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平均16人とキスしなければ「運命の人」には会えない…「世界一のブロガー」がたどり着いた人生の真実

プレジデントオンライン / 2023年6月2日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kieferpix

つらいことが続く時、どう考えればいいのか。ブログ「1000の最高なこと」で優れたインターネットに贈られるウェビー賞の「世界一のブログ賞」を2度受賞したカナダの人気ブロガー、ニール・パスチャリ氏は「離婚したあと、自分はボロボロだった。だが、その離婚があったからこそ、今の妻に出会えた。どんなつらい経験も通過点だと考えるといい」という――。

※本稿は、ニール・パスリチャ『9ルール 自分を変える「黄金の法則」』(大和書房)の一部を再編集したものです。

■ロマンスへの道は苦難に満ちている

数年前、オンライン紙「ザ・テレグラフ」に掲載された素晴らしい調査(※)をたまたま見つけた。

ある研究チームが、ロマンスへの道がいかに苦難に満ちているか解明しようと、人生のパートナーと深くつながっている人たちを見つけて、何人との交際や性体験を経て今の関係に至ったかを調べたのだ。

(ところで、なんて奇っ怪な調査だろう。「で、フランクの前は、誰とつき合ってたんです? ジョーですか? ジョーとはどれくらいつき合いましたか? ジョーを裏切って浮気したことは? ジョーとフランクの間に、ワンナイトラブを体験しましたか?」なんて)

でも、調査の意図はわかる気がする。僕らがキスしたり、デートしたり、寝たりする相手はみんな、僕らを導き、育て、教え、気づきを与え、人生の旅を続ける助けになってくれている。おかげで僕らは少しずつ、少しずつ自分を理解し、最終的にとびきり豊かで満たされた深遠な自分自身になれる。

そういう意味では、一つ一つの別れに意義がある。どんな別れも、一つの「ステップ」なのだ。

では、具体的にお話ししよう。

この調査によると、平均的な女性は15人とキスをし、7人のパートナーとのセックスを経験し、4人とワンナイトラブを体験し、4人と悲惨なデートをし、3人と1年未満の交際をし、2人と1年以上の交際をし、二度恋に落ち、二度失恋し、一度浮気をし、一度浮気されたのちに……人生のパートナーを見つける。

へー!

では、男性は?

平均で16人とキスをして、10人のパートナーとセックスを経験し、6人とワンナイトラブを体験し、4人と悲惨なデートをし、4人と1年未満の交際をし、2人と1年以上の交際をし、二度恋に落ち、二度失恋し、一度浮気をし、一度浮気されたのちに……人生のパートナーを見つける。

これを聞いて、経験してみたいと思うだろうか?

……僕もイヤだ。

でもある意味、聞いて心が軽くなったりもした。今のぼっている階段の先にある、見えないステップに光を当ててくれる気がするから。その階段は、あなたが望んでいる長く続く揺るぎない関係につながっているのだ。

※Average woman will kiss 15 men and be heartbroken twice before meeting 'The One', study reveals

■次回は人生のパートナーに出会えるかもしれない

もちろん、たやすいことだとは言わない。

離婚して一人暮らしを始めた僕が、誰かとまたデートを始めるまでには1年以上かかった。そして始めたら始めたで、ちょっぴりつながりを感じたり、一度キスをしたりした相手からメールに返事がなかったりすると、心底へこんだ。僕はぼろぼろだったし、傷ついていた。拒絶されて、すっかり心が折れた。

そんな頃、廊下を隔てた向かい側の部屋に住んでいる、ゲイの若者と友達になった。彼の部屋には常に男友達が出入りしていた。「返事が来なくてめげてるんだ」と話すと、彼はいつも満面の笑みをたたえて同じことを言った。「次ーーーーっ!」。当時は辛辣(しんらつ)な言葉に聞こえたけど、彼は未来にたどり着くのが、僕よりうまかっただけなのかもしれない。

僕は1年間、毎晩一つブログ記事を書いた。

昼間は会社で働いて、帰り道に夕食をテイクアウトし、真夜中過ぎに寝るまでネットにつながっていた。悲しくてふらふらで、まだ気持ちの整理がつかず、一人暮らしだから「スイッチをオフにしろ」と言ってくれる人もいない。

初デートばかり重ねて、まるで埒(らち)が明かなかった。僕は失敗に失敗を重ねた。デート中の相手を、元妻の名前で呼んだ。何回も。何人もの人を。ゆったりとした夢のようなデートができる日を、僕は待ち続けた。長い会話をし、訳知り顔で微笑んで、ウェイトレスが来るたびに言うのだ。「ごめん、まだメニュー見てなかった!」

レストランで一緒に食事をしているカップル
写真=iStock.com/JackF
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/JackF

でも、そんなことは一度も起こらなかった。

『恋はデジャ・ブ』を地で行っている気がした。男が祭りの日をエンドレスに繰り返す羽目になる、あの映画だ。握手して、ハグして、ワインとフライドポテトに40ドルを払う……その繰り返しだ。

■訪れた「その日」

また1年が経ったけど、僕は同じことをしていた。

毎晩ブログを書き、誰かを紹介され、友達の友達に会い、ネットで知り合った人たちと飲みにいく。ある晩、廊下の先に住んでいる友達のリタが来て、「写真展に行かない?」と言った。通りを隔てた向かい側の建物で開催されているという。リタはしょっちゅう部屋に来ては、「ちょっと飲まない?」「何か食べない?」なんて誘ってくれるのだが、このときは友達を連れてきた。

「こんにちは。レスリーよ」。

ハッとするほど美しい、茶色の髪をした女性が、太陽みたいに自信たっぷりに微笑んで、さっと手を差し出した。「あっ、こ、こんにちは。僕は、その、ニールです」となんとか応じた。

通りを渡って、素晴らしい写真展を見たあと、フレンチ・ビストロでグラスワインとフライドポテトを頼んだ。

「ニールはブロガーなの」とリタが言った。「彼のブログ、聞いたことあるんじゃない? ちょっと前からやってるし、国内でも指折りの人気ブログだから。『The Book of (Even More) Awesome』っていう本になるんだって」

「ブログって何?」とレスリーが聞いた。

僕は、彼女から目が離せなくなった。

その晩のうちに、リタが僕ら2人にメールで、その日行った写真展のカメラマンのリンクを送ってくれた。そこで僕はレスリーにメールして、デートに誘った。「火曜の夜10時はどうかな?」とメールした。「あるいは、水曜の夜9時はどう?」

「ごめんなさい」と返事がきた。「私、夜は8時に寝るの。幼稚園の先生をしているから」「じゃあ、日曜の朝食はどう?」と僕は聞いた。

「いいね」と返事がきた。

こうして、デートの予定が決まった。

■過去を含めて、未来はつくられる

遠い、遠い、遠い昔、ちっぽけな単細胞生物が地球に現れた。

【図表】進化の概念図
イラスト=寺門朋代
出典=『9ルール 自分を変える「黄金の法則」』 - イラスト=寺門朋代

たとえば、アメーバ。(図表1の)右側のイラストのように。

そのあと、何が起こったのかって? 

3億年後、こうした単細胞生物が多細胞生物に進化した。(図表1の)左側のイラストのように。

そのあと、何が起こったと思う? その3億年後、こうした多細胞生物が植物や動物に進化した。僕らのように!

この話のどこが面白いか、わかってもらえるだろうか?

単細胞生物が、姿を消さなかったことだ。彼らは絶滅もせず、時代遅れにもならなかった。植物にも動物にも僕らの身体にも、何億という単細胞生物がいる。僕らに寄生し、僕らの体内で暮らしている。僕らの身体が彼らの住処(すみか)なのだ。

では、多細胞生物は?

重要なことを言うなら、彼らは単細胞生物でできている。そして、もう一つ重要なことを言うなら、彼らも絶滅するどころか、さらに新しくさらに大きな全体の一部になった。

木々の中に、多細胞生物がいる。あなたの中にも、僕の中にも、オプラ・ウィンフリーの中にも。

何が言いたいのかって?

僕らは「進化」を、過去を「破壊して取って代わる」ものだと思いがちだが、実は「超越して含む」ことなのだ。

過去は吸収され、未来を創造している。

■今のあなたをつくるもの

作家のケン・ウィルバーは、この考えを『万物の歴史』(春秋社)をはじめとした多くの本で提唱している。

都市は農場を破壊するのではなく、農業をより効率的かつ生産的な形で取り込んだ。映画は写真に取って代わったわけではないし、トリップホップはヒップホップに取って代わったのではない。僕らも、ゴリラと入れ替わったわけではない。人間の合理的思考は、感情に取って代わったのではなく、感情を吸収して新たに進化した「理性の脳」が生まれたのだ。

真の成長、真の進化は、破壊からは生まれない。それは、先に生じたものを取り込んで、さらに大きな全体に組み込むことから生まれる。図書館を燃やしたら何が生まれるだろう? 灰の山だ。では、本を読んで、自分の考えを発展させたら? たいていの場合、素晴らしい考えが生まれる。町を破壊したらどうなるだろう? 灰の山ができる。では、他国のテクノロジーを研究し、真似をして、そこから学んだら何が生まれる? 未来のあらゆるテクノロジーが生まれる。

GPSがなければ、配車サービスもない。検索がなければ、iPhoneの音声アシスタント「Siri」も存在しない。

あなたの過去のすべてがなければ、今のあなたはいない。あなたが今経験しているすべてがなければ、明日のあなたもいないのだ。

■つらい経験も「一つのステップ」

最初の妻の気持ちが冷めなかったら、ハドソンの単身者用アパートに引っ越すことはなかった。廊下の先に住むリタという女の子と知り合うこともなかったし、その子の友達のレスリーと恋に落ちることも絶対になかった。そして1年後にレスリーのところに転がり込んで、その1年後にプロポーズすることもなかっただろう。

ニール・パスリチャ『9ルール 自分を変える「黄金の法則」』(大和書房)
ニール・パスリチャ『9ルール 自分を変える「黄金の法則」』(大和書房)

レスリーと結婚することもなかった。

そしてレスリーが「ハドソン」と名づける息子の父親になることも絶対になかった。

当時はわかっていなかったけれど、僕は過去を吸収し、それが僕の未来をつくった。

しかも、これは僕にだけ起こったことではない。

僕らみんなに起こっていることだ。

あなたにも。僕にも。僕らみんなに。

倒れそうになったとき、ストーリーに続きを書き足せば、前に進み続けられる。次に、スポットライトをずらせば、自分を責めずにいられる。それから、最後に試してみてほしい。今起きていることは、「一つのステップ」だと考えてほしいのだ。

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ニール・パスリチャ 作家、ブロガー
2008年、日常生活で出会う小さな喜びを1000項目挙げることをめざして、ブログ「1000の最高なこと」を始める。ブログはしだいに大きな支持を集め、2009、2010年、ネットコミュニケーション界の重要な賞「ウェビー賞」で、「世界一のブログ賞」を受賞する。このブログをまとめた『心に雨が降った日に開く本(英題:The Book of Awesome)』は200週以上にわたってベストセラーリストに留まり、合計100万部以上を売り上げた。新著に『9ルール 自分を変える「黄金の法則」』(大和書房)がある。

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(作家、ブロガー ニール・パスリチャ)

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