1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

文末にメルアドや住所を書く人は「生産性ゼロ」…本当に仕事がデキる人の「ぶっきらぼう」なメールの実例

プレジデントオンライン / 2023年8月7日 14時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Rawf8

メールの生産性を上げるにはどうすればいいのか。戦略コンサルタントの山本大平さんは「メールでは時候の挨拶やさまざまな気遣いといったサービス精神を抑え、シンプルなやり取りに徹するべきだ。自分自身のスタイルを確立させることで、要件のみのやり取りでも周囲から許容されるので、メールの文字数も回数も減らせる」という――。

※本稿は、山本大平『その仕事、生産性ゼロです』(日経BP)の一部を再編集したものです。

■メールの文字数も回数も減らす方法

Q チャットやメールに振り回されない方法は?

チャットやメールに振り回されて仕事が進みません。特にテレワークだとさばいてもさばいても次々に入ってくる感じで、終日返事に追われるような日もあります。メールやチャットのラリーは明らかに時間のムダだとは思っても、返信せずにやり取りを終わらせるのは失礼な気がして。ツールを上手に使う方法を教えてください。

A サービス精神を抑えシンプルなやり取りに徹すればそれがあなたのスタイルに

一番のお勧めは「あの人はぶっきらぼうなメールを返してくるけれど悪気はまったくない」というキャラを早めに設定してしまうことです。もし、このキャラ設定に成功すれば、要件のみのやり取りでも「あの人はそういう人だ」と周囲に許容されるので、圧倒的にメールの文字数も回数も減らせます。

キャラを確立するところまではいかなくても、時候の挨拶やさまざまな気遣いなどに関して、日頃からサービス精神を発揮しすぎないように注意を払い、メールであれチャットであれ、シンプルなやり取りを心掛けていれば、それがあなたの悪気のないスタイルであると周囲がいずれは認識してくれるようになります。

■最初の印象はむしろ素のほうがいい

沼にはまってしまうパターンは、第一印象にこだわり、初回に無理した自分を見せてしまうこと。その場合、ずっとその偽りのキャラを演じ続けなくてはならなくなります。自分ではない自分ってとてもしんどいですよね。

もし、いつも丁寧で細やかな対応をしてきた人が、突然そうでなくなったら、周囲は自分が何かしでかしてしまったのではと、きっとあわてるはず。「なんだよ」とネガティブな印象にさま変わりすることもあります。つまり、最初からサービス精神を抑え、シンプルなやり取りに徹することは、実は相手に対する配慮でもあるのです。キーワードは「最初の印象はむしろ素のほうがいい」でしょうか。第一印象は1回ですから。

【生産性ゼロポイント】
最初から無理しない。
あなたのサービス精神が、長い目で見ると相手にも負担をかけることになる

■社外向けの長文メールをやめる方法

Q 長いメールを書くのを失礼にならずにやめるには?

メールを丁寧に書こうとすると、ついつい長文になり、時間がかかってしまいます。社内メールなら挨拶文なし、署名なしでもかまわないでしょうが、社外となるとどこまで省略していいものか。失礼な人だとかマナーがなっていないとか思われずに長文メールをやめるには、どうしたらいいでしょうか。

A 今の時代は簡潔な文章こそ好印象

気持ちはよく分かりますが、考え過ぎかもしれません。今の時代はチャットツールが浸透し、「平素は格別にナントカ……」という挨拶文を書いていないから失礼だということにはならない時代になったと思います。一方で、宛先の会社名は省略できるのか、自分の名前は最後の署名欄に1カ所入っていればいいのか……、このあたりは悩みだすとキリがないかもしれません。ビジネスメールはTPOにもよりますが、社外でも先ほどの質問と基本同じ姿勢でよいと思います。

サービス精神旺盛は続かないので、第一印象に要注意。初回からフラットにいきましょう。だからこそ、簡潔な文章で、内容が相手に確実に伝わればそれでいい、よく見せる必要もないし、悪く見せる必要もない、「素」でいいのではないでしょうか。

参考程度に事例を挙げおきます。(図表1は長すぎて伝わりにくい悪い例。図表2はいい例です)。図表2は必要最小限の文字数で「見積書を送ります」という用件を伝えたメールです。心がけることは可もなく不可もなく「なるべく短く(ほとんどの人は忙しいから長いメールは避けます)」です。解説していきますね。

【図表1】メールの悪い例
出典=『その仕事、生産性ゼロです』
【図表2】メールのいい例
出典=『その仕事、生産性ゼロです』

■必要な情報だけなら時間をかけずに書ける

1度やり取りをしている相手なので会社名は省略

差出人の名前は署名欄に書くので省略

本文2行目で「添付にて見積書を送る」という伝えたい内容を書き切る

「お時間が空いてしまいましたが」と書けば謝罪の気持ちは伝わるはずなので、「申し訳ありません」といった文言は省略

「進捗(しんちょく)が分からないため、どこまで精度の高い見積もりが必要なのか不明である」ということははっきりと相手に伝える

最後に柔軟に対応できるという協調の姿勢を示す

署名欄には、メルアド・住所は書かず、名前の他は最低限の情報にとどめる

添付で見積もりを送るということを伝えるために、必要な情報だけを書くとこのくらいの文字数になります。これなら、さほど時間をかけずに書くことができるのではないでしょうか。

【図表3】メールのいい例(ポイント解説)
出典=『その仕事、生産性ゼロです』

■ナンバリング、箇条書きで失礼なく文字数を減らす

それから、相手の返信をラクにする配慮は、社内メールでも社外メールでも必要なことだと考えています。例えば、A案B案C案、日程①日程②日程③など、最初のメールで項目を分けてナンバリングをしておく。

そうすれば次からは「B案に関して~」とか「日程②なら可能です」とか「③でいきましょう」と話が早くなります。

また、「実行」「開催」「再検討」「個別対応」……など箇条書きを使うと、文字数を減少することができます。

例えば、「○○に関して再検討していただきたいのですが、いかがでしょうか」「△△については、個別対応させていただく所存です」ではなく、「○○再検討」「△△個別対応」などと書いて、最後に一文「上記で考えていますが、いかがでしょうか」と添えれば、失礼になることなく簡潔なメールが完成します。

【生産性ゼロポイント】
長文メールは生産性も配慮もゼロ。
箇条書き、ナンバリングで文字数を減らす

■効率よく相手から返信をもらう方法

Q 相手からすぐにメールで返事をもらうには?

すぐにレスが欲しいのに、なかなか返事が返ってこないメールをイライラしながら待つ時間がストレスになっています。相手がメールに気づいていないわけではなく、後回しにされちゃっていると思われるフシもあり、さりげなく催促してみるものの反応がなくて。もっと効率よくやり取りをするにはどうしたらいいでしょうか。

A 相手に配慮しつつ、相手のアクションを促すにはチャットとの合わせ技がお勧め

相手が期限を了承していて返答待ちになっている案件について、期限を過ぎても返事が来ないという状況は、ビジネスシーンのあるあるですよね。

こうなると、こちらから様子うかがいメールを打ったとしても、すぐに反応してくれることは稀。後回しにされるかどうかは、相手との関係性と緊急度のかけ算で決まります。相手にとっての優先順位がどのくらいなのか、こちらでは推し量り切れない部分もありますね。

■すぐに相手から返事が来る催促メール

どうしても早く返してもらいたい場合は、タイトルに【緊急】とか【大至急】と入れておくだけでだいぶ変わりますが、メールでそれをやってしまうと深刻度が増し、関係が微妙になることも。電話はもちろん有効ですが、恐らく相手はとても忙しいはず。

山本大平『その仕事、生産性ゼロです』(日経BP)
山本大平『その仕事、生産性ゼロです』(日経BP)

相手に配慮したかたちで回答を急かすにはどうしたらよいでしょう?

お勧めの方法は、「さっきちょっとメールをしたのですが、見てください」などとチャットや、スマホを使ってショートメッセージを入れるという合わせ技。

では、メッセージを送っても反応なしというときは、どうすべきか。新人時代、私もこの状況に陥り、上司になぜ放置しておくのか、と叱られたことがあります。そのときに上司に教わったのが、「ここぞというときには、相手だけでなく自分の上司や相手先の上司もCCに入れて催促メールを出す」という方法。

この方法はその後も何度か試しましたが、まさに特効薬。すぐに返事が来て、二度と待たされなくなるというメリットもあります。「もう限界!」というときには使ってみてください。ただしやり過ぎると効果が落ちるので多用は禁物です。

【生産性ゼロポイント】
今の時代はスマホとの合わせ技、最終手段は自分と相手の上司をCCに入れ送信

----------

山本 大平(やまもと・だいへい)
経営コンサルタント、F6 Design代表取締役
2004年京都大学大学院修了後トヨタ自動車に入社。エンジニアとして新型車の開発業務に携わる。トヨタグループのデータサイエンスの大会で優勝経験を持つ。その後TBSへ転職。日曜劇場、SASUKEなど、注力番組のプロモーション及びマーケティング戦略に従事。アクセンチュアにて経営コンサルタントの経験を経て、マーケティング総合支援会社F6 Design創業。ChatGPTを含めたAIの利活用や経営に資するマーケティング戦略のプロ。アコーディア・ゴルフ執行役員CMO、DMM.make AKIBA戦略顧問、SCENTMATIC戦略顧問/CMOなど、大手からベンチャーまで数多くの企業の要職を歴任/兼任中。『トヨタの会議は30分』は初著書ながら10万部を突破。

----------

(経営コンサルタント、F6 Design代表取締役 山本 大平)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください