家賃や住宅ローンは「いますぐ安くできる」可能性がある…お金を貯めたい人がやるべき「3つの行動」
プレジデントオンライン / 2023年8月2日 15時15分
※本稿は、午堂登紀雄『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
■お金を貯められない人がぶつかる「3つの壁」
40~50代の方々にとっては、そろそろ老後の準備を始めないといけないけれど、あまり貯金もなく不安という人もいると思います。
おかねに関する壁は、大きく3つあります。
ひとつは「知識の壁」。
これはシンプルに「知っているか知らないか」で差がつくことが多いということを意味します。やはり知識は武器であり、金融知識だけでなく、自分に影響を与える社会制度を広く知る必要があります。
次に「思考の壁」。
どんなに知識があっても、それを上手に使いこなせなければ意味がありません。また、「自分には無理」とか「もうどうしようもない」などと思考を放棄してしまっては未来の展望が描けないでしょう。そういう観点からも「どのように考えればよいか」という思考の壁は非常に大きいと思います。
そして、最後が「行動の壁」。
どのような優れた知識、適切な思考をしたとしても、それが行動に現れなければそもそも何も知らないのと同じ、何も考えていないのと同じということになってしまいます。やはり行動に移してこそ、自分の状況が変化するのですから。
今回は、この3つの壁を打ち破る方法を紹介します。ぜひ、知って、考え、実行してみてください。
■方法①「値下げ交渉」をする
「家賃は契約期間中でも値下げ交渉できるということをご存知でしょうか。
あらゆる値段は、単に売主の希望価格です。なので、交渉することで売主がOKであれば、安くすることができるのです。
たとえば家賃。
賃貸住宅を借りるとき、家賃だけでなく、敷金や礼金など、たくさんのお金が必要ですが、交渉しないのはとってももったいない。
なぜなら、それらも単に大家の希望であって、交渉すれば、いずれも安くすることができる可能性があるからです。特に1月~3月というハイシーズンを外して借りれば、弱気になる大家が増えるため、値引き交渉の余地があります。
また、すでに賃貸契約期間中の人も(定期借家契約でなければ)、一般的な契約期間である2年間は家賃の変更はできないと思っている人が多いのですが、実際はできます。
といっても、何の根拠もなく「安くしてくれ」では大家は耳を貸してくれませんから、ある程度の情報武装が必要です。たとえば、今の家賃と相場の賃料とを比較し、そういう材料を武器にして、大家に交渉すればよいのです。
実は、私もそんなふうに入居者から交渉され、所有する高級賃貸マンションの家賃の値下げに応じたことがあります(涙)。
住宅ローンの金利も交渉できます。その場合、今、住宅ローンを組んでいる銀行とは別の金融機関で借り換えの見積もりを取り、それを今の銀行に「こちらの銀行で借り換えすれば、これぐらい金利を下げてくれると言ってくれているのですが……」と相談を持ちかければ、応じてくれる可能性はあります。
■方法②「行政サービスをフル活用する」
みなさんは、自分が住んでいる市区町村のホームページをじっくり見たことはあるでしょうか。実はものすごいお宝が眠っていることも少なくありません。
それは、自治体が独自に提供している住民サービスです。もちろん、自治体によって内容は違いますが、たとえばこんなものがあります。
・私立保育園の費用補助
・子どもの医療費の補助
・家賃の補助
・住宅ローンの金利補助
・バリアフリー・耐震などのリフォーム費の補助
・エコカー(電気自動車など)の購入補助
・太陽光パネル設置の補助
・省エネ設備(エネファームやエコファームなど)の購入補助
・雨水リサイクル設備の購入補助
・三人乗り自転車やヘルメットの購入補助
・格安で会議室やスポーツセンターが使える
・自治体が提携している保養施設(ホテルや旅館など)を格安で使える
・高齢者の公共交通機関の値引き
・車いすの購入補助
これらはごく一部にすぎませんが、住まい、教育、医療、レジャー、介護など、幅広い分野でたくさんの補助金・助成金・割引サービスが提供されています。
■市町村のホームページを定期的にチェックしよう
以前テレビで知ったのですが、なかには一軒家をタダでくれる自治体や(過疎地域ですが)、子どもに携帯電話をタダで配っている自治体(子どもの安全な登下校のため)もあるそうです。
ほかにも、市区町村によって、結婚祝い金、出産祝い金、入院見舞い金、入学祝い金と称して、さまざまな給付サービスがあります。
私の実家は過疎化が進んでいるという問題もあり、その地域に家を買うとすごい金額のキャッシュバックが受けられます。
これらは知らなければ何もトクしませんが、知れば機械的にメリットを享受できます。「把握」するだけで、何らかの予測作業は必要ありません。そして、こういった特典を受けるために、市区町村のホームページを定期的にチェックし、戦略的に引っ越し、住む場所を選んでいる人もいます。
私たちが支払っている住民税や諸税を使って自治体がわざわざ用意してくれているのですから、あとは目端を利かせて情報収集し、活用するかどうかです。
補助金や助成金は予算ありきですから、予算を消化してしまえば当該年度での受付は終了します。あるいは制度そのものが廃止されます。だから早い者勝ちです。
もちろん、取り立てて必要のないものを買うのはナンセンスですが、国や自治体が発表する制度や方針には敏感になっておくことです。
また、国会決議や中央省庁、県議会や市議会などが発表する「承認された」「予算が決まった」という情報があれば、いずれ制度として申込受付を開始するわけですから、準備をしておくことができます。
たとえば、購入判断のタイミングを測ったり、支給条件に合致するよう自分の属性を整える、などです。
■方法③「会社任せにしないで節税する」
会社に勤めていれば、税金のことを気にする機会はほとんどありません。
だからといって、会社に任せておけば大丈夫、というのは誤解です。
なぜなら、会社がやってくれるのは、源泉徴収や社会保険料控除、年末調整、個人年金・生命保険・損害保険控除などの、基本的なことだけだからです。
でも、知らないばかりに、本来は払わなくても済む税金を払っていることもよくあります。
たとえば、両親や祖父母が70歳以上の場合、自分の扶養に入れることで、別居なら48万円、同居なら58万円の所得控除が適用されます。
また、医療費控除が受けられるのはよく知られていますが、実はスポーツクラブの会費も、医療費として控除できるのをご存知でしょうか。
厚生労働省が認定するスポーツ施設で、治療行為の一環という医者の証明書があれば、医療費控除が可能なのです。
全国で300施設以上もあり、厚生労働省のホームページに記載されています。
「温泉に行っても節税できるんです」と言われて信じられるでしょうか。スポーツ施設と同様に、認定機関施設だって、一定の条件はありますが、医療費として控除の対象になり、節税(会社員であれば還付)することができるのです。
といった情報は、会社も誰も教えてくれませんよね。
だから、自分で知識武装し、自分で申告するしかないのです。
以上のように、知っている人だけが利用できるお得な制度はたくさんあります。ぜひ、広くアンテナを張って情報を収集し、賢く利用されてください。
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米国公認会計士
1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。
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(米国公認会計士 午堂 登紀雄)
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