1日3回「たった1分」の習慣でよく眠れるようになる…薬に頼らない睡眠外来の医師が教える改善法
プレジデントオンライン / 2023年8月7日 10時15分
■要約サービス「7月のビジネス書」ベスト20
第2位:『話し方の一流、二流、三流』(嶋津良智著、明日香出版社)
第3位:『あなたの人生を変える睡眠の法則2.0』(菅原洋平著、自由国民社)
第4位:『人のために頑張りすぎて疲れた時に読む本』(根本裕幸著、大和書房)
第5位:『稼ぎ方2.0』(村上臣著、SBクリエイティブ)
第6位:『「気がきく人」と「気がきかない人」の習慣』(山本衣奈子著、明日香出版社)
第7位:『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』(南祐貴(セカニチ)著、ダイヤモンド社)
第8位:『グッド・ライフ』(ロバート・ウォールディンガー/マーク・シュルツ著、児島修訳、辰巳出版)
第9位:『健康になる技術 大全』(林英恵著、ダイヤモンド社)
第10位:『客観性の落とし穴』(村上靖彦著、筑摩書房)
第11位:『精神科医Tomyの心が凹んだときに読むクスリ』(精神科医Tomy著、三笠書房)
第12位:『頭のいい人が話す前に考えていること』(安達裕哉著、ダイヤモンド社)
第13位:『ほんとうの心の力』(中村天風著、PHP研究所)
第14位:『THE POP-UP PITCH 最もシンプルな心をつかむプレゼン』(ダン・ローム著、花塚恵訳、かんき出版)
第15位:『同調圧力のトリセツ』(鴻上尚史/中野信子著、小学館)
第16位:『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著、岩波書店)
第17位:『渋沢栄一 一日一言』(渋沢栄一著、致知出版社)
第18位:『アメリカの高校生が学んでいる投資の教科書』(ティモシー・オルセン著、桜田直美訳、SBクリエイティブ)
第19位:『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』(藤本梨恵子著、明日香出版社)
第20位:『先読み!IT×ビジネス講座 画像生成AI』(深津貴之/水野祐/酒井麻里子著、インプレス)
※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2023年7月の閲覧数ランキング
■仕事ができる人は「考える時間」を取っている
今月の第1位は『仕事の順番』でした。
![田中耕比古『仕事の順番』(フォレスト出版)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/5/4/1200wm/img_54dc58850d099f641c2b817acdc050d9248692.jpg)
仕事ができる人とできない人の違いは「仕事の順番」にある――著者の田中耕比古氏は本書の冒頭で、こう指摘します。
例えば、資料を作るとき。仕事ができない人は、いきなりパワーポイントで資料作成を始めるため、思考がまとまらないまま時間だけが過ぎていきます。一方、仕事ができる人は、考えを整理してから資料へと落とし込みます。
つまり仕事ができる人は、タスクに着手する前に「考える時間」を取っているのです。そうすれば、適切な手順を選べるため、ムダがなくなり、効率よく仕事が進むというわけです。
また著者は、適切な「仕事の順番」として、「GRAPH」というフレームワークを提案します。
・G(Goal):目的・目標を定める
・R(Route):道筋・打ち手を考える
・A(Agreement):すり合わせる
・P(Progress):実行・進捗(しんちょく)を管理する
・H(Harmonize):調和させる
どんなタスクでも、この順番に沿って取り組めば、スムーズに進んでいくでしょう。
著者は「本書をきっかけに基本に立ち返ってみたり、後輩やチームメンバーへのアドバイスの際にご活用いただいたりすることで、皆さんの、そして皆さんの所属組織の生産性向上の一助となりましたら幸いです」と述べています。仕事力を上げたい方や、上司や先輩から「仕事が遅い」「効率が悪い」と指摘されがちな方、チーム全体の生産性向上を目指す方、仕事を効率よく進めてプライベートを充実させたい方に、まず読んでほしい一冊です。
■一流は「相手目線」に立って伝える
第2位は、『話し方の一流、二流、三流』。累計150万部突破のベストセラー作家、嶋津良智氏が、一流、二流、三流の話し方を比較しながら「相手の心を動かす話し方」を教えてくれる一冊です。
![嶋津良智『話し方の一流、二流、三流』(明日香出版社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/9/7/1200wm/img_97c1f969fd55d618ca5d05c460cd1d32199609.jpg)
例えば、相手に何かをやってほしいとき、三流はやってほしいことを伝え、二流は自分都合で頼み、一流は相手目線に立って伝えます。具体的な例を挙げてみましょう。
タクシーの運転手が、乗客に「シートベルトをお締めください」というメッセージを伝えるとします。ここでシンプルに「締めてください」とだけ伝えるのは、三流のコミュニケーションです。そして「万一の事故の際、当社は責任を負いかねますので」と自分都合の理由をつけるのは二流。一流は「お客様の安全を守るために」と、相手目線に立った理由を添えるのです。この伝え方なら、相手は気持ちよく動いてくれるでしょう。
おそらく多くの読者は、本書を読み進めるうちに、自分の伝え方が三流、もしくは二流であることに気づいてドキッとさせられるでしょう。公私問わず、円滑なコミュニケーションのために、ぜひ手に取ってみてほしい一冊です。
■1日3回「たった1分の習慣」で睡眠を改善
第3位には『あなたの人生を変える睡眠の法則2.0』がランクインしました。14万部突破のベストセラー『あなたの人生を変える睡眠の法則』を全面リニューアルした一冊です。
![菅原洋平『あなたの人生を変える睡眠の法則2.0』(自由国民社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/2/1200wm/img_f2ce1fe0a590472f99a42ed500114852328020.jpg)
本書の特徴は、睡眠にまつわる正しい知識がまとまっているだけでなく、朝・昼・夕それぞれたった1分で睡眠を改善する方法を教えてくれる点。しかも、朝だけ、昼だけ、夕だけでも、一定の効果が期待できるといいます。
朝の習慣は、起床4時間以内に1分間、光を浴びること。
昼の習慣は、起床から6時間後にごく短い昼寝をすること。
夕の習慣は、起床から11時間後に簡単なエクササイズをすること。具体的には、スクワットを10回するだけでOKです。
本書の著者である菅原洋平氏は、東京のクリニックで薬に頼らない睡眠外来を担当する傍ら、全国各地で生体リズムや脳の仕組みを活用した企業研修を全国で行っている、脳と睡眠のプロフェッショナル。プロが教える睡眠術を取り入れて、仕事のパフォーマンスアップを目指しましょう!
■「未来がヤバい日本」で生き抜く方法
続いて、4位以下から、注目の書籍をご紹介します。第7位は、各種SNSで「#世界最速で日経新聞を解説する男(セカニチ)」として活躍する南祐貴(セカニチ)氏の『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』でした。
![南祐貴(セカニチ)『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』(ダイヤモンド社)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/3/5/1200wm/img_3572bc3d973996a641d437145209b4df301575.jpg)
著者は、日本の未来は「ヤバい」とし、自分の手で自分の人生を切り開く必要があると説きます。
特に注目したいのは、良い転職をするための考え方です。年収は働く会社や業界によって大きく変わるもの。アップルやマイクロソフトなどといった企業で働けば、高収入が得られるだけでなく、多くの有給休暇を取ることができます。つまり、「どう働くか」よりも「どの企業で働くか」によって年収が決まるのです。
その事実を受け入れたら、自分の資産となる「キャリア」「プロ」「市場価値」の3つをコツコツと積み重ねましょう。自分の価値を安定的に提供し、その魅力を適切にアピールできるようになれば、引く手あまたの人材になれます。すぐには転職しないにしても、今日から「キャリア」「プロ」「市場価値」を積み重ねていきましょう。
転職のみならず、副業や投資など、「未来がヤバい日本」で生き抜く方法を丁寧に教えてくれる本書。「ヤバいのはわかっているけど、何から手を着けていいかわからない」と悩む方にぴったりの一冊です。
■「良好な人間関係」が幸せな人生をもたらす
第8位の『グッド・ライフ』にもご注目ください。
![ロバート・ウォールディンガー、マーク・シュルツ『グッド・ライフ』(辰巳出版)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/6/a/1200wm/img_6aa39135d74bbece0d930067776c4b59137487.jpg)
幸せな人生を送るための条件がたった一つだけあるとしたら、いったい何だと思いますか? 本書は、84年にわたって、2000人を超える被験者の人生を追跡調査してきた「ハーバード成人発達研究」の結果をもとに、幸せな人生を送るための条件を教えてくれます。
本書によると、冒頭の問いの答えは「良好な人間関係」です。誰もが予想する通り、社会的成功や運動習慣、健康的な食生活も重要ですが、調査の結果を見ると、良好な人間関係はもっと明らかに、もっと絶えることなく重要性を発揮していたのです。
では、どうすれば良好な人間関係を構築・維持して、幸せな人生を送れるのでしょうか。著者のアドバイスの一つは、交流の「頻度」と「質」を確保すること。家族や友人、パートナーと、高い頻度で、良質なコミュニケーションを取るように心がけましょう。
人生100年時代を健康に、幸福に生きていきたいなら、本書がすばらしいヒントを与えてくれるでしょう。
■『君たちはどう生きるか』に再び注目
最後にご紹介したいのが、第16位の『君たちはどう生きるか』。1900年代の名作として愛されてきた本書は、2017年に漫画化されて200万部を突破し、一大ブームを巻き起こしました。2023年7月に同名のジブリ映画が公開されたことで、いま再び注目を集めています。
![吉野源三郎『君たちはどう生きるか』(岩波書店)](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/0/f/1200wm/img_0f130fc9d09b254fc3df4d8a4114cff2170268.jpg)
本書の主人公は、成績優秀な15歳の少年、コペル君。彼が見聞きしたことと、そんな彼に対して叔父さんが書いた「ノート」のパートで構成されています。
特に印象的なのは、雪の日の出来事です。コペル君と一緒に雪合戦をしていた友人たちが、雪人形を壊してしまったことで上級生たちに責められたのです。物陰に隠れながら、どんどんエスカレートしていくやりとりをハラハラしながら見守るコペル君。そんなとき、別の友人が飛び出して彼らをかばいますが、あっけなく殴られてしまいました。
「自分も飛び出すなら今だ」と考えるコペル君ですが、足がすくんで動けません。コペル君の脳裏には、「卑怯者」という無言の声がこだましていました――。
誰でも経験のありそうな出来事です。さて、この悔しさをコペル君はどのように乗り越えたでしょうか。そして、自分を責めるコペル君に、叔父さんはどのような言葉をかけたでしょうか。子どもから大人まで、広い世代の心に響く一冊です。
今月も、話し方から睡眠改善、プレゼン術まで、幅広いジャンルの本がランクイン。また、先月第1位だった『頭のいい人が話す前に考えていること』が第12位、第4位だった『なぜか感じがいい人の聞き方 100の習慣』が第19位、第14位だった『グッド・ライフ』が第8位と、依然として多くの方に読まれています。来月はどのような本が多く読まれるのか、引き続きチェックしてまいります。
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(flier編集部)
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