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誘われた飲み会に行くか、行かないか…その場で即断できない人がすぐやるべき「自分の判断基準」の作り方

プレジデントオンライン / 2023年4月5日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/woojpn

仕事のスピードが速い人は何が違うのか。マーケティングアイズ代表取締役の理央周さんは、「仕事のスピードは、着手のタイミングや初動で決まる。ただ、やみくもに『すぐやる』のは効率が悪い。『速く考え、すぐやる』ことを意識するべきだ」という――。

※本稿は、理央周『なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

■「すぐやる」の前提として「速く考える」が隠れている

「つい、先延ばしにしてしまう」「考えすぎて動けない」という悩みを抱えている人が多いようです。事実、「すぐやる」を冠した本が何冊もベストセラーになっています。

「すぐやる」のは、もちろん大切なことです。仕事のスピードは、着手のタイミングや初動で決まる部分もあります。着手が早ければ、うまくいかないことがあったときにも大きなトラブルになる前に早い段階で修正できます。

ただ、「すぐやる」という言葉に隠れている前提として、「速く考える」があることを見逃してはなりません。たとえば、営業のリストにある会社に上から順番にすぐに電話をかけてアポをとっていくことは、成約につなげるうえで生産性が高いとはかぎりません。

具体的には、リストにある会社を規模別に分類する方法もあります。「1000万円規模の案件を3件とりにいく」「100万円規模の案件を30件とりにいく」、あるいは、会社規模から意思決定のスピードを推測する方法もあるかもしれません。

こうしたことをなるべく速い段階で考えたうえで、すぐやることができれば、鬼に金棒です。ただの「すぐやる」ではなく、「速く考え、すぐやる」ことを意識してみてください。

■近道はプロの客観的で冷静な視点からのフィードバック

発想系のクリエイティブな仕事では、所要時間を見積もるのが難しいという悩みをいろいろな人からよく聞きます。私の仕事でいえば、原稿執筆は、完成形があってないような仕事です。もっと時間をかけて考えれば、もっといい内容が書けるのではないかと思うこともあります。

つまり、「時間をかければ、クオリティがあがる」とどこかで考えてしまいます。私自身、こうした気持ちになることもあるので、この悩みはよくわかります。

でも、「時間をかければ、クオリティがあがる」と考えるのはやめましょう。この場合の目的は、時間をかけることではなくクオリティをあげることです。これを達成するには、関係者からフィードバックを早めにもらうのがいちばんの近道です。

原稿であれば、依頼主である編集者に見てもらって、プロの客観的で冷静な視点からフィードバックをもらって反映させればクオリティをあげられるでしょう。このタイミングが早ければ早いほど、より早く反映できます。

また、一定期間、いったん寝かせるのも効果的です。冷静で客観的に見られるようになり、クオリティをあげるためにどうすればいいかが見えてくることもあります。こうした点でも、期日よりも余裕を持って仕事を進めることが大切なのです。

■悩みがちなポイントに判断基準を設定し、マイルールを決める

「飲み会に行くか、行かないか」「面倒な仕事を引き受けるか、引き受けないか」「ほしいものを買うか、買わないか」などを選ぶときに悩んで時間がとられることもあるでしょう。こうしたことに悩んでしまうのは、自分の判断基準がないからです。

私も、会食のお誘いを複数からいただくことがあります。私は「行きたい場合は行く方向で調整する。そうでない場合は、『ビジネスにつながるか、どうか』で判断する」という判断基準を決めています。

会話をするビジネスパーソン
写真=iStock.com/kazuma seki
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazuma seki

仕事も同じです。マーケティングコンサルタントとして独立・起業した当初は、すべての仕事を引き受けないといけないと思い込んでいて、それほど得意ではない業界の仕事も引き受けていました。

しかし、成果に貢献できたケースとそうでないケースの割合が4:6ぐらいでした。その経験から、自分の得意ではない領域の仕事はお断りすることに決めました。短期的には売上は減りましたが、得意な領域の仕事に集中して、成果を出せるようになった結果、信頼が増し、顧客単価もあがりました。

仕事でもプライベートでも、悩みがちなポイントに判断基準を設定し、マイルールを決めておきましょう。「本は悩んだら買う」「服は迷ったら買わない」「迷ったら大変そうなほうを選ぶ」といった具合です。悩む時間を減らして、必要な行動をスピーディにとれるようになるでしょう。

■まず人に依頼する仕事から先に手をつける

仕事を進めるときは、まず「人に依頼する仕事」から先に手をつけましょう。どんなに早く自分の仕事が終わったとしても、あなたの後工程への依頼が遅くなって、その仕事が終わるまで完了できないと、期日に間に合わなくなるからです。

まず人に依頼する仕事を先に進め、そのあとで自分の仕事を進めるほうが、結果的に全体のスピードも速くなりますし、不測の事態にも対処できるようになります。「A社の鈴木さんから資料がこないので」などと言う人がいますが、これは言いわけだと思われても仕方ありません。もっと早めに依頼していれば、そのような事態にならなかったかもしれないからです。

そう考えると、後工程の人にできるだけ早く仕事をお願いし、長い時間を使って価値を生み出してもらう段取りをすることは最大のポイントといえます。その場合は無理なく仕事ができるスケジュールで仕事を手渡しましょう。

後工程の人に手間をかけたり無理をさせたりしていては、そのときはよくても、長期的な信頼を築くことができません。たとえお金を支払う側だったとしても、配慮を忘れてはなりません。つねに、自分の仕事を受け取る人の立場を考えながら手順やスケジュールを考えることが、仕事の速い人の段取りです。

■キーパーソンを見極めて、最優先で根回しする

仕事の速い人は、「実質の決定権」を持つキーパーソンを見極めて根回しします。ある商品企画を進めるさいに、社内で決裁が必要な人が人いたとします。この人のうち、社長でも企画部でもなく、営業部でもなく、製造部に実質の決定権があったとします。この場合、その製造部の責任者を最優先に相談するのが近道です。

「懸念事項・反対意見はありますか?」と聞いてアドバイスをもらい資料に盛り込んでおけば、ほかの決裁者も「製造部がOKなら、やってみよう」と判断するでしょう。逆に、製造部の責任者に通さずに進めていると、他部署に「製造部と話をつめるように」と言われ、さらに時間がかかるかもしれません。

実質の決定権を持つ人が、話しやすい相手とはかぎらず、厳しいことを指摘してくる「話しづらい相手」である場合もあります。この場合も、「決裁を得る」というゴールから考えれば、キーパーソンから最優先に話を通すのが最速ルートです。

これによって、その商品企画の味方となって応援してくれることも少なくありません。根回しは、ネガティブなものではありません。根回しとは事前相談のことであり、スピーディに成果を生み出すうえでは、必要なものなのです。ただし、「実質の決定者」を重視するあまり、ほかの人を軽視するような失礼は避けましょう。

■たたき台をつくったうえで、関係者に話して巻き込んでいく

アイディアを企画や計画に落とし込むためには、たたき台をつくったうえで、自分以外の人に話して巻き込んでいくのが早道です。ここ最近、製造業の経営者からの「画期的な事業プランや製品企画をしたいのです。そのために、うちの社員がこれまでの延長線上にない発想ができるようにしてほしいのです」という社員研修のオーダーが増えています。

理央周『なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?』(日本実業出版社)
理央周『なぜ、サボる人ほど成果があがるのか?』(日本実業出版社)

このような研修の最後には受講者のみなさんから社長に、自分たちが考えた事業計画のプレゼンをしてもらいます。プレゼン後に社長から「それおもしろいけど、本当にできるのか?」と問われたAさんは、「実現可能性については、これから検討します」と答えました。Bさんは「はい、できます。製造部のCさんに事前に相談したところ、材料の調達も生産での負荷も問題ありません」と理由を添えて答えました。

社長はBさんの案を採用したのです。Aさんは、思いつきをプランに入れただけなのに対し、Bさんは、事前に製造部のCさんも巻き込んでアイディアを企画レベルまでしっかり磨き込んでいました。両者の違いは、「なにを目的としているか」に尽きます。

Bさんは目の前の「研修のプレゼン」ではなく、「実現して成果を出すこと」を目的にしているので、そこに辿り着くまでに確認しなければならないことに気づいて動けたのです。こうなると、すばやく着手でき、進捗(しんちょく)のスピードもあがります。

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理央 周(りおう・めぐる)
マーケティングアイズ代表取締役
本名:児玉洋典。1962年生まれ。静岡大学卒業。大手自動車部品メーカー、フィリップモリスなどを経て、米国インディアナ大学にてMBA取得。アマゾン、J:COM、マスターカードなどで、マーケティング・マネジャーを歴任。2010年に起業し翌年法人化。収益を好転させる中堅企業向けコンサルティングと、顧客視点を育てる社員研修を提供。『売れない問題 解決の公式』『「なぜか売れる」の公式』(ともに日本経済新聞出版)、『仕事の速い人が絶対やらない時間の使い方』(日本実業出版社)など著書多数。

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(マーケティングアイズ代表取締役 理央 周)

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