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仕事がデキる人は絶対に口にしない…銀座ママが耳にした途端に顔をしかめる「3文字のフレーズ」

プレジデントオンライン / 2023年4月11日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/scyther5

仕事がデキる人にはどんな共通点があるのか。銀座の高級クラブ「クラブ由美」のオーナー・伊藤由美さんは「仕事がデキる人は総じて『あとで』という言葉を口にしない。『あとで』『今度』が口癖になっている人は、仕事だけでなくプライベートでも先延ばしの常習犯となっているのではないか」という――。(第2回)

※本稿は、伊藤由美『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら』(ワニブックスPLUS新書)の一部を再編集したものです。

■デキる人は「あとで、そのうちに」とは絶対に言わない

私は「あとで」とか「いずれまた、そのうちに」という類の言葉が大嫌いな性格です。だって「あとで」は「今やらない」と同じこと。そう言われると、「あとじゃなくて、今すぐやって」「いずれやるのなら、今やりましょうよ」と思ってしまうのです。

お店で多くのビジネスマンと接してきましたが、仕事がデキる人は総じて「あとで」という言葉を口にしません。『クラブ由美』のお客さまもみなさん、話も決断も、行動も早く、フットワークが軽い方ばかりです。

「今度、○○さんを連れてきて、ママに紹介するよ」という話になると、「じゃあ、いつにしようか。再来週の水曜、会合で一緒だからそのあとはどう?」と、とにかく話が早い。そしてすぐにお相手の方に電話をして、即予定を確認してくださいます。もし先様の都合が悪くても、その場で「だったら何日にしようか」となる。あれよあれよという間に予定が決まっていくのです。

「『またいつか』なんて言ってると絶対に紹介できないから。今、すぐに決めちゃうのが一番いいんだよ」

一事が万事で、こうした姿勢や考え方の人は、仕事の現場でも即断即決、後回しや先延ばしをしないもの。当然、仕事もデキるし周囲からの信頼も厚いはずです。

■「やるやる詐欺」は周囲からの信頼を失う

逆に、「あとで」「今度」が口癖になっている人は、仕事だけでなくプライベートでも先延ばしの常習犯というケースが少なくないでしょう。こうした人に共通する常套句が、「やらないとは言っていない」です。

「今すぐはやらないけれど、あとでならやる」というわけです。でもそういう人に限って、「あと」になってもやはり面倒になって、さらに「またあとで」と再び先延ばしにしてしまいがちです。こうしたことを続けていると、いずれ「やるやる詐欺」などと揶揄(やゆ)され、周囲からアテにされなくなってしまうでしょう。

私自身の話で恐縮ですが、『クラブ由美』を始めて40年、当初から欠かさずに続けてきたことがあります。それは毎朝起きてから、前日お見えになられたお客さまに「手紙」を書くことです。ご来店のお礼とその日の話題や会話の内容に関するひと言を添えて。もちろん自筆です。多いときは1日に10通以上書くことも。

この手紙は私にとって、お客さまへの大切なおもてなしのひとつです。正直言って、毎日深夜に帰宅して、翌朝早く起きて手紙を書くのはかなりハードです。でも、お会いした日から時間をおかずに書いてお送りするからこそ、おもてなしになるのです。

それにその日のうちに書いておかないと、明日にはまた新しいお客さまがお見えになります。今日書けば4枚で済むのが、明日になったら8枚書かなければならなくなる。これでは数日でパンクしてしまいます。だから絶対に「明日にしよう」にしないのです。それは、お客さまへのおもてなしであると同時に、私自身のためでもあるのです。

■「明日やろう」は時間負債を増やしてしまうだけ

今日やるべきことを明日に先延ばしするのは、クレジットで明日の時間を前借りしているようなもの。つまり“時間負債”を抱えることになるわけです。当然、その負債は明日には返済しなければなりません。でもその明日に優先すべき大事な用事があったら、また先延ばしして時間を借りなければならなくなります。

コワーキングスペースで一息つくアジア人ビジネスマン
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

こんなことを繰り返していると時間負債が雪だるまのように膨れてしまい、いざ本当に大事な用事があったとき、それに費やす時間が足りなくなる事態にもなりかねません。間違いなくきっちり返してくれる人はお金を借りられるけれど、ああだこうだ言ってなかなか返してくれない人には誰もお金を貸してくれません。それと同じこと。

「あとでやっておくよ」は、きちんと優先順位を考えた上で、本当にあとで処理するという実績を重ねてきたことで得られる“社会的信用”です。ただ面倒でズルズルと先延ばしばかりしている人がこんなことを言っても、誰も信用してくれないでしょう。昔から「今度とオバケは出たためしがない」と言います。やるならすぐやる。やらないなら「あとでやる」などと言わない。それが人に信用される誠意というものなのです。

■「勝って驕らず、負けて腐らず」を常に意識すべき

ものごとが思いどおりに進めば嬉しくて喜び、思うように進まなければ辛く悔しい。喜怒哀楽のある人間ですから、そう感じるのは当たり前です。

でも、それも程度問題。いいことがあるとすぐに感情を爆発させて大はしゃぎし、かと思えば、些細なことでも落ち込んで目も当てられないほど悲観的になったり――。あまりに感情の落差が激し過ぎるのは、大人として考えものと言わざるを得ません。

「勝って驕らず、負けて腐らず」という言葉があります。いいときに思い上がらず、悪くても不貞腐(ふてく)されるなという意味です。調子がいいときに、「オレは実力がある」とうぬぼれて必要以上に過信すると、そこには必ず落とし穴があります。逆に調子が悪いときに「オレはもうダメだ」と必要以上に自己否定すると、本当にそこでダメになってしまうものなのです。

■細かいことで一喜一憂する人は自分を見失う

『クラブ由美』にはスポーツ界のお客さまもよくお見えになられますが、一流と呼ばれるスポーツ選手は、みな「勝って驕らず、負けて腐らず」の姿勢を貫いているといいます。これはある武道家の方にお聞きしたのですが、「礼に始まり、礼に終わるのが武道。試合に勝った喜びのあまり舞い上がってその礼を怠るようなことがあれば、『武道家としては負け』の烙印を押されてしまう」のだとか。

目の前の勝ち負けに一喜一憂せず、常に平常心を忘れない。勝って兜の緒を締めるが如く、結果に満足せずにさらなる高みを目指し、負けて自らの今の実力を知り、腐らずにさらなる精進に励む。こうした姿勢を持てる者が、本当の意味で「強く」なるのだと。

ストレスのたまった女性
写真=iStock.com/kumikomini
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kumikomini

これはビジネスでも同じです。仕事だっていいときばかりでも、悪いときばかりでもありません。大事なのは、それらにいちいち振り回されたり過剰反応したりしないこと。進行過程における失敗や不都合などに一喜一憂せず、着実に今するべきことを積み重ねることが、最終的な結果へとつながっていくのです。

それに一喜一憂ばかりしていると、人は自分の感情を見失いやすくなります。その場その場で感情を上下させてばかりいると、だんだん自分の感情をコントロールできなくなってくるんですね。

■自分がやるべきことを見つめる冷静さが必要

ちょっといいことがあると、すぐに感情メーターがプラスに思い切り振り切れてしまう。ちょっとよくないことがあると、感情メーターが極限までマイナスに振り戻されてしまう。これでは、冷静になる必要があるときに、なかなかメーターをフラットに停止できなくなってしまいます。

伊藤由美『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら』(ワニブックスPLUS新書)
伊藤由美『銀座のママに「ビジネス哲学」を聞いてみたら』(ワニブックスPLUS新書)

また、一喜一憂ばかりしている人は自分の感情をすぐに周囲に表してしまいがち。状況が変化するたび、すぐ喜んだりすぐ悲しんだり、という理性的ではない感情の起伏が激しい姿を“周囲がどう見るか、どう思うか”という視点も大事になるでしょう。

誤解のないように申し上げますが、決して「喜ぶな」「悔しがるな」と言っているわけではありません。ただ、事あるごとにいちいち浮ついて思い上がったり、うつむいて悲観的になっていたりしたら心も体ももたないでしょう。そして、人が“足元をすくわれる”のは、得てしてそういうときなのです。

ひとつの成功で“我が世の春”のようにのぼせ上がらず、そこからなお反省点を探し出す。ひとつの失敗で“この世の終わり”のように落胆せず、そこから同じ失敗を繰り返さない努力をする。目の前のいい悪いだけに振り回されず、成功からも失敗からも成長や学びを得る。最終的に成功をおさめ、夢や目標を叶えるためには、プロセスに一喜一憂せず、自分がやるべきことを見つめる冷静さが必要だと思うのです。

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伊藤 由美(いとう・ゆみ)
銀座「クラブ由美」オーナー
東京生まれの名古屋育ち。18歳で単身上京。1983年4月、23歳でオーナーママとして「クラブ由美」を開店。以来、“銀座の超一流クラブ”として政治家や財界人など名だたるVIPたちからの絶大な支持を得て現在に至る。本業の傍ら、「公益社団法人動物環境・福祉協会Eva」の理事として動物愛護活動を続ける。

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(銀座「クラブ由美」オーナー 伊藤 由美)

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