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文章の要約、議事録作成が一瞬で完了する…今ある仕事とオサラバできる「ChatGPTで生産性を高めるスゴ技3選」

プレジデントオンライン / 2023年7月20日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/miniseries

ChatGPTをビジネスの効率化に活用するにはどうすればいいか。経営コンサルタントの矢内東紀さんは「ChatGPTは会議のアジェンダ作成の補助に使用できる。例えば『次の会議のためのアジェンダ構造を提案してください』と入力すると、開会の挨拶、前回の会議のフォローアップ、各トピックの議論、アクションアイテムの割り当てなど、効果的なアジェンダ構造を提案してくれて一気に効率化できる」という――。

※本稿は、矢内東紀『ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

■要約の精度向上には目的やスタイルを指定する

本稿では、ChatGPTをビジネスシーンでよくある作業に活用し、生産性を高める3つの方法をピックアップしました。順に見ていきましょう。

①要約作成

まず要約したい文章を入力し、要約の目的や希望する文字数を指定することで文章の要約ができます。以下に、具体的な質問例を示します。

「次の文章を100字以内で要約してください:“ChatGPTはOpenAIが開発した最先端のAI技術を利用した会話型のAIです。これにより、質問に答えるだけでなく、文章を作成することもできます。さらに、ChatGPTは様々な言語に対応しており、自動翻訳も可能です。しかし、依然として課題も存在し、高度な専門知識が必要な質問や、感情やニュアンスが重要な文章に対しては、完璧な回答が得られないことがあります”」

このように入力することで、ChatGPTは以下のような要約を提供できます。

「ChatGPTは、会話型AIで質問応答や文章作成ができ、多言語対応の自動翻訳も可能です。ただし、専門知識や感情・ニュアンスが重要な場合、回答が不十分なことがあります」

要約に関する制限や課題として、以下の点が挙げられます。

文字数制限
ChatGPTは、一度に返答できるトークン数に上限があります。トークンは、言語モデルがテキストを処理する際に用いる、単語や記号などの単位です。具体的なトークン数の上限は、モデルのバージョンや設定によって異なりますが、通常、一度に数百から数千トークンの範囲内で回答が生成されます。長すぎる回答が必要な場合、ユーザーは複数の小さな質問に分割して投げかけることで、より網羅的な回答を得ることができます。

精度を上げるポイント
要約の精度をアップするために重要なポイントは、明確で具体的な指示を与えることです。ChatGPTに要約を依頼する際、以下の点に注意してください。

・コンテキストの明示
入力文に文書や文章のコンテキストを明示することで、ChatGPTが適切な要約を生成しやすくなります。

・要約の目的やスタイル
要約の目的(一般向けの解説、専門家向けの要点整理など)やスタイル(フォーマル、カジュアル)を指定すると、より適切な要約が得られます。

・文字数やトークン数の制限
期待する要約の長さを明示することで、ChatGPTはその範囲内で最も適切な要約を生成しやすくなります。

これらのポイントを考慮し、明確で具体的な指示を与えることで、要約の精度を向上させることができます。

■「○○に関する革新的なアイデアを提案してください」

②企画書作成

ChatGPTを用いた企画書作成の補助では、アイデアのブレインストーミング、文章の校正、構成の改善など、さまざまな側面で助けを得ることができます。以下に具体例を挙げて説明します。

オフィスの机の上の資料とペン
写真=iStock.com/PeopleImages
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PeopleImages

アイデアのブレインストーミング
企画書作成の初期段階では、新しいアイデアや提案が必要です。ChatGPTに「○○に関する革新的なアイデアを提案してください」と入力することで、さまざまなアイデアを得ることができます。

文章の校正と改善
企画書の文章が整っているかどうかは非常に重要です。「この文章をより効果的にする方法はありますか?」と入力することで、文法や表現の改善点を提案してもらうことができます。

企画書の構成の改善
企画書の構成が整っていることも重要です。「この企画書の構成は適切ですか? 改善点があれば教えてください」と入力することで、構成の改善点やアドバイスを得ることができます。

ターゲット市場や競合分析
企画書には、ターゲット市場や競合に関する分析が含まれることが多いです。「○○市場の競合分析を行ってください」と入力することで、市場動向や競合企業の強み・弱みなどの情報を提供してもらうことができます。

予測やシミュレーション
企画書には、将来の成果やリスクへの予測が求められることがあります。「このプロジェクトの成功確率を評価してください」と入力することで、潜在的なリスクや成功要因を議論してもらうことができます。

ChatGPTを企画書作成の補助に活用することで、より洗練された内容やアイデアが得られ、効率的に企画書を作成することができます。ただし、モデルの回答は必ずしも完璧ではないため、最終的な判断は自分で行うことが重要です。

■実は創造的ではなく形式的な企画書作成

質問例
あなたはテレビ局のディレクターです。「ChatGPT」に関する特集を組むにあたって、企画書を作る必要があります。企画書案を作成してください。

企画書:ChatGPT特集番組

【番組タイトル】
「AIの進化:ChatGPTを知ろう!」

【放送日時】
2023年×月×日(日)19:00〜20:00

【番組概要】
この番組では、AI技術の進化とともに現れたChatGPTに焦点を当て、その機能や利用方法、社会への影響を解説します。また、AI専門家や関連企業のインタビューを通じて、ChatGPTの今後の展望や課題に迫ります。

【ターゲット】
・AIに興味がある一般視聴者
・ChatGPTの機能や活用法に関心がある企業関係者
・技術革新に関心がある学生・研究者

【番組内容】
・ChatGPTの概要紹介
・GPT-4アーキテクチャに基づくChatGPTの基本概要
・機能や特長の説明
・ChatGPTの利用事例紹介
・ビジネス、教育、エンターテインメントなど幅広い分野での活用例
・実際の利用者インタビュー
・AI専門家による解説
・ChatGPTの技術的側面の解説
・AI技術の進化による社会への影響
・関連企業のインタビュー
・ChatGPTを開発したOpenAIの開発者インタビュー
・ChatGPTを活用している企業の事例紹介とインタビュー
・ChatGPTの課題と今後の展望
・倫理面やセキュリティの問題についての議論
・AI技術の将来展望

【番組の狙い】
本番組では、ChatGPTについて深く理解し、その機能や活用方法を広めることを目的とします。また、AI技術の進化がもたらす社会への影響や課題について、専門家の意見を交えながら考察することで、視聴者の理解を深め、AI技術と向き合うための議論を促します。

このように箇条書きのビジネスっぽい文章を書かせれば、ChatGPTの能力は非常に高いことがわかります。企画書をはじめビジネス文書や書類というのは、形式が決まっており、創造的な作業ではないからだとも考えられます。企画書などは比較的書き手の創造性が重要だと思われている節もありますが、実はそうではない形式的な作業の一つであるといえるのかもしれません。

■効果的なアジェンダ構造からタイムマネジメントまで

③会議のアジェンダ作成

ChatGPTを会議のアジェンダ作成の補助に使用することで、効率的で成果につながる会議を計画することができます。以下に具体例をいくつか挙げます。

アジェンダの構造提案
ChatGPTに「次の会議のためのアジェンダ構造を提案してください」と入力すると、例えば、開会の挨拶、前回の会議のフォローアップ、各トピックの議論、アクションアイテムの割り当て、次回の会議のスケジュール、閉会の挨拶など、効果的なアジェンダ構造を提案してくれます。

議題の優先順位付け
「プロジェクトXに関する会議で議論すべき優先順位の高いトピックは?」と入力すると、ChatGPTはプロジェクトの進捗(しんちょく)状況やリスク管理、リソース割り当て、スケジュール調整など、議論すべき重要なトピックを提案します。

タイムマネジメントのサポート
会議の進行における時間配分についてアドバイスがほしい場合、「会議の各トピックにどのくらいの時間を割くべきか?」と入力すれば、各トピックの重要性や複雑さに応じた適切な時間配分案を提示してくれます。

役割分担の提案
会議での役割分担についてアドバイスが必要な場合、「次の会議での役割分担を教えてください」と入力すると、司会者、議事録係、進行役、発表者などの役割について具体的な提案が得られます。

アクションアイテムのフォローアップ
「前回の会議で決定したアクションアイテムのフォローアップ方法は?」と入力すると、ChatGPTはアクションアイテムの進捗確認、担当者へのフィードバック、必要に応じたサポートの提供など、効果的なフォローアップ方法を提案します。

これらの具体例からわかるように、ChatGPTを用いることで、会議のアジェンダ作成を効率的かつ効果的に行うことができます。また、ChatGPTを活用することで、以下のような追加のサポートも得られます。

参加者への事前連絡
「会議参加者に事前に連絡すべきポイントは?」と入力すると、ChatGPTは参加者に事前に共有すべき資料や、事前に検討しておくべきトピック、会議に関する注意事項などを提案します。これにより、参加者が会議に臨む前に十分な準備ができるようサポートできます。

矢内東紀『ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方』(実業之日本社)
矢内東紀『ChatGPTの衝撃 AIが教えるAIの使い方』(実業之日本社)

会議後のフォローアップメール作成
「会議後のフォローアップメールの内容を提案してください」と入力すると、議事録の共有、アクションアイテムのリスト、次回会議の日程確認など、会議後に送るべきフォローアップメールの内容を提案してくれます。

次回会議の準備
次回の会議に向けて、「次回会議のための準備事項は?」と入力すると、前回の会議で決まったアクションアイテムの進捗確認、新たな議題のリストアップ、参加者への通知など、次回の会議に向けた準備事項を提案してくれます。

これらの具体例を通して、ChatGPTは会議のアジェンダ作成だけでなく、会議の前後のサポートも行うことができます。これにより、効果的な会議運営と円滑なコミュニケーションを促進することができるでしょう。

■会議用の資料作成は一気に効率化できる

質問例
あなたは現在4店舗を展開する飲食店の経営者です。本店と支店の1つは大幅な黒字ですが、地方の店舗の売上が振るいません。また、事務員が1名しかいないという問題があります。会議をするにあたってのアジェンダを作成してください。

以下に、飲食店経営者として開催する会議のアジェンダを提案します。

1.開会の挨拶
2.前回会議の議事録の確認

【本店・支店の黒字化について】

3.本店・支店の黒字要因の分析
→営業戦略、顧客対応、メニュー構成など、成功要因の検証
4.成功要因の他店舗への適用可能性
→地方店舗への展開方法や適用の検討

【地方店舗の売上改善について】

5.地方店舗の売上不振の原因分析
→売上データや顧客フィードバック、競合分析などをもとに原因を特定
6.改善策の提案と検討
→メニュー改定、マーケティング戦略、顧客対応の見直し等の提案
7.地方店舗の販売促進活動の計画
→地域密着型のイベントやSNS活用などの販売促進活動の企画

【事務員の人手不足問題について】

8.事務業務の現状と課題の整理
→事務員1名の業務負担や過重労働の問題点を明確化
9.人手不足解消のための方策
→新たな事務員の採用、業務のアウトソーシング、業務効率化ツールの導入などの検討
各種改善策の実行計画とスケジュールの確認
10.次回会議の日程・内容の確認
11.閉会の挨拶

このアジェンダをもとに会議を進めることで、黒字店舗の成功要因の共有、地方店舗の売上改善策の検討、および事務員の人手不足問題の解決につながる議論が期待できます。

企画書の作成と同様、アジェンダや会議用の資料作成はChatGPTを使えば一気に効率化できそうだ。そのほかChatGPTで議事録のフォーマット作成や要約を行うなど、一連の流れに利用すると、より作業効率の向上が期待できるかもしれない。

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矢内 東紀(やうち・はるき)
作家、経営コンサルタント
別称えらいてんちょう。1990年生まれ。慶応大学経済学部卒。現在は作家、経営コンサルタント、ユーチューバー、投資家など幅広い分野で活動中。著書『しょぼい起業で生きていく』(イースト・プレス)がベストセラーに。その他『しょぼ婚のすすめ 恋人と結婚してはいけません!』『ビジネスで勝つネットゲリラ戦術【詳説】』『静止力 地元の名士になりなさい』『「NHKから国民を守る党」の研究』(いずれもKKベストセラーズ)、内田樹との共著『しょぼい生活革命』(晶文社)がある。

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(作家、経営コンサルタント 矢内 東紀)

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