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ほとんどのサラリーマンがやらずに損している…会社員だからできる「信用力」という最大の武器の使い方

プレジデントオンライン / 2023年8月26日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AH86

資産形成を考えたとき、会社員にしかない「武器」がある。米国公認会計士の午堂登紀雄さんは、「会社員は安定収入という信用があるため、銀行の融資を受けやすい。そうしたサラリーマンこそ不動産投資を検討するべきだ」という――。

※本稿は、午堂登紀雄『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

■不動産投資は有効な「長期安定の不労所得」

株式投資もFXも、どうしても金融市場の影響を受けます。その動きは比較的激しく、やはり相場のチェックは欠かせないなど、それなりの手間はかかります。

そのため、長期安定・半自動的に不労所得を得るという意味においては、不動産投資、つまり賃貸経営が最も有力な方法のひとつだと感じます。

不動産投資は資金的にも心理的にもハードルはぐっと上がりますが、そうした障害を乗り越え、一度飛び込んでしまえば、あとは仕組みが稼いでくれるようになります。

今、私が不動産投資に費やしている時間は、1日あたり1分もありません。昨日もゼロ、先週もゼロ、先月もゼロです。所有していることすら忘れ、たまに通帳記帳をすると、しっかりお金が入っているという、そんな状態です。もちろん、たまに入居者が入れ替わったり、修繕が発生しますから、そのときは対応が必要ですが、それ以外は何もしていません。優秀な管理会社に任せることで、自由を得ているのです。

物件取得のスピードは個人の資金調達能力(自己資金の額や年収など)に依存しますが、時間さえかければ、成功の再現性が極めて高い投資対象だと感じます。

■マイホームをローンで買うのと同じ

不動産投資と聞くと、「怖い」「難しそう」と感じる人も多いのではないでしょうか。それには、「巨額のローンが怖い」「素人が手を出すと損しそう」という理由があると思います。そこでまず、不動産投資に対する先入観や固定観念を外していきましょう。

不動産投資をシンプルに説明すると、物件を買って人に貸し、家賃収入を得る、というものです。

もし、あなたが賃貸に住んでいれば、家賃を払っていますよね。ということは、その家賃を受け取っている大家さんがいるはずです。

不動産投資とは、その大家さんになるということです。もちろん、数千万円から数億円もする物件をキャッシュで買うことは難しいですから、ローンを組んで買うことになります。

家賃収入からローン返済や経費を引いて、残ったお金が自分のもの、というわけです。自宅を買うことと比較してみましょう。

多くの人はマイホームをローンを組んで買います。ここまでは不動産投資も同じです。次に、マイホームは自分で住むものですから、自分の収入の中からローンを返済します。不動産投資では、自分で住むわけではなく、ローンは入居者から受け取った家賃収入の中から返済します。ただこれだけの違いです。

もっとわかりやすく言うと、マイホームを買って、転勤になった場合をイメージしてみましょう。転勤が一時的ならば、多くの人は家を売らないで人に貸すと思います。ということは、その時点で自分が大家さんになり、不動産投資家になったということです。つまり、誰でも不動産投資家予備軍であり、自分が住むか他人に貸すかという違いだけなのです。

アパートの建築模型を持つアジア人男性の手
写真=iStock.com/mapo
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/mapo

■住宅ローンより不動産投資ローンのほうが破綻は少ない

「借金は悪だ」という価値観の人もいると思います。借金が悪になるのは、自分の懐からお金が出て行き、返済原資が不安定な場合です。

反対に、良い借金は、より自分が豊かになれる借金です。これは、リスクが大きい借金をするのではなく、リスクを差し引いてもより儲かる可能性の高い借金をすればいいということで、その方法のひとつが不動産投資です。

提携先の金融機関から聞いた話ですが、住宅ローンと不動産投資ローンで破綻率が高いのは実は住宅ローンだそうです。それはなぜか? 住宅ローンの返済は、自分の収入の中から捻出しなければなりません。そのため、たとえば減給になった、病気やケガで働けなくなった、会社が倒産した、という自分ではコントロールできない外部の影響によって、返済が滞ります。しかし、不動産投資ローンの返済原資は、入居者からの家賃収入です。自分の給料や会社の状況とはまったく関係なく、入居者が入っていればローンは返済できます。

仮に空室になっても、物件を複数持っていれば、ほかの物件からの家賃で補填することも可能です。さらには、ある程度は自分でリスクコントロールできます。

たとえばちょっと家賃を下げるとか、リフォームして綺麗にするとかで空室を埋めることが可能です。会社の決定に従うしかないアンコントローラブルな給与収入が返済原資ではないのです。

■サラリーマンという立場がお金を生む

金融機関は、基本的には「返済する意思と能力がある」と認めた人にしかお金を貸しません。当たり前ですよね。

ここで有利なのがサラリーマンです。サラリーマンの最大の武器は、毎月決まった収入があるということであり、その信用力によって銀行からお金を借りることができるのです。反面、フリーターや派遣社員、自営業者や赤字企業の経営者は、原則として投資ローンを組むことが難しくなります。より豊かになるための借金が、フリーターはできないけれども、会社員にはできる。これって実はすごいことです。

もしあなたが会社員であれば、それは最初からサイコロの6の目を出したのと同じなのです。いったいどれだけの人が、「自分が会社員というだけで、お金を引っ張る力を持てる」ということに気がついているでしょうか。この特権に気がついてフル活用する人と、それに気づかず、あるいはわかっていても活用しない人との間に、経済的格差が発生することがわかるでしょうか。

裏地付きの銀行看板
写真=iStock.com/y-studio
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/y-studio

入居率を高く維持する条件

不動産投資といっても、考え方や手法はいろいろあります。そんななかで、どうすれば長期安定化ができるのかを考えたとき、その条件は、

1、入居者が長く住んでくれる
2、今の入居者が退去しても、すぐに次の入居者が決まる
3、年数が経過しても、家賃があまり下がらない

というものになります。

1が実現できると、入居者の入れ替わりがない分、退去時の精算、ルームクリーニングや内装リフォーム、募集や契約事務といった作業が発生しないことになります。

つまり、普段は何もしなくてもよい、ということです。それに、長く住んでくれるということは、一般的にはその部屋に満足しているということですから、クレームや家賃滞納も少なく、ますますやることはなくなります。

2が実現できると、家賃が入ってこない空白の時間が短くて済みます。

1が理想的だとはいえ、永遠にそこに住み続けることはなく、入居者は就職・転職・結婚・マイホーム購入・帰郷など、さまざまな理由で退去していきます。賃貸経営とは、必ず空室期間は発生するものであり、これはやむを得ないことです。そのとき、次の入居者がなかなか決まらなければ、その部屋の収入はゼロです。もしローンを組んでいれば返済分の持ち出しが毎月発生することになります。これはしんどい状況です。

しかし、すぐに決まれば、再び家賃収入が入ってきますから、持ち出しも少なく、安心です。

3が実現できると、収益のブレが少なく、精神的にも金銭的にも非常に安定します。もちろん、物件が古くなると、家賃が下がるのはやむを得ません。

あるいは、競合物件が家賃を下げれば、周辺の家賃相場も影響を受け、やはり下がってしまいます。すると、返済が収入を上回り、持ち出しが発生する、ということになりかねません。しかし、物件を買ったときと比べて、家賃があまり下がらなければ、あるいは下落幅が小さければ、収入が維持できます。

長期安定化する不動産投資の物件選び

では、そんな前項の1~3の条件が揃う物件とはどんなものなのか。

それを考えるには、やはりお客様である入居者の視点に立ってみることです。入居者が賃貸住宅を選ぶとき、優先順位の上位にくる項目は、以下です。

1、場所が便利
2、リーズナブルな家賃

もちろん、設備が整っているとか、新築だとか、占有面積が広いとか、人によって優先順位は多少前後しますが、ほとんどの人は場所と家賃で決めます。トレンディドラマに出てくるようなハイグレードで魅力的な物件でも、家賃が月100万円もすれば借り手はあまりいないでしょう。どんなに広くて快適な物件でも、山の中にポツンと建っていたとしたら、やはり借り手は激減するでしょう。そこで、設備のスペックを考えるよりも、前述の2つの項目を高い水準で満たす物件であることが重要です。

■利回りと安定性のバランスを取る

ただし、こうした物件選びは、ひとつ大きな問題があります。

それは、もともとの値段が高いので、利回りもそう高くないという点です。

午堂登紀雄『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)
午堂登紀雄『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)

売主の立場になればわかりますが、良い場所の物件を、理由もなく安く売りたい人はいないでしょう。それに、そんな物件はみなが買いたいと思っていますから、あえて安くしなくても買い手は現われます。売るときに高く売れるのはメリットではありますが、自分が買い手に回ると逆に不利になります。利回りが高くないということは、得られる収入も少ないということですから、思ったほどは儲からないわけです。

高い入居率が期待できる超一等地は、利回りが低くてローンを組んだらお金が残らないということになりがちです。かといって、高利回りの期待できる郊外では、空室のリスクにさらされます。そこで、利回りと収支のバランスをどう取るかが、投資家個々人の考え方になります。

わかりやすく言うと、こんなイメージです。

都心のターミナル駅近くは安心だけれども、値段が高く利回りが低い。そこで、ターミナル駅だけれど、徒歩15分の場所を選ぶ。駅前は商業施設やオフィスビルが多く居住物件は少ないから、多少駅から離れても埋まるだろう。

同じく、都心から少し離れた各駅停車駅は利回りが高いけれども、空室リスクが高い。そこで、駅から5分以内で占有面積が広めで、さらに家賃を安くできる物件ならば埋まるだろう。という感じで、入居者像をイメージしつつ、収支シミュレーションをして、本当にお金が残るかどうかを計算しておきましょう。

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午堂 登紀雄(ごどう・ときお)
米国公認会計士
1971年岡山県生まれ。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、コンビニエンスストアチェーンを経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。IT・情報通信・流通業などの経営戦略立案および企業変革プロジェクトに従事。本業のかたわら不動産投資を開始、独立後に株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズ、株式会社エデュビジョンを設立し、不動産投資コンサルティング事業、ビジネスマッチング事業、教育事業などを手掛ける。現在は起業家、個人投資家、ビジネス書作家、講演家として活動している。著書に『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)、『決定版 年収1億を稼ぐ人、年収300万で終わる人』(Gakken)、『「いい人」をやめれば人生はうまくいく』(日本実業出版社)、『お金の才能』『お金の壁の乗り越え方 50歳から人生を大逆転させる』(かんき出版)など。

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(米国公認会計士 午堂 登紀雄)

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