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実は「中学英語」をちゃんと理解できていない…日本人の英訳がどうしても不自然になってしまう根本原因

プレジデントオンライン / 2023年6月12日 18時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

どうすれば英語ができるようになるのか。語学YouTuberのがっちゃん氏は「日本語と英語では、時制の感覚がかなり違う。例えば、『英語の現在形』は、『今この瞬間の現在のこと』というよりは、『普段』『いつも』『習慣的に』『一般的に』どうなのかを表現している」という――。

※本稿は、ごく普通の外国人 がっちゃん『がっちゃん英語 キミに読ませたくて創った文法書』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

■和訳は同じなのにニュアンスが異なる英語表現

英語には「have to」と「must」といった表現がありますが、これらの和訳は同じです。しかし、ネイティブスピーカーが話すときには、ニュアンスによって使い分けられることがあります。以下の英文を例に取って考えてみましょう。

① I’ll be back.
② I’m gonna(going to)be back.

これらの文では、戻ってくる計画が具体的に立てられているのはどちらだと思いますか? しかし、その前に、英語の「時制」に関する重要な点について説明したいと思います。多くの人が知っていると思われる概念ですが、実は私たちはその中で一番重要な点を見落としてしまっているのです。

■「私は学校へ行きます」と和訳する不自然さ

そもそも、日本語と英語では、時制の感覚がかなり違います。しかし残念なことに、一般的な英語の授業で、この「感覚の違い」にまで踏み込んで教えてくれる人なんて、ごくごく稀なのです。であれば、知らない人が多いのも、ある意味当然なのかもしれません。

さらに衝撃的なコトを言いますと、皆さんの中には、実は「現在形」すらわかっていない人が非常に多い」可能性が濃厚なのです。

「何言ってるのさ! 現在形なんてわかってるよ。今のことでしょう⁉」と、反論を展開する人もいるかもしれません。確かにおっしゃるとおり「今」ではあるのですが、厳密に言うと「今」ではないのです。

皆さん、これまで生きてきて、英語の例文を見ながら不思議に思った経験はありませんか?

I go to school.(私は学校へ行きます。)
I go to church.(私は教会へ行きます。)

こうした例文を見て……「不自然さ」を感じたことはないでしょうか?

どういうコトかって、日本語で普通に考えてみてください。「私は学校へ行きます。」

こんなセリフ、言ったことあるでしょうか? セリフ自体が「それって、一体どういう状況?」って感じがしませんか? 「行くところです」とか、「行ってきます」ならまだしも、「私は学校へ行きます」なんていう状況、想像できますか?

■「普段」を付け足せば自然な形になる

このセリフがまかりとおるには、日本語の場合だと、実は言葉を1つ付け加えるだけで自然になるのです。それはズバリ「普段」。

「私は普段、学校へ行きます。」

どうです? これならば、先ほどより自然でしょう。概の場合、「英語の現在形」というのは、「今この瞬間の現在のこと」というよりは、「普段」、「いつも」、「習慣的に」、「一般的に」、どうなのかを表現しているのです。これって、皆さんがこれまで考えていた現在形の認識とはだいぶ違うのではないですか?

校舎に向かう学生たち
写真=iStock.com/Inside Creative House
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Inside Creative House

「私は電車に乗ります。」
「彼は車を運転します。」

言われてみれば、この手のセリフって、どこかおかしいですものね。でも「普段」という認識を付け足せば、自然な形になるわけです。

■現在進行形は「今この瞬間」だけではない

では、「今この瞬間の現在」の場合はどうなるの? これまで多くの人たちが「現在形」だと思っていた「今現在」は、逆にどう表現すればいいの?

それがズバリ「現在進行形」なのです!

時制の概念を理解していないまま英語の勉強をしていた人は、一度くらい「おっかしいなぁ」と思ったことがあるはずです。「現在形と現在進行形とはどう違うんだよ?」って。これについては、こんなふうに無理やり考えたりしませんでしたか?

「現在形は『単なる今』で、現在進行形は『今この瞬間やってること!』」

あれ? でも、現在進行形って、今この瞬間にやってないこともめちゃくちゃ言ってるではありませんか?

I am meeting my teacher this afternoon.(私は今日の午後に先生に会うつもりだ。)
He is having lunch with me today.(彼は今日、私と一緒に昼食を食べますよ。)

こんなふうに、現在進行形を使って未来のことも言えるのですから。途端に「そうか! やっぱり英語はムリ! さようなら~」って、言いたくなってしまうわけですね。

しかし皆さん、ここはもう少し踏ん張って。これまであやふやなままで済ませていた時制の概念を覆すだけでも、英語の見方はかなり変わってくるのですからね。

おそらく本稿を読み切るころには、今までは気にも留めたことのなかった時制を「自然と意識しながら英文を見ている」自分の姿に、ハッ! と気付くでしょう。

すると、英語のハードルがぐんと下がるどころか、根本的な英語の見方が変わったことへの感動が巻き起こるハズ!

■動詞+ingは、正確に言えば「ただの進行形」

現在進行形とは何か?

この質問に対して、私たちは一般的に「ingのこと」と答えるでしょう。実際、現在進行形では動詞にingが付いた形が使われます。この考え方が定着してしまい、「ingは現在進行である」という固定観念を持っている人も多いですが……。

しかし皆さん、どうかお間違いなく。確かに、動詞にingが付いた形は現在進行形として使われますが、正しくは「現在の進行形でも使われる」ということをお忘れなく。

すべてのingが「今現在の進行形」であるわけではなく、直前の述語が「今」か「過去」か「未来寄り」かによって、ingは現在の進行にも過去にも未来寄りにもなれるのです。したがって、動詞+ingは正確に言えば「ただの進行形」であり、厳密には現在の状況を表しているときにのみ「現在進行形」と呼ばれるのです。

■ある特定の時間を「囲い」で限定している

一つの例を挙げましょう。英文の「What do you do?」を日本語では「何してるの?」と訳しますよね。これには少し混乱するかもしれませんが、実際には「今この瞬間にやっていること」を聞かれているわけではありません。実際には「職業」について聞かれているのです。つまり、現在形の質問ならば、「普段、何をしていますか?」というのが質問の意図です。

では、単純に「ねぇ、今この瞬間、何してるの?」と聞きたいときはどうすればいいのでしょうか? そのような場合には、現在進行形で「What are you doing?」と質問すれば良いのです。

ingは、ある特定の時間を「囲い」で限定したものと考えることができます。

大事なのは、その時間のイメージが、今か過去か未来かではなく、まるで「その瞬間だけが切り取られたかのように」、枠のような「囲い」で限定されるということです。

■「will」=「be going to」ではない

実は、英語の未来形として、willとbe going toの2つがあります。しかし、これらの違いについて、「同じような意味である」と習った人も多いかもしれません。また、「近い未来・遠い未来」といった説明を受けたこともあるかもしれませんが、このような概念は忘れましょう。なぜなら、助動詞としての「考え」を共通点として持っているからです。

つまり、「will」も「考え」なのです。「考え」とは、「○○しよう」と思う瞬間だけで、実際に行動に移る保証はありません。それゆえ、話し手の意志が確実かどうかは疑わしいということになります。ビジネスやニュースなどで、逃げ道を作る手法として使われることがあります。たとえば、気象予報士が「明日は○○でしょう」と、何度も「でしょう」と繰り返すのと同じです。

ごく普通の外国人 がっちゃん『がっちゃん英語 キミに読ませたくて創った文法書』(KADOKAWA)
ごく普通の外国人 がっちゃん『がっちゃん英語 キミに読ませたくて創った文法書』(KADOKAWA)

一方、「be going to」は、計画していることを表しています。まだ行動に移していなくても、計画があるということです。この表現方法の方が、「より正確な計画」と受け取れます。たとえば、ビジネスのプレゼンなどで何かしらの計画の話をする場合は、「be going to」を使うと良いでしょう。

ただし、計画しているからといって「可能性が高い」とは言い切れません。それでも、「going to」のニュアンスは「計画している」ということです。例えば、「I’m going to be back.」は、「戻る計画がある(飛行機の切符を買ったなど、具体的な計画がある)」という意味になります。一方、「I’ll be back.」は、「間違いなく、自信があり、計画がなくても戻るぞ。」という意味合いで使われることがあります。

以上から、冒頭のクイズの答えは「②I’m gonna(going to)be back.」となります。

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ごく普通の外国人 がっちゃん(ごくふつうのがいこくじん・がっちゃん)
英語を日本人に教えているごく普通の韓国人
英単語の画期的な習得方法の特許と英語の発音矯正に関する国際特許をそれぞれ取得し、自身で直接描いた6000個のイラストを用いて作った英単語アプリ「Gボカ」はリリース当時iOSストア有料カテゴリー1位を記録した。YouTubeのチャンネル登録者数は50万人を超えており、幅広く人気がある。

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(英語を日本人に教えているごく普通の韓国人 ごく普通の外国人 がっちゃん)

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