結婚21年目で「月1映画デート」をするように…4年間のケンカで冷めきった夫婦仲が一気に戻ったワケ
プレジデントオンライン / 2023年8月26日 12時15分
※本稿は、ひすいこたろう『世界一たのしくてためになる「幸せ」の授業』(サンマーク文庫)の一部を再編集したものです。
■結婚相手として選ぶべき相手はどこにいる?
突然ですが、ここで問題です。『ウォーリーをさがせ!』ならぬ、「結婚相手を探せ!」です。
あなたが結婚相手として選ぶべきベストパートナーは図表1の「YOU」から見て、①~⑤のどの位置にいる人でしょうか?(「イヤ、もう結婚しちゃってるし」という、チーム「手遅れ」の方にこそ、実は読んでほしい内容です)
ベストパートナーですから、あなたのすぐ隣にいてくれる①の人が一番いいように思います。そして、自分から最も遠い③の人が「ハズレ」のような気がします。円の中心にいる⑤の人も気になります。さて、正解は?
この問題の答えを知ると、世界から嫌いな人がいなくなる可能性があります。だから、がんばって考えてみてくださいね。
■ケンカばかりの妻にラブレターを渡したら…
私は、離婚したいと思っていた時期があります。しかし、ある「ものの見方」を教えてもらったら、一瞬で、妻に感謝の思いが湧き上がったんです。
それをお伝えする前に、まず、ひすい家の結婚生活を赤裸々に明かしましょう。
結婚して5年くらいたった頃でしょうか。我が家ではケンカが絶えなくなりました。
仕事で、ハワイへ行った時。朝早く起きて、ビーチで僕は妻へのラブレターを書いていたわけです。で、帰国後、真っ先に妻にその手紙を渡したんですね。
その時、妻は、なんと言ったか?
「これはシュレッダーにかけていいの?」
「パードン?」
意味がまったくつかめず、思わず、そう英語で聞き返しそうになりました。
僕は、こんな妻を変えようとして、その後4年以上ケンカの続く毎日を過ごしていました。でも、難攻不落の妻を変えることはできなかった……。
■人生は賞賛が50%、逆風が50%?
そんなある日のこと。心理学博士の小林正観さんの講演に行き、そこで聞いた話が僕の人生を変えたんです。正観さんはこんな話をされていました。
「人間は、けなされてばかりだと枯れてしまいますが、褒められてばかりでも天狗になってしまいます。理想的なのは50%-50%の時。そして実は、どんな人でも、自分への賞賛が50%、逆風が50%になっている」
光があれば、闇がある。右があれば、左がある。男がいれば、女がいる。こんなふうに、宇宙は「陰」と「陽」が50%-50%で均衡して成り立っているから、というわけです。
しかし、この話を聞いて、僕は最初「この先生は間違ってる」と思いました。というのは、僕はその頃、コピーライターとしての仕事が絶好調で、褒められることが多く、逆風が50%もあるとはとても思えなかったからです。
すると、正観さんはこう続けました。
「この話をすると、『それは間違っています』と言う人が、かならずいます。そういう人は、逃げられないところに痛烈にあなたを批判してくれる人がいるはずです。
たとえば……奥様とか!」
……!!! この瞬間、天地がひっくりかえりました。
■たった1人の批判者が逆風を吹かせてくれている
50%-50%。これは人数のことじゃなくて、総量だそうです。たとえば「自分を賞賛してくれる人」が10人いて、「批判者」が1人とすると、このたった1人が、ものすごい逆風を吹かせてくれるんだとか。そして、その1人はたいてい自分が避けて通れない場所に存在しているのだとか。
そう、家庭とか職場です!
え? ひょっとして、僕が仕事で褒められることが多いのは、妻が強力に逆風を吹かせてくれていたおかげ? それが事実かどうかはさておき、そう思ったら、価値観の違う妻を受け入れることができるようになったのです。
妻は、僕が成長するように、たった1人、「逆風担当」として、孤軍奮闘してくれていたのかって。仕事がこんなにも順調なのは、妻のおかげだったんだと思ったら、「妻よ、いつも僕をけなしてくれてありがとう」と思わず抱きしめそうになったほどです(笑)。
心は「喜び」を求めます。でも魂はそれだけじゃない。魂は「成長」を求めています。だから、魂は逆風ウェルカムなんです。
■もともとは、本嫌いの妻でも読める本を書きたかった
羽田空港から沖縄に向かう飛行機は、毎日違う方向に飛びます。沖縄の位置は同じはずなのに。
毎日違う方向に飛び立つのは、日によって風向きが違うから。そして、逆風に向かって進んだほうが、効率よく空高く舞い上がれるからです。
ご覧のように逆風は空高く舞い上がるチャンスなのです!
そして「逆風」は、振り返れば「追い風」。
僕の場合、妻はどんな「追い風」だったか?
僕の本は、「本を読まない人にも読みやすい」とよく褒められます。それは、僕がずっと、本を読まない人も読めるように意識して文章力を磨いてきたからです。
なんでそう意識することになったのか? 改めて考えたら、僕の無意識の想定読者が「妻」だったことに気づいたんです。本嫌いの妻でも読める本を書けるようになりたいと文章力を磨いてきたからこそ、ベストセラーを何冊も出せたんです。
そもそも、妻とうまくいく方法はないかと心理学を学び始めたのがきっかけで、本を45冊も書けるまでに成長してしまいました(笑)。
「作家・ひすいこたろう」を作ってくれたのは、価値観がまったく合わず、僕の本をまったく読まない妻だったんです。
■「このままでいい」と思えたら、妻も変わり始めた
妻は、このままでいい。妻への僕の心のあり方が変わり、心から感謝できるようになりました。
すると、なぜか妻が変わり始めたのです。
僕が妻を変えようとしなくなったので、妻もストレスから解放されたのかもしれません。とにかく2人の間に笑顔が生じるようになったのです。結婚21年目にして、毎月、一緒に映画を観にいくような仲になりました。
ここで恋の真実を明かしましょう。
「恋はするものではなく、落ちるもの」
これは、作家の江國香織さんの言葉ですが、まさに、恋の真実を示しています。恋は頭でするものではなく、「恋に落ちる」と言うように、勝手に引き合うものです。そう、引き合うのです。理科でやった磁石の実験のように!
磁石の「N極」と引き合うのは、真逆な「S極」。つまり、真逆な人ほど、引き合わされるのです!
実は、僕は妻を受け入れられて以来、苦手だなと思う人はいても、「嫌いだ」と思う人が1人も現れていないんです。一番価値観が遠い妻を受け入れられたら、あとは、かわいいものだからです(笑)。
■価値観が合わない相手は、魂を磨いてくれる
次の図表4が、価値観の違う相手を大事にしたほうがいい理由の見える化です!
価値観の違う人は、自分の広げられる扇の外にいます。しかし、その相手を受け入れる過程で、扇が下側の図表5のように広がるのです。
それこそ、魂が磨かれたということであり、人間としての幅が広がったことになります。
これが結婚の「奥義」です。「扇」だけにね(笑)。
男と女。真逆なものが引き合い、子どもが生まれるように、真逆なもの同士が結ばれることで、新しいものが生まれるというのは、自然界の摂理。たまたまパートナーと価値観が合えば会話も弾み、それも幸せです。でも、価値観が合わないなら合わないで、魂を磨いてくれる存在としてあなたを高みへと運んでくれます。
価値観が違う人がいる、嫌な人がいるって、不幸なことじゃなかったんです。
というわけで冒頭の問題の答えは、自分から最も遠い位置にいる③です!
■なにかと辛辣な妻にも今は感謝
このように、僕は妻を受け入れる過程で、「ものの見方」が変われば、人生は一瞬で変わると体感しました。それで、ものの見方の研究を始め、『3秒でハッピーになる名言セラピー』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)という本で作家デビュー。2005年のことです。さっそく妻にプレゼントしました。すると、妻は「なんか、ありがちじゃない?」って、いきなりけなしたんです。
昔ならここでケンカです。しかし、僕は、このものの見方をすでに身につけていましたから、「キター! 逆風!」と喜べたんです(笑)。
逆風は追い風。この本、いきなりベストセラーになるかもしれないって思ったんですね。
結果、30万部売れて、ほんとうにベストセラーになりました。妻の逆風力に心から感謝します。
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「視点が変われば人生が変わる」をモットーに、ものの見方を追求。『3秒でハッピーになる名言セラピー』がディスカヴァーMESSAGE BOOK大賞で特別賞を受賞しベストセラーに。他にも『あした死ぬかもよ?』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)共著『前祝いの法則』(フォレスト出版)などベストセラー多数。
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(セラピスト ひすい こたろう)
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