少なくとも、ここ10年以内に出た本を100冊近くは読んだと思います。
それらに対して僕が率直に思ったことがあります。
それは
「むずかしい!」
ということです。
本に書かれていることの多くは、コミュニケーションに悩んでいる人たちにとっては習得するハードルが高い。プロの芸人である僕から見ても、習得・実践が難しそうなことの連続でした。この気づきから、僕は依頼された企業向けの講演で、どういう内容を話せばいいか、なんとなく目星をつけることができました。
それは、
「円滑なコミュニケーションのコツは、じつはシンプルで、簡単で、だれにでも実践できる」と伝えればいいんだ……ということです。
超一流の芸能人たちは、そんなに小難しいテクニックを駆使(くし)しているわけではありません。だれでもできるシンプルなルールを実践しているだけです。そのようなことを企業の講演などでお伝えしていくと、少しずつですが、好評をいただくようになりました。
■「話下手」「コミュ力低い」人ほど最短距離で会話の達人に
本書はそうして僕の頭のなかで改めて整理された「コミュニケーションのコツ」をまとめた一冊です。じつは、
「自分は話をするのが下手だ」
「コミュニケーション能力が低い」
と思っている人ほど、最短距離で会話の達人になれます。
逆に、
「自分はしゃべりが得意だ」
「だれとでもすぐ仲良くなれる」
と思っている人は、じつは本当の意味でなかなか「会話の達人」になることができません。
それはなぜか。
僕がたどり着いた極意が、
「会話は、話してはいけない」
というものだったからです。
![渡部建『超一流の会話力』(きずな出版)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/6/a/1200wm/img_6a48d2ec045e6b3aba45dc02775407ca147212.jpg)
口下手なままでいい。いや、むしろ、口下手なほうがいい。
私たちは「どうやって話すか」を考えるよりも、「どうやって話さないか」「どうやって相手に話してもらうか」を考えなければいけないのです。自分はできるだけ話さず、その代わり、相手にたくさん話してもらう。これができるだけで、コミュニケーションや人間関係にまつわるあらゆる悩みが解決し、うまくいくようになるのです。
本書では、僕がこれまでの経験から得たことを、どんな人でも実践できるように、できる限り簡略化してまとめました。一人でも多くの人のお役に立てることを、切(せつ)に願っています。
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お笑い芸人
1972年、東京・八王子生まれ。1993年、神奈川大学在学中に高校の同級生であった児嶋一哉に誘われ、お笑いコンビ「アンジャッシュ」を結成。2003年、NHK「爆笑オンエアバトル」5代目チャンピオンに輝き、日本テレビ「エンタの神様」などのネタ番組では“コント仕掛け”のスペシャリストと呼ばれる。その後は数々の人気番組の司会を務め、現在はコミュニケーションをテーマにした企業向けの講演などを積極的に行っている。著書に『ホメ渡部!「ほめる奥義」「聞く技術」』(小学館)、『大人のための「いい店」選び方の極意』(SB新書)などがある。
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(お笑い芸人 渡部 建)
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