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その場にいる全員がイヤな気持ちになる…銀座ママが「うちの店では絶対させない」と断言する"3K話"とは

プレジデントオンライン / 2023年4月10日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Tharakorn

銀座の高級クラブ「クラブ由美」のオーナー・伊藤由美さんは、自分の店で「3K話」をすることを禁じている。伊藤さんは「『3K話』とは、『陰で、コソコソ、ここだけの話だけど』で始まる会話のこと。その場にいる全員がイヤな気持ちになるので、どんな場所でもこうした話し方は避けたほうがいい」という――。(第1回)

※本稿は、伊藤由美『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。

■負のオーラが立ち込める“3K話”

数人で固まって声を潜めてヒソヒソ&コソコソ――。私、こういうの大嫌いです。

話題に上っている人が近くにいるのを知っていて、わざと声を潜めて悪口陰口を言い募り、時折、チラ見したりする。こんなのは陰湿なイジメ以外の何物でもありません。もしこんなシーンを見かけたら、相手が誰であろうと、どんな状況だろうと、「言いたいことがあるなら、面と向かって言いなさい」「人に聞かれて困る話なら、誰もいないところでおやりなさい」と言い放ってしまう自信があります。

こうした「陰で」「コソコソ」「ここだけの話だけど」で始まる「不愉快な3K話」と言えば、たいていは誰かの悪口や陰口と相場は決まっています。だって、いいことを誰かに隠すようにコソコソヒソヒソと話す人はあまりいませんから。

そして3K話をしている集団の周辺には、決まってどす黒い“負のオーラ”が立ち込めているもの。悪口&陰口から闇を抱えたネガティブな空気が発散されているのです。周囲の人たちは、こうした負のオーラに対して思っている以上に敏感です。

誰かが近くでコソコソ話をしていると、人はみな、「また誰かの悪口を言ってるんだろう」「ひょっとして自分のことを貶けなしているんじゃないのか」などと気になって、イヤな気分になってしまうもの。職場でも、仲間内でも、誰かがコソコソと3K話を始めると、その場全体が負のオーラ一色になってしまうのです。

■3K話が好きな人は自分に対する悪口に敏感

私も『クラブ由美』の女の子たちには「店で、小声でヒソヒソと話すのは絶対にやめて」と言っています。女の子同士がそんな話をしている光景を見ると、「何かウワサされているみたいでいい気分がしない」と感じるお客さまも少なくありません。

3K話というのは、話の内容云々ではなく、陰でコソコソという行為そのものが周囲に不快感や不信感という負のオーラをまき散らすのです。そしておもしろいのは、そうした3K話に目がない人ほど、ほかの誰かのコソコソ話を見ると「自分の悪口を言っているに違いない」と邪推しがちだということです。

自分が3K話で悪口や陰口を言ってきたからこそ、他者の3K話もそうに違いないと考える。自分がこれまでに醸し出してきた不快感や不安感が、同じことをされて自分に返ってくる。今で言う「ブーメラン」という状況です。「あなただって同じことをしているでしょ」という意味では自業自得でしょう。

その点、仕事がデキる人、「自分」をしっかり持っている人、自分に自信があって前向きな気持ちを持っている人は、ネガティブ感情の共有で成立するような負のオーラむき出しの仲間意識とは無縁です。そもそも群れて他人を誹謗するような真似はしません。また、自分が口に出したネガティブな言葉は、自分の耳から自分の脳にもインプットされ、結局は自分自身をスポイルする。つまりコソコソ話は“天に唾する”のと同じであることも知っています。周囲に疑念や不快感を抱かせるような行為はしない。

自分がされればイヤな気分になることは、ほかの人にもしない。それは会話のルール以前に社会生活を送る上での最低限の礼儀であり、人としての品性の問題なのです。

■“幸せ報告”を素直に喜べない人たち

「結婚しました!」「ママになりました!」「○○を買いました!」「憧れの○○に旅行に来ています!」。SNSなどで目にする芸能人や知人友人の“幸せ報告”を目にすると、心のどこかで「チッ」と舌打ちしている自分がいる――。

暗い表情の女性
写真=iStock.com/maruco
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maruco

大仕事を決めて高い評価を受けた同僚や、出世して偉くなった学生時代の友人、ダイエットに成功してキレイになったママ友――。「すごいな」「おめでとう」と祝福してあげるべきなのに、心の片隅に「へぇ~」というひねくれた感情が湧き出てくる――。

そして、「いちいちSNSで幸せアピールなんかするなよ」「たまたま運がよかっただけでしょ。次はそうはいかないよ」「別に大したことない。その気になれば誰だってできるでしょ」こんな感情を抱いてしまい、「他人の成功を喜べない」自分の心の狭さが嫌になった。その上、関係がギクシャクして今までのようなつき合いができなくなってしまった――。

似たような経験がある人は、決して少なくないと思います。

■デキる人は「ものごとの裏側」を意識できる

人は「他者、とくに自分と同等だと思っていた近しい人が、自分が欲しかったものを、自分より先に手に入れたとき」、とくにうらやみや妬(ねた)みなどのネガティブ感情を抱きやすいのだそうです。同じ職場で同じ仕事に携わっていた同僚が、自分より先に大きな成果を上げた。自分だって

同じくらい仕事がデキる、いや本音では「自分のほうがデキる」と思っていた。なのに先を越されてしまった。何だよ、実はオレのほうがアイツより仕事がデキなかったのか。情けない――。こんなふうに推移する心中には、なかなか「おめでとう」という心からの祝福の気持ちが生まれてくる余地がなくなってしまうのでしょう。

仕事柄、数多くの成功者と呼ばれる人たちに接してきましたが、その方々に共通しているのは「ものごとの裏側に意識を向けられる」ということです。仕事で大きな実績を上げた同僚が手にした「成功と評価」という結果だけに目を向けると、「うらやましい」「なんでアイツが」といった感情ばかりが湧き出てしまう恐れがあります。

でも、その成功の裏側に意識を向けてみると、どうでしょうか。そこには自分が知らなかった努力や苦労、我慢や痛みなどが存在しているかもしれません。運のよさだけではなし得なかった成功の本当の理由が見えてくるかもしれません。

■「人の話を聴く」とはどういうことか

成功する人は、その陰で成功するだけの努力を積み重ねています。しかしうらやみだけで見ると、どうしてもこの部分に目がいかないのでしょう。成功者をうらやみ、卑屈になるだけでは、自分は一歩も前進できません。

ビジネスマンやカジュアルなスタイルの男
写真=iStock.com/bee32
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/bee32

それよりも嫉妬を敬意に変えて、その人が果たした成功へのプロセスから何かを学び、自分を高めるための糧にするというマインドチェンジを心がけたいものです。見事な成功を手にした人の、表面的な成功という事実にただ嫉妬するのか、成功の裏側に意識を向けて敬意を払うのか。その心持ちひとつで自分自身の生き方や考え方は大きく変わってくるはずです。

ひとつ質問です。

Aさん「私の話、ちゃんと聞いてる?」
Bさん「大きな声を出さなくたって聞こえてるって」

さて、BさんはAさんの話を聞いているでしょうか。答えは「NO」です。理由はもうおわかりですね。そう「聞こえているけれど、聞いていない」からです。もっと言えば「聴いていない」からです。ここで重要なのは「聞く・聴く」と「聞こえている」とでは、その意味合いが大きく異なるということです。

■「耳を傾ける」と「聞き流す」はどう違うのか

一般的に広く使われる「聞く」は、どちらかというと「音声を情報として受信する」ようなニュアンスです。ただ「聞こえている」になると、事情は少し変わってきます。「聞く」には、まだ積極的な情報収集行動も含まれるのですが、「聞こえている」はお店のBGMのように、自然と耳に音が入ってきているだけ。極端に言えば「鼓膜が振動して音として認識している」に近いニュアンスになります。

こうした姿勢については、英語でも表現が使い分けられています。「きく」を表す単語は主に「listen」と「hear」の2種類ですが、やはりニュアンスには違いがあります。「listen=意思を持って耳を傾ける=聴く」なのに対して、「hear=音や声が自然に耳に入ってくる」なんですね。

ですから、Bさんの言う「聞こえてるよ」では、Aさんの話を真剣に理解しようと耳を傾けていることにはなりません。Aさんの声が耳に入ってきているだけ。悪意的に取れば「聞き流している」というニュアンスになってしまうでしょう。

学生時代、授業で先生の話をボーッと聞いていて、突然指名されたときに答えられず「聞いていませんでした」――そんな経験はありませんか。それも「音声としては聞こえていたけれど、内容を理解していない」状態の一例です。

■積極的な「聴く姿勢」がビジネスでは欠かせない

コミュニケーション、とくにビジネスにおける会話では、相手の話を理解しようと「真摯に積極的に耳を傾ける」という能動的な姿勢が重要なのは言うまでもありません。

伊藤由美『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら』(ワニブックスPLUS新書)
伊藤由美『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら』(ワニブックスPLUS新書)

そのためには、聞こえているは論外として、「聞く」よりももっと積極的に意識を傾けるニュアンスを持つ「聴く」という姿勢を意識することが大切になります。まずは自分の話をするのではなく、相手の言っていることを「聞く」。そこからさらに相手の気持ちや伝えたいことを理解したり、質問したり、共感したり、議論するために、より意識を向けて身を入れて「聴く」。こうした積極的な姿勢が会話による相互理解を深めていくのです。

「人の話を聞いているようで、その実、何も聞いていない」という人がいます。これほど失礼なことはありません。相手の話を、どのような姿勢で「きく」のか。相手の言葉をただの音声情報として耳に入れるのか、その意味するところを理解しようと真剣に向き合うのか。すべては「きく」側の意識の問題です。相手の話には真剣に耳を傾ける。それは会話が上手い下手という以前の、人づき合いの基本マナーです。

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伊藤 由美(いとう・ゆみ)
銀座「クラブ由美」オーナー
東京生まれの名古屋育ち。18歳で単身上京。1983年4月、23歳でオーナーママとして「クラブ由美」を開店。以来、“銀座の超一流クラブ”として政治家や財界人など名だたるVIPたちからの絶大な支持を得て現在に至る。本業の傍ら、「公益社団法人動物環境・福祉協会Eva」の理事として動物愛護活動を続ける。

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(銀座「クラブ由美」オーナー 伊藤 由美)

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