「失敗してもいいからやってごらん」と言ってはいけない…わが子をUCLA特待生に育てた高卒母のモットー
プレジデントオンライン / 2023年10月19日 13時15分
※本稿は、高松ますみ『高卒シングルマザーがわが子をUCLA特待生に育てた45の方法』(かんき出版)の一部を再編集したものです。
■「失敗してもいいからやってごらん」は逆効果
「怖くないよ。大丈夫」
「失敗してもいいからやってごらん」
「下手でもいいからやってみなよ」
「○○ちゃんならできるよ」
あなたは、お子さんにこんなことを言っていないでしょうか?
「失敗を恐れず、チャレンジしてほしい」という親の思いが透けて見える言葉ですが、実はこれ、子どもの挑戦意欲をそいでしまうNGワードです。
言葉のなかに「怖い」「失敗」「下手」といったネガティブワードが入っているせいで、子どもが悪い妄想を掻き立てて動きづらくなることがあるのです。
■「○○ちゃんならできる」と言ってはいけない
また、「○○ちゃんならできるよ」という声かけもやめたほうがいいでしょう。
「できる」という結果重視の言葉を使うことで、失敗が許されないという意識が芽生え、「もしできなかったらどうしよう」と不安な気持ちになってしまうからです。
ネガティブな言葉を避けるべきなのは、習い事など大きな挑戦のときだけではありません。日々のちょっとした挑戦についても同じです。
たとえば、1人でコップに牛乳を注ごうとして、全部こぼしてしまったときも、「何やってんのよ! しっかり持たないからよ!」とガミガミ責めたり、「あぁ〜、もう!」など、感情をそのまま大きな声に出したり、「失敗しちゃったね」「もったいなかったね」「服が汚れちゃったね」など、ネガティブな言葉を発してしまうと、再チャレンジするのを嫌がるようになります。
■子どものチャレンジは「将来自分でできるようになるための練習」
では、どのような声かけをすればいいのでしょうか?
まず親自身が、子どものチャレンジはすべて「将来、自分でできるようになるための練習」と考えましょう。
そのうえで、練習には失敗体験の繰り返しがつきものだと覚悟することです。
そして、失敗に対しては「OK、大丈夫!」と冷静に対応し、挑戦しようと思ったことを「ナイストライ!」と褒め、何度でも子どもの「やってみたい!」につき合うことで、チャレンジを怖がらない子に育つのです。
また、「チャレンジさせることをゴール」にするのではなく、「新しい経験を1つ増やすことをゴール」にすることも大切です。
私は子どもたちに、「新しい挑戦のチャンスが巡ってきたときは、自分に新たな経験をプレゼントしてあげられるタイミングだから、積極的につかみにいくことが大切だよ」とよく言い聞かせていました。
■「親の失敗談」で失敗を怖がらなくなる
もう1つのポイントは、親の失敗談を話して聞かせることです。
「失敗してもいいよ」という声かけはやめましょう、とお伝えしましたが、多くの親御さんが「失敗しても問題ない」ことを伝えたいと思っているはずです。そんなときは、ご自身の失敗体験をお子さんに披露してみましょう。
特に、小学生くらいまでの子どもは、「大人は失敗しない生き物」だと思っていますから、実際はそうではないことを教えるだけでも、失敗へのハードルは下がります。
私の父は、精密機器の会社を経営していたのですが、会社設立当時の苦労話をよくしてくれました。私はそれがとても好きだったので、私も同じように、過去の話や今取り組んでいる仕事、人間関係についても子どもたちに話すようにしていました。
ポジティブな話だけでなく、困ったこと、悲しかったこと、辛かったこと、失敗したことなどを、愚痴っぽくならないよう、ユーモアを交えながら披露してきました。
このように、大人もたくさん失敗するし、弱い面やネガティブな感情もあるということを普段から話しておくことで、徐々に失敗を怖がらなくなります。
その結果「勇気を出してチャレンジしてみよう」という感情が醸成されるのです。
■子どもが急に「帰りたい」と言っても褒める
特に、慎重派のお子さんはリスク察知能力がとても高いので、新しいことにチャレンジさせる際には、保険をかけてあげる必要があります。
たとえば、習い事の見学に連れて行った際、ずっとお母さんから離れずに見ているとしたら、「この子は、リスクを感じる能力が高い」と考えていいでしょう。
その場合、仮に最後までお母さんから離れられずに何もできなかったとしても、「見学のためにここにきただけで素晴らしい」とポジティブに捉え、それを褒めてあげることが大切です。
登山道の入口まできて、子どもが急に「帰りたい」と言い出したら、「せっかくここまできたのに!」と、怒りの感情がこみ上げてくると思います。しかし、そこをグッとこらえて、「入口まできただけでも立派な経験」と認め、褒めてあげるのです。
■子どもは「どう対応すればいいか」までわからない
また、慎重な子どもは、先を見通す力に長けているため、「もし○○しちゃったらどうしよう」と、アクシデントが起こることを想像して、不安が募ってしまうことがよくあります。
大人になれば、それまでの経験や知識からその場で対処できますが、経験値の低い子どもには、リスクを察知できたとしても、どう対応すればいいかまではわからないので、その不安からはじめの一歩を踏み出せない場合が多いのです。
逆に言えば、それさえ回避してあげれば一歩踏み出せるようになる可能性が高まるわけです。
■対処法を紙に書きだす
そこでおすすめなのが、アクシデントへの対処法を紙に書き出して、あらかじめ教えてあげることです。これを繰り返すと、少しずつ安心するようになるでしょう。
具体的には次のようなものです。
2.お腹が痛くなったら「トイレに行きたいです」と言う
3.喉が渇いたら、先生のところに行って「水飲んでいいですか」と聞き、部屋のうしろに置いてある水筒の水を飲む
4.終わったときにママ(パパ)がいなかったら、先生に電話するようにお願いする(電話番号:090-○○○○-××××)
このような非常事態マニュアルを先生に相談して作っておき、子どもに渡しておくと、安心しながらチャレンジできるようになります。
もちろんわが家でも、子どもたちが新しいチャレンジをするときは、このような対策を練ってから送り出していました。
何かあったときの対処法がわかっているだけで、チャレンジが怖くなくなりますし、同時に先を見通す力もつけてあげることができますよね。
このように、子どもをチャレンジ慣れ体質にするには、親のサポートが大きな役割を果たします。ぜひ、みなさんの子育てに取り入れてみていただければと思います。
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スパークリングキッズ代表取締役
アメリカ合衆国・バージニア州で出産と子育てを経験。帰国後、アメリカ式の子育てを日本流にアレンジした『子育て方程式』Ⓡを確立。2020年にスパークリングキッズを設立し、延べ1万人以上の親子の悩みを解決。著書に『高卒シングルマザーがわが子をUCLA特待生に育てた45の方法』(かんき出版)。
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(スパークリングキッズ代表取締役 高松 ますみ)
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