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文末が「よろしくお願いいたします」ではもったいない…メール達人が多用する"キラーフレーズ3選"

プレジデントオンライン / 2023年5月10日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Likoper

メールの文末にはどんな言葉を書けばいいのか。営業研修トレーナーの伊庭正康さんは「『よろしくお願いいたします』の前に、こちらの感情が伝わる決めゼリフを挟むと相手の印象に残る。使えるフレーズを複数持っておくといい」という――。

※本稿は、伊庭正康『ビジネスにそのまま使える! 1分で送る「感じのいい」メール』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■軽くあしらわれるのを防ぐ「平素は格別のお引き立て」

メールの書き出しの「お世話になっております」という名乗りフレーズは定番中の定番です。これらは最初に必ず入れるようにしましょう。基本的にはこれでほぼ間違いはありませんが、相手との関係性に応じて使い分けられるようになると、一目置かれるメールとなります。

たとえば、初対面や目上の人が相手なら、「お世話になっております」という名乗りに続けて、次のような文面を入れるとよいでしょう。

「突然のメールで失礼いたします。御社のHPを拝見し、はじめてメールを差し上げました」「~様からのご紹介でメールを送らせていただきました」

「日頃から~をご利用いただき、誠にありがとうございます」

相手が役職者などの場合には、「平素は格別のお引き立てをいただき、ありがとうございます」といったように、もう少し堅めの文面でもよいでしょう。こうした文面が書けると、軽くあしらわれにくくなります。

■「早速のご返信ありがとうございます」がふさわしい場面

久しぶりの相手であれば「ご無沙汰しております」「その後、いかがおすごしでしょうか」、メールを何回も送る場合には「立て続けのご連絡で失礼いたします」といった文面を入れてください。

ちなみに社内の同僚などが相手であれば、シンプルに「お疲れ様です」のみで十分です。

なお、相手からの返信を受けての場合には、「お世話になっております」という名乗りに続けて、「ご返信ありがとうございます」といった文面を入れるのが基本ですが、メール対応が早かった場合には「早速のご返信ありがとうございます」といった文面も使うといいでしょう。

■「よろしくお願いいたします」を使いこなす派生フレーズ

結びについては「よろしくお願いいたします」が基本フレーズですが、最後のフレーズは極めて重要です。最後の印象こそが、この先も印象として残る心理効果(親近効果)があるからです。

業務連絡で丁寧に伝えるなら、下記のように言葉を付け足します。

「どうぞ、よろしくお願い申し上げます」
「何卒、よろしくお願い申し上げます」

取引先との仕事が継続中であれば、

「引き続き、よろしくお願い申し上げます」

さらなる協力を求めたいなら、

「今後とも、お力添えのほど、よろしくお願い申し上げます」

ちょっと難儀な依頼をしたのであれば、

「勝手なお願いで大変恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます」

確認事項を伝えたのであれば、

「ご確認のほどよろしくお願いいたします」

返事を求める場合には、

「お手数ですが、ご返事いただければ幸いでございます」
「ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます」

といった文面を使います。

相手との対面を願うときには、

「お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください」

対面や出席の約束があるときには、

「お会いできることを楽しみにしています」
「ご参加をお待ちしております」

という言い方をするようにしましょう。

「取り急ぎ、よろしくお願いいたします」
「取り急ぎ、お礼申し上げます」

といったフレーズも多用します。これらは、本来であれば丁寧に報告したりお礼を伝えたりすべきところを、急いで伝える必要がある場合などに用います。

■メールの締めに使える決めゼリフを複数用意しておく

私がメールの締めによく多用している決めゼリフです。

「ご不明な際は、お気軽におっしゃってください」
「今から楽しみでございます」
「お礼を兼ねて失礼いたします」

これらのキラーフレーズを述べたあとに、最後に「引き続き、よろしくお願いいたします」などの言葉でメールを締めます。

1つ目のフレーズは「ほかに何かあったら」といったニュアンスで相手に歩み寄る感じが出ます。2つ目と3つ目のフレーズは自分の意気込みを示すものになります。こうしたフレーズをたくさん使えると、相手からの評価があがるので、つねに意識して盛り込むようにしてください。

青い背景に電子メールマーケティングの概念
写真=iStock.com/anyaberkutanyaberkut
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/anyaberkutanyaberkut

■「今週中にご覧いただければ幸いです」はなぜNGか

結びの言葉については、自分軸ではなく、相手軸で考えるようにしましょう。たとえば、相手に返事を求める場合に「よいご返事をお待ちしております」という言い方では自分の都合だけを考えているようで、ちょっと厚かましい印象です。「ご不明な点がありましたら、何なりとおっしゃってください」と添えるとセンスがアップします。

伊庭正康『ビジネスにそのまま使える!1分で送る「感じのいい」メール』(KADOKAWA)
伊庭正康『ビジネスにそのまま使える!1分で送る「感じのいい」メール』(KADOKAWA)

「今週中にご覧いただければ幸いです」といった言い方も、勝手に期限を区切った物言いが気になります。その場合には「~という事情がありまして、今週中にご覧いただくことは可能でしょうか」と、せめて相手が対応できるかどうかを尋ねる文面にしてください。

また、「お手すきのときにご連絡いただければ幸いです」という文面もプッシュ感が強くないので悪くはないでしょう。

上から目線に感じられる文面も避けてください。「来週の月曜には送っていただきたいです」では、相手へのケアが足りません。「来週の月曜に送っていただくことは可能でしょうか」といったように相手を尊重する言い回しがセンスのいい表現になります。

以下では「感じのいい」メールの文面をご紹介していきます。テンプレートとして使用できそうな文面を見つけたら、自分用にカスタマイズして使ってみてください。

●熱意を込めた企画書を送付

件名:企画書を作成いたしました
◯◯株式会社
◯◯様

お世話になっております。
◯◯株式会社の◯◯でございます。

先日は、お忙しいところ、誠にありがとうございました。
お話をうかがい、ますます楽しみでございます。
企画書を添付いたしました。
ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
ご不明な点、改修すべき点がございましたら、
遠慮せずにおっしゃってください。よろしくお願い申し上げます。

Point.1
まず意気込みを示す。
Point.2
「ご査証」よりも「ご査収」のほうが好ましい。

【NG表現】

× 企画書をお送りします

「送らせていただきます」が敬語として正しいです。

△ 企画書を添付いたします

現在形の表現でも間違いではありませんが、前後の文章によっては、このメールに添付しているということが伝わらない場合があります。「後で送られてくるものと思っていた」と勘違いされるケースもありますので、「添付いたしました」と過去形で書いたほうが、より安心です。

【OK表現】

・企画書を説明する場合
◯ 本企画のポイントは~となっています

「おうかがいした点を踏まえて~」というように、企画書作成の経緯を伝えるのも可。

・感想も述べる場合
◯ お話をうかがいまして、~であることを改めて確信いたしました

企画書添付と一緒に、この企画への想いや感想を伝えると、相手との距離が縮まるので、ぜひ入れるようにしましょう。

・相手に困りごとがあると思われる場合
◯ 同僚のごとく、お気軽にご相談くださいませ
・添付一覧を示す場合
◯ 以下を添付いたしました。ご査収のほどよろしくお願いいたします(以下、添付したファイル名を並べる)

相手が確認できるよう、添付したファイル名を必ずメール本文に示すようにしましょう。

●発注、業務を依頼する

件名:【ご相談】~の件
◯◯株式会社
◯◯様

お世話になります。
◯◯株式会社の◯◯でございます。

このたびは、ご相談があり、ご連絡を差し上げました。
~のご依頼ができればと存じております。
弊社内のプロジェクトで急遽、~が必要になり、
◯◯様のお力添えをいただければと考えている次第でございます。
お忙しいところ、誠に恐縮でございますが、
ご検討いただけましたら幸いに存じます。
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。

Point.1
依頼内容を丁寧に伝える。
Point.2
依頼理由も伝えたほうがより親切。
Point.3
依頼相手を気遣う。
Point.4
「ください」の表現を避ける。

【NG表現】

× ご検討ください

「~ください」「いただけますか」という言い方は命令口調と受け取られかねません。「~していただければ幸いでございます」という言い方に変えて、この前文に「差し支えなければ」というクッション言葉があればよりよい文面になります。

【OK表現】

・より丁寧な言い方で依頼する場合
◯ ~の依頼をお願いできましたら幸いでございます
・面識のない相手に依頼する場合
◯ はじめてのご連絡で失礼いたします。◯◯株式会社の◯◯でございます
・日時も含めて依頼する場合
◯◯月◯日( )に~を予定しておりますが、お引き受けいただくことはできますでしょうか

依頼の段階で面談日時を指定するのはNG。セミナーや講演会など開催日が決まっている場合は理由と一緒に日時を示しましょう。

・引き受け可能かどうかを聞く場合
◯ ~の依頼をさせていただくことは可能でございますでしょうか
・多忙な相手を気遣う場合
◯ ご多用の折、恐れ入りますが、よろしくお願い申し上げます

相手の状況を配慮する表現を入れるとより丁寧な印象となります。「ご状況をうかがえれば幸いです」という言い方でもOK。

●断られた際の心配り

件名:ご依頼した件につきまして
◯◯株式会社
◯◯様

お世話になります。
◯◯株式会社の◯◯でございます。

先日、ご依頼した~の件につきまして、ご対応が難しいとのご返信を賜りました。
私も無理を承知でお願いしましたのでどうかお気になさらないでください。
別件でご相談することもあるかと存じますので、その節にはまたご連絡差し上げます。
何かありましたらご連絡ください。よろしくお願い申し上げます。

Point.1
気にしないでほしい旨を伝えるのが大事。
Point.2
縁が切れたわけではないと相手が安心できるフレーズを入れる。

【NG表現】

× かしこまりました。また、よろしくお願い申し上げます

間違いではありませんが、心配りのセンスが感じられません。

【OK表現】

・代案を提示する場合
◯ ~では難しいとのことですが、◯◯社と共同で着手するのであれば、ご対応可能でしょうか

どうしても引き受けてもらいたいのであれば、相手の負担を軽減できるような案を出して、再度オファーしてもいいでしょう。

・相手への理解を示す場合
◯ 今回は厳しい予算でのお願いとなりましたので、お気になさらず、ご放念ください

引き受けてもらえないのももっともであると感じたときには、相手への理解を示すフレーズを入れるようにしてください。

・無理な依頼を詫びる場合
◯ こちらこそ、このたびは無理なご相談を差し上げて、誠に申し訳ありません

無理な依頼をしているという自覚があった場合には、その旨が伝わるように記しておきたいところです。

・次の依頼予定について話しておく場合
◯ 来期も同様の事業を進める予定なので、その際にまたご相談いたします
・返信不要の旨を伝える場合
◯ ご多用中かと存じますので、返信は不要でございます

すでに断りの返事を受け取っているので、これ以上相手の手を煩わせないよう、こうした一文を入れるようにしましょう。

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伊庭 正康(いば・まさやす)
らしさラボ代表
1991年、リクルートグループ入社。営業部長、フロムエーキャリア代表取締役を歴任後、2011年に研修会社らしさラボを設立。YouTubeチャンネルでも営業のノウハウを配信中。近著に『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』(日本実業出版社)がある。

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(らしさラボ代表 伊庭 正康)

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