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時給7000円の仕事とはどんなものか…カリスマ店長が新人キャバ嬢の面接で必ず説明していること

プレジデントオンライン / 2023年5月16日 14時15分

時給7000円の仕事とはどんなものか(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/Anson_iStock

「時給7000円の仕事」とはどんなものか。カリスマキャバクラ店長の黒服ムラカミさんは「私は応募者の面接をするときに、『時給7000円を稼ぐには、月の売り上げが200万円は必要』などと説明します。給料は『もらうもの』ではなく、『自分の力で稼ぐもの』という意識を持てなければ、この仕事を続けられないからです」という――。

※本稿は、黒服ムラカミ『黒服の手帳 カリスマキャバクラ店長が教える「部下を動かす」技術』(小学館クリエイティブ)の一部を再編集したものです。

■時給7000円の仕事の中身

高い報酬を得たいのであれば、それに値する仕事をしなければなりません。楽してお金を稼ぐことは絶対にできないと思います。

特にキャバ嬢は高時給であることに目が行きやすいので、高い報酬を得るためのハードルを最初に伝えておかなければなりません。

当店では求人広告に「時給7000円以上可能」と書いているので、応募者の多くには「割のいいアルバイトを見つけてラッキー」という感覚があります。

面接を行うとき、私は「時給7000円の仕事ってどんなものだと思います?」と尋ねます。

続けて、「当店の給料体系で時給7000円になるためには、月の売上が約200万円は必要です。そのためには○人のお客様を呼ぶ必要があり、そのためには週6日出勤して○件の連絡先交換をしなければならず……」といった仕事内容の話をします。

応募者の反応はさまざまです。「じゃ、最初は3000円でいいです……」と尻込みする人もいれば、「分かりました。その仕事内容をこなすので7000円ください」と胸を張る人もいます。こうしてスタート時給が決まります。

キャバ嬢には、給料は「もらうもの」ではなく、「自分の力で稼ぐもの」という意識を持ってほしいと思っています。

もちろんこのように伝える以上、従業員たち黒服も期待(報酬)以上の仕事を行うことが必須です。キャバ嬢たちに具体的な仕事ぶりを見せて、その姿勢を示す必要があります。

■頼まれごとはプラスアルファの気遣いを

日々の業務の中でも、期待以上の仕事をする意識は大切です。

お客様や上司から頼みごとをされたときにプラスアルファの気遣いで応えていくと、信頼残高が上がっていきます。

この考え方を部下たちに「頼まれごとは試されごと」として伝えています。

例えば部下に「○○ちゃんの数字を出してくれる?」と言うと、直近の売上だけではなく先月からの推移も表にしてプリントアウトしてくれる、といったようなことです。

先日も買い物を頼んだ部下が、特に頼んだわけではないのに私の愛飲するエナジードリンクを一緒に買ってきてくれました。

キャバクラは接待業なので、たとえ些細なものでも、このような気遣いができる部下は仕事ができる印象を与えます。

■「粋」を売るのが夜の街

銀座のクラブに勤めていたとき、上司にこう言われたことがあります。

「銀座にないものはない。お客様に『かき氷が食べたい』と言われたら冬でも買ってくるんだ」

「売ってなかったらどうするんです?」

「ディスカウントストアでかき氷機を買ってきてつくればいい。またはコンビニでアイスキャンデーを買って削れば、それらしいものができる。大切なのは頼まれごとに全力で応える心意気。その『粋』を売るのが夜の街なんだ」。

抹茶のかき氷
写真=iStock.com/Swanya Charoonwatana
「『かき氷が食べたい』と言われたら冬でも買ってくるんだ」(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/Swanya Charoonwatana

私自身についても、周りの上司や部下、キャバ嬢を見ていても、期待以上の仕事ができる人は出世が早いです。

何か頼まれごとをされたら試されているのだと思い、何をしたらもっと喜んでもらえるのかを考えて行動してみましょう。

■「時間がない」は言ってはいけない

「時間がない」や「忙しい」という言葉は、半ば無意識に口から出てしまいがちです。

私もつい使ってしまうのですが、できるだけ言わないようにしています。

来客数が多く、物理的に手が足りないときに何か頼まれごとや相談を受けた場合には、「悪いけど今は難しいから、後で時間つくるね!」と言います。

決して「今、忙しいから!」とないがしろにはしません。

また、店を離れて雑談しているときやプライベートで人と会っているときなど、「最近どう?」と聞かれて「忙しいです」と答えるのも避けるようにしています。相手が気を遣って、仕事や遊びの誘いなどをしにくくなるからです。

上司の立場で考えると、「忙しいです」と言っている部下には仕事を振りにくいと思います。私もキャバ嬢に「ムラカミさんが忙しそうだったから相談できなかった」と言われることがあり、そういった雰囲気はなるべく出さないようにしようと反省しています。

■「ある時間」に注目する

「忙しい」と自分で言ってしまうと自己暗示にかかって、よけいに時間の余裕がなくなるような気がします。

実際に、誰かの相談に乗る時間もないほど忙しい人はあまりいないのではないでしょうか。

「ない時間」より「ある時間」に注目してやりくりしたほうが、充実した人生を過ごせるのではないかと思います。

1日24時間のうち8時間働き8時間睡眠をとるとしたら、自由な時間は8時間です。多くの人は、このうち2時間くらいは無駄な時間を過ごしていると思います。

だらだらテレビやネットを見るだけの時間には、あまり生産性がありません。その時間を自己投資にあてれば、大きく成長できるでしょう。

テレビのリモコンを操作する人
写真=iStock.com/cyano66
だらだらテレビやネットを見るだけの時間には、あまり生産性がありません(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/cyano66

■売れているキャバ嬢は自己投資している

売れているキャバ嬢を見ていると、1日2時間くらいはおしゃれをしたりダイエットに励んだりと、自己投資に使っています。

私の自己投資は運動と読書です。閉店後も片付けや管理業務があるので、帰宅するのはたいてい明け方ですが、午前10時には起床してジムに通っています。

自分の成長を実感するのが楽しいので、苦にはなりません。読書は自己啓発書を中心に、最低でも月に1冊は読むようにしています。

私が時間を大切にするようになったのは、銀座で黒服をしていたときにお客様から次の言葉を聞いてからです。

「毎日8万6400円をもらえて、それをその日中に全て使い切らないといけないとしたら何に使う? 考えてごらん。1日は8万6400秒だ。同じように真剣に考えて使わないともったいないよ」。

まさに「時は金なり」をリアルに表した至言だと思います。

■お客様がいつもと違う動きをした理由

キャバクラには、夜の街ならではの気遣いが必要とされることがあります。

たまにあるのはこんなケースです。いつも二人組で来店されるAさんとBさんがいます。

ある日、Bさんが別のCさんと一緒に来店しました。キャバ嬢は、「Bさんが来ているよ」とAさんに連絡をしようとしましたが、私は止めました。お客様がいつもと違う動きをするのには何か理由があるのだろう、と勘が働いたからです。

後で分かったことなのですが、Bさんは来店していることをAさんに知られたくなかったようです。二人で来店するとき、お会計はいつもAさん持ちでした。Bさんはお金がないフリをしてAさんに奢ってもらっていたのです。

黒服ムラカミ『黒服の手帳 カリスマキャバクラ店長が教える「部下を動かす」技術』(小学館クリエイティブ)
黒服ムラカミ『黒服の手帳 カリスマキャバクラ店長が教える「部下を動かす」技術』(小学館クリエイティブ)

Cさんと来店して普通にお金を払ってることが分かったら、Aさんとの関係にヒビが入るでしょう。もしキャバ嬢がAさんに連絡していたら、もう二人とも来店してもらえなくなっていたかもしれません。

キャバクラは接待に利用されることもあります。いつもは私服のお客様がスーツの場合、接待の可能性を考えます。

接待する側の人は、普通は指名をしません。接待される側からすると、自分だけ楽しんでいるように見えるからです。

いつも指名されているキャバ嬢は「なんで今日は指名じゃないの?」と不安な様子になることがあります。そんなときは私がこっそり、お客様と話をし、場合によっては裏で指名を伺うこともあります。

お客様の変化には敏感に気づき、事情を察した上で協力する姿勢が必要です。

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黒服ムラカミ(くろふくむらかみ)
キャバクラ店長
1987年生まれ。ホテルマンやアパレル店員などを経験したのち、愛媛や銀座のキャバクラ勤務を経て、千葉市のキャバクラ「Club Runway」の店長となる。13年間の黒服経験で接してきたキャバ嬢の人数は1万人以上。宣伝のためTikTokに投稿した「キャバクラあるある」「黒服の日常」などの動画が話題を呼び、キャバ嬢や若者を中心に共感と関心を集める。

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(キャバクラ店長 黒服ムラカミ)

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