1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

メールの件名に「自分の名前」は絶対NG…1万通の分析でわかった「生産性の高いメール」の3つの共通点

プレジデントオンライン / 2023年9月5日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/eclipse_images

仕事のできる人のメールにはどんな違いがあるのか。クロスリバー代表の越川慎司さんは「16社7000名のクライアントの中で流通する1万通超のメールを調べたところ、閲覧率が高いメールには3つの共通点があった。メールの生産性を高めるには、この3点を意識してほしい」という――。

※本稿は、越川慎司『最強の時短仕事術46』(ぱる出版)の第6章「メール時短テクニック」の一部を再編集したものです。

■必ずみられるメールに共通すること

16社7000名のクライアントの中で流通する7486通のメールと顧客向けのプロモーション用メール2864通を分析しました。

その結果、閲覧率が高いメールにはいくつかの共通点が見つかりました。

まず1つ目は、タイトルの文字数が35文字以内であること。

これは一見、少し長めに感じるかもしれませんが、興味を引くキーワードが含まれていれば、受信者は本文を読みたいと感じるようです。しかし、タイトル作成の時間を節約し、短時間で成果を上げるためには、端的で伝わりやすい短いタイトルが推奨されます。

2つ目の特徴は、タイトルにカタカナと数字(特に奇数)が含まれていることでした。

我々がメール受信者に話を聞くと、数字が入っていると具体的で、ぴったり揃っている偶数よりも、奇数の方が印象に残りやすいという意見が多く寄せられました。これを端数効果と言います。

■「議題」よりも「アジェンダ」

例えば、「3つの特徴」、「5分で説明する」、「成功する7要件」などの具体性を示す表現が好まれます。また、平仮名よりも漢字を使用した方が読みやすいと同様に、カタカナが含まれているとアクセントになり、目立ちやすくなります。

「明日の打合せ議題について」よりも「明日の打合せアジェンダ」の方が目に留まりやすく、反応が良いのは、画数の多い漢字の羅列よりもカタカナが入った方が印象に残りやすいためと考えられます。

さらに、メール本文は105文字を超えると閲覧率が下がる傾向があることもわかりました。

そのため、短く、しかも重要な点をまとめたメールが好まれます。105文字という制約は短いかもしれませんが、部署名の長い記載や挨拶を省き、結論と求めるアクションを具体的に書くことで、効率的に情報を伝えることが可能です。

【図表1】メールの文字数と閲覧率の関係
出典=『最強の時短仕事術46』

■自分にも相手にもメリットがあるメール術

コミュニケーションの目的は「相手に伝わる」ことです。閲覧されなければメッセージは伝わらないので、相手の立場に立ち、重要な点をコンパクトにまとめることが大切です。このような方法を知っておけば、長文メールの作成に時間を奪われることはありません。

この分析で見いだした3つのテクニックは、ビジネスメールの作成において時短につながり、効果を生み出します。特に、数字とカタカナを用いることで、受信者の注意を引きつけることができ、メールを閲覧させる可能性を高めることができます。

また、本文は短く、しかも重要なポイントをコンパクトにまとめることで、受信者にとって読みやすく、理解しやすいメールを作成することが可能となります。メールの有効性を最大限に引き出すためには、相手の注意を引きつけるタイトルの作成、本文の簡潔さと明確さ、そして何よりも相手に対する配慮と理解が求められます。

これらの点を心に留め、日々の業務に役立てることで、より効果的なコミュニケーションを実現できます。

■受信者の時間を奪うマナー違反

また、メールのやり取りにおいて、受信者の時間を奪うことがあります。その中でも、特に問題視されているのが、メールの件名に自分の名前を入れたり、同じ内容のメールであるにもかかわらず件名を頻繁に変更する行為です。

社外の方々と連絡を取るのはメールが中心であり、全員がSlackやTeamsなどのチャットツールを使うわけではありません。それだけに、メールのやり取りをスムーズに進めるための一定のエチケットが求められます。

特に、メールのタイトルについては、一貫性を保つことが重要です。同じ話題のスレッド(相手とのメールをまとめて表示すること)には同一の件名を用い続けることで、受信者の時間を節約し、情報の追跡を容易にします。

私は出版社や提携パートナー企業とのメールでは、タイトルを一つに統一し、それを変更しないよう依頼しています。これは、タイトルが頻繁に変わることでスレッドが分散し、双方の情報を探すための時間が増えてしまうからです。

時間は私たちにとって最も貴重なリソースであり、それを無駄にする行為には警戒心を持つべきです。時間管理は自己管理の一部であり、それを守ることで自身の働き方を改善し、作業時間を減らすことが可能です。自分の時間は自分でコントロールするという感覚を持つことが、効率的かつ効果的なメールを送受信しようとする起点になるのです。

■メールの待ち時間を減らす「PRD」とは

メールの受信数が増えると中身を確認するだけでたいへんです。多くのメールを受信している人に返答を求めてもすぐに対応してもらえず、「待ち時間」が増えてしまうこともあります。

その解決策の一つとして、メール本文にPRD(Point要点・Reason理由・Deadline期限)を入れることが効果的であることが1.3万人の行動実験で明らかになりました。

PRDを活用することで、相手が情報を素早く理解し、迅速な対応を行うことができます。それにより、効率的なコミュニケーションが実現され、待ち時間が減り、時短につながるのです。

①Point 要点

まず、メールの目的や要求を明確に示します。具体的なアクションや結果を求める場合、それを明確に記載することが重要です。相手が一目で目的を理解できるようにすることで、無駄なやり取りを減らし、時短につなげることができます。

例えば、「昨日お見せした新商品のパンフレットのデザイン提案を2件お願いします」という具体的な要求を示すことで、相手にどのようなアクションを求めているのかを明確に伝えることができます。

②Reason 理由

相手に納得してもらいやすくするために、できるだけ具体的な情報や数字を示すことが重要です。

例えば、「来月のビジネスイベントで3000人に配布するため、パンフレットのデザイン提案をお願いします」という具体的な理由を示すことで、相手に自身の意図を明確に伝えることができます。

スマホでメールを確認する人
写真=iStock.com/I going to make a greatest artwork as I can, by my head, my hand and by my mind.
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/I going to make a greatest artwork as I can, by my head, my hand and by my mind.

■件名に期限を入れると◎

③Deadline 期限

対応が必要な期限を明確に示します。期限を示すことで、相手が優先順位を付けて対応できるようになり、スムーズな進捗(しんちょく)が期待できます。また、期限が近い場合や緊急性がある場合は、件名にも期限を記載することで、相手の注意を引きやすくなります。

PRDの活用は、メールだけでなく、さまざまなコミュニケーション手段にも応用できます。例えば、会議やプレゼンテーションでは、ポイントを明確に伝え、理由や期限を示すことで、相手に情報を理解しやすく伝えることができます。

これにより、効果的な会議やプレゼンテーションが実現され、時間効率と効果を共にアップします。

また、部下への指示や報告、上司への相談など、日常の業務でもPRDを活用できます。

例えば、部下への指示では「今週末までに新商品の販売計画を作成してください(Point)。昨年度の売り上げが10%増加したため、今年度も新商品の投入をしたい(Reason)。提出期限は来週の月曜日17時です。(Deadline)」とPRDを使って明確に指示を出すことができます。

これにより、部下は何をどのように行うべきか、なぜそれが必要なのか、いつまでにそれを完了するべきかを明確に理解できます。

■「要点、理由、期限」で好感度も上がる

PRDを活用することで、自分自身の思考を整理することもできます。メールを書く際にPRDを意識することで、要点、理由、期限という3つの要素をはっきりさせ、メール作成がスムーズになります。

越川慎司『最強の時短仕事術46』(ぱる出版)
越川慎司『最強の時短仕事術46』(ぱる出版)

また、PRDを活用したメールは、受信者に対しても配慮が感じられるため、円滑な人間関係の構築にもつながります。社内の依頼メールにPRDを入れる行動実験を75社1.3万人で実施したところ、活用した人の75%が時短効果を実感しました。メール本文にPRDを入れることで、相手が情報を素早く理解し、迅速な対応をしてもらうことができます。

これにより、効率的なコミュニケーションが実現され、待ち時間が減り、時短に貢献します。さらに、PRDを活用することで、メールのやり取りが減少し、双方の時間を節約できます。特に繁忙期や緊急案件が多いビジネスシーンでお勧めです。

----------

越川 慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー代表
元マイクロソフト役員。国内および外資系通信会社に勤務し、2005年に米マイクロソフト本社に入社。2017年にクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日・完全リモートワーク・複業を実践、800社以上の働き方改革の実行支援やオンライン研修を提供。オンライン講座は約6万人が受講し、満足度は98%を超える。著書に『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』、『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、近著に『29歳の教科書』(プレジデント社)がある。

----------

(株式会社クロスリバー代表 越川 慎司)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください