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子供誕生後セックスなし「他の女性とならするの?」と問い詰めた妻が"夫婦関係終わった"と絶望した夫の回答

プレジデントオンライン / 2023年4月26日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Dumitru Ochievschi

離婚する夫婦の前兆に極端な会話の少なさがある。夫婦問題研究家でパートナーシップアドバイザーの岡野あつこさんは「原因は、子供以外のことで夫婦共通の話題がないと気づくパターン、さらに夫婦どちらかの言動に問題があり、相手を無視するケースがあります」という。典型的な冷え切った夫婦関係3ケースを紹介しよう――。
背中合わせで、喧嘩中の男女カップル
写真=iStock.com/kieferpix
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kieferpix

「妻とは話すことがない」
「夫とふたりきりでの会話が続かない」

そんな悩みを抱えている夫婦は少なくない。

原因には2種類ある。ひとつは、「子どもの成長」がキーワードになる場合だ。具体的には、子どもが幼いうちは成長のよろこびを話し合って二人で一喜一憂したものの、大学入学・卒業、就職などにより子育てにひと区切りがつくことで「子ども以外のことで夫婦共通の話題がない」と気づくパターンだ。

一方、パートナーのどちらかが原因のこともある。その場合、夫婦の会話が完全に消滅する前段階で「夫が妻から無視される」あるいは「妻が夫から無視される」というプロセスがあることも多い。たとえば次のようなケースだ。

■CASE1 妻より稼ぎが少ない夫

結婚11年目、小学生の子どもを持つY乃さん(38歳)は夫から無視されていることで悩んでいる。4歳年上の夫は、2年前、コロナ禍の影響で勤務していた飲食店を退職した後、派遣社員として働いている。

現在の住まいは、Y乃さんの実家の敷地内に建ててもらった一軒家。Y乃さんは資格を活かし、フルタイムで会社に行く毎日。

「2年前からは、私が一家の大黒柱のような状態です。仕事と家事を必死にこなしていたところ、いつのまにか夫婦の会話がなくなっていることに気がついたんです」

Y乃さんが「何かがおかしい」と気づいたのは、ある朝、珍しく夫より先に家を出ようと「行ってきます」と夫に告げた時のことだったという。

「明らかに聞こえているはずなのに、『行ってらっしゃい』という返事が夫から返ってこなかった。そのときは急いでいたからそのまま出かけてしまったものの、夜になって帰宅した夫に『お帰りなさい』と声をかけたところ、無言で自室に直行してしまったんです」

部屋から出てきた夫に「機嫌が悪いの? 何かあった?」とたずねたY乃さんに対し、夫の返事は「1カ月前からお前のことを無視しているのに、今まで気づかなかった?」と、ひと言。「え、なんのこと? 私、悪いことした?」と聞いても、ふたたび夫がY乃さんに口を利いてくれることはなかったという。

「1カ月前に何があったのか、まったく記憶になかったので日記を見返してみたんです。すると、そこには家事の分担をめぐって夫と言い合いになったことが書いてありました。『稼ぎが少なくなったのだから、もっと家事を手伝ってほしい』と言ったら無言で部屋を出ていった、と。たしかに言い方に難はありましたが、事実なので……。そんなことくらいで1カ月も怒り続けられるのが不思議です」

■CASE2 デリカシーのない夫

「夫が心から謝罪してくるまで無視し続けるつもりです」と息巻くのはK代さん(40歳)。結婚8年目の2歳年上の夫について、K代さんいわく「もともとデリカシーのカケラもない人」とのこと。

「K代も昔はかわいかった(=今はかわいくないの?)」
「オレは明日も仕事だから先に寝るわ(=私だって仕事があるのに……)」
「オレのほうが料理、うまいよね(=だったら作ってよ!)」

というように、余計なひと言でK代さんはこれまでも夫の言葉に少なからず傷ついてきたという。

先日は、仕事に関することでK代さんに投げかけた夫の言葉にも深く傷ついたK代さんだった。

「基本的には私が毎日の夕食を作ることになっているのですが、その日は急な残業があって帰宅が遅れてしまったんです。夕食の支度を慌ててしたところ、炒め物と焼き魚という2品のおかずをどちらも失敗してしまいました。焦げた料理を食べるなり、夫は『家事もロクにできないのに、ちゃんと働けているの? お前を雇っている会社、大丈夫?』とバカにしたんです。ちょうど今、一年でもっとも仕事が大変な時期ということもあって、私自身、神経が張り詰めていることもたしか。でも、私だって毎日必死で働いて、家事も頑張っているつもりなのに、バカにするなんてあんまりじゃないですか?」

夕食後、お風呂に入っていると悔し涙が出てきたというK代さんは、それでも気持ちを立て直し、翌朝になって「たまったストレスを解消しに、週末はアウトレットに行ってショッピングしない? 最近、ちょっと太ったから新しい洋服も買いたいし」と、夫に週末の過ごし方について明るく笑顔で提案したとのこと。

すると、夫は「なんでまず痩せようとしないわけ? そもそも、そんなだらしない身体で人前に出るのって、恥ずかしくないの?」と冗談めかした言い方ではあったが、K代さんに辛辣(しんらつ)な言葉を浴びせてきたのでした。

「私だって好きで太っているわけじゃないのにひどい……。さすがにもう堪忍袋の緒が切れてしまい、夫とは口を利きたくないし、夫の顔も見たくなくなったんです」というK代さんは、その日を境に夫へのストライキを決行。

「会話をしないことはもちろん、洗濯物を洗うのも食事を作るのも私のものだけ。夫が心から謝って改心するまで、彼はいないものとして暮らすことにしました」

■CASE3 セックスレスを問題視しない夫

現在、離婚すべきかどうかで悩んでいるのは結婚17年目のS美さん(44歳)。1歳年下の夫との間には、中学生の子どもがいる。

「もともと夫は無口なタイプ。子どもが小学校の低学年くらいまでは、夫婦の会話もなんとかあったものの、塾に通うようになって、中学校に進学してからは事務的な話をするだけ。私から話しかけないと、夫は何日でも黙っていられるような人なんです」

それでもS美さんは「積極的に自分から話しかけることで、夫婦関係をよくしなければ」と夫に話しかけていたとのこと。ところが、それも3年前までのことで、今は「夫婦として完全に終わった」という。

大きな理由は「セックスレス」。

「私たち夫婦は、子どもが生まれてから一度もセックスをしていません。私はもうひとりくらい子どもが欲しかったのですが、夫が『ひとりで十分』というので、その意見を尊重しました。でも、子どもをつくらないのとセックスレスとは別の話。私は夫と定期的にセックスをするような円満な夫婦関係を望んでいたし、『私以外の女性とならできるの?』『もう一生、セックスをしないの?』などと本気で悩んでいたんです」

悩みに悩んだS美さんが出した結論は、「セックスについて夫ときちんと話し合う」ということだった。

「私の思っていることを率直に伝え、彼の本音も聞かせてほしいと思ったんです」

そんなS美さんの胸の内に対し、夫の返答はじつにそっけないものだったという。

「『そういうの、もうやめにしないか。S美は家族だから、もうそういうことはオレにはできそうにないんだ。たかがセックスのことでそんなに深刻になるなんて、ちょっと恥ずかしいよ。S美はそんなにしたいの?(笑)』とはぐらかされてしまったんです」

S美さんは恥ずかしさと悲しさで絶望したという。

「もう用事がない限り、私から夫に話しかけることもないでしょう。夫にセックスを期待するのは無理だとわかったものの、それだけじゃないんです。妻の要望を聞き入れようとしない夫と、このまま夫婦としてやっていくことができるのかどうか。私には自信がありません」

現在、S美さんは夫とは同居を続けているものの「透明人間として扱っている」。

「私が無視していることに、いつ夫は気づくのか。そして、なぜ無視しているのかを考えてくれるのかどうか……。場合によっては、離婚を考えるタイミングなのかもしれないと思っています」

■パートナーを無視する人の3つの感情

「夫が妻から無視される」あるいは「妻が夫から無視される」という場合、そのいきさつはそれぞれの夫婦間で異なるものだが、「無視する側」の感情として代表的なのは、私の経験上、次の3つであることが多い。

「自分のプライドが許さない」
「相手が謝ってくれるのを待っている」
「相手を困らせたい」

いずれも「自分はこんなにつらい思いをしているのに、なぜ相手は理解してくれないのだろう」という思いが通底している。

ただ、注意しなければならないのは、はじめは「ちょっと無視してみよう」という軽い気持ちで仕掛けたことでも、会話のない時間が長くなっていくにつれ、埋まらないほど大きな溝が生じてしまうケースもあるということだ。コミュニケーション不足は離婚の危機をも招きかねない。

互いに背を向けている男女
写真=iStock.com/kieferpix
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kieferpix

もしもそこに「夫婦関係を改善したい」「自分の本当の気持ちを理解してほしい」と願う気持ちがあるなら、無視する側はただちに態度を改めたほうが得策だし、無視される側は「一度振り上げた拳を下ろせなくなっている」相手の心情を察して自分のほうから歩み寄る寛大さを見せる必要があるのも事実。もっとも優先すべき事項は何かを考え、自分がとる言動を選択すべきだろう。

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岡野 あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー
夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに32年間、38000件以上の相談を受け、2200人以上の離婚カウンセラーを創出『離婚カウンセラーになる方法』(ごきげんビジネス出版)。近著は夫婦の修復のヒントとなる『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)。著書多数。

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(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー 岡野 あつこ)

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