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「机に向かって勉強」より効率がいい…元会社員のカリスマ講師が教える「スキマ時間」にできる英語学習法

プレジデントオンライン / 2023年7月3日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kasto80

働きながら英語を習得するにはどうすればいいのか。大学や企業で英語を教える濱崎潤之輔さんは「『机に向かってガッツリ勉強しなきゃいけない』という固定観念はなくしたほうがいい。通勤時間や昼休みといったスキマ時間を効率的に活用すべきだ」という――。

※本稿は、濱崎潤之輔『Hummer流 英語勉強法』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■優先順位が高いものしか実行できない

日々やりたいことがある中で、結局実行できていることは、自分にとって優先順位が高いものだけではありませんか。

僕の場合は優先順位のBEST3しか実行できていないと感じます。

僕の優先順位は、まずはTOEIC L&Rテスト・英語関連のこと。これは仕事でもあるので、当然です。次が、ジムに行ってトレーニングをすること。そして3つ目は愛犬と一緒に遊ぶこと。これらが、僕が日々行いたいことのBEST3です。

この3つは「毎日必ずやる」と決めているので、ほぼ確実に実行しますし、「今日は面倒だから(やらなくても)いいや」と思うことがまずありません。

一方で、優先順位のBEST3に入らないことは、結局やらないで終わることが多いです。

Netflixで海外の映画などを観ることもありますが、優先順位としては4〜5番手、もしくはそれ以下なので、本当に時間があるときにしか観ません(もちろん観るときは心の底から楽しんでいますが)。

■「優先順位 BEST3」に英語学習を組み込む

まずは現状の自分の優先順位を把握したうえで、他に「優先度を上げて毎日取り組みたいことがいくつあるのか」を洗い出し、そこに英語学習を組み込まないといけません。

「優先順位 BEST3」から英語学習がはみ出てしまう場合には、英語より優先順位が高いものを、自分が英語学習でめざす「結果」が出るまで削ることも必要です。

どんなに勉強を頑張ろうと思っていても、「毎日ジムに行きたいし、カフェにも行きたいし、飲み会のほうが優先だし……」となると、どうしても勉強ができる時間は減ってしまいます。

当たり前ですよね。結果、上達することなく挫折することは目に見えています。

■勉強時間を「連続で」確保する必要はない

僕が「毎日3時間勉強してください」というアドバイスをしても、たいていの人はそれを実行することができません。なぜなら、多くの人は「勉強に使える3時間」を、毎日捻出する方法がわからないからです。

「毎日3時間勉強してください」と言われた人の多くは、「家やカフェなどで、テーブルや机の前に座って3時間勉強しなければいけない」と考えます。

3時間「連続で」勉強できる環境にある人は、とくに社会人では、ほとんどいないはずです。ではどうすればよいのでしょうか。

たとえば、1日に3時間勉強することにしたとしましょう。

その場合、1時間という「学習に費やせる枠」を3つ確保する、もしくは30分という枠を6回確保する、という考え方をしてください。15分・15分・30分・1時間・1時間というふうに「3時間」をいくつかに分割して、1日の学習時間の合計が3時間になるように組み立てるのです。

勉強に慣れないうちは、3時間の確保は負担が大きすぎると感じるかもしれません。まずは毎日2時間くらいの学習時間を確保することを目標にしましょう。

■1日の中で使える時間をすべてかき集める

僕はもともと会社員をしながら英語の勉強をしていたのですが、家で机に向かって勉強をする時間はなかなか取れず、往復2時間をかけて電車通勤をしていたので、その時間を使って勉強していました。

会社の定時は9時〜18時だったので、7時半に出社してから始業時間まで90分、自分のデスクで勉強をしていました。

昼休みは12時〜13時までの60分。食事は5分でかんたんにすませ、洗顔と歯磨きで5分、合計10分ほどを食事プラスアルファの時間として費やします。結果、50分ほどの勉強時間を確保することができたので、その時間を使って勉強をしていました。

ジムで過ごす時間もイヤホンで英語の音声を聞き、ジムに人が少ないときは運動と運動の合間にシャドーイングをします(これは今でも継続しています)。

ジム
写真=iStock.com/skynesher
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/skynesher

家の廊下や洗面所など、紙を貼れる場所には覚えたい単語や英文などを印刷した紙を貼っておき、目に入るたびに読むようにしました。家事や買い物、車の運転中(車を運転している間は音声だけを使った学習をするようにしてくださいね)など、他のことをしながらでも英語学習は可能です。

「机に向かってガッツリ勉強しなきゃいけない」という固定観念をなくし、「1日の中で使える時間をすべてかき集めるぞ」という意識を持つことが肝要です。

■勉強時間内に何ができたかが重要

学習時間の確保が重要なことは言うまでもありません、ある程度の英語力を身につけたいのなら、できる限り多くの時間を捻出するのは当然です。

ですが、勉強時間を確保すること以上に大切なのは、やるべきことをその時間内でしっかりと学び終えることができたかどうかです。

かんたんに言い換えるならば、あらかじめ設定したノルマ(勉強量)を達成することができたかどうか、ということです。

仮に、1日3時間の勉強時間を確保できているAさんと、1日1時間しか学習時間を確保できていないBさんがいるとします。

一見、AさんはBさんの3倍の勉強時間を確保できているので、Aさんのほうがより早く力がついていくように思えるかもしれません。ところが、Aさんが3時間で単語を10個しか覚えることができず、一方でBさんが1時間で単語を100個覚えることができたとすると、BさんはAさんの3分の1の勉強時間で、Aさんの10倍のことをマスターすることができている、ということになります。

つまり、勉強時間を確保すること以上に、勉強時間内に何ができたかのほうがより重要なのです。

「今日は3時間勉強できたからよかった」と満足するのではなく、「(今日は1時間しか勉強をできていないけれども)100個の単語を完璧に覚えることができた」ということに満足すべきなのです。

■大切なのは「学習時間の長さ」よりも「ノルマの達成」

Oxford University Press(オックスフォード大学出版局)が出している『A Teacher’s Guide to TOEIC Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success』という論文があります。この6ページ目では、TOEIC L&Rテストの目標スコア達成と勉強時間の相関関係を示す表が示されています。

この表によると、たとえば現在のスコアが550点の人が650点に到達するためには、勉強時間が平均で225時間必要、ということのようです。

しかし、これはあくまでも目安だと考えるべきです。

たとえ毎日3時間、勉強時間を確保できたとしても、その3時間で10個しか単語を覚えられないような勉強をしていては、短期間でよい結果を出すことが難しいということです。当たり前ですよね。

そもそも、この論文が作成されたのは1985年です。

ネット上ではいまだにこの研究結果を論拠としている話をよく見かけますが、当時はSNSもアプリもなかった時代ですし、英語を勉強する方法は日々進化しているので、参考程度にしておくべきでしょう。

繰り返しますが、大切なのは「学習時間の長さ」よりも、日々の「ノルマの達成」なのです。

■「大・中・小」のスキマ時間に勉強できるものを用意する

通勤、通学の時間や、お昼休みなどの時間の長さは、人によってさまざまです。電車で通勤している人もいれば、車や徒歩で通勤している人もいるでしょう。

これから紹介する内容は、僕の実体験にもとづいているため、主に電車通勤・電車通学をしている人向けのアドバイスになりますが、他の人にも参考になると思うので、ぜひ試してみてください。

スキマ時間を大中小に分ける

まず、スキマ時間を「大・中・小」に分けます。

濱崎潤之輔『Hummer流 英語勉強法』(かんき出版)
濱崎潤之輔『Hummer流 英語勉強法』(かんき出版)

この「大・中・小」は、「長い・普通・短い」という時間の長さの概念を言い換えたものであると考えてください。

「大・中・小」の時間は、だいたい以下のように定義します。

大=30〜60分程度のスキマ時間
中=15〜30分程度のスキマ時間
小=5〜15分程度のスキマ時間

スキマ時間の長さに応じて「すぐに勉強できる何か」を用意しておくのです。

「大」のスキマ時間に取り組めるおすすめ教材

模試のコピー(自身が購入したものを個人で学習するときのみ、コピーをして教材を使用することが可能です。著作権を遵守しましょう)

「中」のスキマ時間に取り組めるおすすめ教材

「TOEIC® TEST 特急シリーズ」(朝日新聞出版)などの、比較的短時間で取り組むことができる問題集・参考書

「小」のスキマ時間に取り組めるおすすめ教材

mikanなどの単語暗記アプリ

この3パターンの「勉強道具・素材」を常に持ち歩いて、スキマ時間が訪れた瞬間に「迷わず」すぐに取り組むようにするのです。

「ちょっと今、時間が空いたけど、さて、何をしようかな」などと考える時間は非常に無駄なものです。その1分1秒を惜しんで勉強に注ぎ込むからこそ、よりよい結果につながり、あなたの願いがかなうのです。

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濱崎 潤之輔(はまさき・じゅんのすけ)
大学・企業研修講師、書籍編集者
早稲田大学政治経済学部卒業後、大手証券会社での勤務を経て、神奈川県にある大手学習塾の専任講師となる。2004年に独立し、自身の塾で小学生や中学生を対象に受験対策の指導経験を積む。これまでにTOEICテスト(現:TOEIC L&Rテスト)990点(満点)を80回以上取得。現在は、全国の大学で講師を務めるかたわら、ファーストリテイリングや楽天銀行など大手企業でもTOEIC L&Rテスト対策の研修を行う。著書に『改訂版 中学校3年間の英語が1冊でしっかりわかる本』『同問題集』『TOEIC L&Rテスト ゼロからしっかりスコアアップできる本』(いずれもかんき出版)などがある。

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(大学・企業研修講師、書籍編集者 濱崎 潤之輔)

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