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正しくてロジカルだけど周囲が納得しない…「根回しベタな人」でもみるみる企画が通る驚きの提案法

プレジデントオンライン / 2023年4月20日 18時15分

イラストレーション=たなか ようこ

正論を言っても、冷たい印象を与えない人は何が違うのか。法人向け研修会社を営むコンサルタントの安田正さんは「論理力が高いタイプの人は相手の悩み解決に対する関心が大きいせいか、伝え方がおろそかになってしまう。『するしかないよ』ではなく『するといい感じがする』といった具合に、相手の視点に立って言い方を工夫することだ」という――。

※本稿は、安田正『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■いつも冷静で合理的な人が「いい循環」を起こす方法

「論理力」で魅せるために

「論理力」とは、筋道を立てて考え、周囲が納得しやすい形につなげる力のこと。

このタイプの人は、客観的かつ公平に物事を判断できるため、次のような特徴があります。

○ 「情報を整理」して理路整然と伝える
○ どうしたいか、何がやりたいかという「自分の指針」をもっている
○ いつも「冷静」
○ 物事を「合理的」に進める
○ 周囲に「流されない」

こういう特徴がいい形であらわれていると、

○ 込み入った問題もサッと解決できる
○ 人からすんなり信頼を得られる
○ 落ち着いた態度が安心感を与える
○ いざというとき、人に手を貸してもらえる
○ 確実に物事を進めていく

という「いい循環」を巻き起こす、魅力的な存在になります。

いつも冴えている人、感情的になったりあわてたりしない人はみな、「論理力」を上手に活かしているのです。

一方で、この特徴が裏目に出てしまうと、配慮に欠ける冷たい人という印象を周囲に与えかねません。

○ 感情表現に乏しく、とっつきにくい……
○ 自分の言いたいことをズバズバと口にしてしまう……

こういったことに心当たりはありませんか。

「論理力」を活かして、より魅力的で活躍できるようになるにはどうすればいいのでしょうか。

具体的な例をあげながら、見ていきましょう。

■「頭はいいけど、心は冷たい」というレッテルを貼られないために

なんでも合理的に考え過ぎ
悩みを聞いてサッと解決できる
こんなことで悩んでいませんか?
相談に乗るのが苦手

○ 悩みの相談に乗ったのに、なぜかその人との関係がギクシャクしてしまった
○ 「言っていることは正論だけど……」と言われたことがある

「聞かれたから答えたのに、どうして不満に思われるのだろう」「相手が理不尽なのではないか」と、思うかもしれませんね。

しかし、「自分は間違ったことは言っていないわけだし……」とそのままにしていると、

○ 「頭はいい。でも、心は冷たい」というレッテルを貼られる
○ 誤解が解けないまま、関係が冷えていく
○ 周囲からけむたがられる……

といった、悪い事態につながってしまうかもしれません。

変身ポイントは「情報整理能力」

なぜそんなことが起きるのでしょうか。

それは、変身ポイントである「情報整理能力」がマイナスにあらわれているからです。

「情報整理能力」にすぐれた人は、物事の内容を細かく分けて考えることができます。

他人の悩みを聞けば、「これが悩みの本質」「これがその原因」と的確に分けることができ、「こうすれば解決できる」と、素早く正解に到達することができるのです。

ここでの悩みのように、「冷たい」「心ない」と思われやすいといった「情報整理能力」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーにできるのです。

ノートパソコンを片手に歩く男性
写真=iStock.com/kk-istock
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kk-istock

■「~するしかないよ」ではなく、「~するといい感じがする」

「情報整理能力」がマイナスにあらわれると

では、なぜ「冷たい」「心ない」と思われてしまうのでしょうか。

相手の相談を受けてから素早く解決策を提案できること自体は、素晴らしい能力です。

ただ、問題が生じるのは、正解を得たあとです。

相手の悩み解決に対する関心が大きいせいか、「どんな言葉で伝えれば、相手の心に届くのか」といった、伝え方がおろそかになってしまいます。つまり、思ったことをそのまま口にしてしまう傾向があるのです。

相手が相談をもちかけてきたということは、相手はなんらかの悩みや不安を抱えているということ。不安でいっぱいの心は特に繊細で、ちょっとした言い方の違いで傷ついてしまうものです。結果として、正解にズバリいきつく能力が、かえってマイナスに働いてしまうのです。

「情報整理能力」がプラスにあらわれると

ではどうすれば、情報整理能力をプラスの出方にできるのでしょうか。マイナスからプラスへの変身のコツは「相手の視点に立って、言い方を工夫する」ことです。

このような人は、持ち前の「情報整理能力」から、なるべくわかりやすく客観的に物事を伝えようとしてしまいがちです。しかし、時にはぼんやりとした伝え方をするほうが好まれる場合もあります。特にこのような、悩み事の相談など、デリケートな問題に答える場合はそうでしょう。

具体的な言い方としては、「~という理由から失敗したのだと思います」ではなく、「〜だから、うまくいかなかったのかもしれないね」。「~するしかないよ」ではなく、「~するといい感じがする」といった具合です。

まったく同じアドバイスをするにしても、言葉がやわらかくなるだけで、相手の心にもやわらかく届くようになるものです。

■意固地になると、異なる価値観を受け入れるのが難しくなる

根回しするのがうまくない
人からすんなり信頼を得られる
こんなことで悩んでいませんか?

提案しても、すんなりと通らないことがある
相手の反対意見を受け入れられず、話がまとまらない
懸命に説得しても、なかなか首をタテに振ってもらえない

自分の提案が反対にあったことで、つい自分も意固地になってしまい、物事が行き詰まってしまう……といったことはありませんか。こうなれば建設的な議論が望めず、最終的には互いに不満が残ることになってしまいます。

このようなことをくり返していると、

○ 時間をかけて検討したアイデアがムダになってしまう
○ 相手との関係が悪くなり、ますます提案が通りにくくなる……

といった、悪い事態につながってしまうかもしれません。

変身ポイントは「自分の持ち方」

なぜそんなことが起きるのでしょうか。

それは、変身ポイントである「自分の持ち方」がマイナスにあらわれているからです。

自分を持っている人は、「自分はどうしたいのか」という方向性や、「なぜそうしたいと思うのか」という根拠が明確です。

考えることや主張することの一つひとつにきちんと筋道が通っているので、本来であれば、周囲から納得されやすいはずです。

ここでの悩みのように、「意固地になってしまう」といった「自分の持ち方」がマイナスにあらわれていることも、自分にとっての大きなエネルギーにできるのです。

「自分の持ち方」がマイナスにあらわれると

では、なぜ「ついつい意固地になってしまう」のでしょうか。

それは、あまりに自分を強く持ち過ぎると、自分と異なる意見や価値観を受け入れるのが難しくなってしまうからです。

そうなれば、自分の意見は「通るのか」「通らないのか」という、非常に視野の狭い考え方をしてしまうことになります。本来であれば、相手の反対意見も受け入れてよりよい方向を探るといったことも可能なはずです。

もし自分が相手より上の立場にいれば、意見を無理やり押し通すこともできるかもしれません。しかし、逆の立場であれば、そうはいきません。自分の意見は通らず、そのやり方で怒った相手とのギクシャクした関係だけが残ってしまうことになりかねないのです。

■最も自信がある部分を改めて提案して議論する

「自分の持ち方」がプラスにあらわれると

ではどうすれば、自分の持ち方をプラスの出方にすることができるのでしょうか。

反対の意見に対して、それでも自分の意見を全部通そうとするからうまくいかなくなるのです。

安田正『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』(三笠書房)
安田正『できる人は必ず知っている 一流の自分の魅せ方』(三笠書房)

マイナスからプラスへの変身のコツは「全部ではなく、一部だけを議論する」ことです。

そんなとき、次のように言ってみてはどうでしょうか。

「まず、この点だけを議論させてください」
「この部分は、私の提案の方向性ではいかがでしょうか」

ここで、自分の意見の中でも、最も自信がある部分を改めて提案するようにします。こうすることで、次の段階へ進むモードへと移ることができます。こちらが一歩譲歩する構えを見せたぶん、相手も考え直す可能性が出てくることでしょう。

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安田 正(やすだ・ただし)
コンサルタント
株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役。早稲田大学グローバルエデュケーションセンター客員教授。1990年法人向け研修会社パンネーションズ・コンサルティング・グループを起業。現在は英語、ロジカル・コミュニケーション®、プレゼンテーション、対人対応コーチング、交渉などのビジネスコミュニケーションの領域で講師、コンサルタントとして活躍している。『英語は「インド式」で学べ!』(ダイヤモンド社)、『できる人は必ず持っている一流の気くばり力』(三笠書房)、『超一流の雑談力』(文響社)など著書多数。

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(コンサルタント 安田 正)

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