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「とりあえずやってみる人」は仕事の質が低い…本当に仕事がデキる人が絶対にやらない3つのこと

プレジデントオンライン / 2023年9月11日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/coffeekai

仕事ができる人、できない人は何が違うか。戦略コンサルタントの田中耕比古さんは「とりあえず始めてみて、うまくいかなくて困ってから考えるのは、残念な仕事のやり方だ。仕事の目的に対して、どのような手段を用い、どのくらい時間がかかるか把握することで、手戻りが少なくなりチーム全体の仕事の効率が上がる」という――。

※本稿は、田中耕比古『仕事の「質」と「スピード」が上がる 仕事の順番』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。

■仕事ができない人がやっている「禁じ手」の種類

「あいつは仕事ができるなぁ」
「彼は上司に評価されているなぁ」
「なぜあの人はお客様に信頼されているんだろう」

そんなふうに人のことを羨ましく思ったり、憧れたりした経験はありませんか。

「仕事ができる人」と「仕事ができない人」は、一体何が違うのでしょうか?

仕事ができる人と、仕事ができない人の間には、仕事の進め方に対する明確な違いがあります。

その違いとは「仕事を進める順番」です。

仕事ができる人は、仕事を始める前に「しっかりと考える」のです。

これが仕事のできる人、できない人を大きく分ける最大の要因だと言えます。もちろん、その「考える」の精度の違いも重要なのですが、まずは考えるかどうかが大切です。

たとえば、パワーポイントで資料を作るときに、「いきなりパワーポイントを開いて資料を作り始めてはいけない」と言われます。似たようなことを、あなたも一度は耳にしたことがありませんか。

まずは思考を整理し、ノートにまとめてから、満を持してパワーポイントを使う。

このような順番で資料作成をしなければ、パワーポイントの画面を眺めながら、延々とああでもない、こうでもないと図形をいじって、時間を浪費することになってしまいます。

まず、目的や考えを明らかにし、関連する情報をどのようにまとめ、どのように物事を進めていくかといったことを整理してから、行動に移す必要があります。

しかし、「仕事ができない人」は、このやってはいけない「禁じ手」を、普段の仕事でやってしまっています。

■「正しい手順を踏む」ことで仕事は着実に進められる

一言でいえば「先に考える」ことができていないのです。

仕事ができる人は、問題が起こる前に、万が一に備えてあらかじめ対処法を考えています。思いがけない事態に直面したときには、それが大事(おおごと)になる前に上司や先輩に相談します。

また、自分のやっていることの途中経過を、お客様や上司にしっかりと共有します。仕事を終えるタイミングで、相手を満足させられたかを振り返ります。

このように、やり方を考えた上で仕事を進めています。

つまり、「仕事ができる」とは、その仕事の状況に合った「正しい手順を踏む」ことです。こうした手順に従って、仕事を効率良く進めることができれば、誰でも「仕事のできる人」になることができます。

思い込みや感覚で仕事を進めるのではなく、その場その場で適切な相手に必要な情報共有を行い、あらかじめ定めた作業手順をしっかりと踏んで、着実に進んでいく。

働くプロセスを考えるビジネスマン
写真=iStock.com/takasuu
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

一見すると当たり前のことのように感じるかもしれません。

でも、この当たり前を当たり前にできるかが重要です。そして、これこそが「仕事ができる」ということなのです。

仕事ができない人は確かにいます。しかし、必ずしもその人が「できない人間」「使えない人間」ということではありません。あくまでも「正しくない仕事のやり方をしている」、ただそれだけのことなのです。

もし、あなたが「仕事をうまくこなせない」という悩みをお持ちなのであれば、ぜひ、できる人の仕事のやり方・進め方を学び、自分の仕事の順番を見直してみてください。

ここからは、仕事ができない人のいくつかの特徴について取り上げてみましょう。

■「自分の理解」と「他人の理解」を揃える

残念な仕事のやり方① 自分の理解だけで仕事を進める

多くの場合、仕事には相手がいます。特に、オフィスワークに携わる人の仕事は、「誰かの依頼への対応」「誰かの困りごとへの対応」が大半を占めます。

お客様の要望を聞いて、なんらかの対応をする。社内の仕事であっても、上司や先輩からの依頼を受けて、何かを準備したり、作ったり、運んだりすることが多いでしょう。

そういうときに、自分の感覚ややり方に固執して、自分の思うがままに仕事を進めてはいけません。そんなことをすると、相手の求めていたものとはまったく違うことのために非常に多くの時間を費やしてしまったという残念な結果が待っています。

たとえば、洋食屋さんでカレーライスを頼んでハヤシライスが出てきたときに、「まぁ、どっちも美味しいからいいや」と許す人は、そんなに多くはいないでしょう。

たとえそのハヤシライスが、丸3日間かけて煮込んだ素晴らしいものであったとしても、お客様の注文がカレーライスである以上は単なる「オーダーミス」です。

そうしたことが起こらないように、レストランでは、店員さんが「ご注文を繰り返します」とオーダー内容を復唱します。「相手が頼んだものを、自分がしっかり間違えずに理解しているかどうか」を確認しているのです。

聞き間違えているかもしれないし、メモを取り損ねているかもしれない。

そういう、何かしら誤解しているかもしれない状態のまま厨房にオーダーを伝え、シェフが本気で腕を振るった最高の料理を作る。万が一、それがオーダーミスだったとしたら、とても悲しく、不幸な事態です。

仕事には常に相手がいます。その相手の意思や意向、考えを理解しないことには、どんな仕事も狙い通りの結果にたどり着かないのです。

■「すぐに行動する」と手戻りが増える

残念な仕事のやり方② とりあえず進めてみる

「とりあえず始めてみて、うまくいかなくて困ってから、どうしようかなと考える」

そんな仕事の進め方をしてしまってはいませんか。

あなたが、初めて訪れる場所に行こうするときを想像してみてください。何も考えないまま歩き始めるでしょうか。

おそらく、自分が向かう目的地まで、どんな交通機関で、どれくらいの時間がかかるのかを、調べるところから始めますよね。そして、最初に乗る駅までは今いるところから、どっち向きに何分くらい歩くのかなどを把握した上で行動するはずです。

しかしながら、仕事になると、なぜか、こうした準備をまったくしないまま、いきなり作業に取り掛かってしまう人がいます。

そして、作業を進めながら、「あれ、思っていたのと違うな」「あ、これはどうやら勘違いしていたな」と気づき、少し戻ってやり直すことになります。

混乱の若いアジアの女の子
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/metamorworks

こういうやり直し作業のことを「手戻り」と言います。

「手戻り」は、仕事の効率を著しく低下させ、周りからの評価も下げてしまいます。また、「手戻り」を繰り返すことによって一番無駄になっているのは「時間」です。時間は、あなただけでなく、周りの人にとっても等しく有限で、貴重なものです。浪費してはいけません。

誰かが行きあたりばったりで仕事を進め、何か間違っている、何かがおかしい、と途中で気づいてやり直す。そこで発生した遅れは、その仕事の結果を待っている別の誰かにも影響を与えます。

「手戻り」を減らし最小化することが、チーム全体の仕事の効率を上げる極めて有効な打ち手となります。

■「納期に対する真摯さ」が仕事の評価を決めている

残念な仕事のやり方③ 作業時間を見積もらない

仕事においてもっとも重要なものとは何でしょうか?

私が何より大事だと考えているのが「納期」です。仕事を進めるにあたって「作業を行う速さ」が評価を決めるとイメージする方も多いのですが、そうではありません。ほとんどの場合、定められた納期・締め切りを守ることができるか否か、で評価が決まります。

仕事には、「納期」や「締め切り」が必ず存在します。どんな業種や職種の、どんな仕事であれ、「いつまでにこの作業を完了してほしい」という要望もしくは合意があります。その時期までに完成、完遂することが期待されているはずです。

そして、多くの場合、その後ろに別の人の別の作業が予定されています。

たとえば、「この企画書を一週間後の12時までに提出してください」と上司に指示されたとします。

仕事ができない人は、期限ギリギリだったり、もしくは遅れて提出したりします。一方、仕事ができる人は、提出日の前日、もしくは当日の朝一に提出するでしょう。

また、納期内で品質を上げる努力も怠りません。一週間後をターゲットにするならば、その数日前に内容確認をする場を設定します。

さらに、依頼当日もしくは翌日に、おおまかな資料の構成や、伝えたい内容について依頼者である上司に確認します。そうした「確認タイミング」をあらかじめ見据えて、仕事の進め方を考えるわけです。

■「作業時間の見積もり力」こそが、優秀な人の証し

締め切りや納期を守ることは、仕事における、いわゆる「基本のキ」です。まったく意識しない人は、さすがにいないと思います。

他方、「基本のホ」とでもいうべきものが「作業時間の見積もり」です。

この「作業時間の見積もり」は、見すごされがちな要素です。何かひとつの仕事に取り組むときには、「これを終わらせるにはどれくらいの時間がかかるのか」を考える必要がありますが、残念ながら、あまりちゃんと考えない人が多いのです。

30分で終わる仕事もあれば、3時間かかる仕事もあります。

なかには、ほかのことを一切やらなかったとしてもまるまる5日(8時間×5日=40時間)や10日(=80時間)かかる仕事だってあるかもしれません。

作業時間をしっかりと見積もれなければ、納期を守ることなどできません。

大事なのは「ちゃんと間に合いそうか」を精度高く理解することです。

仕事に取り掛かる前に「ちゃんと間に合いそうか」を考えます。そこで「間に合いそうにない」ということがわかっていれば、上司やお客様との間で納期を少し後ろ倒しに調整できるかもしれません。

■事前に見積もることでトラブルにも手が打てる

もし納期を動かせないのであれば、「ほかの人に手伝ってもらう」「自分が担当しているほかの仕事を調整して、納期を守るための作業時間を作る」といった手が打てます。

田中耕比古『仕事の「質」と「スピード」が上がる 仕事の順番』(フォレスト出版)
田中耕比古『仕事の「質」と「スピード」が上がる 仕事の順番』(フォレスト出版)

一方で、仕事を進めていくなかで「間に合わない」ことが発覚した場合は、できる打ち手が少なくなっています。そもそも、作業時間を見積もっていたわけではないので、間に合わないということになかなか気づけません。

その結果、気づいたのが、締め切り直前になってしまったりもします。これは最悪です。

1カ月前から言われていたのに、気づくと納期の3日前。いざ取り掛かってみると、思いのほか難しい。まずは1日かけて、あれこれ調べながら試行錯誤して進めてみたところ、どうやらこれは、あと5日はかかりそうだ、と気づいた。ゾッとしますね。

仕事の質を高め、周囲からの信頼を得るためには、「作業時間を見積もる力」に裏打ちされた「納期を守る姿勢」が極めて重要なのです。

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田中 耕比古(たなか・たがひこ)
ギックス取締役、共同創業者
1977年生まれ。2000年、関西学院大学総合政策学部卒業。商社系SI企業に入社。2004年、アクセンチュア株式会社戦略グループ入社。幅広い領域での戦略コンサルティングプロジェクトに参画。2011年、日本IBM株式会社入社。ビッグデータのビジネス活用を推進。2012年、株式会社ギックス設立。取締役に就任。2022年3月、東証マザーズ(現グロース)に新規上場。著書に『一番伝わる説明の順番』、『仕事の「質」と「スピード」が上がる仕事の順番』など。

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(ギックス取締役、共同創業者 田中 耕比古)

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