溝に落ちた一円玉でも迷わず拾えるか…「本当のお金持ち」が共通して大事にするシンプルな4つの法則
プレジデントオンライン / 2023年4月28日 17時15分
※本稿は、池本克之『「それでも稼ぐ人」33のルール 景気も、環境も、学歴も、年齢も、この人には関係ない』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
■お金に嫌われる行為をしない「本当のお金持ち」の正体
みなさんがイメージする「金持ち」は、どういう人たちでしょうか。
都心の一等地に豪邸をかまえている。
高級ブランドを身につけている。
一流のレストランや料亭で食事をする。
移動は飛行機ならファーストクラス、電車ならグリーン車。
日々の通勤・移動は運転手付きの車。
多くのお付きの人を従えている。
行く先々でVIP待遇を受ける。
銀行マンや証券マン、デパートの外商などを手下のように使っている。
札束で頬を張るような振る舞いをする。
……そんなところでしょうか。
いまの時代は、さまざまなメディアを通して、
「高級車を買いました」
「高級ブランドの服を買いました」
「五つ星ホテルに泊まりました」
「フランスの三つ星レストランで食事をしました」
といった自身の金持ちぶりを露出する人がいます。そんな自慢げに見せびらかす振る舞いから、金持ちのイメージが形成されているといっていいでしょう。
しかしそういう人たちは、本当の金持ちではないと、私は踏んでいます。
なぜなら、彼ら、彼女らがやっていることは、お金に嫌われる行為でしかないからです。
ちょっとお金の気持ちになって、考えてみてください。
自分が見栄を張るために利用されて、いい気持ちがすると思いますか? なんだか金持ちの人身御供にされるようではありませんか。
だから“金持ちぶる金持ち”は、お金に嫌われます。早晩、身を持ち崩す確率がかなり高いと思いますね。
■人知れず大金を動かし経済の活性化に貢献
では「本当の金持ち」とは、どういう人たちか。
私が知っているなかで一番の資産家の方を見ていて思うのは、メディアなどで調べても、その存在をほとんど見つけられないことです。
ましてや、彼がどんなふうにお金を使っているかなど、一般の目にはまったく触れることがありません。
もちろん個人総資産が数百億円ともいわれる方ですから、使うべきところでは豪快に大金を使っています。
たとえば、彼は都内にある高級ホテルのスイートルームを、年間契約で借りっぱなし。所有する車5台は全部ベンツ。衣食住、旅行、仕事、趣味などで利用するサービスはすべて最上位クラス……。「普通の金持ち」とは次元が違います。
でもこういった日常を、わざわざSNSやテレビを通して発信し、不特定多数の人に「どうだ」「すごいだろう」と、いいふらすことはありません。
周囲の目に見えないところで、大きなお金を動かすことで経済の活性化に大きく貢献している、という見方もできます。
「陰徳」といいますか、人に知られないように善行を重ねる、そんな謙虚さがあるからこそ、よい報いが確実に現れるのかもしれません。それは“お金冥利”に尽きる使われ方でもあるのです。
■なぜ金持ちは「一円玉」でも拾うのか
そんなふうに「本当の金持ち」というのは、人知れず大金を動かしているのですが、落ちていたら一円玉だって拾います。溝にはまっていたら、一生懸命ほじくり出すでしょう。
実際、私は、本当の金持ちのそのような姿を何度か目撃しています。
彼らはそもそも落ちているお金や、落としたお金を絶対に見逃さない。
執着とは違います。なんというか、お金に対する「一途さ」「たくましさ」があるのです。
なぜ、「本当の金持ち」はお金を持っていることを見せびらかそうとしないのでしょうか。
彼らは例外なく、最低でも一回はお金で大きな失敗をしているものです。それでも努力や工夫をして資産を形成していった、そんな経験があるからお金のありがたみが身にしみているのです。
また一方で、お金にまつわる人のいやらしさ、汚さ、醜さのようなものもよくわかっています。だから周囲の反感を買うような目立った行動を慎みます。
そして、
「お金というのは増えるときはジワジワだけれど、減るときは一気にドカンと来る」
ということがわかっています。
日本のバブル崩壊もそうですし、アメリカのリーマンショックもそう。だからこそ、「本当の金持ち」は、多少儲かっても派手に振る舞うことなく、常に慎重な姿勢を崩さないのです。このことは、「それでも稼ぐ人」を目指すみなさんにもぜひ実践してほしいと思います。
■身銭を切って奢るからこそ、お金に好かれる
「本当の金持ち」は、お金を衆目にさらすことなくきれいに使い、お金たちの活動が活性化するようにサポートし、しかも金額に関係なくお金を大事にする――。
だからお金に好かれる、ということです。
ちょっと儲かると、羽振りのいいところを見せびらかしたくなる気持ちはわかりますが、それはお金に嫌われる行為であることを知っておきましょう。「それでも稼ぐ人」になる日に備えて。
もっとも「羽振りのいいところを見せる」ことのすべてが悪いとは思いません。不特定多数の人に見せびらかすのではなく、たとえばプロジェクトがうまくいった打ち上げなどで、
「みんな、本当によく頑張ってくれた。今日は俺が持つ。好きなだけ飲んでくれ、食べてくれ。楽しくやろう」
といって、大盤振る舞いをする。そういうのはいいですね。
やる以上は、会計のときに「領収書、日付なしで、三枚に分けてね」なんて、経費で落とすことがバレバレのことをしてはいけません。身銭を切って奢るからこそ、お金だってそれを意気に感じて、応援してくれるのです。
また予想以上に高くついたからといって、「やっぱり会費制にしよう」とか「一人○千円だけ払ってくれ」などと、前言を翻してはいけません。
こういうことをする人は、けっこう多いのです。これでは、すべてが台なし。お金だって、メンツ丸つぶれです。「お金は潔く使う」ことをモットーとしましょう。
■「お金が集まってくる人」のシンプルな法則
もうおわかりのように、お金はどういう人が好きで、どういう人を嫌って敬遠するのか――「お金の意思」を思いやって行動することは、じつはお金を稼ぐうえでの重要なポイントになります。
そう難しいことではありません。お金というのはけっこうシンプルで“わかりやすいヤツ”なのです。いくつか特徴的なことをあげてみましょう。
①お金は無駄遣いされることを嫌う
たとえば欲しくもないのに、見栄を張りたいがために高級品を買ったり、安いからと不要品を爆買いしたりすると、お金は雑に扱われたような気持ちになります。
②お金は感謝されると、とても喜ぶ
たとえば買い物や食事などを楽しみ、支払いのときに、お札やクレジットカードに向かって、
「ありがたい、今日はこのお金のおかげで、おいしいご馳走をみんなに振る舞い、喜んでもらうことができた。僕のお財布からお店のレジのほうに行ってしまうけど、今日のことは忘れないよ。本当にありがとう」
というような気持ちを込める。そうすると、お金は自分の働きを誇らしく感じて、気持ちがよくなるのです。
そして出ていったお金は、いずれ親戚一同、友人・知人らをたくさん引き連れて戻ってきてくれるでしょう。「前に僕を預かってくれた人、すごくいい人なんだよ、みんなで遊びに行こう」という感じです。
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③お金は金庫やタンスの引き出しに溜め込まれることを嫌う
そりゃあそうです、せっかく活動するために印刷されて社会デビューを果たしたのに、狭いところにギシギシに詰め込まれるなど、イヤに決まっています。
お金は“引きこもり”など望んでいません。それよりも、どんどん外に出て、いろいろなところを自由に飛び回りたいのです。
自由放任主義といいますか、お金は好き勝手に行動させてくれる人が大好きなのです。ましてや近年は、銀行に預けられても、利子という名の仲間はほとんど増えません。それはとても寂しいこと。お金としては、株式市場などでバンバン売り買いされるなど、活気ある環境を好むと思います。
■「お金には意思がある」という感覚
④お金はぞんざいに扱われることを嫌う
くしゃくしゃにして財布にしまわれたり、汚れた手で触られたり、破られたり、濡らされたり、落とされたり……。
そんなふうに扱われると、お金は自信を失い、自己肯定感が低下します。
“お金仲間”からも嫌われて、誰も寄りつきませんしね。
人間と同じでお金だって、やさしく、丁寧に接してくれる人が好きです。その人のためなら利殖に励もう、という気にもなるはずです。
![池本克之『「それでも稼ぐ人」33のルール 景気も、環境も、学歴も、年齢も、この人には関係ない』(三笠書房)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/5/9/1200wm/img_59aa2ce63d844529124e6c65cae1f4d2146170.jpg)
このほか、お金は「世のため人のためにお金を稼ぎ、使う人」が好きで、「がめつい人」や「他人を蹴落としたり、だましたりしてお金を儲けようとする人」「借金をする人」「借金を返さない人」などが大嫌いです。
どうでしょうか。バカバカしいと思うでしょうか?
しかし、金持ちというのは、例外なく「お金には意思がある」という感覚を持っています。表現や言い回しは違っても、そのようなことをみな口にします。
「お金には意思がある」と考え、お金と真摯(しんし)に向き合う――。
そういう人のところにお金は集まってくるのです。
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組織学習経営コンサルタント
株式会社パジャ・ポス代表取締役、NPO法人Are You Happy? Japan 代表理事。1965年神戸市生まれ。日本大学卒業後、金融会社を経て、ソニー生命保険に入社。わずか2年で「全国トップ20」の成績をあげる。その後、マーケティング会社、通販会社の経営を経て、ドクターシーラボ、ネットプライスなどの社長を務める。年商3億円の企業をわずか4年で120億円にするなど、さまざまな企業の上場、成長に貢献し「成長請負人」と呼ばれる。現在は数社の社外取締役を務めつつ、コンサルタントとして一部上場企業からベンチャー企業まで200社以上を指導。
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(組織学習経営コンサルタント 池本 克之)
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