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サンマを塩焼きにするのは愚か…認知症予防や脳活性化のDHA・EPAを丸ごと摂取できる簡単で美味しい調理法

プレジデントオンライン / 2023年9月6日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kazoka30

秋の味覚・サンマはDHAとEPAが大量に含まれ、脳が活性化し認知症の予防になると言われる。しかし昨年に引き続き今年も不漁が見込まれ、高値になっている。東京慈恵会医科大学附属病院栄養部の管理栄養士・赤石定典さんは「栄養面を考えると、定番の塩焼きはおすすめできない」という――。

※本稿は、『プレジデントFamily2023秋号』の一部を再編集したものです。

■秋の味覚サンマをグリルで塩焼きがダメな理由

「魚を食べると頭がよくなる」という話を聞いたことがある方は多いでしょう。かつて「おさかな天国」という歌になって、スーパーでも流れていましたよね。

その立役者が魚の油に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)です。これらは体内でつくり出せない必須脂肪酸の一種で、脳や神経細胞をつくったり、情報伝達をなめらかにしたりとさまざまに活躍します。

脳が発達する成長期の子供には非常に大切で、DHAとEPAを毎日、摂取した子供は読解力が向上したという研究報告もあるのです。大人にとっても脳が活性化して認知症の予防になるうえ、血液をサラサラにし、コレステロール値や中性脂肪の値を下げる働きも認められています。

まさに頭にも体にも嬉しいDHA・EPAですが、含有量は魚によって異なります。可食部100gあたりでいうと、最も多いのはマグロのトロ。それぞれ3200mg・1400mgとダントツです。とはいえ、普段の食事に取り入れやすいのはやはり青魚でしょう。

これからが旬のサンマは2200mg・1500mgと多く、ブリ、イワシ、アジにもたっぷり含まれています。ちなみに、マグロの赤身や白身魚の含有量は2桁台。青魚は文字通り、桁違いにDHA・EPAが多いのです。

そこでいよいよ本題に入りましょう。今回、みなさんにお伝えしたいのは、栄養を余すところなく取り入れるための調理法です。

たとえば、サンマを買ったら塩焼きにしたくなりますよね。魚焼きグリルで焼けば焦げ目も香ばしく、大根おろしとスダチで食べればたまらないおいしさです。ただし、栄養面に注目すると塩焼きはあまりおすすめできません。

■魚のフライパン調理は◎だが、魚のフライ料理は×

焼いている間に油がポタポタと落ち、その分、DHA・EPAも流れ出てしまうからです。油を残すにはフライパンやオーブンで調理するのがベター。その際、たれやハーブ、スパイスなどを上手に使うのがコツです。

炭で焼くサンマ
写真=iStock.com/Yata
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Yata

というのも、魚の油にはよい栄養が含まれる半面、魚特有の生臭みも含まれているからです。グリルで焼けば油と一緒に生臭さも落とすことができますが、フライパンの場合、どうしてもそれが残ってしまうのです。

たとえば、サンマなら開いてスパイスをまとわせて焼いたり、ハーブを混ぜたパン粉で香草焼きにするのもよいですし、甘辛いたれを絡めたかば焼きもご飯が進みます。ブリの照り焼きもグリルでなくフライパンでつくると栄養面でメリットがあり、何より手軽ですよね。

このとき、野菜やキノコなどの付け合わせを一緒に焼くのもポイントです。魚から流れ出た油を吸ってくれるので、栄養を余さず取ることができます。

もちろん、DHA・EPAを効率よく取れる調理法はほかにもあり、その一番手は刺し身です。生魚が苦手ならたたきにして卵黄を加えると食べやすくなるばかりか、卵黄に含まれるレシチンの効果で集中力を高めるのにも役立ちます。

もし煮魚にするなら、煮汁を少なくし、煮汁ごと食べられるようにするとよいでしょう。ブリ大根の場合、骨ごと食べられるよう圧力鍋で煮ればカルシウムも取れて一石二鳥です。

逆に、フライは揚げ油にDHA・EPAが流れ出てしまうので効率がよいとはいえません。

このように調理法を工夫して、毎日でも魚を食べたいところですが、忙しい日などはちょっと面倒という方もいるかもしれませんね。おまけに魚は肉に比べて値段も高め。家計的にキビシイという声も上がりそうです。

■DHA・EPAたっぷりのおすすめ魚レシピ

そんなときに活用したいのが缶詰です。サバやイワシの水煮缶は生の魚を缶に詰め、その缶ごと加熱しているのでDHAやEPAがそのままキープされています。わが家でよくつくるのはサバカレーです。肉の代わりにサバ缶を入れるだけと至ってカンタン。

ほかにもマヨネーズであえてサラダの具にするほか、パスタのソースに使うのにもぴったりです。みそ煮やレモンバジル味など味付けされたタイプもあり、盛り付けるだけで食事の一品に早変わりします。日持ちもする缶詰をストックしておけば、毎日の食事づくりに活躍すること請け合いです。

『プレジデントFamily2023秋号』(プレジデント社)
『プレジデントFamily2023秋号』(プレジデント社)
先生のおすすめDHA・EPAたっぷり魚レシピ

① 青魚の香草パン粉焼き

三枚におろしたイワシやサンマ、アジなどの青魚に塩コショウをしたら、オーブン皿に並べます。パン粉や粉チーズ、パセリやバジルなどのハーブを合わせたものをふりかけ、オリーブオイルを回しかけて、加熱します。

② 青魚のかば焼き

三枚におろしたイワシやサンマ、アジなどの青魚に塩コショウをしたら、小麦粉を薄くまぶします。サラダ油を引いたフライパンで、魚を両面焼き、しょうゆ、酒、砂糖を合わせたたれを回し入れ煮詰めます。

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赤石 定典(あかいし・さだのり)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部、管理栄養士
『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』などの本やテレビで、食事で健康になる情報を発信している。

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(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部、管理栄養士 赤石 定典 構成=上島寿子)

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