広末涼子はなぜリスクを覚悟で不倫に走ったのか…恋愛カウンセラーが見た「既婚美人タレント」の悲しみ
プレジデントオンライン / 2023年6月20日 15時15分
■不倫の恋を責める権利があるのは双方の家族だけ
広末涼子の不倫騒動について、ふだん夫婦関係や婚活についてのカウンセリングを行っている私の元にも、「この不倫についてどう思うか?」「彼女はなぜリスクを知りつつ不倫したと思うか?」などなど、たくさんの質問が寄せられております。
この一件については正直なところ、CMの削除、芸能活動無期限謹慎処分、恥ずかしい交換日記をさらされる……等々、既に広末涼子が払った代償は大きく、
「そんなに悪いことをしたん?」
と、該当家族でもない私は思うわけです。責める権利があるのは双方の家族だけなんじゃないかと。子供のケアだけはくれぐれもお願いしたいぐらいで。
ただ、企業ブランド、商品やタレントイメージなどマクロなビジネスにおいてはそうせざるを得ない何かがあるのでしょう。その辺りは専門外なので思考停止で臨み、私の専門領域である「男と女」「夫婦関係」という超ミクロな視点で本件を見るしかないのですが、なんというかもう、検証すればするほど、
「この不倫は彼女にとって必然だった」
という結論にしかたどり着かないんですよね。
■「愛されたい」という飢餓感が人一倍強い「愛の胃下垂」
まずはアイドルや女性芸能人が不特定多数のファンから、愛(エロスを含め)を一身に受けるという特殊性について考えてみましたが、見ず知らずの誰かが自分に熱烈に恋をしていて、そんな異性が日本中にいっぱいいるという状態って、我々一般人には想像も及ばない、体験できたとしてもとうてい耐えられない感覚だと思います。
私はそんな彼女たちの受け皿が規格外だと思っています。
例えるなら胃下垂の人が普通の人よりご飯をいっぱい食べられるように、彼女たちも大量の恋心や愛やエロスを受けとれる臓器が内蔵されているというか、「愛の胃下垂」というか。
だから、芸能人として輝ける人というのは、「自分は愛されるに値する存在である」という自意識の器が巨大か、逆に「愛されたい」という飢餓感が人一倍強いかのどちらかではないかと思うのであります。
■良妻賢母にイメージチェンジすると無理が生じるのか
そんな彼女たちの大きな転機が「結婚」です。
結婚により男性ファンからの愛が必然的に減るので、今度は女性ファンの憧れになるべく、多くの女性芸能人は「きれいで、トークも演技もできて、その上良き妻や良き母である」というイメージチェンジを図るのですが、これがどれだけ大変で彼女たちにとってストレスであるかは、歴代のべストマザー賞受賞者たちがその後、不倫、不倫、離婚、不倫、離婚と盗んだバイクで走りだしているので、時間のある人は調べてみてください。
そんなストレスを抱えた彼女たちを支えるべく、夫が優しく寄り添って(見張って)くれていれば荒ぶる広末たちもおさまっていたかもしれません。
■結婚したら手のひらを返したように妻を放置する夫たち
ところが、彼女たちが結婚相手に選ぶのは、キャンドル・ジュン(被災地支援で家を空けがち)とか、業界人とか経営者とか、とにかく忙しい人ばっかりなんですよ。
これは彼らが経済面で無双だったり、「美女にビビらない」という特性を持っているからなのですが、やっかいなのは、結婚するまでは褒めちぎって全力で口説くらしいんですね。それなのに結婚した途端、仕事や外の付き合いにシフトチェンジするものだから、「話が違う!」と美女たちが暴れだすのもわかる気がします。
キャンドル・ジュンは「街録ch~あなたの人生、教えてください」(2021/10/31公開)というYouTubeチャンネルのインタビューでこう語っています。
「この10年、ほとんど福島とか東北行ってばっかりとか、本来ならもっと稼がなきゃいけないところを、世間からヒモって言われても仕方がないぐらい、稼ぐことより活動、活動ってしてたんで。それでも家族がちゃんと、今あるっていうのは本当に彼女の……べた褒めですけど。なかなかこういう機会ないからアレですけど」
「高価なプレゼントとか、美味しいもの食べに行こうみたいなことも、ほんと結婚記念日ぐらいだけど、今があるってことは、本当、(広末に)被災地支援に“行かせてもらってる”」
かつて篠田麻里子も奥菜恵も、自分が不倫した理由を「寂しかったから」と言って、「不倫女の常とう句だ!」と相当叩かれていましたが、たぶんお相手がお相手(実業家)だっただけに本当に家にいなかったんだろうな、彼女たちにとっては寂しかったんだろうな、と当時思ったものです。もちろん不倫した方が悪いけれど、彼女たちにしかわからない焦燥感が、きっとあったはずなんです。
「私はあんなに世間から愛されていたのに」って。
■美女を妻にした男たちの必須スキルは「褒め続けること」
私の友人知人にも、元モデルや元芸能人と結婚した男たちがおりまして、うまくいっている夫婦はとにかくずっと一緒に居るし、「きれいだね、かわいいね」と夫が言いまくっていて、そこに円満の秘訣(ひけつ)を見ております。
また、女優の安田成美が「夫(木梨憲武)には毎日、幸せかどうかを確認される」と、既に夫婦として長いのに惚気発言していた時にも、仲良し夫婦の良きモデルケースだと思ったものです。きっとお互いにそんな感じなんだろうけど、ノリさんはわかってるなぁと。
■思わず「馬鹿なの?」と言いたくなる夫たちの言い分
かたや妻の不倫で離婚したケースでは、超絶美女の奥さん(元グラビアモデル)を一回も褒めたことがないと言っていたものです。
相談に来た、離婚までリーチがかかっている2人の男性(妻は元モデル)も、「褒めるわけないじゃん。もう、妻だし、母親なんだから、調子に乗られても困るし」と、当然のように言っていて、思わず、
「おまえら、馬鹿なの?」と、この時ばかりは口がすべってしまったものです。
わかりますよ。元グラビア妻を調子に乗らせたくない気持ち。なぜなら、男性が浮気をする時はたいてい自分が調子ぶっこいてるときだから。
でも、女性が浮気するときは寂しいとき、夫に女性扱いされていない場合が圧倒的に多いんですよ。それは、ハチキン(男勝りの女性を指す土佐弁)と言われる高知の女である広末涼子でも、同じだったのではないかと思うのです。
■良い妻や良き母になろうとしていた彼女の頑張りが仇に
「なんとリスキーな!」と、ネットで騒がれたのは、交換日記の内容の次に、ジュンの店と不倫相手の店が1分しか離れていないという点でした。こんな不倫ドラマの脚本、リアリティなさ過ぎて絶対ボツになるよ、とネット民も騒然。
これも、私は一生懸命良い妻や良い母になろうとしていた彼女の頑張りが仇になったんだなぁと想像してしまいました。
前出の動画でキャンドル・ジュンも、妻の奮闘ぶりをこう語っています。
「(広末が)本当、朝早くから起きて、子供たちのお弁当から始まり、掃除から洗濯からって、ずっと働きながらも『仕事行ってくるよ』みたいな感じと、シッターさんとか、おばあちゃんとかいろんな親戚たちにも、自分のスケジュールで家族のフォローができないときには、全部バックアップを取っておいてくれたりとか、ずっと頑張り屋さんなんですよ」
「街録ch~あなたの人生、教えてください」(2021/10/31公開)
キャンドル・ジュンは6月18日に開いた会見でも「妻が育児放棄をしたことは、今まで一度もありません。私にとっても良き妻ですし、なにより子どもたちにとって最高の母」と改めて強調しました。
■キャンドル・ジュンの店と不倫相手の店が近いのも必然か
男性にチヤホヤされようと思ったら、業界の飲み会やら、秘密が守れる芸能人ご用達の店とか行けば、広末涼子クラスが来たら蝶よ花よと扱われるだろうし、多少うっぷんを晴らせたりはできたはずです。
でも、夜な夜なそんな所へ出入りするわけにもいかず、子育てしながら、いわば生活圏の中で普通に暮らしを頑張っていたら不倫相手と出会ってしまった、というところですよね?
空っぽの広末の胃下垂に、美味しい料理と共に優しい言葉をいっぱいくれたのがきっと、彼だったのでしょう。
あの交換日記は恋するラリった状態の女心と、やっと自分を(不倫相手のおかげで)取り戻せたという感謝の気持ちが混在していて、さらされていることを含めて、ちょっぴり切なく読みました。ほとんどはこっぱずかしかったけど。
■世が世ならエキセントリックに生きてもよかった女優
彼女たちは本来、その美しさと魅力をもってして異性(同性含む)を引き付ける天才で、その能力で芸能界に入り、ファンの愛を浴びてさらに輝いてきました。世が世なら、エキセントリックに生きてよかった女優が、自分からか時代の要請からか、「良き妻や良き母というイメージとしての纏足(てんそく)」を履くのはどれだけしんどかったのか?
私に本当のところはわかりせんが、藁をもすがる状態のとき、つかんだ手の持ち主が男性なら恋に、女性なら親友になってしまうことは、人間ならあり得ると思うのです。
6月18日のキャンドル・ジュンの会見によれば、広末側からは離婚の意思を伝えてきたとのことなので、このまま一気に離婚へと進むかもしれません。
不倫は良くないことです。特に子供がいる場合、子供たちのケアは何をもってしても最優先でするべきです。
でも、纏足を脱いで開き直った広末涼子がこれからどんな表現者になるのか、楽しみにしているのはきっと私だけではないはずです。
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リントス代表取締役
1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社・ジョヤンテを設立。2016年より、働く女性の結婚サイト「キャリ婚」を立ち上げる。婚活結社「魔女のサバト」主宰。著書に『我がおっぱいに未練なし』『私たちが仕事をやめてはいけない57の理由』など。■川崎貴子のカウンセリングルーム
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(リントス代表取締役 川崎 貴子)
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