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いきなり「以下の日程でどうでしょうか?」というメールは絶対NG…効率を求めて失礼になるメールの文面

プレジデントオンライン / 2023年5月8日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ijeab

メールの返信がない人には、どう促せばいいのか。営業研修トレーナーの伊庭正康さんは「相手の瑕疵を指摘するのではなく、『自分にも落ち度があったかもしれない』というニュアンスを込めることが大切だ。気持ちよく仕事をしてもらうための気遣いがあれば、人間関係が円滑になる」という――。

※本稿は、伊庭正康『ビジネスにそのまま使える! 1分で送る「感じのいい」メール』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■「~していただけるとありがたいです」はNG

メールで相手にお願いごとをするときに「~してください」という言い方をする人がいますが、これはかなり命令口調な表現のため、文面にすると偉そうな印象を相手に与えかねません。こうした場合には、次のようにちょっと工夫をした言い回しに変えてみましょう。

「~していただけると助かります」
「~していただけると幸いです」
「~していただいてもよろしいでしょうか」

こうするだけで、伝えたい内容は同じだとしても、丁寧な言い回しとなり、相手が抱く印象はまったく変わってきます。

ただし、「~していただけるとありがたいです」という言い回しは使わないようにしてください。「ください」の命令口調を避けようとして「ありがたい」を使っているのでしょうが、やや上から目線で言われているように受け取られかねません。

■クッション言葉でぶしつけ感をやわらげる

お願いごとをする場合には、そのまま伝えると単刀直入な印象を与えるおそれがあります。こうしたぶしつけ感をなくすには、本題の前置きとなる“クッション言葉”が効果的です。

・クッション言葉「お忙しいところ~」を使う文例

「お忙しいところ、勝手を申しますが」
「お忙しいところ、恐縮でございますが」

・クッション言葉「お手数」を使う文例

「お手数をおかけしますが」
「お手数をおかけして大変恐縮でございますが」

こうしたクッション言葉をうまく使えないと、相手にやや乱暴な印象を与えることにもなりかねません。

■断る場合は「不可抗力」と「気持ち」を伝える

反対に、相手からお願いごとをされて断る場合には、次のような淡白な印象を与える文面は避けたいところです。

「せっかくでございますが、その日は都合がつかず、欠席でお願いします」

上記の文面は次のように変えてみましょう。

「せっかくでございますが、その日はスケジュールの変更が難しく、誠に勝手ながら、欠席とさせていただきたく存じます。私のほうでできることがあれば、お気軽におっしゃってくださいませ」

これなら、断る理由が明確で、「どうしても参加できない」という不可抗力による欠席であることが伝わるし、さらには「何かできることがあれば~」という協力の申し出までしているので、相手に寄り添っている印象を与えることができます。断る際には「不可抗力」と「気持ち」をしっかり伝えるようにしてください。

男のジェスチャー停止
写真=iStock.com/ediebloom
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ediebloom

■相手のミスを伝える場合には「責めの言葉」を使わない

相手の落ち度を指摘する場合の言い回しについても考えてみましょう。よくやってしまうのが、下記のような言い方です。

「お見積もりはまだでしょうか」
「ご返信がまだのようです」

確かに相手に瑕疵があるのでしょうが、こうした言い方では相手の心証が悪くなり、今後の仕事に支障が生じかねません。

このようなことを指摘したいなら、下記のように「自分側にも落ち度があったのかも」「念のため確認させてほしい」といったニュアンスを込めるようにしてください。

「~とおっしゃっていましたが、メールの確認がとれておらず、失礼いたしました。もしお送りいただいているようでしたら、ご容赦ください」
「その後、ご状況はいかがでしょうか」

メールが苦手な人にありがちなのが、相手に気持ちよく仕事をしてもらおうという気遣いのある言い回しが抜け落ちていることです。指摘する際は、アグレッシブに攻撃している感じをなるべく出さず、人間関係が円滑に進むよう努めてください。

■納期を伝えるときに「なるべく早く」はNG

仕事には納期や締切がつきものですが、これらを伝えるときは、「すぐに」「急いで」「なるべく早く」のようなあいまいな言い回しは避けるようにしてください。時間の感覚は人によって異なっています。上記の言い回しで、「今日中」と思う人もいれば、「明日まで」または「今週末まで」ととらえる人もいるでしょう。納期や締切は「○月○日( )まで」といったように具体的に設定してください。

また、設定した日にちの時間まで提示しないと、指定日の就業時間後に納品する会社や人がいるかもしれません。そうならないよう「○時まで」と指定したくなりますが、時間指定すると、相手に「細かい人だ」と思われるおそれがあります。緊急の要件ではない場合、時間まで指定してくるような人はほとんどいないでしょう。

万全な対応のために納期や締切にバッファ(余裕)を持たせるようにしましょう。前倒しのスケジュールとなる前日や前々日の日にちを伝えるのです。その日の夜遅くに納品されたとしても、実際の納期まではまだ余裕があるので、焦ることなく対応できるでしょう。

■打ち合わせが了承されてから日程調整を申し出る

メールで日程調整の相談をすることは多いですが、まだ面談の了承を得ていない段階で、いきなり日程の候補日を送りつけるのは絶対にNGです。とくに新規営業のメールを送るときに、まだ人間関係がしっかり構築できていないのに面談の候補日を提示すると、かなり図々しい印象を相手に与えてしまいます。

伊庭正康『ビジネスにそのまま使える!1分で送る「感じのいい」メール』(KADOKAWA)
伊庭正康『ビジネスにそのまま使える!1分で送る「感じのいい」メール』(KADOKAWA)

まずは、「お打ち合わせのお時間をいただくことは可能でしょうか」と相手に投げかけるようにしてください。

そこで了承を得たら、ようやく日程調整に進むことができます。

省略せずに、きちんとステップを踏むようにしましょう。

ちなみに私は日程調整の候補日を記入する場合、「以下の日程でご都合いかがでしょうかメーカー」というウェブサイトを使っています。

このサイトでは左側にカレンダーと時間が表示されています。

候補となる日にちと時間帯をそれぞれクリックするだけで、下記のように候補日を作成できる優れモノ。

○月○日(水)10:00~11:00
○月○日(木)14:00~15:00
○月○日(木)13:00~13:30

手間を省けるだけではなく、曜日の間違いも防げますので、一石二鳥です。

■依頼内容は箇条書きでわかりやすく表記する

それでは、「感じのいい」メールの文面をご紹介していきます。テンプレートとして使用できそうな文面を見つけたら、自分用にカスタマイズして使ってみてください。

●感じのいい修正依頼

件名:~の修正のお願い
○○株式会社
○○様

お世話になっております。
○○株式会社の○○でございます。

昨日頂戴した~の件についてご連絡差し上げました。
~という理由で、2点修正する必要がございます。

お手数ですが、ご対応願えますでしょうか。

【修正箇所】

1「□□」と記載の箇所をすべて「○○」に変更
2「××」のマークを削除

○月○日(◯)までにお送りいただけましたら幸いでございます。

お忙しいところ、大変恐縮でございますが、
何卒よろしくお願い申し上げます。

Point.1
修正箇所が複数ある場合は、箇条書きで見やすく。
Point.2
忘れずに締切を伝える。

■間違いの指摘は断定ではなく推量表現に

【NG表現】

×~までに修正をお願いしたいです

「~たい」は自分軸になり、自分のことしか考えていないような言い回しになります。相手のことを考えての文面を心がけましょう。

【OK表現】

・急な修正を依頼する場合
◯ このタイミングでのお願いで大変恐縮です

こちらの都合で急な依頼をすることになったのであれば、相手から責められる前に謝っておきましょう。

・修正を急いでほしい場合
◯ こちらの都合で大変恐縮ですが、締切が迫っておりまして、修正は明日中にお願いできますと幸いでございます

急ぎの依頼で申し訳ない気持ちを示しつつも、期限はしっかり伝えましょう。

・相手がミスをしていた場合
◯ 確認をしたところ、~が違っているようです。念のため、確認をお願いしてもよろしいでしょうか。お忙しいところ、恐縮でございます

「違っています」と断定せず、「違っているようです」と推量表現にしましょう。また、「お忙しいところ、恐縮です」と付け加えるとベター。

・修正の代替案について相談する場合
◯ こちらでも頂戴した箇所の修正を進めておりましたが、~といった誤解を生む可能性もあり、代替案として~のようにさせていただくのはいかがでしょうか

「そのような修正をすると、誤解を与えますので」と表現するより、可能性の示唆にとどめたうえで、代替案を示すのがいいでしょう。

■幅を持たせた期日をどう表現するか

●確認を上手にお願いする

件名:~のご確認のお願い
○○株式会社
○○様

お世話になっております。
○○株式会社の○○でございます。

~の件につきまして、ご連絡をいたしました。
試供品は明日着で御社宛に郵送の手配をいたしました。
到着後、ご確認いただきたく存じておりますが
とくに~を重点的にチェックしていただければ幸いでございます。
来週末までにご返事をいただくことは可能でしょうか。

お手数をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。

Point.1
ボリュームが大きい場合は、とくにどこを確認してほしいかを具体的に。
Point.2
幅を持たせた期日を伝える場合は「今週中」「来週末」などの表現に。

■「もしサポートできることがあれば」の言外の意味

【NG表現】

× ~までに返事をいただけますか
丁寧な聞き方をしていますが、命令形になっているので失礼に当たります。

【OK表現】

・確認期間が短い場合
◯ 日数がなく、誠に恐縮でございますが

一般的に1週間以内の締切となることは失礼にあたります。お詫びの気持ちは忘れずに添えるようにしましょう。

・迅速に確認してもらった場合
◯ 迅速なご対応、誠にありがとうございました
・締切へのプレッシャーをかけたい場合
◯ もし、私のほうで何かサポートできることがあれば、おっしゃってくださいませ

表面的にはサポートしたい旨を述べていますが、このように伝えることで、言外に「納期までにチェックをお願いします」というプレッシャーもかけられます。

・納期を守れそうにない場合
◯ 最善を尽くしますが、~という状況がありまして、数日ほど遅れてしまう可能性がございます

「最善を尽くす」という意気込みを示しながらも、理由とセットで納期に間に合わないかもしれない旨も伝えるようにしましょう。

・相談したい場合
◯ 確認をいたしました。1点、ご相談をさせてくださいませ。と言いますのも……

「~していただいていいですか?」と伝えると、相手の善意の提案を無下にしてしまうこともあるので、相談のスタイルがベター。

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伊庭 正康(いば・まさやす)
らしさラボ代表
1991年、リクルートグループ入社。リクルート社営業部長、フロムエーキャリア代表取締役を歴任後、2011年にらしさラボを設立。YouTubeチャンネルでも営業のノウハウを配信中。近著に『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』(日本実業出版社)がある。

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(らしさラボ代表 伊庭 正康)

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