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働きながら社労士に一発合格…最短で資格取得した歯科技工士が「問題集からやれ」と断言するワケ

プレジデントオンライン / 2023年5月27日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/fizkes

資格取得の勉強は、どう進めればいいのか。歯科技工士として働きながら、社会保険労務士や医薬品登録販売者試験に一発合格した吉岡裕樹さんは「最初に行うべきはスケジューリングで、いつまでに知識をインプットするか決める必要がある。目安となるのは、取りたい資格のガイド本などで紹介されている必要勉強時間だ。その時間を自分が毎日勉強できる時間で割れば、最短の準備期間を割り出せる」という――。

※本稿は、吉岡裕樹『資格試験に一発合格! 要点だけ見えてくる 超シンプルマーキング術』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■最短で資格を取るためのスケジュールの立て方

「この資格にチャレンジしよう!」と思い立ったら、最初に行うべきは「スケジューリング」です。

どんなに良いテキストや問題集があっても、計画なしに突き進むのは危険です。いつまでに、どこまで知識をインプットするか、という予定を立てることが欠かせません。

そこで、資格試験専用のスケジュール帳を用意しましょう。システム手帳のような大がかりなものである必要はありません。マンスリーのみの、薄手のものが1冊あれば十分です。

手帳を用意したら、ガイド本もしくはポータルサイトを見て、取りたい資格の「必要勉強時間」を改めて確認しましょう。その数字は平均値ではありますが、「だいたいこれくらいかかる」という目安になります。

次いで、自分が毎日どれくらいの時間を勉強に割けるかを予測しましょう。あくまでたとえばのお話ですが、平日に1時間、土日でトータル10時間勉強するとしたら、1週間の勉強時間は15時間、月にすればだいたい60時間となります。「必要勉強時間」をその数字で割ると、おおよそ何カ月ぐらいの期間、勉強すれば良いかが分かります。

次は、試験日程の確認です。勉強に必要な期間が9カ月だとして、9カ月後に一番近い試験日程はいつかをチェックします。9カ月より手前に近い日程があるなら、「少しタイトに組もう」と思うもよし、「その次の日程にして、ゆっくり進もう」と決めるもよし。そうして決めた試験日が、「ゴール地点」となります。

■試験勉強の期間を3分割する

全体の勉強スケジュール
吉岡裕樹『資格試験に一発合格! 要点だけ見えてくる 超シンプルマーキング術』より

週明けから勉強を始めて、試験日がゴール、という大枠が決まったら、次はその期間を3分割します。この本で紹介する勉強法には、以下の三つの期間があるからです。

①基礎固め期
②実力養成期
③直前期

まず、③の直前期を取り置きます。この期間に当たるのは、試験日直前の1~2カ月間です。多くの試験が試験日の1~2カ月前に出願開始となりますから、出願開始時期を目安に、その期間を丸ごと除外しましょう。これはバッファ期間です。

逆にいうと、試験日の1~2カ月前までに、知識のインプットを全部済ませておこう、ということです。インプットを終えた後も余白があると思えば、心理的に楽ですね。

ただし水を差すようですが、バッファ期間にも「復習」がありますし、過去問に当たるなど、直前期ならではの勉強があります。その他、願書を取りに行ったり、必要書類をそろえたりといった用事も発生します。そのことは一応、念頭に置いておいてください。

なお、出願期間は資格によって違うので、直前期より前に終了してしまう場合もあります。スケジュールを立てるタイミングで、よく確認しておきましょう。

■問題集を「日割り」しやることを割り当てる

直前期を除外したら、その手前にある期間を、半分に分けましょう。8カ月あるなら、基礎固め期が4カ月、実力養成期が4カ月です。この各期間でやるべきことを、割り当てていきましょう。

基礎固め期では、一問一答問題集を「1周」します。ですから一問一答のページ数(もしくは問題数)を月ごとに割り、それをさらに週ごとに割り、最終的には日割りで「○~○ページまで」というふうに当てはめていきます。

「4カ月で1周か、かなりゆったりしているな」と思われたかもしれませんが、そうでもありません。この時期は、動画講義を見る時間なども多いので、意外と時間がかかると思っておいてください。

次の実力養成期では、一問一答問題集を「2周」します。従って、基礎固め期の2倍のページ数(もしくは問題数)を割り当てていくことになります。

また、予定は狂うものなので、何度でも書き換える前提で仮決めし、その計画をスケジュール帳に書きましょう。思ったより時間がかかれば遅らせても構いませんし、逆に、思ったよりもスムーズに知識が入れば、ペースを上げてもOKです。実力養成期は2周、と言いましたが、それは「少なくとも2周」という意味です。3周できるなら、ぜひ3周しましょう。

■問題集で勉強する理由

ここまでの話で、皆さんは「ある疑問」を持たれているかもしれません。

「普通、日割りをするならテキストを分割していくものなのでは?」「なぜ問題集で分けるの?」と。

たしかに、勉強をするときは通常「テキストを読み、問題集に当たる」という順番で進めますね。

しかし、私が勧める勉強法は違います。問題集をまず見て、テキストへと「逆走」するのが最大の特徴。ですから、問題集をベースに日割りをするのです。

筆者の実際の勉強計画
吉岡裕樹『資格試験に一発合格! 要点だけ見えてくる 超シンプルマーキング術』より

スケジュールを組む作業においても、この方が便利です。なぜなら、一問一答問題集は構成がシンプルだからです。上記の私の勉強計画のように、問題を単純に割り振れば良いだけなので簡単ですね。

■できなかった分は週末で追い上げる

もう1点、皆さんは不安を感じているかもしれません。先ほど私が、「直前期にもいろいろやることがある」と言ったせいで、「なんだかんだいって、バッファがあっても間に合わないかも」と思われたのではないでしょうか。

この点も、心配ご無用です。なぜなら、週ごとのスケジュールにもバッファがあるからです。平日の5日間で少々遅れても、その都度、週末に追い上げれば良いのです。

平日に割くことのできる勉強時間は、決して長いものではありません。行き帰りの通勤時間とスキマ時間、加えて夜の1~2時間程度でしょう。しかし、「今日の分は今日中に終わらせなければ!」と徹夜で頑張るのは考えものです。翌日の仕事に響くだけでなく、疲労がたまって途中で挫折する恐れがあるからです。

■習慣化するために平日も勉強する

「では平日は捨てて、週末に丸投げということ?」と思われたでしょうか。それもまた違うのです。平日と週末の勉強は、それぞれ違った意義があります。

平日:勉強の「習慣」をつける日
週末:勉強を一気に「進める」日

勉強は、毎日少しずつでも続けることが不可欠です。毎日続けることとは、すなわち習慣化することです。平日に少しずつでも勉強すると、やがて「お風呂に入らないと気持ち悪い」と感じるのと同じように、「勉強しないと気持ち悪い」と思うようになります。

毎日の勉強は、記憶の定着にも欠かせません。毎日同じ問題集やテキストを開いて同じ情報に触れることで、記憶が積み重なり、確かな知識になるのです。

■問題集はコピーして使う

週末は、平日に遅れた分のキャッチアップも含め、勉強を「進める」日です。ですから、目指す資格にもよりますが、たっぷりな時間を充てるのがベストです。「この日曜は家族のために」などと決めた週以外は、平日の遅れをなるべく取り返す時間と考えてください。

週末は勉強以外に、もう一つやることがあります。それは、問題集のコピーを取ることです。次の1週間で勉強する分のページを、すべてコピーしておきましょう。

このコピーは、「超シンプルマーキング術」で図を作るときに使います。また、一日分だけをバッグに入れ、スキマ時間に読む、といった使い方もできます。

「すべてコピーを取るなんて、お金も手間もかかる!」と思われる方もいるでしょう。この方法は、問題文を書き写す労力を減らし、より効率よく学習を進めるために編み出したものです。「せっかくコストをかけたのだから、やらないと」という心理効果を狙っているものでもあります。

しかし、近くにコピーを取る機械がない、コピー代を抑えたい、といった場合には、文章を手書きで写しても、同じ問題集をもう1冊買って切り貼りしても構いません。

■集中できる環境を見つけよう

家以外で勉強できる場所を見つけておくことも大事です。たとえば、自習室です。自習用のスペースを設けている図書館や予備校が近くにある場合は、ぜひ活用しましょう。有料の自習室やコワーキングスペースを利用するのも手です。同じ空間に、自分と同じく何かを目指して真剣に勉強している人がいると、気持ち的に励みになるものです。

吉岡裕樹『資格試験に一発合格! 要点だけ見えてくる 超シンプルマーキング術』(KADOKAWA)
吉岡裕樹『資格試験に一発合格! 要点だけ見えてくる 超シンプルマーキング術』(KADOKAWA)

そのお店が許容していれば、ファミリーレストランや喫茶店もおすすめです。私はよくチェーンカフェで勉強をしました。自習室のように静かではありませんが、そこにも意味があります。

試験中に鉛筆を走らせる音など「周囲のノイズで気が散る」タイプの方にとって、良いトレーニングになるのです。公共空間で勉強する習慣をつけると、雑音がいちいち気にならなくなります。

また、周囲に人がいると、なんとなく「サボれない」気持ちになります。結果、集中力が上がって勉強が進むのもメリットです。お店が長時間滞在を禁止していないかなどの配慮は忘れずに、利用してみるのも良いでしょう。

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吉岡 裕樹(よしおか・ひろき)
歯科技工士、社会保険労務士
早稲田大学大学院法学研究科(修士課程)修了後、資格予備校の講師や、法律事務所の事務職として勤務。歯科医療関係の会社で歯科技工士を務めながら、2016年に医薬品登録販売者試験(東京都)、2019年に社会保険労務士試験(合格率6.6%)に一発で合格。その他、宅地建物取引士資格、日商簿記検定2級など、多数資格を取得している。著書に『資格試験に一発合格! 要点だけ見えてくる 超シンプルマーキング術』(KADOKAWA)

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(歯科技工士、社会保険労務士 吉岡 裕樹)

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