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医師仲間のコネは不要…現役医師がとびっきりの名医をネットで探すときに重視した「数字」と「経歴」

プレジデントオンライン / 2023年3月31日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Sam Edwards

医師自身が病気やケガをした際、どのように病院や医師を選ぶのか。消化器内科医の石黒智也さんは腰のヘルニアが悪化した際、ネット検索でいい整形外科医に巡り合ったという。3つの探し方のコツを紹介しよう――。

※本稿は、石黒智也『消化器内科の名医が本音で診断 「お腹のトラブル」撲滅宣言!!』(双葉社、鳥居りんこ 取材・文)の一部を再編集したものです。

■「顔出し&治療件数」は良医のバロメーター

ちょっと前のことですが、腰のヘルニアが悪化し、一時は「すわ、手術か⁉」と覚悟しました。幸いなことに、整形外科の名医と巡り会ったおかげで事なきを得、今やどこから見ても意気軒昂(けんこう)。元の健康体を取り戻しております。しっかし、あれは痛かった……(泣)。

医者を生業(なりわい)としている僕が言うのもナンですが、やっぱり体の具合が悪い時には「神様・仏様・お医者様」ってなりますよね。「何はなくとも健康が一番」を改めて思い出させてもらいました。治してくれたドクターには感謝しかないです。

同時に、久々に患者さん側の気持ちを味わえたのも貴重な体験でしたね(激痛と引き換えというのが玉に瑕(きず)ですが……)。

皆さんも体調を崩した時など、「どこかに名医は落ちていないものか?」という気分になったりしませんか? 医者の僕であっても、「この症状は○○先生にお任せ」なんてリストがあったら欲しいくらいです。

しかし! 令和の僕らにはインターネットという心強い味方がいる‼

何を隠そう、僕も先ほどの整形外科の名医をネットで知りました。そうです、僕自身が検索の鬼(笑)と化して調べていったという次第。病院選びも、今や「クリック一発、ネットでGO!」って時代になりましたね。

いや~、便利な世の中になったものです。自宅にいながらにして、よさげな病院かどうかを判断できるようになったんですから、画期的! ただ、何でもそうですが、ネットの医者選びにもネックはあります。数と情報が膨大すぎて、どうにもこうにもめんどくさい。何をどう選択すればいいのかわからなくなって、結局お手上げということも、なきにしもあらずです。

そこで、ここでは、どんなことを手掛かりにすれば、「ベストとは言えないまでも、ベターな選択になるのか」についてお話ししましょう。

■医師が名医をネットで探すときに重視した3ポイント

題しまして「ネットで医者を探すコツ」です。僕がクリニックのホームページで重要視しているポイントは3点。

①院長の顔写真と診療方針
②医者の経歴
③治療実績、検査件数、手術件数

この3つが明記されている病院は、いいドクターを抱えていると見ております。順番にご説明しましょう。

まず①。やはり、少なくとも院長の顔写真ぐらいは必要だと思います。患者さんからすれば、大切な体を預ける存在。ホームページは、ネット上とは言え、患者さんと医者との最初の出会いとなる場所です。医者みずからが顔出しすることによって、患者さんの不安もいくばくかは和らぐはず。

例えば、スーパーの野菜売り場で売られているナスやキュウリの袋に、生産者の顔写真が貼られていたりしますよね。同じ買うなら「この野菜は私が作りました」などと明記してあるほうが安心しませんか。

顔写真は、ある意味、自分の仕事に自信や責任を持っているという証。

「患者さんには、ネットでの“出会い”の瞬間から安心感を持ってほしい」

そんな真摯(しんし)な先生は必ず、自分の顔写真を掲載していると思います。もちろん診療方針は、もっともっと大事です。

「自分はこんな姿勢で医療と向き合っている」というメッセージを堂々と発信している医者のほうが、断然信頼できる。本当につらい時に親身になってくれる確率は高くなるでしょう。

②は、言わば医者の「履歴書」ですね。就活などで皆さんも一度は書いたことがあるかもしれません。要は、自分のことをまったく知らない方に向けての自己紹介という位置づけです。

クリニックのホームページに掲載するものですから、さすがに医者の趣味や特技や家族構成まで載せなくてもいいでしょうが〔患者さんも特段、知りたくもないでしょう(笑)〕、せめて、どこの大学の医学部を出て、どんな修業を積んで開業に至っているのか、専門とする病気のジャンルぐらいは触れるべきだと考えます。間違いなく、患者さんには必要な情報だと思うから。

医者の経歴は、これまでどのように医療に身を捧げてきたかを端的に物語るひとつのツール。やはり、正々堂々と出しているほうが好感が持てます。

ただし、専門医という肩書については、皆さんのご想像とは少々違っていることもあるかもしれません。専門医とは、外科や内科など、特定の専門学会から認定・付与される資格。取得するためには、認定施設で何年かの指導を受け、試験に合格する必要があります。

要は、該当する専門分野に関しては「すごく勉強したね!」というお墨付きを得ているということ。

術野を見つめる医師
写真=iStock.com/FangXiaNuo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/FangXiaNuo

一見、すごいお医者さんに映るかもしれませんが、「勉強した=腕がいい」とは限りません。資格があることと診療の善(よ)し悪(あ)しは必ずしも一致するものではなく、あくまでも参考資料のひとつ。個人的には、専門医かどうかには、あまりこだわる必要はないと思っています。

専門医の資格がなくても、特定の分野に精通している「専門家」の実力派ドクターはたくさんいますし、そもそも「資格自体に興味がないから、自分はいらない」って先生もいるんですね。

僕個人は消化器内科医の専門医を始めとして、いろいろな資格を持っていますが、それは患者さんの安心感のためという意味合いが大きいです。患者さんがクリニックを選ぶ際の手がかりになるかな? くらいの感覚です。

■手術の件数と医者の実力はバッチリ比例している

実は、最も重要なのは③。治療・検査・手術の件数です。内視鏡の医者であるなら、内視鏡検査や手術をどれだけ数多くやっているか。手術の件数と医者の実力はバッチリ比例しています。圧倒的に数をこなしている医者のほうが腕がいい。治療も、たくさんの患者さんを診ている医者のほうが実力は上がる。

石黒智也、鳥居りんこ『消化器内科の名医が本音で診断「お腹のトラブル」撲滅宣言!!』(双葉社)
石黒智也『消化器内科の名医が本音で診断「お腹のトラブル」撲滅宣言!!』(双葉社,、鳥居りんこ 取材・文)

患者Aさんの時は手法1でうまくいったが、Bさんでは1ではなく、手法2が効いた。2がダメだった時は手法3がうまくいく……といった経験がどんどん積み上がり、応用力もアップ。治療が難しくなった場合のリカバリーも完璧です。

「このくらいの期間で治るだろう」とか、「これは早めの手術がいい」などといった独特の勘所(かんどころ)が冴えていくのも、圧倒的に数をこなしている医者なればこそ。よりたくさんの診療をしている先生、より件数をこなしている先生のほうが腕がいい。これは絶対だと思います。ちゃんと件数を開示しているクリニックはお勧めです。

ぜひ、自分自身で探し選び抜いた“とびっきりの名医”と二人三脚で、勇気を持ってあきらめずに病を克服していってください。あなたの健康を、心から願っています。

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石黒 智也(いしぐろ・ともなり)
日本消化器病学会専門医
1979年、岐阜県生まれ。2005年、岐阜大学医学部卒業。2016年、神奈川県茅ヶ崎市にて「湘南いしぐろクリニック」開設。現在、「新横浜国際クリニック」「湘南いしぐろクリニック 鎌倉院」と合わせて3施設の医院を運営する医療法人社団MBSの理事長を務め、早期がんの発見やお腹のトラブル撲滅のため、日々研鑽を積んでいる。

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(日本消化器病学会専門医 石黒 智也)

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