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新入社員の多くは「職場がゆるい」と思っている…ブラックではないのに若手が離れていく企業に足りないもの

プレジデントオンライン / 2023年7月6日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/key05

毎月、新たに発売されるビジネス書は約500冊。いったいどの本を読めばいいのか。読書家が集まる本の要約サービス「flier(フライヤー)」で、6月にアクセス数の多かったベスト20冊を、同サービスの編集部が紹介する――。

■要約サービス「6月のビジネス書」ベスト20

第1位:『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉著、ダイヤモンド社)
第2位:『これから市場価値が上がる人』(北野唯我著、ポプラ社)
第3位:『否定しない習慣』(林健太郎著、フォレスト出版)
第4位:『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(藤本梨恵子著、明日香出版社)
第5位:『ゆるい職場』(古屋星斗著、中央公論新社)
第6位:『エレガントな毒の吐き方』(中野信子著、日経BP)
第7位:『自信をつける習慣』(内藤誼人著、明日香出版社)
第8位:『こじらせない心の休ませ方』(保坂隆著、大和書房)
第9位:『超現実的で超具体的なお金の増やし方』(ハック大学 ぺそ著、あさ出版)
第10位:『世界一やさしい「才能」の見つけ方』(八木仁平著、KADOKAWA)
第11位:『一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全』(ジュリー・スミス著、野中香方子訳、河出書房新社)
第12位:『坊っちゃん』(夏目漱石著、出版社名なし)
第13位:『激変する世界で君だけの未来をつくる4つのルール』(尾原和啓著、大和書房)
第14位:『グッド・ライフ』(ロバート・ウォールディンガー/マーク・シュルツ著、児島修訳、辰巳出版)
第15位:『独学の地図』(荒木博行著、東洋経済新報社)
第16位:『あたりまえだけどなかなかできない 33歳からのルール』(小倉広著、明日香出版社)
第17位:『心理的安全性 最強の教科書』(ピョートル・フェリクス・グジバチ著、東洋経済新報社)
第18位:『ファシリテーション入門<第2版>』(堀公俊著、日本経済新聞出版)
第19位:『いつも幸せそうな人の小さな習慣』(有川真由美著、毎日新聞出版)
第20位:『怒らない100の習慣』(戸田久実著、ヒダカナオト(イラスト)、WAVE出版)

※本の要約サイト「flier」の有料会員を対象にした、2023年6月の閲覧数ランキング

■「どっちを買ったらいいと思う?」と聞かれたら…

今月の第1位は、2023年上半期の大ベストセラー『頭のいい人が話す前に考えていること』でした。

安達裕哉『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)
安達裕哉『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)

著者はまず、本書の冒頭で「あなたの頭のよさを決めるのは他者」と指摘します。他者から「頭のいい人」と認められれば、周囲はあなたの意見に耳を傾けてくれるようになり、仕事が円滑なものになるのです。まわりを見渡してみても、きっと納得できるのではないでしょうか。

その上で本書では、コミュニケーションの黄金法則を7つ示してくれます。

とりわけ印象的なのは「人はちゃんと考えて“くれて”る人を信頼する」。例えばデート中、相手から「この青の服と、白の服、どっちを買ったらいいと思う?」と聞かれたら、あなたはなんと答えるでしょう?

ここで「白かな」などと適当に答えるのはNG。「あなたのことをちゃんと考えているよ」という姿勢を見せるなら「白と青、それぞれ、どこがいいと思ったの?」がベストです。

「承認欲求を満たす側に回れ」も、ぜひ実践してほしい法則です。「自分の承認欲求を満たしたい」という気持ちを抑え、相手の承認欲求を満たす側に回ることが、信頼獲得の近道となるのです。

本書の著者である安達裕哉さんは「この本に書いてあることの殆どは、実は私が会社に勤めていたころ、上司や先輩に教わったことばかりです。ですから、読者の皆様の周りにも、こうした知恵はおそらく、たくさん転がっているのではないでしょうか」とした上で、「この本をきっかけに、身の回りにある『仕事の知恵』を改めて、見直していただく機会になれば」と話しています。本書の黄金法則を学びつつ、これまで教わってきた仕事の知恵を真摯(しんし)に実践すれば、ワンランク上のビジネスパーソンになれるでしょう。

■「必要とされる人」になるための工夫

第2位は、『転職の思考法』『天才を殺す凡人』などのベストセラーで知られる北野唯我さんによる『これから市場価値が上がる人』。

北野唯我『これから市場価値が上がる人』(ポプラ社)
北野唯我『これから市場価値が上がる人』(ポプラ社)

ChatGPT時代に「これからどう生きていこう?」「市場価値を上げないと食べていけなくなりそうだ」と悩む方に、ぜひ読んでほしい一冊です。

著者の北野さんによると、市場価値の高いビジネスパーソンとは「どこに行ったとしても必要とされる人」のこと。では、どうすれば「どこに行ったとしても必要とされる人」になれるのか。そのためには、必死の努力はもちろん、自分なりの工夫が不可欠だといいます。

自分なりの工夫で一番手っ取り早いのは、タスクの時間を短縮すること。各タスクにかかる時間を定量的に把握する→データがたまったら分析し、ボトルネックを見つける→ボトルネックを解決する、という手順で取り組み、仕事の実行スピードを上げましょう。

本書ではそのほかにも、市場価値を上げる3つの思考法や、チームとしての価値を上げる方法、習慣の見直し方などが紹介されます。これから先、時代が変わっても「一緒に働きたい」と言われる人材であり続けたいなら、まず本書を読むことから始めてみませんか。

■多くの人は無意識のうちに相手を否定している

第3位には『否定しない習慣』がランクインしました。

林健太郎『否定しない習慣』(フォレスト出版)
林健太郎『否定しない習慣』(フォレスト出版)

著者の林健太郎さんは、大手企業や外資系企業、ベンチャー企業、家族経営の会社など、さまざまな企業でのべ800人を超えるビジネスリーダーのコーチングを行ってきました。そんな林さんによると、多くの人は「否定しないで受け入れることが大切」と頭では理解しているにもかかわらず、無意識のうちに相手を否定してしまっているそう。そしてその結果、否定された相手は怒ったり、オープンに話せなくなったり、自己肯定感が低下したりし、自分と相手の間に信頼関係が生まれにくくなります。

本書で特に注目してほしいのは、否定しない技術のパート。能動的に黙る、相手の言葉を繰り返す、いったん「冷蔵庫」に入れるなど、具体的な技術がいくつも紹介されています。

一番簡単なのは、能動的に黙るようにすること。相手の言動に脊髄反射的に対応すると、ついつい否定になってしまうことも。そうした事態を防ぐために、言葉を返す前にブレーキを踏む、つまり能動的に黙るクセをつけましょう。

また林さんは、相手の言葉をさえぎる行為も一種の否定だと指摘します。相手が話し終わるまでじっと傾聴し、相手の話が落ち着いた後、気持ちを冷却してから話し始めるといいでしょう。

否定しない習慣をつければ、相手との関係性は良好なものになるはず。マネジャーやリーダーを務める方、必読の一冊です。

■今すぐ使える「聞き方のあいうえお」

続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第4位は『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』でした。

藤本梨恵子『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)
藤本梨恵子『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(明日香出版社)

「好かれる人は聞き方が上手」と、よく言われます。では実際、どのような聞き方をすれば、感じがいい人になれるのでしょうか。本書では、心理学的な観点から、具体的な「聞き方の習慣」が紹介されます。

まず意識したいのは「聞き方のあいうえお」です。

「あ」は、「相手の目を見て」。相手の目を見て聞けば、「あなたの話に興味があります」と伝えることができます。

「い」は、「いい姿勢」。足や腕を組まず、前のめりの姿勢で聞くようにしましょう。

「う」は、「うなずきながら」。楽しい話題ならリズミカルに、深刻な話題ならゆっくりなど、話の内容によってうなずき方を使い分けるのがコツです。

「え」は「笑顔で」。「あなたに心を開いています」のサインとなります。

「お」は「終わりまで聞く」。話をさえぎることなく、相手のペースに合わせて最後まで聞くようにしましょう。

そのほか、相手に矢印を向けて聞くのも重要です。「自分が話したいこと」ではなく「相手が話したいこと」に重きを置くようにすると、自然と相手は心を開いてくれて、話が弾むでしょう。

コミュニケーション次第で、人間関係は良くも悪くもなるものです。仕事でもプライベートでも使える「聞き方の習慣」を、本書で学んでみませんか?

■職場を「ゆるい」と感じて辞めていく若者たち

第5位の『ゆるい職場』にもご注目ください。

古屋星斗『ゆるい職場』(中央公論新社)
古屋星斗『ゆるい職場』(中央公論新社)

本書で紹介されているある調査によると、大手企業の入社1~3年目社員(大卒以上)に「現在の職場をゆるいと感じるか」を聞いたところ、約36%の新入社員が「職場がゆるい」と答えたことがわかっています。さらに、職場を「ゆるい」と感じている新入社員の離職傾向が強いことも明らかになっているそうです。職場を「ゆるい」と感じるほど優秀な新入社員が早期に離職してしまうのは、会社にとって大きな損失だと言えるでしょう。

著者は、新入社員の離職を防ぐためには「関係負荷をかけずに質的負荷をかけるアプローチが必要」だと指摘しています。つまり新入社員には、人間関係のストレスがかからないようにしつつ、難しい仕事を与え、成長を実感させる必要があるのです。「難しすぎる」「そんなの無理だよ」という声が聞こえてきそうですね。

この難問をクリアするヒントは、横の関係で育てること。若手社員のみ、もしくは若手社員が極めて多いチームを編成し、上司からの圧力を受けることなくのびのび行動できるチャンスを与えるのです。

数々の調査データや、若者たちの生の声がたっぷり紹介されている本書。「最近の若者はやる気がない」「新卒社員を採用してもすぐに辞めてしまう」と嘆く方に強くおすすめしたい一冊です。

■京都人に学ぶ「エレガントな毒の吐き方」

最後にご紹介したいのが、第6位の『エレガントな毒の吐き方』。脳科学者の中野信子さんが、京都人の「イケズ」を取り入れた“エレガントな毒の吐き方”のお作法を教えてくれる、ユニークな一冊となっています。

中野信子『エレガントな毒の吐き方』(日経BP)
中野信子『エレガントな毒の吐き方』(日経BP)

SNSなどでしばしば「怖すぎる」「あまりにハイコンテクスト」などと話題になる、京都風のイケズ。一例として、隣家のピアノの音がうるさいときに使うとされる「お嬢さん、ピアノが上手どすなぁ」が挙げられます。

中野さんは、イケズは単なる意地悪ではなく、京都人のコミュニケーションの知恵だと言います。直接的に苦情を言うと人間関係にヒビが入りかねないため、褒め言葉の裏に真意を隠すのです。もし相手が「苦情を言われた」と認識したとしても、表向きは褒めているため、ケンカには発展しないのがポイントです。

今日から取り入れたいのは「おもしろい」というキラーフレーズ。「おもしろい」はポジティブな言葉ですが、京都風コミュニケーションではネガティブな意味で用いられます。「結婚しないの?」などといったセクハラ質問に対して「おもしろいことをおっしゃいますね?」と返してみると、相手はタジタジになるでしょう。

上司や取引先、配偶者の親族など、関係性を壊せない相手にやんわりと言い返したい――。そんなシーンで便利に使える“エレガントな毒の吐き方”、あなたもマスターしませんか?

今月も、話し方から貯蓄術、メンタルマネジメントまで、幅広いジャンルの本がランクインしました。12位にランクインした『坊っちゃん』は、flier編集部がChatGPTと共作したものです。先月第10位だった『いつも幸せそうな人の小さな習慣』が第19位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。

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flier編集部 本の要約サービスflier(フライヤー)は、「書店に並ぶ本の数が多すぎて、何を読めば良いか分からない」「立ち読みをしたり、書評を読んだだけでは、どんな内容の本なのか十分につかめない」というビジネスパーソンの悩みに答え、ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。

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(flier編集部)

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