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これで「中途覚醒」から解き放たれる…睡眠中に目が覚めた場合に絶対にやってはいけないこと

プレジデントオンライン / 2023年9月8日 19時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/yanyong

睡眠の質を高めるにはどうすればいいか。健康と福祉を専門とするジャーナリストのキム・ジョーンズさんは「寝る準備ができたらトイレに行き、用を足したら30秒待って、もう一度トイレへ行くといい。また、就寝時刻の少なくとも2時間前に仕事や家事などの作業を終わらせておいたうえで、寝る前に食器をていねいに洗うと心が落ち着き、ストレスが減る」という――。

※本稿は、キム・ジョーンズ(著)、鹿田昌美(訳)『最新科学が証明した睡眠にいいことベスト211』(文響社)の一部を再編集したものです。

■就寝前に膀胱を確実に空にするための方法

身体と心のスイッチは、数秒でオンからオフに切り替えることができません。忙しくあたふたしている状態から、完全にリラックスしてぐっすり眠れる状態になるには、準備が必要です。

夜になったら徐々にスローダウンして、穏やかな静けさを味わえる時間を持ちましょう。張りつめてピリピリした状態から静かに落ち着いた状態へと切り替えていくのです。

するとベッドに入る頃には1日の緊張を忘れてゆったりできて、楽々と夢の国に入っていくことができるでしょう。

本稿では、就寝前のリラックス・ハックをお伝えします。

1つ目は、夜中にトイレに行きたくなって目を覚まし、ぐっすり眠れないことが多い人は、就寝の2時間前から水分摂取を避けた上で、「ホップ」「ステップ」の2段階を踏むことを試してください。

寝る準備ができたらトイレに行き、用を足したら30秒待って、もう一度トイレへ。

もしくは、歯を磨く直前にトイレに行って、服を脱いで体を洗ってベッドに入る直前(約10分後)に、もう一度行きましょう。

これは膀胱を確実に空にするための「2段排尿」と呼ばれるテクニックで、過活動膀胱の治療に使われています。夜中に尿意が気になって目が覚めることが少なくなるはずです。

■お風呂に入れないときは「手洗い」で眠気を引き起こす

就寝90分前の入浴は眠気を引き起こすのに効果的ですが、寝る前にお風呂に入ったりシャワーを浴びたりする時間がなくても、大丈夫です。

温水や冷水で手を洗っても同じ効果が得られます。手のひらなど体毛のない身体の表面は熱を放出しやすく、面積は小さくても、熱を逃がすのに役立つ血管が多く張りめぐらされているからです。

手を洗ったら、完全に乾かさずに皮膚を軽くたたきましょう。水が蒸発するときに、皮膚の表面から熱が放散して、身体の深部体温を下げてくれます。

また、毎晩ぐっすりと眠れるラッキーな人には、共通点がひとつあるようです――就寝時刻の少なくとも2時間前に仕事や家事などの作業を終わらせていることです。

ただし、ひとつだけ後にとっておくべきことがあります。夕食後に食洗機に皿を入れるのではなく、寝る前に手洗いをするのです。

フロリダ州立大学の研究から、シンクで皿を洗うことが心を落ち着かせ、ストレスを減らすことがわかっています。そのときに気をつけたいのが、食器用洗剤を使って、1枚1枚ていねいに洗うということ。

洗剤の匂い、泡の感触、肌にあたる水の温度に意識を向けて、集中します。こうすることで、いわゆる「マインドフルネス(※)」な状態になれるのです。

※マインドフルネス ……「すでにそこにあるもの・こと」をていねいに体験していこうとする意識状態のこと。

このやり方で食器を洗った人は、不安が27%減少したそうです。

就寝前がいい! 食器の手洗い
イラスト=『 最新科学が証明した 睡眠にいいことベスト211』より

■夜寝るためのアラームを設定する

朝起きるために目覚ましをセットするのと同じように、夜にアラームを設定して、眠る準備を始める時間を自分に知らせることをおすすめします。

寝る直前まで身体と頭をフル回転させていては、すんなりとスイッチを切るのが難しくなります。

アラームを合図に、脳と身体を活発に動かす日中の活動(仕事、Facebook、運動、インターネット検索など)から、読書やゆったりした音楽を聞くといった心地良い「夜の時間」の活動へと移行しましょう。

心を落ち着ける活動をすることで、動作がゆっくりになり、睡眠と相性の良い静かな作業に心が向くようになります。

アラーム音は刺激の少ないものを選び、就寝時刻の40分から1時間くらい前に設定してください。アラームが鳴る前に、できれば必要な翌日の準備(アイロンがけ、子どものお弁当の下ごしらえなど)をすべて終えておきましょう。夜のダウンタイムの時間にもうひとがんばりせずに済みます。

アラームをオフにしたら、まずは深呼吸を。こうすることで、脳に、「スローダウンしてリラックスする時間だよ」というメッセージを送ることができます。

■あくびをしているところを思い浮かべるだけでいい

「表情フィードバック仮説」を知っていますか?

表情をつくることが感情に影響を与え、心の感じ方まで変えてくれるという心理学の仮説です。

これを眠りに応用すると、まぶたを下げて小さくあくびをして眠そうな表情をつくるだけで、「疲れて眠い」というメッセージを心に送ることができるというわけです。

ただし、あくびの口をつくるときには、口を大きく開けるだけにして、息を吸わないようにしましょう。大きく息まで吸い込むと、頭が冴えてしまうからです。

あくびを想像する、というもうひとつのやり方もあります。周囲の人があくびをしているところを思い浮かべてもいいでしょう。

複数の研究から、あくびは周囲にうつりやすく、あくびを聴覚や視覚で感じたり想像したりするだけで、脳内のミラーニューロンが活性化され、あくびが出ることがわかっています。

■寝るときに靴下を履くと、睡眠時間が32分長くなる

足が温かいと、リラックスして早く眠れるかもしれません。

『ネイチャー』誌に掲載されたスイスの学者による研究から、足を温めて血管を広げると、深部体温の放出に役立つことがわかりました。

眠る時間だと脳に知らせるためには、就寝時に深部体夜を下げる必要があります。就寝時に深部体温が下がるのは自然に起こるプロセスですが、足先を温めることで促進されて、身体の睡眠メカニズムのスイッチが入りやすくなるのです。

韓国のある研究によると、寝るときに靴下を履いた人は、靴下を履かなかった人よりも、寝つきが早まり、睡眠時間が32分長くなり、中途覚醒が少なくなったそうです。

足先が冷たく感じることが多い人は、就寝用の靴下を準備するか、湯たんぽなどで温めてみましょう。

足を温めよう
イラスト=『 最新科学が証明した 睡眠にいいことベスト211』より

■夜中に目が覚めたら身体の各パーツに意識を向ける

夜中に目が覚めたら、そのまま動かないでください。

身体は寝返りを打つ動きを、起きる時間が来た合図だと解釈して、アドレナリンを分泌する可能性があります。

キム・ジョーンズ(著)、鹿田昌美(訳)『最新科学が証明した睡眠にいいことベスト211』(文響社)
キム・ジョーンズ(著)、鹿田昌美(訳)『最新科学が証明した睡眠にいいことベスト211』(文響社)

もしも夜中に目が覚めたら、ゆっくりと呼吸をして、肌にあたるシーツや布団の柔らかさ、頬にあたる空気の冷たさに意識を向けましょう。そして、静止した感覚と、あわてずにリラックスできる充実感を味わってください。

もうひとつの方法は、足先から上に向かって、身体の各パーツに意識を向ける「ボディスキャン」を行いながら、それぞれに「眠い」というメッセージを伝えることです。

「左足が疲れて眠い、右足が疲れて眠い」というように、心のなかでつぶやきます。

眠くならない部分があっても、その気持ちに反発したり、不安になったりしないでくださいね。

感情をありのまま認めて受け入れ、落ち着かない身体の部分にあたるシーツの感触にそっと意識を向けてから、残りのボディスキャンを進めましょう。

■いびき予防には舌の運動が効果的

自分の(またはパートナーの)いびきで眠れないことが続くのなら、口腔咽頭(唇の内側から喉にかけて)のエクササイズを行うと効果的です。

いびきは、上気道の柔らかい組織や筋肉がゆるんだ状態で振動するときに発生します。ですから、これらの筋肉を引きしめてゆるみを少なくすると、いびきをかきにくくなるのです。

いびき予防の舌の運動法
①舌先を前歯の後ろの上あごに押しつけてから、後ろにスライドさせる。
②次に、舌先が前歯の根元に触れた状態で、舌の裏側を口の底に押しつける。
③また、舌を吸うようにして上あごにつけ、押しつける。

米国胸部専門医学会の学術誌『チェスト(CHEST)』に掲載されたブラジルの研究によると、このようなエクササイズを行うと、いびきをかく頻度が36%低下し、騒音のレベルが59%低下したそうです。

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キム・ジョーンズ ジャーナリスト
健康と福祉を専門とするフリーランスのジャーナリスト。「デイリー・ミラー」「サンデー・エクスプレス・マガジン」「ウーマンズ・ウィークリー」「テスコ・マガジン」「ウーマン・アンド・ホーム」など、さまざまな女性誌や新聞に寄稿している。パートナーと2人の息子、愛猫と愛犬(コッカースパニエル)と一緒に、ウェールズの首都カーディフに暮らしている。

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(ジャーナリスト キム・ジョーンズ)

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