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成績に20%の差がつく…相手の「性格」を分析してアプローチを変えるデキる営業の見事な"キャラ変"対応

プレジデントオンライン / 2023年10月3日 8時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/JuSun

相手から「イエス」を引き出すのがうまい人は何が違うのか。『新ディグラム性格診断 9タイプが解き明かすあなたの真実』を刊行した、ディグラム・ラボの木原誠太郎さんは「人間関係をスムーズにするために、性格診断を活用し、相手の秘められた内面を知ることが大切。これからの時代は、それができるビジネスパーソンが成功を収める」という──。(第2回/全2回)

■相手を「理解」できている人だけが成功する

どんなにオートメーション化が進んだり、ChatGPTをはじめとする生成AIの精度が高まったとしても、ビジネスにおいて、「人」は必要不可欠。どんなビジネスシーンにおいても、上司、同僚、部下、クライアント、消費者など、必ず「人」との接点が生まれます。

ビジネスにおいて、相手がどういう人であるかを理解すれば、何もわからないまま相手に接する状態に比べ、はるかに効率がよくなります。ある調査によれば、相手がどんな人間か理解している場合と、理解していない場合とで、営業成績が10~20%違うといいます。

たとえば、商談などをする際には「アイスブレーク」と呼ばれる手法がよく活用されます。これは、初対面の人同士が、本題ではない雑談やちょっとしたゲームなどをすること。これにより、お互いの緊張が解け、本題がスムーズに進めやすくなるとされています。

こうした手法を駆使して、いつの時代も人間関係の距離感を縮めようと、人々は苦労してきたのです。

■令和時代に一変したコミュニケーションスキル

昭和の時代であれば、「飲みニケーション」「社内運動会」「社内部活動」などを通じたコミュニケーションで相手の性格を知ることができましたし、人間関係を近づけることもできました。

しかし、令和のいま、状況は一変しました。

まず、多くの人がプライベートを優先するようになりました。

さらに、コロナ禍(か)でリモート出社やオンラインミーティングが導入され、社員同士はもちろん、社外の人とも雑談をする機会が一気に減りました。

そうかと思えば、コロナ禍を経て、今度はあらゆる仕事が「対面」で行う方向に急速に戻りつつあります。これは、リアルで会うことでコミュニケーションはスムーズに進むと再評価されたからにほかなりません。

今後、対面でのコミュニケーションはある程度復活し、再び一般化するかもしれません。しかし、一度失われた昭和時代の対面コミュニケーションが復活することはまずありません。現場の中心は、昭和世代から平成世代へとどんどん変わりつつあります。

今後の対面コミュニケーションは、古い世代のそれとは質的に異なる、まったく新しいものへと変化していくことは避けられないでしょう。

■「性格診断」が、オンラインコミュニケーションの穴埋めに

時と場所を選ばないオンラインの便利さは捨てがたいものです。そこで、オンライン上だけの付き合いであったとしても、性格診断を取り入れると、リアルで会ったときに感じる距離感に近い感覚が得られます。

これが対面なら、たとえばアイスブレークでの雑談から、相手がどんな趣味を持っているのか、休日は何をしているのか、家族はいるのかなど、その人となりを理解することができます。しかし、オンラインでアイスブレークを取り入れるのは至難(しなん)の業(わざ)です。

そこで、代わりに「性格診断」を活用していくようなイメージです。

性格診断を用いれば、「この人は、自分からリードして何でも進めたいタイプ」「この人は、自分が納得するまで決められないタイプ」などと、事前に相手の性格傾向や特徴を知っておくことができます。

さらに、その相手の性格タイプに合ったアプローチを試みることで、たとえば商談などでは、成約率を高めることができるでしょう。

■「性格診断」はキャラの使い分けにも役立つ

人間関係において「性格」を理解することの重要性は、ビジネスや仕事だけにとどまりません。

仕事上の人間関係なら、ある意味割り切ることができます。しかし、家族や友人、趣味などのプライベートな人間関係の場合は、嫌なところがあったり、合わないところがある相手でもバッサリ絶ち切ることはできません。そのため、性格のギャップや相性の良し悪しにストレスを抱えたまま苦しんでいる人も多いのです。

とりわけ最近では、SNSが浸透したことで、その内容、やりとりに振り回されてストレスがたまり、すっかり疲弊してしまっている人をよく見かけます。

そんな中、うまくストレスをためずにやりすごしている人がいます。そうでない人との違いを分析すると、うまくいっている人は、自分が置かれる環境に合わせて上手に「人格」を使い分けていることがわかります。

たとえば、「会社では大人しくて静かな人」、「趣味のサークルでは面倒見のいい先輩」、「友人の間ではお調子者」、「SNSの筋トレアカウントでは意識高い系」……といったように、いくつものキャラクターを操っているようなのです。

■「キャラ変」スキルが鍵を握る

実際に、心理学的にも、複数の人格(ペルソナ)を使い分けることが人間関係におけるストレスを軽減するとされています。

たとえば、「本来の自分は、明るくておしゃべりな人間だけれど、自分が所属しているお茶のサークルでは、そういう人間は求められていないから、少し静かめのキャラでいこう」などと自分の人格を使い分けることで、帰属する場ごとに、そこにいる人たちとの間で生じるストレスが軽減され、相手も自分も居心地がよくなるのです。

SNSの発達で、キャラクターのスイッチングをする必要に迫られ、「サブ垢」「裏垢」「趣味垢」「ヲタ垢」(筆者註:「垢」は「アカウント」をあらわすネットスラングの略称)など、多くの人が当たり前のように人格を使い分けるようになってきています。現代を生きる私たちはいまや、いわゆる「キャラ変」をその瞬間瞬間に絶え間なく行うようになっているのです。

逆に、キャラクターを上手に使いこなせる人は、いまではストレスから解放された居心地のよい生き方ができるようになっています。

■自分の性格を知り、性格に合った行動を

その一方で、近年、仕事でもプライベートでも、情報過多のため処理(対応)し切れなくなっている人を多く見かけるようになりました。いわば、「脳内キャッシュ」がいっぱいになって「フリーズ」してしまうのです。

木原誠太郎『新ディグラム性格診断 9タイプが解き明かすあなたの真実』(プレジデント社)
木原誠太郎『新ディグラム性格診断 9タイプが解き明かすあなたの真実』(プレジデント社)

そういう人に、たとえば「キャッシュをクリアするために“旅行”でも行ったら?」と声をかけるのですが、「計画を立てる余裕すらない」と答える人がよくいます。

旅行は実は、いっぱいになった「脳内キャッシュ」のクリアに効果的なだけでなく、「自分は何者か」「自分は何をしたいのか」などと、自分を見つめ直すよいきっかけにもなります。

そこで、「余裕がない」と答える人には、代わりに「性格診断」をすることをおすすめしています。

実は「性格診断」には、後者の面で旅行と同等の効果があると考えられるからです。

「性格診断」をすると自分の性格を知ることができ、さらにこの先、自分がどうふるまえばいいかまで見通すことができます。つまり、「自分はこういう性格なので、このように行動しよう」という指針を持つことができるのです。

忙しくて旅行をするどころか、旅行の計画すら立てる時間がないという人には、自身のストレス軽減のためにも「性格診断」は有効です。ぜひ実行してみてください。

たとえば、私が提唱する「ディグラム診断」なら、わずか20問の質問に答えるだけで性格タイプを判定できますから、ちょっとした空き時間に試すことができると思います。

■家族やパートナーにも有効

また、家族やパートナーと接するときも、「性格診断」は有効です。

・相手はこういう人(だからこう接すればいい)
・自分はこういう人(だからこう接してほしい)

といった情報を相互に挟むことで、コミュニケーション上の誤解が生じにくくなり、よりよい人間関係を構築できるようになります。

拙著『新ディグラム性格診断 9タイプが解き明かすあなたの真実』では、自分の性格のタイプがわかるだけでなく、相手との関係性と相手のタイプに応じて、どう接すればいいかまで解説しています。

ぜひ、自身を取り巻く人間関係をスムーズにするために役立ててほしいと願っています。

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木原 誠太郎(きはら・せいたろう)
ディグラム・ラボ代表
1979年生まれ、京都府出身。電通やミクシィでマーケティングを担当し、さまざまな企業のマーケティングコンサルティングにたずさわる。2013年、ディグラム・ラボ株式会社を設立。「心理学×統計学」で人間の本音を分析し、カウンセリングするプログラム「ディグラム診断」の研究を進めながら、同時に事業展開。著書多数。「あなたはどれに当てはまる? スター★性格診断SHOW」(TBS系)、「性格ミエル研究所」(フジテレビ系)などテレビ出演も多数。

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(ディグラム・ラボ代表 木原 誠太郎)

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