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「ポイントカードは今すぐ捨てなさい」経営コンサルが語る賃金が上がらない時代に絶対やってはいけないこと

プレジデントオンライン / 2023年4月29日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/andresr

これからの時代に稼ぐ人はお金についてどんな考え方をしているか。経営コンサルタントの池本克之さんは「一見お得の世の中の罠から抜け出せるかだ。勧誘されるままにポイントカードをつくり、ポイントを貯めることが目的化してしまうと、本来の目的であるはずの節約からは遠ざかってしまう」という――。

※本稿は、池本克之『「それでも稼ぐ人」33のルール 景気も、環境も、学歴も、年齢も、この人には関係ない』(三笠書房)の一部を再編集したものです。

■お金への「負い目」が生まれると悩みにつながる

ふと「お金ってなんだろう?」と考えると、不思議な気持ちになります。

人はお金があるところに集まり、ないところからは去っていきます。

お金があると心穏やかに暮らせるけれど、ないと将来がとても不安になります。

お金があれば人の心は和らぎ、お金がないとざわつきます。

お金にはやっかいな問題がつきまとうけれど、それを補ってあまりあるいい面がある。だからこそ人は、お金に執着するのかもしれません。

そこで執着の視点から、「借金」について考えてみましょう。

お金を借りる人は、何かをするためのお金が不足しているから、お金を欲しがります。自分の財布が空っぽなら、人や金融機関から借りるしかありません。

「ないなら、ないなりに、なんとか凌ごう」

と思わないところが、お金への執着です。

また「なんとか返済せずに、踏み倒そう」と思うとしたら、それもまた返済という形で出ていくお金に対する執着にほかなりません。

よしんば返済から逃れられたとしても、「ラッキー!」と喜ぶ気持ちとは裏腹に、そのあとずっと、貸してくれた相手に対する「負い目」のようなものに悩まされることになります。

平気な人もいるかもしれませんが、でもやっぱりどこかで良心の痛みのようなものは感じるでしょう。

■お金への執着は仕事のパフォーマンスを下げる

一方、お金を貸した人は、金額の多寡にかかわらず、いつまでも覚えています。催促をしなくても、ふと貸した相手のことを思い出したり、顔を合わせたりするたびに、心のなかでいっています。

「あのとき貸したお金、いつ返してくれるんだろう」とか、「いい加減、貸した金、返せよ」とか。

なぜ忘れないかというと、財布から出ていったお金に対して執着があるからです。それが強すぎると、相手を憎むようになる場合もあります。あるいは四六時中、貸したお金のことが頭から離れなくなります。

しかもやっとの思いで催促しても、のらりくらりと逃げられると、なおさら貸したお金への執着が強まりますよね。

このように、お金を借りたほうも、貸したほうも、結局はお金への執着に縛られることになります。

それによって一番困るのは、

「仕事のパフォーマンスが下がる」

ということです。頭のなかを余計な考えが去来するために、どうしたって集中力が落ちてしまうのです。

よく「お金の貸し借りは人間関係を悪化させる」といわれますが、それだけではありません。じつは仕事の実績に悪影響をおよぼすという、もっと深刻な事態を招きかねないのです。

だからお金の貸し借りは、しないのがベストです。とくに「友人・知人に借りる」という選択肢はないと心得てください。借りるなら、金融機関で正規の手続きを踏むことです。

「借りたお金を返さなければ、我が身が破滅する」というところまで追い込んでおけば、少なくとも借金を踏み倒すという人の道を踏み外す心配はなくなります。

あと、どうしても貸さざるを得ないとき、貸してあげたい気持ちの強いときは、あげてしまいましょう。

そして、「いま、都合できるお金はこれだけだ。返済は不要、差し上げる」と宣言すれば貸した金への執着を捨てられるはずです。

■節約を考えるのは、50歳を過ぎてからでいい

給料の上がらない時代です。

目標を決めて3年、5年と頑張っても、思うように上がらない場合もあるでしょう。というより、上がらないことのほうが多いかもしれません。

そうなると、どうしても「節約せねば」という気持ちが首をもたげてきますよね。

その考え方は間違っていないし、稼ぎが少ないのに無駄遣いするのはまったく感心しません。

しかし無駄遣いのお金以外で、さらに節約を考えるのは、50歳を過ぎてからでも遅くはないでしょう。

若いうちは節約よりも、3000円を3万円、30万円にするにはどう運用すればいいか、その方法を覚えることのほうが大事です。

ただし運用に当たっては、株式投資にしろ、投資信託にしろ、先物取引にしろ、勉強と経験が必要です。ある程度の失敗は「想定内」としましょう。

もちろん、運用をはじめて一発目で“大きく化ける商品”が見つかることもないとは言い切れません。また、うまくいく方法を見つけてから、運用に動き出そうと考える人もいるでしょう。

しかし偶然に期待したり、リスクを引き受けられなかったりするのは単なるギャンブルであり、そんな運用のやり方は邪道です。

そもそもラクして稼ごうだなんて、魂胆が気に入らない。まず少額でいろいろな手法にトライしながら、うまくいく方法を見つけるのが王道です。

とくに若いみなさんには、「大吉が出るまで、おみくじを振り続ける」感覚で、多種多彩な運用手法にチャレンジすることをおすすめします。

おみくじをくくる手元
写真=iStock.com/gyro
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/gyro

■“小銭”を銀行に預けるな

もう1つ大事なのは、百歩譲ってチマチマ節約するのはよしとしても、貯まったお金をそのまま銀行に預けてはいけません。運用の種銭にするのが、お金を増やすための正しい方法です。

いまは定期預金の金利など、ないも同然です。また小銭を貯め込んでも、両替に手数料がかかる時代です。

たとえば、ゆうちょ銀行の窓口では、硬貨の種類を問わず、51枚から枚数に応じた手数料が取られます。

100円玉を100個集めて1万円分持ち込んだとしたら、手数料が550円。この額は、預けたときの金利を大きく上回る5%に相当します。

一円玉にいたっては、100円貯めて550円の手数料と、“持ち出し”になるのですから、バカらしいこと、このうえない話です。

そういったことも含めて、お金は「貯めて増やす」より「運用して増やす」ことを考える。それが、この給料の上がらない時代に「それでも稼ぐ人」に絶対的に必要な思考といえます。

■「いまならポイント倍!」の落とし穴

いまはポイントカードが花盛りです。

どこもかしこも、

「いまならポイント5倍サービス」
「ご購入で最大1万ポイントが当たるキャンペーン実施中」
「いつでも1ポイントから利用できます」

など、顧客の囲い込みに躍起になっています。

勧誘されるままにポイントカードをつくって、財布をパンパンにしている人もいれば、アプリ会員に登録して、スマホの画面がアプリのアイコンだらけになっている人もいます。

ポイントを貯めて、割引の恩恵を最大限受けながら、生活費の節約に結びつける。そのこと自体を悪いとまではいいません。でも「大事なことを忘れていませんか?」と問いたいのです。

そもそもポイントが貯まったと喜んでいますが、その分だけ出費があった、ということです。別のところで割引してもらうのは、それほど大事なことでしょうか。ポイントが貯まらなくても、出費がゼロなら、そちらのほうが節約になるのではないでしょうか。

また「○倍ポイント」なんて宣伝につられて、必要のないモノを買ったり、いつもより高額なサービスを利用したりしがちです。節約と逆行する結果になってしまうことも多々あるでしょう。

池本克之『「それでも稼ぐ人」33のルール 景気も、環境も、学歴も、年齢も、この人には関係ない』(三笠書房)
池本克之『「それでも稼ぐ人」33のルール 景気も、環境も、学歴も、年齢も、この人には関係ない』(三笠書房)

さらにポイント狙いが高じると、わざわざ遠くの店に出かけたり、期間限定とかタイムサービスの“縛り”があるために時間を無駄遣いしたりするでしょう。自分の人件費と交通費を考えたら、コスパが悪いと思いませんか?

ようするに「ポイントを貯める」ことが目的化してしまうと、本来の目的であるはずの節約から遠ざかってしまう、ということ。本末転倒です。

みなさんのように、これからの時代に「それでも稼ぐ人」を目指す人が、ポイントをコツコツ貯めてどうするんですか。「よっしゃー、1000ポイント達成。1%引きだ」と小さくガッツポーズをする、そんな姿は似合いません。

ポイントカードの利用は「高額なモノ・サービスの購入」に限って、あとはいますぐ捨ててしまいなさい――。それが私からのアドバイスです。

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池本 克之(いけもと・かつゆき)
組織学習経営コンサルタント
株式会社パジャ・ポス代表取締役、NPO法人Are You Happy? Japan 代表理事。1965年神戸市生まれ。日本大学卒業後、金融会社を経て、ソニー生命保険に入社。わずか2年で「全国トップ20」の成績をあげる。その後、マーケティング会社、通販会社の経営を経て、ドクターシーラボ、ネットプライスなどの社長を務める。年商3億円の企業をわずか4年で120億円にするなど、さまざまな企業の上場、成長に貢献し「成長請負人」と呼ばれる。現在は数社の社外取締役を務めつつ、コンサルタントとして一部上場企業からベンチャー企業まで200社以上を指導。

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(組織学習経営コンサルタント 池本 克之)

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