1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

チャットで「お疲れ様です」はご法度…仕事のデキる人が使っている"人間味全開のチャット技"ベスト5【2023上半期BEST5】

プレジデントオンライン / 2023年10月3日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ipuwadol

2023年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。仕事術部門の第4位は――。(初公開日:2023年3月23日)
チームワークのいい組織はチャットツールをどう活用しているか。ビジネスパーソン17万人を調査し、AI分析をしたクロスリバー代表の越川慎司さんは「チャットの文字情報だけでは、相手の承認欲求を満たし、感情を誤解させず正しく表現することはできない。絵文字は年配者から積極的に送り、オンライン会議の発言後は『88888』と送信するべきだ」という――。

※本稿は、越川慎司『17万人をAI分析してわかった 最強チームの条件を1冊にまとめてみた』(大和書房)の一部を再編集したものです。

■気持ちが伝わるビジネスチャットの技ベスト5

チャットによるコミュニケーションでよくある問題の1つは、「チャットだと冷たく見える問題」です。

文字だけでは、送り主の表情が見えないですし、送っている本人は、そんなことまったく思っていないとしても、文字情報だけでは相手の感情を察するのが難しいため、冷たく見えてしまうことがあります。

例えば、チャットで「了解です」の一言だけで返信が来た時には、「もしかして怒ってる? 気分を害したのかな」と受け手は勘ぐってしまいます。

この勘ぐりがネガティブな方向にいってしまうと関係を壊すことになってしまいます。

では、感情を誤解させないようにビジネスチャットをどう使うべきか、「成功組織」が実際に実践していたルールを5つ紹介します。

■絵文字禁止は、オフィスで「笑顔禁止」と同じ

①絵文字はオジさんから

相手の承認欲求を刺激して感情豊かにコミュニケーションするために「絵文字」の活用をオススメします。

ただ、ビジネスシーンでフランクなコミュニケーションを取るのは簡単ではないかもしれません。だから、チャットコミュニケーションを導入する時には、会社の文化も一緒に変えてしまいましょう。

「仕事なのだからちゃんとした言葉づかいをしなさい!」と過去に言われた方もいるでしょう。

もしくは、「絵文字を使うと真剣じゃないように見える」とか、「絵文字を使うなんて恥ずかしい」と感じる人もいると思います。

しかし、チャットで絵文字禁止というのは、オフィスで「笑顔禁止」と同じこと。チャットを使うのであれば、文字情報だけでは、相手に感情が伝わらず、間違って冷たく感じさせてしまうのだから、むしろ絵文字を使わないほうが失礼です。

若手社員のほうが絵文字コミュニケーションに長けています。しかし、会社において、若い人が自ら率先して絵文字を使うのはハードルが高い。そこで、上司や年配者から「絵文字は使わないといけないもの」と発信していくことが重要です。

たくさんの絵文字や顔文字を入力する人の手元
写真=iStock.com/choochart choochaikupt
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/choochart choochaikupt

■相づち、うなずきも文字で伝える

②共感・同意の「いいね」「素敵だね」を1日3回以上

チャットの投稿に対して「いいね」ボタンを押して感情を共有することは大切です。これは個人の孤立も防いでくれます。

「いいね」や「素敵」を意味するアイコンを送り合うと視覚的にも分かりやすいです。また、相づち、うなずきもチャットで伝えます。できれば文字で伝えると良いです。

相手の投稿に自然と「いいね」できるようになるために、1日3回以上リアクションしましょう。

どのリアクションマークを使えば良いか分からなかったら「なるほど!」「さすが」「確かにそう!」と返信してもOKです。

■堅苦しいと敬語が増え、文章が長くなる

③「お疲れ様です」を「こんにちは」に

過剰な気遣いは生産性を落とします。

相手を気遣いし過ぎると文字数が多くなり、要点が分かりにくく、相手の読む時間が増えます。

社内の決まり文句で「お疲れ様です」でメールが始まることは多いと思います。しかし、メールのしきたりをチャットにそのまま持っていくのはご法度。

せっかくメールからチャットに移行したのですから、カジュアルでスピード感のあるコミュニケーションをトライしましょう。

チャット利用者7000人にヒアリングしたところ、「お疲れ様です」は堅苦しさを感じるようです。次第に敬語が増え、文章が長くなる傾向にあることが分かりました。

いきなり本題から伝えるのが不自然であれば、せめて「おはよう」や「こんにちは」の方が良いです。

あいさつは、心理学者のアブラハム・マズローが提唱している「欲求5段階説」の中の「承認欲求」を満たすからです。

あいさつは、「あなたのことを受け入れますよ」という合図で、この「承認欲求」の中の「存在欲求」を満たします。

たった一言のあいさつだけで相手を心地よくさせることができるのですから、儀式的な「お疲れ様です」をやめて、相手を認める「あいさつ」をするようにしてください。

会議室で会議中
写真=iStock.com/kyonntra
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kyonntra

■発言者が萎縮するネガティブな投稿は抑える

④オンライン会議中は「88888」で拍手

オンライン会議中でもチャットを活用して感情を共有しましょう。

画面越しでやり取りをしていると、発言者は自分の発言に対する参加者の反応を受け取りにくく、萎縮してしまうことがあります。

また他の参加者も、次に発言しようとする気になかなかなれないものです。そこで、チャットの機能を使って承認し合います。

各種の行動実験をおこない、クライアント各社で好評であったのが、前述した「数字の『8』をたくさん並べて感情を共有すること」です。これは、「88888」とチャットで送信することで、「パチパチパチパチパチ」=拍手を意味します。

参加者が素晴らしい発言をした後にこの「88888」チャットに投稿するのです。6割の人がこの意味を知りません。

「この8の連続はなんなんだ?」と聞かれたら、「えっ、知らないのですか? 拍手の意味ですよ。あなたが素晴らしい発言をしたから拍手したのです!」と伝えてください。

拍手する人々
写真=iStock.com/eggeeggjiew
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/eggeeggjiew

さきほどの「承認欲求」の中の「行動承認」をしたことになります。発言という行動に対して認めれば、相手の「承認欲求」が満たされます。

相手を認め合うカジュアルなコミュニケーションによって空気が温まり、過剰な気遣いをして発言を控えるといったネガティブな行動は抑えられます。

素晴らしい発言の後は「88888」で拍手を表現してみてください。

■「遅れるなよ」では言われないと動かない人を生み出す

⑤ポジティブに変換する

チャットでは熱量を伝えることは難しく、伝えたい情報を強調しようとして「!(ビックリマーク)」や「重要」の文字を使うこともあるでしょう。

しかし、多用して見慣れてしまうと強調効果は薄らいでしまいます。

絵文字やアイコンなどで視覚を使って訴えることは必要ですが、その文章の中身で惹きつけないといけません。

相手に心地よく動いてもらうために、「これ、やった方がいいな」と受け手の内発的動機づけを試みた方がよいのです。

越川慎司『17万人をAI分析してわかった 最強チームの条件を1冊にまとめてみた』(大和書房)
越川慎司『17万人をAI分析してわかった 最強チームの条件を1冊にまとめてみた』(大和書房)

例えば、待ち合わせをする時に「遅れるなよ」と言われるより、「早めに来てくれると嬉しい」と言われた方が心地よいのと一緒です。

遅刻常習者に対しては「遅れるなよ!」と言いたくなるのは分かります。

教育指導として強く言う必要もあります。

しかし、そうした強い指示や恐怖で人を動かそうとしたら、言われないと動かない人を生み出すことになってしまいますし、伝える側もストレスが溜まります。

そこで、チャットでの依頼はポジティブ変換して、「やらなきゃマズいな!」と思わせることを心掛けてください。

----------

越川 慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー代表
元マイクロソフト役員。国内および外資系通信会社に勤務し、2005年に米マイクロソフト本社に入社。2017年にクロスリバーを設立し、メンバー全員が週休3日・完全リモートワーク・複業を実践、800社以上の働き方改革の実行支援やオンライン研修を提供。オンライン講座は約6万人が受講し、満足度は98%を超える。著書に『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』、『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(共にディスカヴァー・トゥエンティワン)、近著に『29歳の教科書』(プレジデント社)がある。

----------

(株式会社クロスリバー代表 越川 慎司)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください