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結婚35年、不倫歴15年以上…モラハラ夫に耐え抜いた63歳妻が不倫相手の定年と同時に突き付ける三行半

プレジデントオンライン / 2023年8月17日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/solidcolours

シニアの不倫にはどんな傾向があるのか。夫婦問題研究家の岡野あつこさんは「40代や50代のうちに不倫相手と出会っていて、そこから関係を続けているケースがよくある」という――。

■よくある「長い時間を経て不倫相手と再婚」

不倫は若い世代だけがするものではない。むしろ、子育てにひと段落し、経済的にも余裕が出てくるのが50代以降だろう。パートナーとセックスレスの状態になっているケースも少なくないことを考えると、シニア世代のほうが不倫をしやすい環境が整っているともいえそうだ。

シニア世代が再婚する場合、若い世代とは異なり「出会ってすぐに結婚」というケースはまれ。40代や50代のうちに出会っていて、そこからずっと関係を続けて愛を育んだ結果、ようやく一緒になるめどが立った、ということもよくある。

では、一般的なシニア世代の不倫事情はどうなっているのだろうか。ここ数年で実際にあった相談例のなかからいくつかご紹介したい。

※プライバシーに考慮して、事実関係の一部を変更しています。あらかじめご了承ください。

■親友の弟と不倫関係に…

【CASE1】モラハラ夫との生活に耐える妻を支え続けた不倫相手

今年で結婚35年を迎えるR子さん(63歳)は1歳年上の夫と犬と暮らしている。2人の子供たちはそれぞれ家庭を持ち、孫もときどき遊びにくるという、一見円満な熟年夫婦だ。

ところがR子さんにはひそかに計画していることがあるという。「実は私には15年以上のお付き合いになる不倫相手がいます。その人とは来年、彼の定年退職を機に『一緒になろう』と話しています。夫と子供たちには年が明けたところで打ち明けるつもりです」。

R子さんが不倫に走ったきっかけは「長年にわたる夫のモラハラ」だったという。「まだモラハラという言葉が一般的ではない頃から夫は私に対する暴言がたびたびあり、年を重ねるごとにエスカレートしていきました。『誰のおかげで暮らせると思っているんだ』というお約束のフレーズはもちろん、『なんの取り柄もない女だな』『俺がもらってやらなければ、お前は一生独身だっただろうな』などと自尊心が傷つく言葉を言われ続けていたんです」。

そんな夫の心ない言葉の数々に苦しめられている時にR子さんが出会ったのが、不倫相手となる男性だった。「彼は私の学生時代からの親友の弟です。夫のことで彼女の家に相談に行った時に偶然居合わせたのが独身の彼でした。親友と一緒に私の話を聞いていた彼はたったひと言『許せない』と言い、親友の代わりに私を最寄り駅まで送って行く道すがら『つらくなったらいつでも連絡してください』と優しい言葉もかけてくれました」。

■夫への罪悪感はまったくなかった

不倫関係がスタートしたのはそれから3年後だったという。「その日も夫の言葉に深く傷ついた私は、子供を連れて家を出て実家に帰ったんです。その頃には、彼とは定期的に連絡を取り合う仲でした。実家に帰った翌日の昼間、公園で彼と再会した瞬間、涙が止まらなくなってしまった私を『時間はかかるかもしれないけれど、俺がR子さんを守るから』と優しく抱きしめてくれたんです」。

小指をつなぐカップル
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

R子さんいわく「夫への罪悪感はまったくありませんでした。それどころか不倫相手の彼の存在があったからこそ、その後の夫との生活もずっと耐えることができたように思います」。

その後、R子さんの夫は無事に定年を迎え、子供たちもそれぞれ家庭を持ったところでR子さんの気持ちは熟年離婚に向けて固まったとのこと。「いまさら熟年離婚なんて……と思う人もいるかもしれませんが、私は残りの人生を自分の幸せのために生きることに決めたんです。もう家族への責任も十分果たしたと思っています」。

■冷え切った夫婦関係にワンオペでの義父の介護

【CASE2】介護生活から逃避する形で不倫→熟年離婚へ

「まさか自分が熟年離婚をするなんて思いもしなかったけれど、今となってはその選択しかあり得ないと考えるようになりました」と話すのはE美さん(60歳)。2歳年上の夫は定年まで勤務していた会社で、再雇用制度を利用して働いていて、2人の間には子供がひとりいる。

E美さんが熟年離婚を考えはじめたのは10年以上前のことだと振り返る。「息子が地方の大学に進学して、夫と2人だけの暮らしになってみると何も会話がないことに気がついたんです。お互いへの関心がなくなっているだけでなく、冷え切った夫婦関係を改善しようとするモチベーションもない。そんなタイミングではじまったのが夫の義父の介護でした」。

E美さんいわく「はじめての経験だったこともあり、義父の介護は思ったより大変でした。本来であれば妻である私を支えてくれるはずの夫にはまったく期待ができず、ほぼワンオペで頑張ってきたんです。先が見えず、救いのない生活のなかで唯一見いだした希望の光が、週一で通いはじめた書道教室でした」。

■書道教室の指導者と深い関係に…

もともと書道が好きだったE美さんは、「日々生じる介護のストレスや夫への不満のはけ口としても、当時の私には書道教室に通う時間は必要不可欠だった」と話す。

ところが、E美さんが書道教室に通う理由はそれだけではなかった。「じつは書道教室に通ううちに、指導者のひとりと深い関係になってしまったんです」。

書道
写真=iStock.com/hichako
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/hichako

現実の生活から逃げるつもりではじまったE美さんの不倫だったが、10年近く関係が続いている今、夫の元に戻る気持ちは残っていないとのこと。「半年前に義父が亡くなりました。介護を続けてきた私に対し、夫からは感謝やねぎらいの言葉もありませんでした。話すべきこともなく、思いやりすらなくなった夫に、なぜこの先も添い遂げていく必要があるのでしょうか」。

E美さんは、現段階では不倫相手と再婚するかどうかはまだ決めていないという。「ですが、彼がそばにいてくれることで『熟年離婚しても心細くはない』という離婚後の生活への自信につながったことはたしかです」。

■20年前にクラブで出会った女性と連絡を取り続け…

【CASE3】再婚妻を捨ててシングルマザーとの不倫を選んだ夫

「これが最後の恋だと確信しています。だからこそ大事にしたいんです」と熱く語るN郎さん(65歳)は、過去に離婚経験があり今の妻とは30代後半で再婚、夫婦に子供はいない。

再婚後の夫婦仲は「微妙だった」というN郎さん。「あの時は妻からの猛アプローチに折れる形で結婚に踏み切ったものの、いざ2人で暮らしてみると価値観が違いすぎてギクシャクする場面が多かった。とはいえ、どこの夫婦もそんなものだろうと思い、夫婦関係の改善には諦めかけていたところもあったんです」。

そんなN郎さんには現在、不倫関係が5年続いているH乃さん(40歳)がいる。20年前、自営業のN郎さんが取引先からの接待で連れていってもらったクラブにいて接客を担当したのが、当時まだ女子大生だったH乃さんだった。「彼女とは連絡先を交換したものの、何度かお店に足を運んだくらいで男女の関係ではなかった。その後、メールで定期的にやりとりをしていて、『久しぶりに食事でもしないか』と誘って再会したのが5年前。35歳になったH乃は幼い子供と2人で暮らすシングルマザーになっていました」。

■とうとう妻に熟年離婚を切り出した

N郎さんは、H乃さんとの再会がとても楽しい時間だったと話す。「働き盛りの頃からの自分を知っていてもらえるという安心感と照れくささが居心地いいというか。もともと頭の回転が速くて話していても年の差を感じさせないほど楽しいH乃は、年齢や経験を重ねてさらに人間的に魅力を増していました」。

再会が楽しかったのはN郎さんだけではなかった。H乃さんいわく「正直な話、昔よりお金と時間に余裕ができたN郎さんは出会った頃よりずっと魅力的だと感じました」。そして再会からほどなくして2人は不倫関係になったという。

N郎さんは先日、妻に熟年離婚を切り出したところだ。「妻は寝耳に水だったようで『絶対に認めないから!』と逆上しているが、今後は弁護士を立てて離婚の話を進めていくつもりです。どう考えても妻よりH乃のほうが人としての相性がいいので、自分の決断したこの選択に間違いはないと確信しています」。

外された結婚指輪
写真=iStock.com/Olivier Le Moal
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Olivier Le Moal

■「自分ひとりでは過ごせない人」に熟年離婚は向かない

勢いで不倫に走る若い世代とは異なり、シニア世代の不倫は長い時間をかけて慎重に関係を育む“本気度”の高さが目立つ傾向がある。その結果、熟年離婚につながるパターンも少なくない。

妻との円満な関係を再構築することに諦めている夫や、夫にはとうの昔から愛想を尽かしている妻が、「最後の恋」に賭けてみようと自分の人生を自分自身で選び取っていこうとする印象も受ける。

もちろん、いくつになっても愛する人のいる人生は充実感が増すものだが、不倫相手がいるからといって、わき目もふらずに熟年離婚という選択をするのはおすすめしない。あくまでも離婚はしないに越したことはないからだ。

とくに「自分ひとりでは過ごすことができない」「『ときにはひとりで過ごしたい』という相手に寂しさを感じる」という人は要注意。「ひとりでも生きていくことはできるが、ふたりならもっと心強い」「ひとりでも幸せだが、ふたりならもっと幸せになれる」という考えがあってこそ、最強のパートナーシップといえるだろう。

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岡野 あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー
夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー、NPO日本家族問題相談連盟理事長。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科修了。自らの離婚経験を生かし、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。これまでに32年間、38000件以上の相談を受け、2200人以上の離婚カウンセラーを創出『離婚カウンセラーになる方法』(ごきげんビジネス出版)。近著は夫婦の修復のヒントとなる『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)。著書多数。

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(夫婦問題研究家・パートナーシップアドバイザー 岡野 あつこ)

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