1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

「寝坊=失敗」と決めつけてはいけない…無理なく「早起き」ができる人が心掛けていること

プレジデントオンライン / 2023年5月24日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Dean Mitchell

早起きを習慣化できる人は何が違うのか。韓国の弁護士YouTuber・キム・ユジンさんは「明け方起床の習慣化を成功させるためには、朝に起きて得られるご褒美を考えてみるだけでなく、決して寝坊を失敗と決めつけないことだ。疲れる日があるのは至極当然であり、熟睡で心と体の負担が軽減される」という――。

※本稿は、キム・ユジン(著)、小笠原藤子(訳)『朝イチの「ひとり時間」が人生を変える』(文響社)の一部を再編集したものです。

■健康に大きな影響を及ぼす要因は、起床時間ではない

「朝4時30分に起きたりしたら、睡眠不足になりそうだけど、健康は大丈夫なの?」とよく訊かれる。

そのたびに、お腹がはちきれそうなのに、もっと食べろと言われている気分になる。心配してくれる人たちは、私が何時に起きるかという点だけに関心を示し、何時に寝るのかは訊ねない。だが、明け方起床のポイントは「何時に寝るのか」にある。

韓国には夜遅くまで営業する店は多いが、朝早く開店する店は少ない。逆に、外国では午前5時から営業を始めるカフェやレストラン、ベーカリーが多く、明け方からジョギングする人々もよく利用している。

それならば、この人たちはみんな睡眠不足に悩まされているのだろうか? もちろん、そんなことはない。

実際、健康に大きな影響を及ぼす要因は、起床時間ではなく総睡眠時間だ。米国国立睡眠財団の研究によれば、成人の適度な睡眠時間は少なくとも7時間。ちなみに韓国では睡眠時間が7時間未満という人も多い。

朝寝坊することも問題だが、睡眠時間が惜しくて無理して短時間しか眠らないのもまた良くない。もちろん一日くらい睡眠時間を減らしたからといって、すぐさま大きな問題につながるわけではない。

ただ、そんな日が続き睡眠不足がたまれば、日常生活はおろか消化不良、免疫力低下など健康にも悪影響を与えかねない。普段、眠らなくても大丈夫だと自信のある私でさえ、それは同じだ。

■明け方起床のポイントは就寝時間

では、明け方起床を可能にするには、具体的にどれくらい睡眠時間を確保するのが妥当だろうか?

私は一日7時間程度の充分な睡眠を心がけている。くどいようだが、朝型ライフスタイルにしたいのなら、その前の晩から準備しないといけない。明け方起床は睡眠を減らすことではなく、睡眠サイクル自体を前にずらすことだからだ。

早起きする人は、たいてい早く寝る習慣を身につけている。

私もまた早ければ夜9時30分、遅くても10時30分にはベッドに入る。やけに疲れた日はもっと早く寝ることもあれば、仕事で遅くなった日には11時以降に寝るときもある。

そんなときは翌日少し遅めに起きたり、週末に普段より長く寝たりもする。試験勉強のときは疲れれば少しゆっくりめに起き、頻繁な海外出張で時差に適応できない場合でも、睡眠不足にならないように気をつける。

状況や体調によって、起床と就寝の時間を調節し、充分な睡眠時間を確保している。

たまに朝早く起きると昼に眠くなって「自分は明け方起床に向いてないタイプらしい」と落胆する人がいる。体が明け方起床に完全に適応するまでは昼食後、眠気に襲われることもあるだろう。それは自然な現象なので気にすることはない。

そんなときはあえて我慢せず、夜の眠りを妨げない程度に仮眠をとることをお勧めする。私も海外出張に行くと夜しっかり寝られず、翌日の昼間に瞼が重くなる場合があるが、そんなときは午後3時より前に軽く20分程度昼寝をする。

コンディションがずっと良くなり、時差に早く適応できるからだ。このようにうまく昼寝を利用すれば、ある瞬間から昼にも疲れや眠気を感じず朝型ライフスタイルに完全に切り替わる瞬間が訪れる。

単に朝早く起きたいという理由だけで、眠りを減らす行動は取らないほうがいい。

無理に睡眠時間を削れば体をすぐに壊してしまうので、明け方起床を続けることがむしろ害になる。心身共に疲労を感じない程度の充分な睡眠パターンを維持することが重要だ。

■「自分はなぜ早起きするのか」を考えてみる

会社勤めをしているなら、会食や残業などで忙しく、どうしても早寝できない日もあるに違いない。

遅く寝た日には、無理して普段通り明け方に起きようとせず、翌日は少し長めに寝ればいい。前述したように、明け方起床をたゆまず実行しようとするなら、無理は禁物だ。

しかし前の晩遅くに眠りにつき、決めていた時間より遅くまで寝てしまう日が多いようなら、1つだけ考えてもらいたいことがある。まさに「自分はなぜ早起きするのか」だ。

すなわち、やみくもにこの本を踏襲するのではなく、なぜ明け方に起きたいのか、明け方起床が自分の日常で本当に実践可能なのか、よく検討してほしい。

もし可能だと結論が出たにもかかわらず早起きに失敗し続けるなら、充分な睡眠時間を確保するために何をコントロールできるのか自問自答してみよう。

疲労を感じないためには最低何時間睡眠が必要か、毎日似たような時間帯に寝るために省けるものはないかなど、爽快な朝を可能にするさまざまな要素を考えてみるといい。

私の場合、その日のコンディションに合わせて寝る時間を少しずつずらすことで調整する。特に何かをしたわけでなくても、疲れた日には夜9時から寝る準備をする。そうすれば翌朝4時30分に爽快に目覚められるのだ。

■寝ようと無理してしまうのは本末転倒

反対に、昼間コーヒーをたくさん摂取したり、嬉しいことがあったりして眠れないときは、午後11時頃ベッドに入るようにする。

フィルターとコーヒー
写真=iStock.com/100
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/100

このように遅く眠りについて翌日起きるのがつらい場合は、もう少しだけ眠るか、「とりあえず今起きて、今晩はいつもより早く寝よう」と考えるようにしている。

事情によっては遅く寝る場合もあるが、心理的にいくら寝ようとしても眠れないこともある。

経験上、こんなときは無理に寝ようとしない。「明日早起きするんだから早く寝ないと」というプレッシャーでむしろ眠れなくなってしまうからだ。

私たちはロボットではない。私たちが明け方起床を試すのは、明日だけ早起きするためではない。明後日、明々後日も早起きし、人より一日を早く始める習慣を身につけるためだ。

だからいくら明け方起床の成功を左右するのが就寝時間だとしても、正確な睡眠時間を維持するために寝ようと無理しないでおこう。それぞれのコンディションに合う適切な睡眠時間を維持するため、日々前後1時間程度、サイクルを調節できる柔軟性を持とう。

■一日を静かに終えるナイトルーティン

ただし、睡眠サイクルにあまりにばらつきがあるのも問題だ。

ある日は午後9時に寝て午前4時に起き、ある日は午前3時に寝て午後2時に起きるというのは良くない。ハーバード大学が学生61名の睡眠習慣と成績の相関関係を研究した結果によると、睡眠サイクルが規則的な学生は、そうでない学生より成績が優秀だったという。

私たちの体には午前と午後の生体リズムがあるが、睡眠時間が不規則だとこのリズムが本来の時間より3時間程度ゆっくりと作動し、よって授業に集中できなくなるからだ。

理由もなく眠りにつけない日が続くなら、一日を終える自分だけのナイトルーティンを作ろう。私は夜にオイルバーナーやアロマキャンドルをつけて半身浴をしたり、フェイスパックをしたり、目の洗浄をしてから横になりくつろぐ。

私たちの約束は、リラクゼーション、若返りと新たな目的意識です
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

朝に温かいお茶を飲み、音楽を聴きながら一日が始まったことを自分自身に知らせるように、自分だけのナイトルーティンで今日一日が終わったという事実を認識させるのだ。

時にはオーディオブックやASMR動画をつけっぱなしにもする。早く寝なくてはという考えを忘れるため、何かを聴くことに集中するのだ。

夜は私にとってコンピューターやスマホを見ながら寝落ちする時間ではなく、あくまでも就寝の準備時間であり、私はこの時間をとても好んでいる。こうして一日を静かに終えるナイトルーティンを作れば、心が自然と落ち着き、難なく眠りに入ることができるからだ。

■早起きできない日があっても気にしない

私たちは目標に向かう途中で少しばかり危機に晒されるだけなのに、それを「失敗」と評価してしまう。それはなぜだろう?

明け方起床の習慣化を成功させるためには、朝に起きて得られるご褒美を考えてみるだけでなく、決して寝坊を失敗と決めつけないことだ。

朝型人間は毎朝早起きしなければならないわけではない。疲れた日には睡眠をいつもより多くとるほうが、一日を無事に過ごすためにははるかに有益だ。朝寝坊を一日しただけで、情けないとか問題があるんだと自らを責めるようなら、早起きなど永遠に無理だ。

時々体調が優れず、いつもより長めに寝たとしても、その日を「朝寝坊した日」「早起きに失敗した日」ではなく「ぐっすり眠った日」と考えよう。

長く明け方起床をしてきた私に言わせれば、普段問題なく早起きできても、いつも元気溌剌で勤勉なわけではない。一生懸命走ってきた分、疲れる日があるのは至極当然だ。

日によってはアラーム音も聞こえないほど疲れていることもあれば、朝にはなんともなかったのに午後に眠気が襲ってくるときもある。

これは、朝いつ起きるかに関係なく誰もが経験することで、そんなときは朝寝坊したとはいえ、早起きに失敗したのではない。むしろ熟睡すれば心と体の負担が軽減され、翌日はいっそうすっきり起きられる。

■「早起きしなければ」から解放されると新しい自分に出会える

普段ベッドに入る時間より30分早く寝て、普段起きる時間より30分早く起きてみることも明け方起床を成功させる良い方法だ。

キム・ユジン(著)、小笠原藤子(訳)『朝イチの「ひとり時間」が人生を変える』(文響社)
キム・ユジン(著)、小笠原藤子(訳)『朝イチの「ひとり時間」が人生を変える』(文響社)

このルーティンで一週間程度行い、慣れてきたら翌週はさらに30分前倒ししてみる。これを継続して睡眠サイクルを調節し習慣化できれば、早起きは驚くほど簡単になる。

また、必ず同じ時間に起きることより、時には意識的に30分近く遅くアラームをセットしてみるのもお勧めだ。週末にはあえてアラームをかけず、ぐっすり寝るのもいい。

早起きしなければというプレッシャーから解放されれば、ある瞬間からアラームなしでも明け方にふと眠りから覚め、時間を確認する自分に出会えるはずだ。

明け方起床は、人生をより良くする1つの方法にすぎない。うまく利用すれば効果が得られるが、このせいであまりにも大きなストレスを感じたり、日常に支障をきたすようであれば、自分に合ったリズムを探し直せばいい。

----------

キム・ユジン(きむ・ゆじん)
YouTuber弁護士
米国ニューヨーク州、ジョージア州2州の弁護士資格を持つ弁護士。韓国生まれ、ニュージーランド育ち。韓国の大学を卒業後、米国ミシガン州立大学で学士号を取得。エモリー大学ロースクールに進み、卒業後、難関である米国司法試験への合格を果たす。学生時代から現在に至るまで、早朝に起き、時間を有効活用することで挫折を乗り越え、多くの目標を達成してきた。その早起きルーティーンをYouTubeで公開したところ、累積アクセス数1000万、フォロワー20万人を獲得。韓国国内に「早起きブーム」を起こし、パワーインフルエンサーとなる。現在は韓国国内の大手企業で社内弁護士として活動中。

----------

(YouTuber弁護士 キム・ユジン)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください