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ゆっくり息を吐き低い声で「あ゙〜~っ」と言うだけ…眠りの質が格段に高まる"就寝前の5分間ルーティン"

プレジデントオンライン / 2023年6月29日 18時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/stockbusters

眠りの質を高めるにはどうすればいいか。漢方家の櫻井大典さんは「日中に緊張していた体を“ゆるめる”と気持ちもゆるみ寝つきやすくなる。鼻から空気をたっぷり吸い、ゆっくり息を吐きながら『あ゛~~っ』と声を出すことが効果的だ」という――。

※本稿は、櫻井大典『病気にならない食う寝る養生 予約の取れない漢方家が教える』(学研プラス)の一部を再編集したものです。

■頭脳労働なら体を動かす、肉体労働なら頭を使うが安眠のコツ

質のいい睡眠のためには、昼間の活動で体と頭がバランスよく使われていることが大切です。体と頭がどちらもほどよく疲れていれば、寝つきがよくなり、ぐっすり深く眠れます。

お仕事が頭脳労働の方は体を動かす、肉体労働がメインの方は逆に頭を使うことを意識的にやってみましょう。特に現代の頭脳労働の人は、ほぼ1日中座ってパソコンやスマホに向かっています。動かしているのは頭と目と口だけ。手先以外はほとんど体を動かしません。

やはりそれではバランスが偏りすぎています。仕事の合間に、屈伸でも、肩を回すでも、ラジオ体操でもよいので、ちょっと体を動かしてみましょう。

帰り道にいつもより10分だけ長く、ひと駅分だけでも歩いてみる。その時に、公園など木や草のある場所に寄って、自然の空気に触れるのもいいと思います。肉体労働の方は体が疲労しているので、パタッと眠れることも多いと思います。

ですが、脳が疲れていないせいで、頭が冴えてしまって眠れない、寝ても眠りが浅いということが起こりやすくなります。

その場合には、寝る1時間くらい前までに、本を読んでみる、漢字ドリルをやってみる、流行りの謎解きゲームをやってみるなどで、ちょっと頭を疲れさせるといいですよ。

■冷えて眠れない人は、睡眠時より日中の習慣を見直そう

「冷え性でなかなか寝つけない。特に冬場は足先の冷えがひどいから、靴下を重ねばきして寝ている」という声を特に女性から多く聞きます。

朝食の定番が、生野菜サラダ、スムージー、ヨーグルトなどではありませんか? 飲食店で出される氷水をがぶがぶ飲んでいませんか? 外食のセットにつけるドリンクで、いつも冷たい飲み物を選んでいませんか?

靴下を履かずに、裸足(はだし)でフローリングを歩いていませんか? くるぶしが出るような短いソックスを愛用していませんか? くるぶしはさまざまな“経絡(けいらく)(気や血(けつ)が流れる通路。ツボもこの上にある)”が交差する場所です。ここを冷やすと、足だけでなく、内臓はもちろん全身も冷やすことになります。

選んでいる食べ物、飲み物や服装によって、自分で体をどんどん冷やしている可能性があります。寝つきが悪くなるほど寒いなら、日中の行動をちょっと振り返ってみてください。

体を冷やすような習慣をまず減らすこと。そのうえで、体を温める食材を積極的に摂ってみましょう。

■眠りの質を格段に高める寝る前の5分間ルーティン

眠りの質を高めたいなら、眠る前のルーティン(日課)をつくってみてはいかがでしょう。

ルーティンといってもそんなに難しいことではなく、私がおすすめするのはストレッチです。日中に緊張していた体が固まったままでは睡眠の質の低下を招くので、“ゆるめる”ということがとても大事なのです。

お風呂から上がってパジャマに着替えたら、5分間くらいでいいので体を軽く動かしてゆるめましょう。できればテレビなどはつけず、体の声に耳を傾ける時間にしてください。

リビングや寝室のお布団の上などどこでも構いませんが、煌々と明かりがついた場所ではなく、少し薄暗いくらいのほうがリラックスできます。

必ずこの方法でといった決まりはありません。「こってるな」「ちょっと今日はここに痛みを感じるな」という部分を、しっかり重点的に伸ばすといいでしょう。固まっている部分をしばらくさするだけでもOKですよ。

特に体の側面は自律神経のバランスを司る部分とつながっているので、左右とも息を大きく吐きながら伸ばすと、気分もリラックスします。激しく動く必要はないので、体全体を横に倒す、首を倒すなどしてみましょう。体がゆるむと自動的に気持ちもゆるみ、寝つきやすくなります。

■頭部の緊張をほぐせば、全身がほぐれて安眠できる

日中にスマホやパソコンを長時間使うと、目の筋肉が過度に緊張します。目の筋肉を長時間使い続ければ、目から頭、頭から首、首から背中……と、ほかの筋肉も緊張していき、全身がこり固まった状態に。これではなかなか寝つけません。

体が緊張していると、こめかみや眉間あたりが強く張ったり、つっぱるような感覚になったりします。軽く押してみて痛みを感じるなら、こっているサインです。

頭部の緊張をほぐせば、その効果は全身へと波及するので、特にこっているなと感じる場所をまずはゆるめてあげましょう。

●首すじホットパック&ホットアイマスク――タオルを濡らしてよくしぼり、レンジで1分くらい温めたら、首と頭の境目のあたりを覆うように当てたり、目の上にのせたりして温める。タオルの温度が冷めたら終了。あずきが入っているカイロや、耳にかけられるタイプのホットアイマスクなどを利用しても構いません。

●こめかみグリグリほぐし――親指の下のふくらみを使って、左右のこめかみに当ててゆっくりと回しながらグリグリとほぐす。次に耳上あたりに移動して、同じようにグリグリほぐす。眉間のこりも気になる場合は、仕上げに片手の親指の下のふくらみを眉間に当てて、同様に小さな円を描くようにしてグリグリほぐす。

イラスト=『病気にならない食う寝る養生 予約の取れない漢方家が教える』より

グリグリとほぐす以外にも、体をゆるめるのに有効な方法があります。それが声を出すことです。歯を食いしばるくせのある方にもおすすめなので、寝ている時に歯ぎしりをしてしまう方はぜひ眠る前のルーティンに加えてください。

●あ゛~~の深呼吸――鼻から空気をたっぷり吸い、ゆっくり息を吐きながら「あ゛~~っ」と声を出す。「あ」に濁点がついた音のイメージで、低い声を出しながら息を吐ききるまで出しましょう。心の中に溜まったどんよりしたものも一緒に吐き出すつもりで。

イラスト=『病気にならない食う寝る養生 予約の取れない漢方家が教える』より

これは、緊張で浅くなりがちな呼吸をしっかり深く行うことにもつながるので、ぜひ日常でも行ってください。数回繰り返すと、眉間やあごの力が抜けてゆきます。

■心身を究極のリラックス状態に導く“ボディスキャン”

よい眠りのためには、副交感神経が優位なリラックスした状態にあることが重要です。そのための方法をふたつご紹介しましょう。

あお向けに寝た状態で、まず右手に意識を集中します。息を吸って、吐く息と同時に右手が布団の中に沈んでいくイメージをします。同じように左手、右足、左足、と繰り返していき、最後に体全体が沈んでいく……とイメージします。この間も常に深い呼吸を意識しましょう。

部位ごとに順に意識を向けていくのではなく、体全体が沈むようなイメージをするだけでもOKです。

また別の方法では、天使の輪が少し大きくなったようなものを想像します。その輪で、頭から足先まで全身をスキャンしていくイメージをしましょう。輪が通る時に体に光が当たるようなイメージをして、力が入っている部分があったら力を抜くようにします。

どちらも、体全体がじんわり温かくなるように感じられたら、リラックスできている証拠です。

イラスト=『病気にならない食う寝る養生 予約の取れない漢方家が教える』より

■慢性的な肩こり・腰痛を解消する就寝前の“全身脱力”

「力を抜けと言われても、抜き方がよくわからない」という方もいらっしゃるかもしれませんね。体を緊張させた状態が当たり前になりすぎて、力が入っていることに気づいていない。どうすれば力を抜けるのかわからない。そんな方が意外に多いのです。

櫻井大典『病気にならない食う寝る養生 予約の取れない漢方家が教える』(学研プラス)
櫻井大典『病気にならない食う寝る養生 予約の取れない漢方家が教える』(学研プラス)

力の抜き方がわからない時は、真逆のアプローチをしてみましょう。力を抜きたい部位に、いったん力を入れてみるのです。

肩の力の抜き方がわからなければ、まず両肩をグ―ッと限界まで上げて、一気にストンと下げる。その状態が、力の抜けた状態です。

イラストのように、頭の上で両手を組み、グ―ッと上に伸ばして伸ばして限界まで伸ばしたら、一気にだらんと下げる。こうすれば全身の力を抜くことができます。

体が固まっていると、血の巡りも滞ってしまいます。その状態が続くと、肩こりや腰痛など、緊張し続けている場所に痛みが出てきます。なかなか寝つけないという方は、ぜひ寝る前のルーティンにしてください。

イラスト=『病気にならない食う寝る養生 予約の取れない漢方家が教える』より

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櫻井 大典(さくらい・だいすけ)
漢方コンサルタント
国際中医専門員、日本中医薬研究会会員。漢方薬局の三代目として生まれ育つ。カリフォルニア州立大学で心理学や代替医療を学び、帰国後はイスクラ中医薬研修塾で中医学を学ぶ。中国の首都医科大学附属北京中医医院や雲南省中医医院での研修を修了し、国際中医専門員A級資格を取得。 これまで年間数千件の健康相談を受け、のべ4万件以上の悩みに応えてきた。相談者の話をじっくり聞き、不調の根本的な理由を探し、相談者の体質やライフスタイルに合わせたアドバイスをしている。Twitterで発信されるやさしいメッセージと、簡単で実践しやすい養生法も人気を集め、フォロワー数は16万人を超える。

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(漢方コンサルタント 櫻井 大典)

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