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「天気の話」はやめたほうがいい…なぜか雑談がつづく人が使っている3つの切り札「お・び・え」とは【2023上半期BEST5】

プレジデントオンライン / 2023年10月12日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/shichinohe

2023年上半期(1月~6月)、プレジデントオンラインで反響の大きかった記事ベスト5をお届けします。仕事術部門の第5位は――。(初公開日:2023年3月7日)
雑談がうまい人はどこが違うのか。セブン‐イレブン限定書籍『感じのいい人、悪い人 人間関係がうまくいく「話す技術」』を上梓した心理カウンセラーの五百田(いおた)達成さんは「とにかく会話のラリーを続けることが大切。むりに共通点を見つけようとしないほうがいい」という――。

※本稿は、五百田達成『感じのいい人、悪い人 人間関係がうまくいく「話す技術」』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■謙虚な「生徒」になりきってしまう

雑談では「とにかく会話のラリーを続けること」が大切です。

話が続くこと自体が「この人と話をしていると心地よい」「感じがよくて気が合いそうだ」という印象にもつながります。

ただ、そうは言っても、なんの話をしたらよいか迷ってしまう場面はあるはず。そんなとき、覚えておくと便利な“切り札”をいくつかご紹介します。

1.「教えてもらう」スタンス

「親しくない上司」「久しぶりに会った義理の両親」「顔と名前ぐらいしかわからない親戚の子ども」など、距離が微妙に遠い相手とのやりとりには「教えてもらう」というスタンスが役立ちます。

・上司のネクタイを褒めて「どこのブランドなんですか」と質問する
・義母が話し始めたら「詳しくないんですよ。教えてもらえますか」と話を振る
・子どもが描いている絵を見て「何を描いているの?」と教わる

このように謙虚な「生徒」になりきって、相手の得意ジャンルについて教えてもらうと、相手としては

・がんばって共通の話題を探さなくてよいのでラク
・知識が披露でき、承認欲求が満たされるのでうれしい
・性格やパーソナルな部分を伝えられる

と、いいことづくめな状態になります。

■「天気」や「ニュース」の話はやめたほうがいい

ひとしきり語ってもらったら「ありがとうございました。チェックしてみますね」「勉強になりました。ありがとう」と感謝を伝えると、話を切り上げやすくなります。

そもそも、こういう微妙な関係性だと、相手も何をどこまで話したらいいものか気まずく思っているものです。意図的に「先生と生徒」という関係を作ってしまえば、お互いがラクになります。

2.ビデオトーク

文字通り、ビデオで映し出すかのように、目についたものを話題にしていきます。机、時計、置き物、相手の髪型、服装、書類、イス、メニュー……。そうすると、天気やニュースといった「時事ネタ」を話すのに比べて

・視界に入っているものが話題なので話を続けやすい
・話に詰まってもほかの話題に展開しやすい
・モノをさわったりして、間を持たせやすい

といった効果が得られ、お互い気まずさが減ります。とりわけ、タクシーの車内では、車窓から見えるものを次々と話題にしていけば、会話のラリーは続きやすくなります。

■自分の「心の動き」を開示する

3.エピソードトーク

気持ちやパーソナルなことを伝える「エピソードトーク」は自然な自己開示ができます。

×「ニューヨークではいま、こんなビジネスがはやっているらしいよ」
○「昨日、ニュースでこんな記事を読んでびっくりしたよ」
×「○○製のラケットが新発売になってね」
○「最近ラケットを買い換えたら、またテニスが楽しくなったよ」

エピソードというと、何か変わったことやおもしろいことを話さなくてはいけないと身構える人もいるかもしれませんが、そうではありません。

エピソードトークで大切なのは、自分の心の動きや気持ちを伝えることです。

相手からすると「心をひらいてくれている」という印象を抱きやすくなり、お互いの心理的距離が近づきます。

こちらとしても、おもむろに「私はこういう考えの持ち主です」「私はこういう性格です」と語るより、気恥ずかしくないという利点もあります。なかでも「○○を食べた。おいしかった」など、食べ物の話題は無難で便利です。

「『教えてもらう』スタンス」「ビデオトーク」「エピソードトーク」。頭文字をとって、もう沈黙を怖がらず「お・び・え」ないための切り札として、ぜひ覚えておいてください。

■「共通点」は見つけなくていい

相手との会話の中でなんとか共通点を見つけようと、次々とお互いに話題を提供し合うけれどかみ合わず、気まずい……。誰しも、そんな経験をしたことが一度や二度はあるのではないでしょうか。

ところが、こと「会話のラリーを続ける」という点においては「共通点があること」はさほど重要ではありません。

例えば、相手はプラモデルが大好きだとわかったとします。でも、あなたはプラモデルのことはまったくわかりません。しかし、これは会話が盛り上がるチャンスなのです。

相手「実はプラモデルにハマってまして……」
自分「そうなんですか! 全然詳しくないのでトンチンカンな質問をしたらすみません。昔からお好きなんですか」
相手「そうですね。小学生の頃から好きです」
自分「へえー! いまでもよく作るんですか」
相手「そうなんです。土日はみっちり時間を費やしています」
自分「それはすごい!」

最初に「全然詳しくない」と断ったうえで、素直な質問を投げかけると相手は気持ちよく話すことができます。結果、あなたに対して好印象を抱くのです。

■「時制」を意識すれば質問が浮かびやすい

このように、自分が知らないことを教えてもらう際、話が広がりやすい質問にはコツがあります。それは「過去・現在・未来」に焦点を当てることです。

1.過去
「昔からお好きなんですか」
「いつ頃から始められたんですか」
2.現在
「いまでも、よく作るんですか」
「最近では何がおすすめですか」
3.未来
「次の週末は何を作るんですか」
「これから作ってみたいものはなんですか」

このように時系列に沿って質問を投げかけると、話はどんどん広がっていきます。相手の中であなたは「話しやすい、感じのいい人」として印象づけられることでしょう。

これからは相手がよく知らない話題を持ち出したら「困った」ではなく、「ラッキー」と思って、いろいろ教えてもらいましょう。

■「オチがない話なんですけど、いいですか?」

雑談はそもそも、とりとめのない会話をするものなのに、うまいオチや、納得がいく結論を求める人は多いものです。そういう人たちを相手に話すときはちょっとしたコツがあります。

話の最初にこう宣言してみましょう。

「全然オチがない話なんですけど、いいですか?」

不思議なもので、こう聞かれて「オチがない話ならやめてください」と答える人はいません。たいていは「どうぞどうぞ」と笑いながら歓迎してくれます。

オフィスで話すビジネスパーソン
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

しかも、オチがなかったとしても「やっぱりオチがなかったですね」とにこやかに受け入れてくれるのです。

話すほうも、あらかじめ宣言することでリラックスできるので、話はスムーズに進みます。結果的に周囲の人が着地点を見つけてくれることもあります。

「超どうでもいい話なんですけど」「くだらない話、していいですか」も同じような効果が期待できるフレーズなので、ぜひ試してみてください。

■「ちょっとおもしろい話があって」は要注意

こうした「ネタバレ」の手法はさまざまな場面で役に立ちます。

笑い話として聞けばいいのか、ドキドキしてほしいのかなど、話し手が期待しているリアクションがわかると、聞くほうとしては気がラクです。

気持ちにゆとりができる分、話が多少すべったとしても、温かく見守ることもできるのです。

五百田達成『感じのいい人、悪い人 人間関係がうまくいく「話す技術」』(プレジデント社)
五百田達成『感じのいい人、悪い人 人間関係がうまくいく「話す技術」』(プレジデント社)

逆に、ぜひとも避けたいのが「ちょっとおもしろい話があって」「この間、爆笑したエピソードなんですけど」という切り出し方です。

自分でわざわざ「おもしろい」「爆笑した」などとハードルを上げるのは禁物。

どんな話も「さぞかしおもしろい話だろう」と思いながら聞くと、「たいしておもしろくない」という結論になりやすいのです。

トークの難易度をうっかり上げてしまう要注意フレーズとして、頭の片隅に置いておきましょう。

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五百田 達成(いおた・たつなり)
作家・心理カウンセラー
1973年生まれ。東京大学卒業後、角川書店、博報堂をへて独立。コミュニケーションをテーマに執筆・講演を行う。『察しない男 説明しない女』ほか著書多数。

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(作家・心理カウンセラー 五百田 達成)

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