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猫のTシャツを着て、相手の話をニコニコ聞けるか…人生が上手くいく人に共通する「決定的な要素」

プレジデントオンライン / 2023年9月19日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Magui-rfajardo

人生が上手くいく人に共通の資質は何か。イスラーム学者の中田考さんは「子供が何をやっても許されるように、大人でも可愛さは武器になる。ただ、可愛さというのは奥が深く、本当に可愛くなるには修行が必要だ。まずは猫のTシャツを着たりして、相手の話をニコニコと聞くことから始めるといい」という――。

※本稿は、中田考『どうせ死ぬ この世は遊び 人は皆 1日1講義1ヶ月で心が軽くなる考えかた』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。

■「可愛い」だけで周りが勝手に助けてくれる

生きていく上で大事なのは「可愛さ」です。他人から「こいつは可愛いやつだ」と思われていれば、大抵のことは解決します。

子供と遊べば、それがよくわかります。彼らは言葉も通じませんが、それでも生きていられるのは可愛いからです。

こちらの言うことは聞かないし、簡単な指示も理解できない。少し目を離すと部屋中に落書きを始めたり、食べ物をこぼしたりする。

これを大人がやったら耐えられませんが、子供だったら可愛いので許されます(多少は怒られるかもしれませんが)。可愛いから周りが勝手に助けてくれます。

大人でも「可愛さ」は武器になります。というより一番重要です。

どんなに仕事ができたり、頭がよかったりしても、それが通用する場面は限定的です。

しかし可愛さには汎用(はんよう)性があります。例えば、戦場でも可愛い人間は最前線に送られる確率が可愛くない人間より低いので、生き残りやすくなります。

逆に能力の高さは、可愛さにとって邪魔になることが多いです。能力が高く威張っている人間よりは、能力が低くても可愛い人間の方がいい。ですから、周囲の人間には「自分の方が優位に立っている」と思わせるようにしましょう。勝手に周りが助けてくれます。

■猫のプリントTシャツを着て、相手の話をちゃんと聞く

ただ、可愛さというのは奥が深く、本当に可愛くなるには修行が必要です。ですので、自分には可愛さが足りないと思う人は、まずは形から入りましょう。

幼児のマネだとちょっと度が過ぎるので、猫の写真をSNSにアップしたり、猫のプリントされたTシャツを着たりするのがいいかもしれません。

かえってイタイ人間だと思われるかもしれませんが、万人に受ける必要はないですし、元々可愛くない人間が可愛くなろうとしているのですから、多少の無理は受け入れる必要があります。

そういった健気さは時に涙を誘います。最初は気持ち悪がられても、次第にキモ可愛いに変わり、可愛い人間になっていくことができます。

あとはとにかく相手の話をちゃんと聞くことです。変に自分の言葉を挟まずに、黙って相槌を打って聞くことに徹しましょう。気の利いたことを言うのは難しいですが、聞くだけならすぐにできます。内容がわからなくてもニコニコ聞いていればいいのです。

相手の話を聞いていても、すぐに自分の話をしようとする人がいますが、そういう人は嫌われます。相手の話をちゃんと聞いてあげれば可愛がってもらえます。

本当は上の空でなんにも理解していなくても、うん、うん、と頷いて相槌を打ってちゃんと聞いているふりさえすればいいんです。

猫
写真=iStock.com/Anton Ostapenko
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Anton Ostapenko

■子供嫌いでも「オオサンショウウオ」と遊べばいい

ちなみに子供が可愛い、と書きましたが、動物行動学者のコンラート・ローレンツは①身体に比べて頭が大きい②おでこが広くて前に突き出ている③顔の下半分に大きな目が付いているといった特徴があると、人間は生き物であってもなくてもいとおしく感じられる、という「ベビースキーマ(赤ちゃん図式)」という理論を提唱しました。

この理論は、その後実験心理学で検証され、広く受け入れられています。

といっても、例外のない法則はないので、誰でも子供を可愛いと思うわけではありません。かく言う私自身、子供が嫌い、特に幼児が大嫌いで、「子供たちを責めないで」(作詞…秋元康、歌…伊武雅刀)は愛唱歌、カラオケでの持ちネタ曲です。

だから子供と遊べ、と言われても子供が嫌いなら無理に子供と遊ぶ必要はありません、というかかえってストレスが溜まるだけなので、逆効果です。自分が可愛い、と思うものと遊べばいいのです。

私のTwitter(現・X)(中田考@HASSANKONAKATA)のTLには「オオサンショウウオが可愛い」「トカゲが可愛い」というツイートが溢れていますので、臨機応変に対応しましょう。

■子供と遊ぶことの本当の意味

「子供と遊べ」と言うと、欧米のリベラル思想にかぶれた教育学者とかコンサルなどは、子供と一緒に遊ぶことで、お互いの信頼関係が築かれ、コミュニケーションがスムーズになり、子供は遊びを通じて社会性や協調性、問題解決能力、ルールを守ることの重要性や、相手の気持ちを考えること、困難に立ち向かう勇気といった、人間として大切な価値観やスキルを遊びを通して学ぶことができる、などと言いたがります。

そして子供の創造性を刺激することができるお絵描きや工作、子供の思考力や戦略性を鍛えるのに役立つボードゲーム、チームワークや協力を学ぶことができるスポーツ、子供の想像力や言葉の理解力が向上する物語の読み聞かせ、食材や調理法について学ぶことができる料理、子供の脳を刺激し知識や推理力を向上させるクイズやパズルなどで遊べ、とか見当はずれのアドバイスをしてきます。

そんなことはどうでもいいのです。大切なのは、子供でもオオサンショウウオでもトカゲでもいいので、可愛いと思うものと一緒に楽しむことで、それで世話を焼く手間ばかりかかる役立たず、穀潰しの子供やオオサンショウウオやトカゲと一緒にいて自分がなぜ楽しいのかを改めて考えることです。

自己啓発セミナーの講師やコンサルたちが言うような金儲けやそれに役立つスキルの習得などの他の目的の手段ではない純粋な悦び、幸せとは何かを思い出し、自分がそれを人に与えることができる人間にどうすればなれるか。それが子供と遊ぶことの本当の意味なのです。

親子
写真=iStock.com/yamasan
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/yamasan

■楽しくない人間関係は無意味

一般的に友達は多いほどいいとされています。しかし友達にしてもなんでも、人間関係は増えれば増えるほど面倒、厄介事が増えます。人間関係は友達も含めてできるだけ減らした方がいい。

友達なんていても助けてくれるどころか、お金を無心されることの方が多いので、いない方がマシです。友達がいなければいじめられることもありません。

とはいえ、友達をはじめ人間関係は、作ろうと思ってできるというよりも自然とできていってしまうものです。なんだかよくわからないうちに「あれなんでこんなヤツと付き合っているんだろう」という人もいます。楽しければ無理して避けることもないですが、それ以外は無意味です。

完全に独りになるとそれはそれで大変なこともありますから、本当に必要な人間関係だけを残しましょう。それには、自ら浮きに行くことがおすすめです。学校で友達が引いてしまうようなことをあえてやる。

職場で声をかけづらい雰囲気を常に纏う。そうやって普通の人間であれば声をかけないようなことをする。それでも声をかけてくるような人間がいれば応じてあげてもいいでしょう。

■考えるより先に殴ってみよう

そもそも無理してコミュニケーションをとっても大抵はよくないことが起こります。

近頃の職場は、パワハラやセクハラに敏感で、人間関係が築きにくくなっていると言いますが、それでいいんです。「話せばわかる」なんて言って問答無用と撃ち殺された政治家もいましたが、どちらかといえば、話せば話すほど事態は悪化することの方が多い。

それに元来、「話せばわかる」とか言う人は、有利な立場にいるものです。立場が上だから周りが素直に聞いてくれているだけで、本当にわかってくれている人間なんてほとんどいません。

どうしても現状を変えたいということであれば、話すのではなくとりあえず殴ってみましょう。考えるのはそれからで構いません。考えるより先に殴る。もしかしたら警察に捕まるかもしれませんが、あなたが置かれている状況はきっと変わります。

結果的に人間関係も減って、生きやすくなるかもしれません。でもそこまでするほどでもなければ、何もしないで大人しくしていましょう。

■本当の友達は「なぜか憎めないやつ」

読者の中には「友達を減らそう」という先述の内容を読んで驚いて、きっと別の意図があるのだろうと思うかもしれません。

それで「友達を減らそう」とは、あなたの人生を豊かにし質的に向上させる1つの戦略だろうなどと勝手に解釈することになります。

一般的には、情報がたくさん入ってくるから、困った時に助けてくれるかもしれないから、楽しいからといった理由で、友達は多い方がいいと思われている。しかしすべての友人関係が必ずしもポジティブな影響を及ぼすわけではない。

人間関係は相手の感情を気遣ったり、会話をする時間を作ったり、相手を理解しようと努力したり、エネルギーを使いますが、エネルギーは無限ではないので、効率化のために「友達を減らそう」と言っているのだろう、というわけです。

だから一度立ち止まって友人リストを見直して、自分を高めてくれたり楽しませてくれる人間を自分の立場を悪くさせたり時間やエネルギーを浪費させる人間から選別して人間関係の質を向上させるために友達を減らすんだろう、大切なのは自分自身にとって価値ある関係に投資するべきです、などと言い出すことになります。

しかし根本的な誤解があります。私にとって本当の友達とは自分にとって役に立ち一緒にいて楽しい人間ではありません。

中田考『どうせ死ぬ この世は遊び 人は皆 1日1講義1ヶ月で心が軽くなる考えかた』(実業之日本社)
中田考『どうせ死ぬ この世は遊び 人は皆 1日1講義1ヶ月で心が軽くなる考えかた』(実業之日本社)

もちろん、友達が役に立ったり一緒にいて楽しかったりすることもあるでしょう。でもそれなら交通事故で全身麻痺で寝たきりになって言葉も不自由になったらどうでしょう。

本当の友達というのは、どんなに迷惑をかけられてもなぜか憎めない、電話に出ると面倒なことに巻き込まれるとわかっていてもつい出てしまう、他人から見ると、なんでこの人はあんなヤツと付き合っているのか、と不思議に思うような人間のことです。

そんな友達は滅多に見つかるものではありませんし、たくさんいたのでは身が持ちません。友達は少なくていい、というのはそういうことです。

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中田 考(なかた・こう)
イスラーム学者、イブン・ハルドゥーン大学客員教授
1960年生まれ。イブン・ハルドゥーン大学客員教授。83年イスラーム入信。ムスリム名ハサン。東京大学文学部宗教学宗教史学科(イスラーム学専攻)卒業。カイロ大学博士(哲学)。クルアーン釈義免状取得、ハナフィー派法学修学免状取得。在サウジアラビア日本国大使館専門調査員、同志社大学神学部教授などを歴任。著書に『みんなちがって、みんなダメ 身の程を知る劇薬人生論』(ベストセラーズ)、『宗教地政学から読み解くロシア原論』(イースト・プレス)、『13歳からの世界征服』『70歳からの世界征服』(共に百万年書房)などがある。

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(イスラーム学者、イブン・ハルドゥーン大学客員教授 中田 考)

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