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有名企業から数億ゲットは「テニス×心理学」 -女性トップセールス11人の「奥の手」見せます【5】SAPジャパン

プレジデントオンライン / 2012年9月7日 15時0分

SAPジャパン ハイテク産業担当アカウントエグゼクティブ綱島朝子 聖心女子大学卒。2004年2月に大手IT企業から同社に転職し、現在にいたる。

ビジネスソフトウエアを通じ、顧客に対してITによる業務プロセス改善をグローバルに支援する独SAP。同社の日本法人であるSAPジャパンで活躍しているのが、約6年のキャリアを持つ、綱島朝子さんだ。ハイテク業界大手を担当して販売実績を積み重ね、2009年度からは、グローバルで5万人近くいるSAP社員のなかからポテンシャルの高い人材上位約8%という、トップタレントに選出された実績を持つ。

「はじめから順風満帆だったわけではありません。入社当初は知識や経験も浅く、営業のはずがうまくプレゼンできずにほとんどの時間がお叱りをいただいただけ、というようなこともありました」

打破するために実践したのが綿密な情報収集と人脈づくりだ。

「同じハイテク業界であっても各社で経営戦略はまったく異なります。まずはそういった点を情報収集し、提案の方向性を決めることが第一。例えばお客様が当社ソフトウエアの外販ビジネスを強化されたい場合、外販セールス時の説得力を持たせるために内部でも私たちの製品を使っていただくよう、グループ会社を含めたお客様全般のIT構築を提案します。一方で、既存の内部リソースを活用されたいお客様には、ニーズに合う製品だけを使っていただくなど、ストレートな提案を心がけました」

綱島さんはクライアント先でとにかくメモを取る。それを社内でまとめると、理解できている部分とそうでない部分が明確になる。

「わからない部分を埋めるのに過去の提案やウェブなどから情報を得るのは当然ですが、もっとも頼りになったのはお客様からの情報。私の熱意を感じてくださって信頼関係が深まるにつれ、多くの社内事情を教えていただきました」

信頼を得るために彼女が取った行動はクイックレスポンス。依頼事項には極力即日で回答することを心がけ、自身では応えられない問い合わせについては社内を駆けずりまわり、上司のアドバイスやエース技術者の同行を求めた。

「こういったフットワークの軽さを評価いただけたので、親密な関係が築けたのだと思います。ときには、ニーズを見誤った私に対してお客様からご指摘をいただくことで軌道修正ができ、案件がまとまったこともあります」

面会当初は「SAPは嫌い」と言い切った有名企業の担当者にもめげずに食らいつき、1年後には億単位の受注にまで繋げたことも。人を見るのは営業の基本というが、それが高いパフォーマンスに繋がっているのは、見逃せない点だ。

今でも、「学生時代に心理学を学んだことや、テニス部で精神的にも鍛えられたことは役立っていますね」というのもうなずける。

社内営業も忘れない。キーパーソンにはメールではなく対面で自己紹介して「何かの際はご相談させてください」と種まき。社内外にサポーターを築き上げていった。

また、クライアントのミッションを見極めることも重要だという。

「プロジェクトを成功させて昇進したい方、一緒に仕事を盛り上げたい方、慎重に信頼関係を築きたい方などさまざまです。一番難しいのは慎重派の方。単に製品を売るのではなく、長期的なお付き合いを視野にクライアントの将来を見据えた提案が求められます」

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「決めトーク」は
とにかく逃げないことが信条。トラブル時にも、「私が嘘をついたことがありますか」「信頼してください」と伝え、相手の心配を和らげたことも。

自己啓発の仕方
仕事上で英語を頻繁に使うので、自宅ではCNNのニュースや映画を英語で見たり、メールも英語で書く。営業系の書籍で気になったものも読む。

優先順位のつけ方
現場への対応が最優先。それがなければ現在行っている提案について進め、一日の業務終了までに、各種問い合わせに対してレスポンスを返す。

服装、化粧の仕方
急いで歩くことも少なくないので、ヒールの高くない靴が必需品となる。服装はシンプルかつシャープを心がけ、化粧も派手なものは避ける。

記憶に残る失敗談
入社当時、自分の知識レベルが不十分なままに顧客を訪問してしまい、「もっときちんと調べてから来なさい」と強いお叱りを受けたこと。

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※すべて雑誌掲載当時

(ライター 大正谷 成晴 大沢尚芳=撮影)

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