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偏差値40台でも医学部に入れる…とにかく子供を医者にしたい親が「医学部附属中学」を狙う理由

プレジデントオンライン / 2023年7月1日 13時15分

偏差値40台でも医学部に入れる(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/takasuu

なんとしても子供を医者にしたい場合、どうすればいいのか。受験カウンセラーの野田英夫さんは「医学部付属中学というルートがある。東海大学や日本大学であれば、学年で上位1割を目指せれば、医学部への内部推薦を受けられる可能性が高い」という――。

※本稿は、野田英夫『『医学部にはエスカレーターでのぼりなさい』 偏差値40から浪人せずに医者になる方法』(日刊現代)の一部を再編集したものです。

■受験生全体の上位6.7%しか合格できない

医学部受験における最大の問題、それは「学力」です。

医学部受験であろうが、一般の大学受験であろうが、志望校を決めるにはまず「偏差値」で判断されます。

これまでもお伝えしたように、医学部の偏差値は軒並み高くなっています。

偏差値60くらいでも入れる医学部を持った大学はありますが、その数は限られます。

多くの大学が偏差値60後半から70。偏差値65以上というと、受験生全体の上位6.7%です。改めて医学部がいかに狭き門であるかが、おわかりいただけると思います。

■「医学部のある大学付属校に進学する」方法もある

狭き門であることをしっかりお子さんが理解し、受験勉強に前向きであれば、親も安心して見守ることができます。

ひとつの基準として、中学受験の段階で偏差値が40台という場合、「医学部の専門予備校を併用したとしても、果たして医学部合格ラインまで偏差値を上げられるのか」と、不安になるご両親も多いことと思います。

大学受験で過酷な受験戦争に参加することなく、大学付属校で学生生活を謳歌(おうか)しながら、上位の成績をキープする。

これを可能とするのが、医学部のある大学付属校に進学するという方法です。

■偏差値40台でも医者になれる「特別なルート」

ではもう少し具体的な例で考えてみましょう。

神奈川県にある東海大学の場合、医学部の偏差値は65程度。これはかなり高い壁といえます。

付属高輪台高等学校の偏差値は57程度、付属高輪台中等部の偏差値は、なんと37程度です(中学受験と高校受験の違いがあり、また偏差値は模試によっても異なりますので、ここでの偏差値は目安とお考えください)。

このような偏差値ですが、医学部への推薦入試で少なくとも毎年10名近くが内部進学しています。

つまり、「偏差値が足りるかどうか心配だけれど医学部入学を考えている」こんなご家庭こそ、中学受験または高校受験で進学すべきなのです。

これこそが、偏差値40台でも、医師にしたい、なりたい、親子の夢をかなえる「特別なルート」なのです。

■医学部付属中学は狙い目

その他の系列校、また、ほかの狙い目である医学部付属中学の偏差値は、表のようになっています。

【図表1】医学部付属中学の偏差値
出所=『『医学部にはエスカレーターでのぼりなさい』 偏差値40から浪人せずに医者になる方法』

これらの大学付属校の入試問題は、小学校の学習指導要領をベースにしています。そのため、学校の勉強をしっかり押さえて基礎を固め、各校の過去問を繰り返し行うことで、合格する可能性はグッと高まります。

晴れて入学できたら、今度は学年で上位1割を目指しながら、医学部への内部推薦へと歩みを進めればよいのです。

いかがでしょうか? 「これならできそう」と思われた親御さん、お子さんも多いのではないでしょうか。

■学年で100番以内を取ればいい

大学付属校への入学後、医学部への内部推薦を勝ち取るには、どの程度の成績が必要になるのでしょうか。

例えば、先に挙げた東海大学の場合、全国に付属校が14校あり、全校を合わせた一学年は約4000人の生徒数になります。

付属校では高校生になると、年に1回4月に「基礎学力定着度試験」があります。

4000人中100位以内に入っていれば、医学部推薦を取れる可能性はかなり高いと言われています。

■授業をちゃんと受けていれば大丈夫

もちろん、このような試験の前には、それなりの対策が必要になります。

しかし、大学入試ではありませんので、各学年の履修単元以上のものが試験に出ることはありません。

学校の授業をちゃんと受け、しっかり宿題をこなして定着させておけば困ることはないはずです。

また、大学付属校の場合、カリキュラムが大学受験に左右されないため、学校の特色ある授業が展開されています。

教科書に載っていない内容を教える、個性溢れる授業もあります。そのため、定期試験対策としては、まずはしっかり授業を聞くこと。そして、ノートを取り、復習を怠らないことです。

授業で配布されるプリントなども重要です。これらも参考にしながら、時間に余裕をもって試験に臨んでいただきたいと思います。

勉強する中学生
写真=iStock.com/Milatas
授業をちゃんと受けていれば大丈夫(※写真はイメージです) - 写真=iStock.com/Milatas

■「学内の推薦枠」実はこんなにある

東海大学を例に挙げましたが、他の学校においても内部推薦の基準はそう変わりません。

少なくともつねに上位1割に入るくらいの成績を維持していくことが必要になります。

各大学の各付属校から医学部に進める推薦枠を見ていくことにいたしましょう。

ざっと挙げただけでも、これだけのチャンスがあります。学内の推薦枠を使わない手はないのです。

【図表2】各大学付属校の医学部推薦枠
出所=『『医学部にはエスカレーターでのぼりなさい』 偏差値40から浪人せずに医者になる方法』

■「内部進学」の評価は驚くほど高い

親御さんの中には、大学付属校から医学部に進学しても、厳しい医学部受験戦争を勝ち抜いて入学してきた子たちに、「勉強でついていけないのではないか」と心配される方もいることと思います。

私はそういった親御さんに、「安心してください、大丈夫です」と言い続けてきました。

実は内部進学で医学部に入学した生徒の評価は驚くほど高いのです。

例えば、とある大学医学部の大学職員からは「付属校からの生徒は、学習意欲が強くまじめな生徒が多い」とお褒めの言葉をいただいています。

野田英夫『『医学部にはエスカレーターでのぼりなさい』 偏差値40から浪人せずに医者になる方法』(日刊現代)
野田英夫『『医学部にはエスカレーターでのぼりなさい』 偏差値40から浪人せずに医者になる方法』(日刊現代)

また、なじみのある医師からも「内部推薦で上がってきた子たちは優秀な子が多い。学ぶ姿勢ができており、吸収力が高い」とも聞いています。

付属校からの生徒たちは、医師になるため、また推薦をもらうため、学校の勉強にまじめに取り組んでいたはずです。

明確なビジョンと目標をもって取り組んできたからこそ、医学部に行ってからも頑張れるのでしょう。

現場で働く医師や医学部関連からも評価が高いことを考えれば、むしろこれからは「内部推薦での医学部進学こそ最適解」なのです。

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野田 英夫(のだ・ひでお)
受験カウンセラー、MIRAINO教育グループ代表取締役
4月19日(ヨイジュクをつくるため)、東京・市ヶ谷に生まれる。大手進学塾の専任講師から支部長、本社経営部門を歴任。在職中はトップ講師として5000名以上の生徒たちを難関校合格に導く。その後、独立し、早慶中学に特化した完全個別指導の「早慶維新塾」を開校。2020年に大学付属校専門塾「早慶ゼロワン」を立ち上げる。2022年に医学部受験専門塾「Dr.Aiss(ドクターアイズ)」を開校。現在、直営とフランチャイズ校で計11教室を運営している。著書に『御三家はわかりませんが早慶なら必ず合格させます』(朝日新聞出版)、『中学受験 大学付属校 合格バイブル』(ダイヤモンド社)がある。

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(受験カウンセラー、MIRAINO教育グループ代表取締役 野田 英夫)

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