「旦那さんしか知らないから悩むんだよ」友達の勧めでマッチングアプリに登録した30代女性が落ちた"不倫の沼"
プレジデントオンライン / 2023年7月25日 11時15分
■20~30代に多い「マッチングアプリ不倫」
「妻とは穏便に別れたいが、どうしたらいいか?」「夫とはどうしても別れたくないが、どうしたらいいか?」離婚と修復という一見、真逆に見える相談だが、原因はどちらも「不倫」であることは少なくない。
大切な人を傷つける行為だと頭では理解しているつもりでも、いざ関係がはじまってしまうとなかなかやめられないのが不倫の沼。実際、不倫が原因で相談に訪れる夫婦やカップルが減る兆しは一向にない。
相模ゴム工業の調査を見ると、結婚相手や交際相手など、いわゆるパートナーとは別にセックスをする相手がいる人の割合は年代別に異なる。男性の20代は29.6%、30代は30.9%、40代は30.1%、50代は24.5%、60代は19.8%。女性の20代は16.5%、30代は17.9%、40代は17.1%、50代は14.2%、60代は10.4%という。(相模ゴム工業「ニッポンのセックス2018年版」)。相手が特定の人なのか不特定多数なのかはさておき、パートナー以外とセックスすることを不倫とするならば、これだけの人が不倫をしていることになる。
とくに、「男性は約3人に1人、女性は約5人に1人が不倫をしている」という20~30代。この世代に注目してみると、私が日々経験している相談事例で目立っているのは、不倫がはじまるきっかけがマッチングアプリだという点だ。パートナーがいながらも、マッチングアプリに新しい出会いを求める男女が増えている印象を受ける。
たとえば、こんなケースがある。
※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。
■娘の教育方針で夫との価値観の違いに気づく
【CASE1】夫婦問題の相談相手と不倫した妻
「よかれと思ってはじめたことが、むしろ逆効果だったとわかり愕然としています」と話すのはS美さん(39歳)。S美さんは4年間の交際期間を経て、30歳の時に1歳年上の同僚と結婚。現在、小学生の子供が1人いる。「学生時代に交際経験はあったものの、真剣に付き合ったのは夫がはじめて。付き合った期間も長くなり、30歳までに結婚したいと思っていたこともあって、とくに別れる理由もないまま入籍しました」。
S美さんは、「結婚前には感じなかった夫への違和感が、結婚後にどんどん大きくなっていった」と振り返る。「食事へのこだわりや掃除の頻度など一緒に生活してみないとわからないことで生じた違和感はたくさんありました。決定的だったのが娘の教育方針についてです。私は公立でいいと思っていたけれど、夫は『中学から私立に行かせたい』と切望。進学塾に通わせるかどうかで初めて大喧嘩になりました」
その後、S美さんは親しい友人に、夫との価値観の違いについての悩みを打ち明けたところ、「どこの夫婦もそんなものでしょ。だいたいS美は旦那さんしか知らないからいちいち大ごとにとらえてしまうのでは? もっと視野を広げていろいろな既婚者の男性の意見を聞いてみたら、少しは旦那さんのことも理解できるかもよ」とアドバイスをされたという。
■「男性の相談相手をつくる」ために登録
S美さんいわく「その場で友人は『男性の相談相手をつくる感覚でやってみようよ』と私になりかわってマッチングアプリに登録し、勝手にやりとりをはじめ、知らない男性と会う段取りまでしてしまったんです。私はその時点ではまったく気乗りがしなかったものの、たしかに夫以外の男性の意見を聞いてみたい気持ちはあったし、『夫婦関係を改善するためと思って、とりあえず1回会って来たら?』と強引な勧めもあって、断りようがない状況に追い込まれてしまいました」
ところが、その後予想外のことが起こったのだった。「実際に会ってみたら想像以上に感じのいい男性で、夫のことを相談しても親身になって聞いてくれたのもうれしかった。別れ際、『また会ってもらえますか?』と切り出したのは彼ではなく私のほうでした」
男性とS美さんは3度目に会った日に深い関係になった。「夫との不仲を改善したくてはじめたマッチングアプリでしたが、彼のことを知ってますます夫から心が離れてしまったのも事実。今では彼と会うたびに『夫より、この人のほうが価値観も合うし、一緒にいても楽しい』と思うようになっています」
![手をつないで歩くシニアカップル](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/1/3/1200wm/img_1331c3a0d6ef9fe698248ec178cb88ab411568.jpg)
■「このままセックスをしないで一生を終えるなんて」
【CASE2】「セックスレスのまま一生を終えたくない」と不倫に走る妻
結婚5年目のY奈さん(38歳)は、6歳年上の夫とセックスレスの悩みを抱えている。「結婚前に付き合っていた頃は週末ごとにセックスをしていたものの、結婚して1年もたたないうちにセックスレスの状態に。私のほうからそれとなく求めても、『疲れているから』『勘弁してくれないか』と夫からはハッキリ拒まれるようになりました」。
Y奈さんの夫はバツ1で前妻との間に2人の子供がいたこともあり、Y奈さんと子供をつくることに関しては消極的だったという。「私もそれほど子供を望んでいたわけでもなく、『子供がいない人生でも、夫婦2人で楽しく暮らしていかれればいいかな』と思っていました。だから子供のことで結婚するのをためらうことはありませんでした」
とはいえ、「子供をつくる必要はない=セックスレスの状態でも構わない」とは思えないというY奈さん。「私はまだ30代。夫にも女性として見てもらいたいし、性欲だってある。なのに、このまま一生セックスをしないで終わるなんて考えられなかった」。
■夫に優しく接することができるようになった
悩んだ末、Y奈さんが選んだ解決法はマッチングアプリを活用することだった。「相手には私が既婚者であることや、いわゆる“あとくされのないお付き合い”を希望していることを事前に伝えるというマイルールを決めました。ドロドロした不倫を続けたいわけではなく、単発の恋愛っぽいドキドキを味わって、自分が女であることを確認したかったんです」
マッチングアプリで複数の男性と出会い、関係を持つことを試みて半年たった今、Y奈さんの心境には変化があったとのこと。「外で満たされているせいか、罪悪感がそうさせるのかはわかりませんが、夫に対して優しく接することができるようになったのはたしか。セックスレスが原因で気まずくなりかけていた夫との関係もなんとなく穏やかなものに落ち着き、私自身も不満がなくなったことで毎日機嫌よくいられるようになりました。この先どうなるかは想像ができませんが、しばらくはマッチングアプリ生活を続けてみようと思っています」。
![スマホで「いいね」を送る手元](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/4/f/1200wm/img_4f130275783c3549824a75b86f136d42257968.jpg)
■「僕のすべての言動に対してキレまくる”鬼嫁”になってしまった」
【CASE3】子供が生まれて激変した妻から逃避する夫
「正直な話、今はマッチングアプリに手を出したことより、結婚したことへの後悔のほうが大きくなっている」と話すT也さん(29歳)は、同じ年の妻と3年前に結婚し翌年に父親になった。「もともと妻は“専業主婦願望”があり、『子供ができたら仕事を辞めたい』と話していました。『2人で働いて収入を増やすより、家庭に入って支出を抑えるほうが私に向いている』とも。幸い、僕の給料だけでもカツカツながらも家族3人でなんとか生活していくことはできるので、今の暮らしは妻の希望をかなえた形になっているんじゃないでしょうか」
T也さんがマッチングアプリをはじめた理由は、「妻以外の女性に癒やしを求めたかったから」。というのも、T也さんいわく「子供が生まれてから、妻は激変したんです。子供のことが最優先になったせいか、ずっと同じような部屋着のままだしメイクもしない。しかも、僕のすべての言動に対してキレまくる“鬼嫁”になってしまった」とのこと。
「残業を終えて帰宅したところ、インターホンを鳴らしたタイミングが悪かったようで『ちょっとは時間を考えてよ! 今ようやく子供が寝ついたばかりなのに』と怒鳴られた」「外出先から帰ってきて子供に触れようとしたら『汚い手で触らないで! ちゃんと消毒まで済ませないうちは私にも話しかけないで!』と怒られた」などと妻から浴びせられた怒声のエピソードにも枚挙にいとまがない。
■アプリで出会った女性たちは「キラキラ」していた
不倫を正当化する理由にはできないとはわかっていたが、絶えず不機嫌な妻とともに生活していかざるを得ない毎日に嫌気が差し、T也さんはマッチングアプリで出会う女性たちに逃げ込んだのだった。「これまで僕が出会った女性たちはみんな妻とは正反対で、仕事を持ちながらも小綺麗にしている可愛らしい人ばかりだった。そんなキラキラした彼女たちと一緒にいると、『世の中には素敵な女性がこんなに大勢いるのに、なぜよりによって妻と結婚してしまったのだろう』と思い、結婚したことが悔やまれてなりません」
![結婚指輪を外す男性の手元](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/6/9/1200wm/img_69a3f8664eee73c51ab74370a344346e507485.jpg)
■「もっといいパートナーがいる」願望を捨てきれない
このように、20代、30代における不倫の最近の傾向としては、「マッチングアプリで出会った相手と不倫関係になった」ということがある。なぜ、この世代はマッチングアプリに出会いを求めるのか。どうやらその理由のひとつとして「ひょっとして、今のパートナーよりもっとフィットする相手がほかに存在するのではないか」という願望を捨てきれない“若さ”があると、私は推察している。
人生100年時代、まだこれから長く続いていく人生だとしたら20代、30代はほんの入り口にすぎない年齢だ。そこで出会った人とこの先60年以上も添い遂げる覚悟があるかどうか。「はたして本当に今の相手でいいのだろうか」と心がぐらついた時、身近にあるマッチングアプリを活用して自分の気持ちをたしかめようとしても不思議ではないだろう。
もちろん、その結果今のパートナーより価値観の合う人が見つかったとしても、「だったら、新しい相手とやり直そう」と舵を切るのか、「それでもやはり今の相手と暮らしていこう」と思い直すのかは本人次第。大切なのは、自分の下した決断に対しては誠実に努力し、幸せになろうとすることではないだろうか。
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夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー
夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに32年間、38000件以上の相談を受け、2200人以上の離婚カウンセラーを創出『離婚カウンセラーになる方法』(ごきげんビジネス出版)。近著は夫婦の修復のヒントとなる『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)。著書多数。
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(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー 岡野 あつこ)
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