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これで暑くて寝苦しい夜でも快適に眠れる…寝室に持ち込むと睡眠の質が劇的に上がる"身近な食材の名前"

プレジデントオンライン / 2023年9月10日 18時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Viacheslav Peretiatko

寝つきが悪いとき、何をすればいいのか。健康や福祉を専門とするジャーナリストのキム・ジョーンズさんは「就寝時に深部体温が下がると、脳に『眠る時間ですよ』と知らせる合図になる。暑くて寝苦しい夜には、アイスパックのように使えるうえ、溶けたときのべたつきもない『米』の活用がおすすめだ。靴下に詰めて、フリーザーバッグに入れ冷凍庫で数時間冷やしたものを、膝の裏側、足首、肘などの脈が感じられるポイントにあてたり、額の上に短時間置いてみるといい」という――。

※本稿は、キム・ジョーンズ『最新科学が証明した睡眠にいいことベスト211』(文響社)の一部を再編集したものです。

■ナイトライトを「赤」にすると眠りを妨げにくい

寝室(眠る部屋)は、外の世界から離れてほっとひと息つける空間(スペース)です。1日の終わり、待ちに待った巣ごもりの時間――「休息」「平穏」「快適」という言葉が自然と浮かんでくるような寝室で休めるといいですね。

本稿では、安らぎと静けさに満ちた、あなたを包み込むような寝室を実現するためのコツをお伝えします。

夢の国へと誘ってくれる空間で、ぐっすりと眠りましょう。

まず寝室でナイトライト(常夜灯)を使っている人は、きっと多いことでしょう。そのほうが何となく安心だったり、夜中にトイレに起きたときにつまずかないための予防になったりと、理由はさまざまだと思います。

大事なことをひとつだけ!

ナイトライトの電球の色は、さしあたり「赤」にするのがおすすめです。白色系だと、たとえ薄暗い光であっても、メラトニンの分泌を妨げる可能性があるからです。赤基調の光のほうが、波長が長く、眠い状態を妨げる力が弱いのです。

これから準備する人は、迷わず「赤!」にしてくださいね。

■スマホを目覚まし時計代わりにしてはいけない

寝る前、最後に見るのがスマホ。

朝起きて、最初に見るのがスマホ。

……思いあたる人も、少なくないのでは?

「あ、これは自分のことだ」と思った人は、不健康な習慣が身についている可能性大! です。

夜にスマホのアラームを設定するとき、ついでにメールやSNSをチェックすることはありませんか? そして1時間後。仕事の心配事で頭がいっぱいになったり、Twitterメッセージの嵐にすっかり目が覚めて、フォローに没頭してしまうことはありませんか?

ベッドに入ってスマホを使用している女性
写真=iStock.com/Sabit Basman
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Sabit Basman

スマホのブルーライトには、身体の概日リズム(※)を混乱させる作用があることがわかっています。そのため、寝る直前にスマホを見ると、目が冴えて眠れなくなってしまうかもしれません。

スマホを目覚まし時計代わりに使うのは、やめましょう。本物の目覚まし時計を手に入れるか、ラジオを使うのが賢明です。

アラーム音は穏やかなものを選ぶといいですね。大きな音だと、たとえ目が覚めても不快に感じることもあります。

眠るときは、スマホを寝室の外か、せめて手の届かない場所に置きましょう。

■意外と知られておらず実践できていない理想の室温

脳がメッセージを受信し、眠りを促す夜間のメラトニンの分泌を急増させるためには、身体の深部体温が約1度下がる必要があります。

住宅の暖房機能と断熱機能が発達する以前は、日暮れとともに徐々にそして自然に深部体温を下げることができました。

しかし、不自然に温かい環境でぬくぬくと過ごせる現代では、身体の熱をとるのが難しく、脳がメラトニン(睡眠ホルモン)を分泌するための重要なメッセージを受け取りにくくなることがあります。

理想的な寝室の温度は、摂氏約18度です。

寝室の温度を確認してみましょう。おそらく18度よりも高いのではないでしょうか? もしそうだとしたら、エアコンの設定温度を下げるか、ヒーターを切るか、少し外気を取り入れたりもしてみてくださいね。

■シーツは最低週1回は洗濯する

シーツを週に一度は、洗っていますか?

ぜひ、そうしましょう!

シーツはもちろんのこと、ベッドカバー、枕カバーなどのベッドリネンは汗や身体の皮脂を吸っているだけではなく、死んだ皮膚細胞などの汚れもついています。これは、アレルギーを引き起こす原因物質でもあり、眠りを妨げるダニの格好のエサになります。

米国の国立睡眠財団の世論調査によると、71%の人が清潔なシーツのほうが快適に眠ることができ、29%の人が洗い立ての香りがするシーツを敷いた日は早くベッドに入ると回答しました。

ぜひとも週に一度、洗ってください。言い訳無用ですよ!

リネン室に洗い立てのシーツ類
写真=iStock.com/didecs
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/didecs

シーツ類はできれば高温で洗うのがいいので、コインランドリーの乾燥機を利用するのもおすすめです。高温風機能がついているので、家庭用の乾燥機や天日干しよりも、ふわっふわの仕上がりになります。

洗い立てのシーツに包まれた夜は、良い夢が見られそうです。

■「加重ブランケット」を使うとセロトニンが分泌される

『ジャーナル・オブ・スリープ・メディスン・アンド・ディスオーダーズ』誌に掲載されたスウェーデンの研究から、眠るときに加重ブランケットを与えられた不眠症の人は寝つきが良くなり、夜通し安眠しやすくなり、目が覚めたときの気分がすっきりしていたことがわかりました。

加重ブランケットにはプラスチックのペレットが詰めてあり、重みがあります。自分の体重の約10%の重さのものが推奨されています。

「圧迫刺激」、つまり均等に分散された重みを身体にかけることで、抱きしめられたりマッサージされたりする感覚を再現し、それがセロトニン(メラトニンの生成に関わる神経伝達物質のひとつ)の分泌を高めて、神経系を落ち着かせるのに役立つと考えられています。

加重ブランケットはオンラインでも購入できますが、買う前に、循環器や呼吸器系に負担がかからないかどうか、医師に相談することをおすすめします。

ちなみに、掛け布団の上に毛布を1枚追加すれば、加重ブランケットと同様の効果を体験できます。

■ベッドメイクは起きてすぐしてはいけない

国立睡眠財団の世論調査によると、毎日ベッドを整える人は、そうしない人よりも、ぐっすりと眠る人が19%も多いことがわかりました。

これは理にかなった結果です。シーツがぐちゃぐちゃにからみ合い、掛け布団が丸まって塊のようになっていては、快適に眠ることができません。きちんと整えられたベッドは、心地良い眠りの要(かなめ)です。

ベッドは整えましょう!

ただし、キングストン大学の科学者からの大切なアドバイスを、付け加えておきます。起きてすぐにベッドを整えないこと。

その代わり、掛け布団を広げ、シーツをはがして、ベッドに「呼吸」をさせましょう。

それはなぜか?

起きてすぐにベッドを整えてしまうと、カバーとマットレスが適度な湿気を含んだままになってしまい、ダニにとって快適な環境になってしまうのです。

アレルギーや喘息の原因となるハウスダストのダニは、ベッドで繁殖し、私たちが落とした皮膚細胞をエサにして、私たちの汗から水分を吸収します。

ベッドを整える前に、シーツに光と空気を通して、湿気を取り除きましょう。ダニは乾燥に弱く、脱水すると死んでしまいます。

ベッドをしばらく呼吸させたら、寝る前までに必ず、ベッドをきちんと整えましょうね。

■自然とのつながりを感じさせる寝室は健康と睡眠にいい

バイオフィリックデザインとは、その空間にいる人が自然とのつながりを感じられるようにするための設計や手法のことで、建築とインテリアデザインの両方で大きなトレンドになっています。

この流れのきっかけになったのは、多くの健康の専門家が、自然とのつながりが心身の健康をもたらすこと、そしてオフィスやショッピングセンターなどの人工的な空間に1日中閉じ込められていると、エネルギーが消耗し、病気を引き起こすことさえあることに気がついたことでした。

寝室にバイオフィリックデザインを取り入れると、健康と睡眠の両方において効果を発揮します。

手始めに、できる範囲でかまわないので、人工素材を原料にした家具を避け、代わりに木製の家具を選んでください。2017年に『International Journal of Environmental Research and Public Health』誌に掲載された研究から、木に触れることで心拍数が低下し、交感神経の活動が低下する――つまりリラックスの兆候があらわれる――ことが明らかになりました。

壁には自然の風景の写真を飾りましょう。別の研究によると、森林、草、公園、野原などの緑地の写真を見るだけで、身体のストレス反応を止めることができるそうです。

空気をきれいにしてぐっすりと眠るために、部屋に観葉植物を置くのもおすすめです。宇宙ステーションの空気清浄の最善策を見つけるために実施されたNASAの「クリーンエア研究」では、スパティフィラムやキクなどの植物が、ベンゼンやホルムアルデヒド(合成繊維に含まれる)などの一般家庭にも見られる有害物質の除去に、大いに役立つことが判明しました。

【イラスト】寝室にバイオフィリックデザインを取り入れると、健康と睡眠の 両方において効果を発揮
イラスト=『 最新科学が証明した 睡眠にいいことベスト211』より

■靴下にお米をいれて体をクールダウンさせるのに使う

就寝時に深部体温が下がると、脳に「眠る時間ですよ」と知らせる合図になります。

足を温めるのは深部体温の放出に役立つのですが、真夏の暑い夜のようにベッドに熱がこもっていると不眠の原因になります。

キム・ジョーンズ(著)、鹿田昌美(訳)『最新科学が証明した睡眠にいいことベスト211
キム・ジョーンズ(著)、鹿田昌美(訳)『最新科学が証明した睡眠にいいことベスト211』

暑くて寝苦しい夜に、布団の涼しいスポットを探して手足を動かしてしまう人は、湯たんぽに氷を入れて、ひとつかふたつ、布団のなかに置いてみましょう。

つま先や腕や太ももに触れると、ひんやりして最高の気分が味わえます。寝具が冷たくなりすぎないように、薄いタオルで包むことをおすすめします。

もうひとつ試してほしいのが“冷や米でクールダウン”という方法。靴下に米を詰めて、フリーザーバッグに入れ、冷凍庫で数時間冷やすのです。アイスパックや冷凍エンドウ豆の袋のように使えて、溶けたときのべたつきもありません。

この冷や米入り靴下を、膝の裏側、足首、肘などの脈が感じられるポイントにあてたり、額の上に短時間置いてみるといいでしょう。

【イラスト】試してほしい“冷や米でクールダウン”
イラスト=『 最新科学が証明した 睡眠にいいことベスト211』より

■枕ごと冷蔵庫で冷やすと気持ちよく寝付ける

暑くてなかなか寝つけない真夏の夜には、枕ごと冷やしてしまいましょう!

ビニール袋に枕を入れて、冷蔵庫の空きスペースに置いておき、1日冷やします。または、枕カバーだけをフリーザーバッグに入れて冷凍庫で冷やしてもいいですね。

眠るときに数分間、心地良いひんやり感が味わえます。

首とこめかみには、血管が皮膚に近い「パルスポイント(脈が感じられるポイント)」があるため、血液がすばやく冷却されて、身体の他の部分のほてりも感じにくくなります。

冷却ジェル枕や、枕用ジェルマットを購入するのもおすすめです。

【イラスト】真夏の夜には、枕ごと冷やしてしまい ましょう!
イラスト=『最新科学が証明した 睡眠にいいことベスト211』より

※概日リズム……体内時計。地球の自転(24時間周期)に合わせて昼夜の変化に身体を同調させる生理的現象。概日リズムの働きによって体温やホルモン分泌が変化し、覚醒状態と睡眠状態が切り替わる。

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キム・ジョーンズ ジャーナリスト
健康と福祉を専門とするフリーランスのジャーナリスト。「デイリー・ミラー」「サンデー・エクスプレス・マガジン」「ウーマンズ・ウィークリー」「テスコ・マガジン」「ウーマン・アンド・ホーム」など、さまざまな女性誌や新聞に寄稿している。パートナーと2人の息子、愛猫と愛犬(コッカースパニエル)と一緒に、ウェールズの首都カーディフに暮らしている。

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(ジャーナリスト キム・ジョーンズ)

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