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「仕事と学歴、優先するならどっち?」鈴木福くんの質問に、ひろゆきが「芦田愛菜さんを見習え」と答えたワケ

プレジデントオンライン / 2023年6月7日 14時15分

2022年7月8日の動画より。アップロード者は西村博之、チャンネル名は「ひろゆき, hiroyuki」(写真=無敵の人を減らすために出来ることを徒然と。/CC-BY-3.0/Wikimedia Commons)

学歴はどれほど重要なのか。2ちゃんねる創設者のひろゆきさんは「企業の採用をはじめ、世の中は学歴主義に染まっています。だから、なるべくいい学歴を保有するのは、極めて大事な自己防衛術と言えます」という――。(第2回)

※本稿は、ひろゆき『日本人でいるリスク』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。

■共働きしないと家計が成り立たなくなっている

日本における共働きは増えていて、1980年に614万世帯だった共働き世帯数が、今は倍以上の1300万世帯近くになっています。その理由としては、遅ればせながら男女共同参画社会が進みつつあることも挙げられるでしょう。しかし、一番は「夫婦二人で稼がないとお金が足りない」というものだと思います。

僕の親世代は経済が伸び盛りで、物価の上昇を上回るスピードで給料も上がっていたので、夫が働き、妻が専業主婦をするというモデルが成り立っていました。実際、僕の母親も専業主婦で、たまにパートをするくらいでした。そうした状況にあって、多くの夫婦が共働きをしてでも捻出しているのが子どもの教育費です。

子どもにだけはいい教育を受けさせたいと考えるのは、親として当然のことでしょう。その結果として、多くの子どもが早くから塾に通ったりしているものの、両親と過ごせる時間は少なくなっています。

これからの時代は、自分で考え判断する力や想像力といった「非認知能力」が必須ですが、それらはほぼ5歳までの環境で決まると言われています。その大事な5歳までの時期は、父親か母親のどちらかが子どものそばにいて、粘り強く面倒を見てあげるほうがいいでしょう。

ここで、「出産から5年間も育児に専念してしまうと、お金が足りなくなる」と心配する人もいるかと思います。しかし、5歳までの土台がしっかりしている子どもは、本質的に頭がいいので、その後の塾の費用などもあまりかかりません。長い目で見れば、こちらのほうが効率がいいと僕は思っています。

■中学受験に成功しても、結局評価されるのは最終学歴

もう一つ、無闇にお金をかけずにポイントを絞ることも大事です。今は中学受験が盛んで、あたかもその流れに乗れないと子どもが落ちこぼれてしまうかのような雰囲気さえあります。しかし、世の中で大切なのは「最終学歴」のみです。つまりは、いい大学さえ出ていればいいのです。

日本の中学生が教室で勉強している
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

小学生の頃からたくさんの塾に通って中学受験をして、高校も大学もそのままエスカレータで私立に通ったならば、相当なお金がかかります。ところが、就職などでものを言う最終学歴は、あくまでその私立大学卒です。

一方、あまりレベルの高くない公立で中高を過ごしたとしても、大学で国立など有名校に入れば学歴的には立派な勝ち組です。だから、大学受験にだけ集中してお金をかければ大丈夫。途中の教育費を心配して共働きをするくらいなら、5年間は割り切ってどちらかが子どもに関わり、基礎となる非認知能力を育ててあげましょう。

さらにマクロな視点では、男女問わずに育休が取れるシステムをつくらねばなりません。2021年度の調査では、全国の育休取得率は女性は85.1%であるのに対し男性は13.97%に留まっています。しかも、東京都の担当者によれば、このデータには「退職せざるを得なかった人は含まれていない」とのこと。実際には、気持ちよく育休を取れている人たちは、この数字よりさらに少ないはずです。

■男性も含めて育休は義務化すべき

こうした状況にあって、いくら「男性ももっと育休を取りなさい」と言っても解決にはつながりません。職場に「男が育休を取るなんて」という空気がある限り、自主的な動きに期待してもなにも変わりません。

東京都は、「仕事を休む」という後ろめたいイメージを変えるために、「育休」に変わる名称を募集し、「育業」に決定したことを発表しました。それに対する僕の案を披露すると、「労働自粛期間」。日本人は「自粛すべき」という圧力に弱いですから、この言葉を用いれば会社に出てきにくいのではないかと考えました。名称はなんでもいいのですが、ポイントは義務化。父親も含め、育休取得を義務にしてしまうことです。

以前、ある中小企業の経営者がSNSで「寿退社や産休や育休をされると困るので、若い女性は正社員として雇用しません」と発信し、物議をかもしたことがありました。こうした発言から「若い女性は雇用しづらい」という空気が醸成されてしまうので、実際に雇用しないのは自由だとしても、公言すべきではないと僕は思います。

ただ、国の制度が十分ではない以上、ついこうしたことを言いたくなってしまう気持ちはわかります。実際に、スウェーデンでは育休の義務化をしました。すると、「自分は仕事があるのでできない」という言い訳は通用しなくなり、父親もおむつを換えたり、お風呂にいれたり、ミルクを与えるようになったそうです。フランスもこれを真似た制度を導入する予定ですし、日本もすぐに取り組むべきだと思っています。

■「学歴フィルター」に文句を言ってもしょうがない

ある大手就活サイトが、所属大学によって最初から学生を選別していた疑いが浮上しました。それに続き、大手企業でも同様のことが行われていたことが暴露されています。

公平だと思っていた就職試験で「学歴フィルター」がかけられたことに、ネットで批判が殺到しましたが、僕は学歴フィルターは当然のことだと思っています。求人枠が限られている企業としては、早い段階から優秀な学生に絞って面接したい気持ちはよくわかります。どうでもいい学生と体裁ばかりの面接をしている時間を、優秀な学生との面談に費やしたいでしょう。これは、企業の立場になればわかることです。

しかし、逆に言えば、偏差値の高い大学に入っていれば、学歴フィルターが有利に働くわけです。だから、自分が努力してそういう立場になればいいのです。そもそも、学歴フィルターをかけてくるのは有名な大企業がほとんどで、小さな会社にはそんな余裕はありません。つまり、学歴フィルターに文句を言っている人は、有名大企業に入りたいと思っているのです。

自分自身がブランドで企業を選んでおきながら、企業がブランドで学生を選ぶことにとやかく言うのは違うでしょう。それに、あえて僕が指摘するまでもなく、この世の中は、ありとあらゆるところで前もっての選別が行われています。そのときに、選ばれるようになりたかったら、そうなるようにするしかありません。

■「仕事と学歴の両立」に一つの答えを出した芦田愛菜

僕は以前、タレントの鈴木福さんから受験勉強について相談を受けたことがあります。鈴木さんは芸能界の仕事と受験勉強の両立に不安を感じているようでした。

映画「ワンダー 君は太陽」(Wonder)のジャパンプレミアに出席したゲストの鈴木福さん。6月15日から公開(東京都港区のTOHOシネマズ六本木)
映画「ワンダー 君は太陽」(Wonder)のジャパンプレミアに出席したゲストの鈴木福さん。(東京都港区のTOHOシネマズ六本木)=2018年5月31日(写真=時事通信フォト)

同級生たちと戦って少しでもいい大学に入るには、しっかり勉強しなければならない。でも、勉強のために仕事を減らしてしまうと、今後は仕事が来なくなってしまうかもしれない。「どちらにどのくらいの比重を置けばいいのか」判断がつかなくて迷っていたわけです。その迷いには、芦田愛菜さんが一つの答えを出しています。

彼女は、一時期、仕事を減らして勉強に励みました。そして、偏差値の高い高校に入学して話題となり、その後は「頭のいい女優」というポジションを獲得しています。競合相手が少ないので、今やCMにも引っ張りだこ。受験勉強に費やした時間を全部取り戻しています。

芸能界という特殊な世界でも、やはり学歴はものを言います。クイズ番組を見ていても、「へえ、この人○○大学出身なんだ」と評価が上がることがあるでしょう。要するに、いい大学を出ていて損なことはありません。逆に言うと、学歴を甘く見ると、将来大きなリスクを背負うことを意味します。

■“ほどよい学歴”を手に入れることが大切

このように、企業の採用をはじめ、世の中は学歴主義に染まっています。だから、なるべくいい学歴を保有するのは、極めて大事な自己防衛術と言えます。

しかしながら、学力は人それぞれです。自分にはまったく手が届かない大学に執着してしまうのもバカげています。自分の実力と大学のランクをしっかり見極め、その上で効率よく努力しましょう。

ひろゆき『日本人でいるリスク』(マガジンハウス)
ひろゆき『日本人でいるリスク』(マガジンハウス)

僕自身は一浪して大学に入りました。この浪人生活はムダではなかったと思っています。というのも、浪人中の1年間は無職だったわけで、世間が無職という存在に対してどういう扱いをするかがよくわかったからです。人は、相手の立場によって態度をコロリと変える。そのことを身に染みて理解できたのは収穫でした。

とはいえ、ごく一般的な家庭に生まれた僕には一浪が限界。ちょうどいいところで大学に入ったと思っています。だいたい、一浪してダメなら多浪してもダメです。高校の授業もなくなり、一日中受験勉強をしていられるのですから、1年浪人すればその人の実力にあった大学には合格するはず。合格できなかったとしたら、本気で勉強していないか、そもそも選ぶ大学のレベルを間違っているかです。

本気で勉強できなかったというのも実力のうちで、やはり、その大学には見合わないということ。すっぱり諦めて、入れる大学にシフトすることをすすめます。そもそも、のんきに多浪できるのは、ごく限られたお金持ちの子息だけです。

たとえば、医学部の受験者は医師の子息が多く、開業医の親ならばなんとしても子どもに継いでもらいたいはずです。だから、5浪くらいまでお金を出してくれるケースは多々あります。でも、それが子どもの幸せかどうかはわかりません。それでようやく受かったところで燃え尽きてしまうかもしれないし、10浪しても受かる保証はありません。自分がうまく生かせるところの、ほどよい学歴が大事なのです。

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ひろゆき(ひろゆき)
2ちゃんねる創設者
東京都北区赤羽出身。1999年、インターネットの匿名掲示板「2 ちゃんねる」を開設。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。YouTubeチャンネルの登録者数は155万人。著書に『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』(プレジデント社)、『なまけもの時間術』(学研プラス)などがある。

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(2ちゃんねる創設者 ひろゆき)

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