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「やることリスト」を上から潰していく人は効率が悪い…仕事が速い人が実践するシンプルな習慣

プレジデントオンライン / 2023年6月23日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Ralf Geithe

短い時間で効率よく結果を出す人は何をしているのか。戦略コンサルタントの山本大平さんは「やるべき仕事は、優先順位をつけてリスト化すると、結果的に効率が悪くなる。やるべき仕事を「箇条書き」にして、頭の中で整理する習慣を身につけた方が、はるかに効果的だ」という――。

※本稿は、山本大平『「すぐやる」よりはかどる! 仕事を「短くやる」習慣』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

■仕事のリスト化には、意外な「盲点」がある

ビジネスの世界では、仕事を始める前に「やることリスト」を作成して、上から順番に潰していくことが推奨されています。

仕事を「視える化」することで、やり忘れを防ぐという意味では効果があると思いますが、私はこの方法には懐疑的です。

リスト化には、意外な「盲点」があるからです。

仕事をリスト化する場合、ほとんどの人が新たなタスクを下に付け加えて、やるべき仕事の全体像を把握し、やり忘れを防ぐという「リスク管理」にポイントを置いていますが、このやり方では仕事の優先順位が反映されないため、結果的に効率が悪くなってしまうのです。

やることリストは、優先順位に従って順番に並べ直す必要がありますが、そんな手間をかけるくらいなら、わざわざ時間をかけてリスト化しても意味がありません。

やるべき仕事を「箇条書き」にして、頭の中で整理する習慣を身につけた方が、はるかに効果的です。

リストを作って上から順番に潰していくのではなく、箇条書きにした「備忘録」を優先順位に従って潰すことで、仕事は効率的に短くやることができます。

■「リスト化」は外部環境の変化に対応できない

例えば、タクシーに乗って、「どこそこまで、急いでください」と伝えたとします。

経験の浅いドライバーの場合、まずはナビをセットして、5つくらい表示される候補の中から、最短のルートを選択して、それに従って目的地に向かいます。

この5つくらい表示される候補ルートが、いわば「リスト化」された選択肢です。

ベテランのドライバーであれば、瞬時に複数の候補ルートを頭の中で思い浮かべ、「この時間はどこが渋滞しているか?」とか、「このタイミングでは、交通規制の可能性がある」など、自分の経験値で条件を加味して、ベストのルートを選びます。

段階を踏んでいく様子を黒板に描画
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

リスト化されたナビに頼ることなく、条件や状況に応じて柔軟に情報をピックアップして判断するから、早く目的地に到着できるのです。

リストを作成して判断基準を固定化してしまうと、外部環境の変化に対応できず、結果的に空回りすることになります。

仕事を「視える化」するだけでは、必ずしも仕事は短くやれないのです。

短くやるコツ
「やることリスト」を作ると、結果的に効率が悪くなる!

■「すべての仕事で、70点を確実に取る」が第一優先

どんな仕事でも100点満点の結果を出すことが理想ですが、たくさんのタスクを抱えているならば、そのすべてで満点を狙うことは現実的ではありません。

日本人には完璧主義の人が多いため、全部の仕事で100点満点の結果を狙いがちですが、仕事には必ず制限時間があります。

満点を目指してひとつのタスクに集中してしまうと、時間切れで他のタスクまで手が回らなくなります。

残りの仕事が全部0点になったのでは、何の意味もないのです。

私は自分の会社の社員には、「すべての仕事で、まずは70点を確実に取る」ことを要求しています。

優先度の高い仕事から始めて、全部のタスクで70点を目指します。

ひと通りの仕事が70点のレベルに達して、時間的な余裕や余力があれば、70点を80点へ、さらには90点に向かってブラッシュアップする……というスタイルです。

すべての仕事で満点を目指すと、プレッシャーに押し潰されながら、全力疾走する必要があり、仕事に「ムラ」が生じます。

70点のアベレージでいいとなれば、不安やストレスを抱えることなく、自然体で取り組むことができますから、素早く仕事が進みます。

短い時間で効率よく結果を出すためには、まずは70点を目指すことが第一関門だと考えています。

■自分が考える100点が上司の求める満点とは限らない

先に紹介した上司にレポートを上げるケースも、考え方は同じです。

100点満点の報告書を書こうとすると、細部の詰めの甘さが気になるなど、不安な点ばかりに目が向いて、素早く仕上げることができません。

私が考える70点とは、基本的な骨格が組み上がったプロトタイプ(叩き台)のレベルを指します。

ベースとなる考え方がまとまったら、早い段階で、「まだ途中経過ですが、基本的な考え方は合っていますか?」と上司にチェックしてもらうのです。

何か問題があれば、「ここが違うな」と指摘してくれますから、そこを修正すれば、すぐに報告書を書き上げることができます。修正にかかる時間は大幅に削減されるでしょう。

自分が想定する100点満点が、上司の求める100点とイコールとは限りません。

まずは70点を目指すことが、仕事を「短くする」ことにつながります。

短くやるコツ
大半の仕事は70 点でも十分に通用する!

■議論の途中でも時間が来たら「強制終了」する

日本企業には、長い会議を肯定的にとらえる風潮があります。

多くの人が、「会議は長いものだ」という先入観を持っており、連日、長時間の会議が続いても、「まぁ、そんなもんだろう」と違和感なく受け入れています。

「会議が長すぎて、自分の仕事ができない」

そう感じている人は多いはずですが、なぜか改善されることはなく、時間ばかりかかって、何も結論が出ないままの会議が延々と繰り返されています。

働く時間が短くなっているのですから、あらかじめ制限時間を設定して、ダラダラと長いだけの会議は短縮する必要があります。

どのくらいの時間に設定するかはケースバイケースですが、これまでの経験則で合理的に判断すれば、適切な時間を割り出すことができます。

大事なポイントは、まずは制限時間を決めることであり、適切な時間設定をしたら、仮に議論の途中であっても、その会議を「強制終了」することです。

少しくらいなら、時間を延長しても問題ない……と考え始めると、いつまで経っても長い会議が続くことになります。

■何も決めない会議ならばメール連絡で十分

私は会議や打ち合わせは30分と決めており、社外の大事な打ち合わせでも絶対に1時間は超えないようにしています。

一度でも時間を超えてしまうと、「1時間以上でも大丈夫なんだな」と思われて、ズルズルと長引くことになります。

相手が取引先の場合は、あらかじめ制限時間を伝えることは失礼になりますから、1時間が経過したら、「次に行かないといけませんので」と伝えて退席しています。

山本大平『「すぐやる」よりはかどる!仕事を「短くやる」習慣』(クロスメディア・パブリッシング)
山本大平『「すぐやる」よりはかどる! 仕事を「短くやる」習慣』(クロスメディア・パブリッシング)

それが2回くらい続けば、相手も「打ち合わせは1時間ということだな」と理解してくれるようになります。

外資系コンサル会社のアクセンチュアには、「これは無意味な会議だな」と思ったら、途中で抜けてしまう人がかなりいました。

何も決めようとしない会議ならば、メール連絡で済むだろう……という判断です。

相手がクライアントの場合でも、最初に「ナーチャリング」(顧客育成)期間というものを設けて、合理的に話し合いが進むように相手を促していました。

日本の会社では、そこまで割り切って考えるのは難しいかもしれませんが、そのくらいの強い姿勢で臨まなければ、なかなか時間は削れないものだと思います。

短くやるコツ
「絶対に30分で終わらせる」という強い意志を持つことが大切!

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山本 大平(やまもと・だいへい)
経営コンサルタント、F6 Design代表取締役
2004年京都大学大学院修了後トヨタ自動車に入社。エンジニアとして新型車の開発業務に携わる。トヨタグループのデータサイエンスの大会で優勝経験を持つ。その後TBSへ転職。日曜劇場、SASUKEなど、注力番組のプロモーション及びマーケティング戦略に従事。アクセンチュアにて経営コンサルタントの経験を経て、マーケティング総合支援会社F6 Design創業。ChatGPTを含めたAIの利活用や経営に資するマーケティング戦略のプロ。アコーディア・ゴルフ執行役員CMO、DMM.make AKIBA戦略顧問、SCENTMATIC戦略顧問/CMOなど、大手からベンチャーまで数多くの企業の要職を歴任/兼任中。『トヨタの会議は30分』は初著書ながら10万部を突破。

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(経営コンサルタント、F6 Design代表取締役 山本 大平)

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