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怒られたら「まずは水を飲む」が効果的…自律神経の名医が太鼓判を押す最強メンタルの鉄板ルール

プレジデントオンライン / 2023年7月8日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Hakase_

強いストレスにさらされたとき、どうすればいいか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「ストレス要因と出合うと自律神経のバランスが乱れる。そういう場面で何をするか、ルーティーンを決めておくと冷静さを取り戻しやすい」という――。

※本稿は小林弘幸『自律神経が整えば、仕事も人間関係もうまくいく』(KADOKAWA)を再編集したものです。

■ストレスの正体を見極めて対処する

社会生活の中では、さまざまなストレス要因に出合います。しかしストレスから逃げてばかりいては、仕事や人間関係などは成り立たないでしょう。

「ストレスがなければいい」と単純に考えるのではなく、自分にダメージを与えているストレスの正体を「見える化」し、メンタルではなく、体の反応を注意深く観察することが大切。このとき、自律神経を整える意識を持ち、対処法を知っていると、ストレスとの向き合い方が変わります。

ストレスによって、過剰なダメージを受けないようになってくるのです。

ストレスと自律神経は密接に関係しています。

自律神経は交感神経と副交感神経に分かれ、交感神経は「活動するための神経」、副交感神経は「休むための神経」です。人間の体は何かしらのストレスを受けると、交感神経が高まります。この交感神経が上がっている状態でも、副交感神経が下がらず、自律神経のバランスが著しく悪くなければ、問題視する必要はありません。

■自律神経のバランスが崩れると血流が悪くなる

問題なのは、交感神経が上がると同時に、副交感神経が極端に下がってしまう状態。副交感神経が低下すると血管が十分に拡張しないので、まず血流が悪くなり、同時に内臓機能も低下するため、血液の質そのものも悪くなります。

自律神経のバランスが崩れると、赤血球が変形したり、くっついたり、完全に壊れてしまうケースも。すると、酸素を体中に十分に運ぶことができなくなり、脳の働きが悪くなるなど、体にはさまざまなマイナス反応が出てきます。

そこで、自律神経のバランスを整える意識が重要になりますが、その中でのポイントのひとつが「行動を決める」あるいは「行動が決まっている」ということです。具体的な対処法をご紹介しましょう。

■上司に叱られた後のルーティーンを決めておく

たとえば、上司に叱られるというストレス要因に出合ったとき、たいていの人は自分の席に戻って怒りを持続させたり、落ち込んだり、反省したりするでしょう。

しかし、残念ながらこの方法では、自律神経は整いません。ほぼ間違いなく、自律神経のトータル的なパワーは下がっていくでしょう。冷静な判断ができず、集中もできません。

ここで私が提案したいのは「上司に怒られたときは、休憩室に行って水を飲み、ゆっくり深呼吸をする」というルールを決めておくことです。

ルールとして決まっているのですから、そのときの感情、状態、自律神経など、余計なことは一切考えず、ただ休憩室に向かえばいいだけです。

そのルールが「自律神経を整える」「副交感神経の働きを高める」ものであれば、自律神経のバランスが崩れず、自然にトータル的なパワーが上がり、冷静に物事を考えられるようになります。

上司に怒られて交感神経が跳ね上がっているときにわざわざ「なぜ、あんな失敗をしてしまったんだろう……」なんて、深刻に考える必要はありません。

まずは、自律神経の状態を整えて「考えるのに適したコンディション」をつくってから、思う存分悩んでプラスにつなげればいいのです。

怒られてもすぐには反省しない。

そのための行動や反応を「決める」「決めておく」ことが大事になるわけです。

■忙しいときほど軽い運動をスケジュールに組み込む

また、自律神経を整えるのにとても効果的なのが、階段の上り下りです。

パソコンに向かってじっと座っている状態から、1~2階分の階段を上り下りするだけで、確実に血流はよくなります。階段を上り下りするトントントンというリズミカルな動きも自律神経に効果的に作用し、適度に副交感神経を高めてくれます。

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写真=iStock.com/ljubaphoto
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ljubaphoto

余裕のある人は10分でも、20分でも散歩できれば最高ですが、階段の上り下りだけでも十分です。

ここでも大事なのは「決まっている」ことです。

「調子が悪くなってきたら、ビルの2階分、階段を上り下りする」と決めておくといいでしょう。

決まっているから、無条件にルールに従う。

これが大事なのです。

通勤時にエレベーター、エスカレーターを使わないとか、この箇所だけは階段を使うなど、ルールの決め方は自由で構いません。

ただ「ストレス要因に出合ったとき、自分はこうするんだ」という対応策、反応の仕方が決まっていることはとても重要です。

忙しい時期、あるいはストレスのかかる業務に従事しているときなどには「15時になったら階段を上り下り」とスケジュールに無理矢理組み込むといいでしょう。その時間になったら、強制的に軽い運動をします。

そうやって予定が決まっていれば、否応なしに自律神経が整えられるわけです。

■「余計なことを言ってしまった」反省のストレスをなくす方法

もう一つ、私も実践しているオススメのストレス対処法を紹介しておきましょう。

それは「沈黙」です。

会議でも、飲み会でも、友人と会っているときも「余計なことはしゃべらない」と自分でルールを決めてしまうのです。

この「黙っている」と「決まっている」こそ、余計なストレスを軽減させるコツです。

誰にでも経験があると思いますが、人間関係のトラブルのうち半分くらいは「余計なことを言ってしまった」ではないでしょうか。

たとえ、あなたの言ったことが正しかったとしても「あんなこと言うべきではなかった」「相手を傷つけてしまったのではないか」「気分を害したのではないか」と無用なストレス要因を自分から作り出してしまっています。

そんなことなら、最初から黙っているに限ります。

■自分がいかに余計なことを言っていたかわかる

実践してみるとわかりますが、「黙っている」とルールにして決めておくと、圧倒的に余計なことを言わなくなります。

小林弘幸『自律神経が整えば、仕事も人間関係もうまくいく』(KADOKAWA)

最近は減りましたが、私にも、仕方なく出席している食事会、飲み会はたくさんありました。はっきり言って、これらの会合は大きなストレス要因ですが、そんな席では「沈黙する」と自分で決めています。

もちろん、話しかけられればにこやかに会話をしますし、質問されれば答えます。

ただし、原則として自分から余計なことは話さない。

「沈黙」を実践してみると、これまでいかに自分がどうでもいいことを話し、それがストレスになっていたかに気づきます。誰かの意見に反論してみたり、余計なアドバイスを与えたり、無用な知識をひけらかしたり、しなくてもいい自慢話を披露してしまうなど、そんなことばっかりです。

それが、あなたにとって快感であり、ストレス発散になれば(周りの迷惑は別にすれば)特に問題ありません。

■「今日も1日、余計なことをしゃべらずに済んだ」

しかし、たいていは「あんなこと言わなければよかった」「黙っていればよかった」と後悔するものです。

仕事ではいろいろと話さなければいけないケースも多いでしょうが、その後の飲み会、懇親会、食事会など、いわゆるオフの場面では「沈黙する」と自分で決めて、実践してみてください。

「今日も1日、余計なことをしゃべらずに済んだ」とその日を振り返ると、なかなか気分がいいものです。

慣れてくると「沈黙」によって自律神経が安定していることに気づきますし、周りの人が「どれだけ余計なことをしゃべっているか」を冷静に観察できるようになります。

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小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)
順天堂大学医学部教授
1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部卒業後、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属小児研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学医学部小児外科講師・助教授などを歴任。自律神経研究の第一人者として、トップアスリートやアーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導にも携わる。順天堂大学に日本初の便秘外来を開設した“腸のスペシャリスト”としても有名。近著に『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム)、『名医が実践! 心と体の免疫力を高める最強習慣』『腸内環境と自律神経を整えれば病気知らず 免疫力が10割』(ともにプレジデント社)『眠れなくなるほど面白い 図解 自律神経の話』(日本文芸社)。新型コロナウイルス感染症への適切な対応をサポートするために、感染・重症化リスクを判定する検査をエムスリー社と開発。

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(順天堂大学医学部教授 小林 弘幸)

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