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あなたは「データの入力規則」を理解できているか…共同作業の効率が劇的に上がるエクセルの神スキル

プレジデントオンライン / 2023年8月1日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

エクセルでの共同作業の効率を上げるにはどうすればいいか。内科医のExcel医さんは「複数人でひとつのエクセルファイルを共同編集すると、表記ゆれが発生して手間取りやすい。ドロップダウンリストを使えばミスを防いで効率を上げることができる」という――。

※本稿はExcel医『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)を再編集したものです。

■医者はどんなときにExcelを活用しているのか

私は医者です。世間的には、Excelを使うイメージはあまりないかもしれませんが、医者だってめちゃくちゃExcelを使います。医者は患者を診察して電子カルテに入力、オーダーするだけではありません。学会や論文発表、院内外の勉強会・研究会で実際の患者データをまとめて発表する機会があります。

「患者さんのデータをまとめる」

ここで、Excelを使います。統計ソフトも使いますが、その前段階としてExcelを使う方が大半です。私の周りの医療者も様々な用途でExcelを使用しています。

■作業効率が劇的に上がって本業に使える時間が増えた

私は大学生時代から、レポートに載せる表とグラフ作成、家計簿管理にExcelを使っていました。医者になりたての頃も、忙しい臨床の合間に、学会発表の準備でExcelを使っていました。しかし、Excelの使い方について、誰からも教わっていません。たまたま横でExcel作業をしている先輩医師から、得意げにセル結合の仕方を教わる程度でした。

そんな私は、あることがきっかけでExcelを勉強し、人生が劇的に好転しました。Before/Afterを比べてみると次のような感じです。

Before:Excelを勉強する前の私
●なんとなくExcelを使えるけど、使いこなせない
●「効率悪いんだろうなあ」と、内心思いながら集計作業を行う
●同じ関数を何回もベタ打ちで一から入力する
●イマイチなテーブルやグラフを、その場しのぎで作成する
●マクロで自動化なんて、当然知らない

After:Excelを勉強した後の私
●ショートカットを駆使して、Excelを効率よく使っている
●再計算可能なように、データベース形式で集計している
●初めから関数を組んでおき、自動で反映されるようにしている
●場面に応じた見やすいテーブルやグラフを作成している
●マクロでユーザーフォームを作成し、ピボットテーブルで自動集計している

Excel医『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)
Excel医『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)

Excelを勉強してよかったこと
●効率の悪いExcel作業が激減し、本業に時間と体力を割くことができる
●時間にゆとりができ、家族と過ごす時間が増える
●「Excelができる」だけで、めちゃくちゃ評価される
●Twitterで発信したら、15万人超にフォローしてもらえる
●本を執筆する機会をいただく

私はExcelを勉強して、このような変化が起きました。

ぜひみなさんも、Excelを学んで人生を好転させましょう。

■「男性」「男」「M」…入力者による表記のばらつきをなくす方法

複数人でExcelファイルを使っていると、同じ意味でも違った表記がまざっている! なんて経験あると思います。私の職場でもありました。患者さんのデータの性別欄に「男」「男性」「M」など、いろんな文字列が入っていたのです。人間にはこれらが同じ意味だとわかりますが、Excelにとっては全く別物なのです。

Excelの重要な機能であるフィルター機能や関数などでは、こうした表記ゆれがデータの中にあると、めちゃくちゃ困ることになります。どんなに「絶対に『男』か『女』で入力してくださいね!」とお願いしても、きっといつかおざなりになってしまうでしょう。人間は忘れる生き物ですから……。

しかしそんなとき、便利なのがドロップダウンリストです。

「ドロップダウンリスト」「ドロップダウンメニュー」「プルダウンメニュー」「プルダウンリスト」、言い方はいろいろありますが、これらはすべて同じものです。

ドロップダウンリストを作成すれば、リストから選択するだけで入力できます。これは「文字入力しなくてすむ」だけではなく、表記ゆれがなくなります。時短かつミスがなくなる、これすごく大事です。まさに効率化。

ぜひ作れるようになりましょう。

■表記ルールを最初に設定してしまえばミスを防げる

[項目を直接入力する場合]

まずドロップダウンリストを配置するセルを選択し、[データ]タブ→[データの入力規則]のアイコンをクリックします。

【図表1】[データの入力規則]のアイコン
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

「データの入力規則」ウィンドウが表示されるので、[入力値の種類]から[リスト]を選択します。

【図表2】[リスト]の選択
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

[元の値]という入力欄が表示されるので、そこにリストの項目(「男,女」)を入力します。

【図表3】[元の値]にリストの項目(「男,女」)を入力
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

[OK]をクリックしてウィンドウを閉じると、設定したセルの右側に「▼」ボタンが表示されます。それをクリックすると、先ほど設定した「男,女」のどちらかを選択して入力できるようになります。

【図表4】セルの右側に▼ボタンが表示される
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

ちなみに入力規則を設定したこのセルに、リストにない文字列を入力しようとすると、こうなります。

【図表5】リストにない文字列を入力しようとした場合
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

「『M』はダメ! リストがあるからそこから選んでね。」と、Excelさんが注意してくれます。これなら表記ゆれの心配はいりませんよね。

■手入力の手間を減らして効率化を図る

[すでにあるリストを項目に設定する場合]

先ほどの方法だと、入力する項目に変更があったり追加したりしたい場合、範囲選択をして、同じように設定し直す必要があります。でもそれはちょっと面倒ですよね。

シート上にリストを作っておき、それを入力規則に設定することもできます。

まず、項目のリストを作成します。

【図表6】項目のリストを作成
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

そして、先ほどと同じように、入力規則を設定したいセルを選択して[データの入力規則]のアイコンをクリックします。

【図表7】[データの入力規則]のアイコンをクリック
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

[入力値の種類]から[リスト]を選択すると、[元の値]が表示されるので、入力欄右側のボタンをクリックします。

【図表8】[元の値]入力欄右側のボタンをクリック
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

先ほど作成したリストの範囲を選択し、右端のボタンをクリックします。

【図表9】作成したリストの範囲を選択し、右端のボタンをクリック
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

[OK]をクリックして「データの入力規則」ウィンドウを閉じると、ドロップダウンリストが設定されています。

【図表10】ドロップダウンリストが設定されている
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

性別リストの「未記入」を「非公表」に変更してみましょう。すると、ドロップダウンリストにも反映されています。

【図表11】性別リストの「未記入」を「非公表」に変更
『人生を変える Excelの神スキル』(KADOKAWA)より

入力する値が決まっているものに関しては、こんなふうにして、ドロップダウンリストを使えば手入力の手間もなくなり、表記ゆれを未然に防げます。あと、リストの選択肢が増減する場合、いちいち変更するのは面倒ですよね。もちろん自動で反映させる方法もあります。本稿では割愛しますが、Googleで「Excel リスト 自動」「Excel リスト 連動」などと調べてみてください。

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Excel医 医師
内科医として勤務する中、職場の悲惨なデータベースを見てExcelを猛勉強し、初心者レベルからVBAを習得するまでに至る。ユーザーフォームで組織内のシステムを構築し、業務効率を改善し、生産性の向上を遂げる。2020年6月よりTwitterを開始し、非IT系のExcel初心者に向けた情報を発信。フォロワー数は6万人を超える。

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(医師 Excel医)

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