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どこのガソリンスタンドでも原則対応している…長距離運転の前に絶対利用すべき"無料サービス"とは

プレジデントオンライン / 2023年5月2日 14時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Ivanko_Brnjakovic

久しぶりに車を運転するときに、注意するポイントは何か。自動車ジャーナリストの菰田潔さんは「バッテリー電圧とタイヤ空気圧は事前にチェックしておいたほうがいい。事前にチェックしておけば、多くのトラブルは避けられる」という――。

■「休日限定ドライバー」が増える大型連休

大型連休中にドライブに出かけるという方は多いのではないでしょうか。旅行や帰省で道路が混雑するのに加えて、普段はあまり運転しないドライバーが増えることもあって、ゴールデンウイーク期間中は車のトラブルが増加する傾向にあります。

JAF(日本自動車連盟)の発表によると、2022年GW(4月29日~5月9日)のロードサービス救援件数は、四輪と二輪合わせて計65469件。故障内容のトップ3は、

①過放電バッテリー
②タイヤのパンク・バースト・エアー圧不足
③破損/劣化バッテリー

だそうです。

■事故よりも自動車部品のトラブルが多い

過放電バッテリーというのは、充電が足りずに電気を使い過ぎてなくなった状態、いわゆるバッテリー上がりです。年間の救援件数ランキングでも長年にわたりトップになっています。

タイヤのパンクは釘などが刺さって空気が漏れてしまうケース。バーストはタイヤが大きく破れてしまい修復困難な状態。エアー圧不足はタイヤの空気が抜けかかった状態。

バッテリーの破損はケースが壊れている場合、劣化は古くなって使えなくなった状態を指します。

意外にも、事故による救援要請は6位でバッテリーやタイヤという自動車部品がトラブルのもとになっていました。

こんなトラブルに巻き込まれたら友人や家族での楽しいドライブも台無しです。そこで久しぶりにドライブする方に向けてのトラブル予防策を考えてみましょう。

■高性能化するクルマの“穴”はバッテリー

最新のクルマは発電機の能力が高まり、エンジン回転を高くしなくても十分な発電能力を持っています。またライト類がLED化して消費電力も少なくなっているので、信号待ちでヘッドライトを消すという昭和時代の運転の常識もなくなりました。

しかしクルマが古くなると新車のときと同じにはならないこともあります。その筆頭がバッテリーなのです。

ここでいうバッテリーは一般的な12Vバッテリーです。ハイブリッド車や電気自動車などは走行用にリチウムイオンバッテリーを使ったクルマが多いですが、そんな電動車でもクルマに装備された電装品やリチウムイオンバッテリーを制御するのは、12Vバッテリーです。

ですので、これが使えなくなってしまうと、リチウムイオンバッテリーにたっぷり電気があっても走れません。(車種によっては12Vバッテリーの電気が足りなくなると、電源オフでもリチウムイオンバッテリーから自動的に充電してくれるものもあります)

自動車のメーター
写真=iStock.com/matsou
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/matsou

■エンジンがかかりにくいのは危険のサイン

バッテリーは温度など使う環境により劣化度合いが違います。また使い方によっても早く劣化してしまうケースもあります。

バッテリーが好む温度は人と同じ温度です。だから20〜25℃くらいが最適です。季節でいうと春か秋です。だから逆に暑い夏や寒い冬は苦手です。これは12Vバッテリーでもリチウムイオンバッテリーでも同じです。過酷な環境下で使われたバッテリーは劣化しやすいと思ってください。

もうひとつは使い方です。乗るときはちょっと走って、あとは1週間も2週間も放ったらかしにしておくのはバッテリーには良くないです。クルマはドアロックして駐車している状態でも、12Vバッテリーの電気は少しずつ減っていきます。だから数週間乗らなければ、バッテリー上がりでスタートできない状況になるでしょう。

スターターモーターの回る勢いがないとか、エンジンが始動しにくいという場合には、かなりバッテリーが減っていることが想像できます。バッテリー上がりの直前かもしれません。

■バッテリーを3年おきに交換すべき理由

GWでは、普段クルマに乗らない方がクルマを引っ張り出して乗ることも考えられますが、12Vバッテリーを走りながら充電するには結構時間がかかります。

だからバッテリーが怪しいクルマなら、信号待ちで止まってもアイドリングストップでエンジンが止まらないように、走り始めて数時間はアイドリングストップキャンセルスイッチを押しておくことをお勧めします。これで始動時のバッテリー消費を抑えられます。

こうしてバッテリーが弱くなっているだけなら、走り始めることさえできれば何とかなります。しかし、バッテリー破損や劣化している場合は、バッテリーを交換しないと解決できません。

劣化に関しても、先に説明したように使い方によって変わるので一概にはいえませんが、一般的にはバッテリー寿命は3年と言われています。メンテナンスが良く3年経っても元気なバッテリーはありますが、3年を過ぎると突然バッテリーが使えなくなるという事態が起こる可能性が増えます。

ですので、3年経ったらバッテリー交換しておくと、安心してドライブができると思います。

■定期的に「空気圧チェック」をしているか

ほとんどのドライバーは自分のクルマのタイヤ空気圧をチェックしないと思いますが、JATMA(日本自動車タイヤ協会)やタイヤメーカーでは1カ月に1度はタイヤ空気圧チェックを推奨しています。

長距離ドライブするようなケースでは、出発前にチェックすることも大事です。

なぜタイヤの空気圧を頻繁にチェックしなければならないのか。それはタイヤの空気はゴムの分子の隙間を通って自然に抜けてしまうからです。膨らんだ風船が翌日には萎んでしまうように、タイヤもゴムでできているので空気が漏れるのです。

自動車のタイヤのパンク
写真=iStock.com/deepblue4you
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/deepblue4you

冬の気温が低いときに合わせた空気圧は、気温が高くなってくる春や夏には、多少空気が膨張して自然に抜けた空気の分を補って、あまり変化していないかもしれません。でも夏から秋、秋から冬にかけては自然に漏れる空気に加え、気温が下がることで空気圧はダブルで低くなることが想定されます。

■パンクの8割が「じわじわ空気漏れ」

こまめに空気圧をチェックする理由はもうひとつあります。それはスローパンクチャーを発見するためです。

釘が刺さったまま走り続けたとすると、いっぺんに空気は抜けずに刺さった穴から徐々に空気が漏れていきます。そしてある程度空気が漏れて空気圧が低くなり始めてから、釘がスポンと抜け落ち、シューッと空気が漏れてパンクだと気付きます。これがスローパンクチャーです。パンクの8割がこのケースと言われています。

スローパンクチャーはなかなか発見できないので、こまめに空気圧チェックをするしかありません。1輪だけ空気圧が低いということがあれば、スローパンクチャーの疑いがあります。一方、4輪が同じように空気が減っていれば、4輪とも空気を少しずつ入れればOKです。

スローパンクチャーの疑いがあるならガソリンスタンドかタイヤショップに行ってチェックしてもらいましょう。スローパンクチャーで少し空気圧が低い程度ならまだ走れます。

多くのクルマは、運転席ドアを開けると見えるところに、適正な空気圧を示すラベルが貼ってあります(画像1)。

車両指定の空気圧が記載されている空気圧ラベル
筆者提供
【画像1】車両指定の空気圧が記載されている空気圧ラベル - 筆者提供

■無料の空気圧チェックで安全を確保

長距離ドライブするときにタイヤの空気圧が低いと、デメリットはたくさんあります。

①燃費が悪くなる
②タイヤの摩耗が早くなる
③コーナリングでふらつく
④急ブレーキでの制動距離が長くなる
⑤タイヤにダメージを受けやすく、高速道路ではバーストになるケースも
⑥乗り心地が悪くなることもある

ガソリンスタンドでは基本的に無料で空気圧チェックをしてくれます。こうした無料のチェックで、長距離ドライブでの安全性は飛躍的に高まります。ドライブの前に燃料を満タンにする際に空気圧チェックもしてください。

自動車用タイヤ圧力測定
写真=iStock.com/pakorn sungkapukdee
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/pakorn sungkapukdee

空気圧チェックをするときにタイヤの溝深さをチェック、傷やひび割れなども確認しましょう。ひどければタイヤ交換の必要があるかもしれません。

安心してドライブを楽しむためにも、こうした出発前のチェックを欠かさないようにしましょう。

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菰田 潔(こもだ・きよし)
モータージャーナリスト
1950年生まれ。自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、84年から、新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。日本自動車ジャーナリスト協会会長。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。JAF交通安全・環境委員会委員。著書に『あおり運転 被害者、加害者にならないためのパーフェクトガイド』(彩流社)、『あなたの“不安”をスッキリ解消! クルマの運転術』(ナツメ社)など。

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(モータージャーナリスト 菰田 潔)

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