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これで誰でも「50倍株」を見つけられる…元証券マン投資家が公開する「3STEPショートカット投資法」とは

プレジデントオンライン / 2023年9月23日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/hernan4429

10倍、50倍と力強く上昇していく株とはどんな銘柄なのか。元証券マンのかぶカブキさんは、「投資としての効率が良いのは、月収5万のバイト学生からエリート会社員への変化のような、大きな乖離が見込める初動です」という――。

※本稿はかぶカブキ『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)を再編集したものです。

■どんな銘柄を選べば「50倍株」になるのか

株価が10倍、50倍と強く上昇していく大化け株とはどんな銘柄なのでしょうか。「業績が伸びている銘柄を買えばそれでいい」といった簡単な話ではありません。

業績が伸びていても、それが株式市場から十分に評価されてしまっていると、将来の業績成長の期待が株価に織り込まれていて既に高くなってしまっています。その段階に到達してからでは出遅れていて、その後の上昇余地はそれほど残っていない可能性があります。

要するに、大きく上がる株というのは、成長しているだけでは不十分です。「成長しているのに、その成長にふさわしい評価を受けていない企業」である必要があります。

このことを、鬼わかりやすいたとえ話で解説しましょう。

A君という学生がいるとします。彼はいまひとつパッとしない学生で、アルバイトで稼ぐお金は月5万ぐらいです。それでも、就活を死に物狂いで頑張った結果、高給で知られる超一流企業から内定を獲得することができました。この瞬間が、「ごく普通の学生でしかなかったA君が、生涯年収で普通の会社員を大きく上回ることがほぼ確定したタイミング」になります。

■成長しているのに過小評価されているタイミング

これはA君に対する周りの評価が、一気に変わるタイミングでもあります。親戚や友人にはすごいねと一目置かれ、A君のことなど眼中になかった周囲の女子学生も、彼を見る目が変わってきます。なにしろA君は、今はまだ月収5万のバイト学生でも、翌年にはピカピカの高収入ハイスペック男性の仲間入りをするわけですから。

このときがまさに、株でいう「成長しているのに、その成長にふさわしい評価を受けていない」タイミングです。現実にはA君の株は取引できませんが、もし買えるのならこのタイミングの前後で買うのがベストです。

株式市場でも企業がこうした局面に差しかかることが頻繁に起きており、このタイミングを狙えば非常に効率的に資産を増加させていくことができます。A君の場合は就活の成功がきっかけになりましたが、株式市場で同じことが起こるきっかけは、「業績の急激な変化」になります。早く資産を増やしたいなら、常にこうした「業績の急激な変化」を探す目線を持って株式市場に向き合うことが重要です。

■早く資産を増やしたいなら一流企業はスルー

「業績の急激な変化を探す」というのは、言葉にすれば簡単そうですが、実際はそんなに易しいことではありません。というのも、経験が少ない人ほど、「既に一流になっている企業」に目を惹かれてしまうからです。

一流企業は名前も知られているし馴染みもあるし、多くの人がその企業が持つブランド力に魅力を感じます。当然、投資先としても安心感があります。こうした考えで銘柄を探すことは投資の正解のひとつではありますが、僕のように「なる早」で資産を増やしたいという人には向きません。

一般的にこうした企業では、現時点から急激な業績の変化があまり期待できないので、株価の劇的な上昇も見込めないからです。安定的に配当収入を得たいとか資産をインフレから守りたいといった目的の投資家ならいいのですが、積極的に大きな利益を狙いたい投資家には物足りません。

『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』より
イラスト=松尾達
『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』より - イラスト=松尾達

こうした一流企業は、A君にたとえると10年その一流企業に勤めて、「エリート会社員」という周囲の評価が定着している状態だと思ってください。いまだに彼をパッとしない学生と思っている人は、ほとんどいない状態です。この時点からA君の株を買っても、学生からエリート会社員への転身ほどのインパクトはなく、せいぜい主任から課長に昇進するマイナーチェンジ程度です。ここから社長に上り詰めるようなことがあれば大化けもあり得ますが、勤続10年程度でその兆候が見えるというのは考えにくいでしょう。

投資としての効率が良いのは、月収5万のバイト学生から年収2000万円も夢ではないエリート会社員への変化といった、大きな乖離(かいり)が見込める初動です。エリート会社員の中から探すのではなく、学生や中小企業の人材から探すほうが効率はグンとアップするのです。

■「50倍株候補」を見つける超効率的メソッド

では、忙しい毎日の中で、「業績の急激な変化」がみられる銘柄をどう見つけ出すのか。今回は、今日からできる超効率的な3STEPのショートカット投資法をご紹介します。

まずは増収増益が大前提になりますが、それだけでは足りません。実際、増収増益している割には株価がたいして上がらないということも多くあります。ポイントは、今までにないレベルで業績が向上している決算に着目する、という点です。

水面から飛び立とうとする鳥
写真=iStock.com/ChuckSchugPhotography
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ChuckSchugPhotography

そこで、株価の大幅上昇につながるビッグチェンジを見極める3STEPをご紹介します。これは僕が実際に行っている方法で、「どの資料の、何の項目を見る」ということが明確なので、10倍株候補を最速で見極めたい人におすすめです。作業を効率化する便利ツールも活用するので、慣れてくれば、この3STEPを3分ほどで行えるようになります。

【STEP1】決算短信を見て、増収増益を確認する

決算短信の1ページ目に載っている「売上高」と「営業利益」の「前年同期比」をチェックし、増収増益を確認します。5%増といった1ケタの増収増益は安定成長株としての魅力はあっても、株価の急成長は期待できません。

企業規模にもよるので一概にはいえないのですが、最低でも15%以上の2ケタ増収と2ケタ増益になっているかをチェックします。

【STEP2】決算短信のコメント欄で、増収増益の理由や背景を確認する

売上高と営業利益が大きく伸びている場合は、決算短信の4ページ目に「経営成績に関する説明」の欄に四半期の業績について解説やその背景に関するコメントが記載されているので、ここで増収増益の背景を確認します。背景がよくわからない場合は、決算説明資料などほかの情報源にもあたってみましょう。

環境の変化や国策による追い風、M&Aや新製品・サービスの好調など、『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』で解説しているビッグチェンジのパターンになにかしらあてはまっていたら注目です。

【STEP3】前四半期比(QonQ)での推移を確認する

第1四半期(1Q、四半期はクオーターと英訳されるので、以下Qと表記)決算であればシンプルに期の初め3カ月間の成績ですが、2Q以降の決算は3カ月ではなく期初からの累計で発表されます。つまり、2Qであれば6カ月、3Qであれば9カ月、本決算である4Qは1年間の成績になります。

かぶカブキ『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)
かぶカブキ『決算書3分速読から見つける10倍株ときどき50倍株 2年で資産を17.5倍に増やした元証券マンの投資術』(KADOKAWA)

このため、四半期が進むほどに直近3カ月単体での成績がわかりにくくなります。たとえば3Q決算が前年の3Q決算と比べて大きく伸びていたとしても、それは2Qまでの伸びが大きくて、直近の3カ月では減速している可能性もあります。いくら3Qまでの累計の数字が良くても、QonQで鈍化しているようなら好業績が継続しそうだとは思えません。

こうした点を確認するためには、最新の決算の数字から前の決算の数字を引き算して、期初からの累計ではなく直近の3カ月の成績を確認する必要があります。これが地味に面倒なのですが、マネックス証券が提供している分析ツール「銘柄スカウター」なら、その数字が一発で確認できます。

この作業で、直近の四半期の売上高の棒グラフが頭一つ抜き出てきたり、営業利益の折れ線グラフが急角度で上昇しているような勢いづいた様子があるかどうかを確認しましょう。

■ビッグチェンジが今後も継続するかも確認しよう

決算短信に記載されているコメントはごく簡単なものが多いので、同時に公表される決算説明資料や有価証券報告書、四半期報告書などに目を通します。特に決算説明資料はグラフなどを多用したわかりやすいプレゼンテーション資料になっていることが多いので、状況の把握に役立ちます。高い水準の増収増益が継続できると思える背景はあるか、あるいは一時的な伸びでしかないかを確認しましょう。

加えて、その銘柄が持つ季節の偏重性を確認し、その四半期の好決算が単なる季節要因によるものでなかったかを確認する必要があります。売上や利益が年間を通してほぼ均等に計上される企業もあれば、特定の月に集中するような企業もあるので、こうした傾向を確認して本当にその好決算がビッグチェンジであるかを確認する必要があります。季節性を確認するには、決算説明資料や有価証券報告書を「季節性」「偏重」というワードで検索して、特にひっかかってこないようなら大きな問題はないと判断してよいでしょう。

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かぶカブキ(かぶかぶき)
元証券マン個人投資家
投資歴15年。1年11カ月で自己資産17.5倍に増やし(元手94万→1646万)、現在も資産を増やし続けている。大学卒業後にIT関連企業で営業指導の部長を経て、証券会社に就職。ディーラーや営業の経験を通じて、専門的な知識がなくても株式投資で成功する企業分析と大化け銘柄の発掘方法を確立。現在はサラリーマンを引退して独立。毎月550人以上に投資術を分かりやすく言語化して指導。Twitter(現・X)は8.3万フォロワー(※2023年9月時点)。

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(元証券マン個人投資家 かぶカブキ)

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