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アメリカだと年間500万円の覚悟が必要だが…学費が100万円で済むのに教育の質が高い「留学の穴場国」

プレジデントオンライン / 2023年5月4日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/andresr

コロナ禍で停滞していた留学生数が増加に転じている。高校生や大学生のわが子を留学させようとしたときた必要な費用はどの程度か。留学カウンセラーとして1000人以上の留学に関わってきた大川彰一さんに聞いた――。

■コロナが一段落で今後、留学者数は爆発的に伸びる

コロナ禍で留学事情は大きく変わりました。文部科学省の統計によると、留学する大学生の数は、右肩上がりで伸び、2018年度には11万人台に達しましたが、20年までに12万人という政府の目標を達成する目前で、世界的な新型コロナウイルス感染症の流行により1500人程度に激減しました。

ただ23年に入ってから、カナダやオーストラリアへの留学を中心に復活しています。これまでも激減した後は、爆発的に留学者数が伸びたので、今後伸びるでしょう。

留学にかかる費用は、親のときより上がっています。

世界的にも大学など教育機関の授業料は上がっていますし、近年は物価高で滞在費や生活費、航空運賃も高くなっています。昨年、急激に円安になった時期には、アメリカの大学の学費が日本円だと年間100万円単位で増えてしまったという方もいました。プレジデントFamily読者の子供(主に現在、小学生)が留学する数年後は、さらに費用がかさむ可能性も考えておいたほうがいいでしょう。

留学と一口にいっても、高校留学と大学留学があり、それぞれに種類があります。

■高校での留学

まず高校留学。近年、希望者が増えてきていて、政府も後押ししています。文部科学省の留学促進キャンペーンで返済不要の奨学金を支給する「トビタテ!留学JAPAN」は高校生枠を増やし700人の募集を始めました(留学先の地域により月12万円か16万円支給)。

留学の種類としては1年間の「交換留学」「私費留学」、3カ月ほどの「ターム留学」、1、2週間程度の「短期留学」の4種類があります。

コロナ前の数字ですが19年度で年間約4万7000人が留学しています。そのほとんど(約4万3000人)が3カ月未満の期間なので、ターム留学か短期留学です。

ターム留学は中高のプログラムとして行われることが多く、短期留学は夏休みなどの長期休暇を利用して行くのが主流です。

1年間の留学の費用は200万円以上かかります。交換留学は、支援団体がアメリカの高校への留学をサポートしてくれます。一方、私費留学は滞在先や学校を選べます。費用面では学費などがかかるので、交換留学に比べて高額です。

高校で留学を目指すなら、中学3年生から準備を始めましょう。まず留学説明会に参加し、モチベーションを上げ、1年ぐらいかけて英語力を上げていきます。1年間留学する場合は高校1年生の秋からというケースが多いので、中学時代から先生に相談することができる、中高一貫校に通っている子のほうが計画しやすいでしょう。

また1年間の留学をする前に、短期留学などで親元を離れて海外で生活する経験をしておく子が多いです。

卒業帽と平面地図ピンとロケーションサイン3Dレンダリングによる世界の留学コンセプトデザイン
写真=iStock.com/FeelPic
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/FeelPic

●交換留学220万~300万円1年間

国際教育交流団体にマッチングしてもらう

1950年代から行われている歴史ある制度で、「AFS」「YFU」などの国際教育交流団体が運営している。アメリカの公立学校に留学し、ボランティアファミリーにホームステイをするのが一般的。事前研修やサポートなどのプログラム費用を団体に支払う。プログラム費用は年間100万~200万円、生活費60万~80万円、航空運賃15万~30万円、合計で約220万~300万円。基本的には滞在する地域は選べない。

■●私費留学200万~800万円+生活費・航空運賃/1年間

滞在国や学校を自分で決める

学校や滞在国や地域、寮かホームステイかなど、留学エージェントなどと相談のうえ、自分で決める。国や都市によって学費・滞在費はさまざまで、年間約200万~800万円と差がある。最もリーズナブルなのが、ニュージーランドで200万~300万円。オーストラリアは220万~450万円、カナダは220万~550万円が平均的。アメリカの場合、地域で差があり300万~800万円にのぼる。さらに生活費、航空運賃などがかかる。

■●ターム留学100万~150万円/3カ月

中高で行かせてくれる

10~12週間、約3カ月の留学プログラム。グローバル教育に力を入れている中高一貫校で導入しているところが多く、中学3年生や高校1年生で行くパターンが多い。行き先はオーストラリアやニュージーランドが主流。授業料や滞在費、航空運賃を含めて3カ月で合計100万~150万円。現地校に通い、滞在はホームステイが一般的。

■●短期留学30万~50万円/1、2週間

夏休みなどを利用して海外体験

長期休暇を利用し、1、2週間の留学を体験する制度。行き先はオーストラリア、ニュージーランド、カナダが多く、費用はトータルで30万~50万円程度。語学学校のサマーコースに通うケースが多いが、現地の学校に体験留学するケースもある。現地校の生徒とグループになり、一緒に授業を受けたりホームステイをしたりする「バディ制度」を取り入れているプログラムもある。

■大学での留学

大学での留学は「交換留学」「私費留学」がメイン。この辺りの制度は親の時代と変わらないでしょう。

大学の私費留学のおすすめはマレーシア。教育レベルが高く、提携しているアメリカやイギリスの大学にさらに留学することも。学費も年間約60万~100万円なのでおすすめです。

最近、大学生に人気なのは海外インターンシップ。就職活動を意識して、海外でビジネス研修を受けたりします。留学プラスアルファの経験を求めて、主に大学2、3年生が行くことが多いようです。

子供を留学させたいと考えている親御さんは、親子で留学説明会に参加する、海外の同世代の子と交流するといった機会をつくってやると、お子さんの意識も世界に向いていくでしょうね。

カメラを見ているロンドンの観光客の幸せな多民族グループ
写真=iStock.com/andresr
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/andresr

■●交換留学60万~300万円/1年間

アメリカやイギリスは競争率が高い

大学の協定校に留学する制度で、英語圏以外の学校もある。授業料は免除で、自己負担は滞在費・生活費と航空運賃などで60万~300万円程度。人気のアメリカやイギリスは希望者が多く、高い語学力が求められるなど狭き門となることが多い。ドイツなどのヨーロッパ、フィリピンやマレーシアなどのアジア圏は英語の授業も受けられ、滞在費・生活費がリーズナブルなのでおすすめ。

■●私費留学50万~500万円+滞在費・生活費など/1年間

アジア圏なら安く済ませられる

高校と同様、自分で好きな国や学校、滞在先を選ぶ。費用は国によって異なり、最も高額なアメリカの学費は年間約250万~500万円が平均的。オーストラリアは約180万~220万円。イギリスは約200万~360万円。費用を抑えるなら、アジア圏が狙い目。フィリピンなら年間約50万~120万円、マレーシアなら約60万~100万円と安く行ける。別途、生活費や滞在費、航空運賃がかかる。

■●海外インターンシップ20万~70万円/2~5週間

就活を意識して行く学生が増えている

グローバル就職を目指し、就活のために海外でインターンシップを経験する制度。アントレプレナーシップなどを学ぶ「ビジネス研修型」と、実際に現地の企業で働く「実践型」の2パターンがある。人とは違う体験をしたい人や、すでに留学などの海外経験がある人がさらなる経験を積むために行くことが多い。

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大川彰一さん
留学ソムリエ代表取締役。留学カウンセラーとして1000人以上の留学に関わり、その後米国教育NPOで2000人以上のグローバル人材育成に尽力。現在は国際教育事業コンサルティングや留学プロデュース、情報発信を広く行う。

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(プレジデントFamily編集部 構成=池田純子)

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