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転職活動の成否は初手で決まる…2万人を見たキャリアコンサルタントが「絶対にやってはいけない」と話すこと

プレジデントオンライン / 2023年10月23日 10時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/AmnajKhetsamtip

転職活動を成功させるには、どうすればいいのか。キャリアコンサルタントの上田晶美さんは「すぐに転職サイトに登録してはいけない。最初にやるべきは今の仕事への不安や悩みを整理することだ」という――。(第2回)

※本稿は、上田晶美『女子が一生食べていける仕事選び』(草思社)の一部を再編集したものです――。

■転職サイトに登録する前にやるべきこと

本書の第1章(『女子が一生食べていける仕事選び』)では、これからの時代は、一社に定年までずっといて、それで終わりという人はいなくなったと述べました。今や誰もが必ず一度は転職する時代です。一度と言わず、長い人生では何度も転機は訪れます。そこでこの章では、仕事を辞めたい、替えたいと思ったときに、必ず役に立つ「転職の方程式」をお伝えしたいと思います。

間違っても、いきなり転職サイトに登録するのはやめてください。転職サイトはもちろん転職活動の際には必要です。でも、自分が納得する仕事に就くためには、その前にまずやらなければならないことがあるからです。

今、まさに仕事を辞めたいと思っているあなた! こんな経験はありませんか?

朝起きて、なんとなく仕事に行きたくない。疲れた、体が重い。起き上がれたものの、歯磨きをしても気分はドヨヨンとしたまま。今日はもう休んでしまおうか……。

今日もこなさなくてはならない仕事が山のようにある。何時までかかるのだろうか。

私にばかり仕事がふられて、忙しすぎて損している気がする。

そしてお昼になれば、またあの人たちと一緒にランチに行こうと誘われる。話題は人のうわさや悪口ばかりで、聞いていると暗い気持ちになってくるし、かといって反論はできない。そんな時間はもったいないのだが、そこに加わらないと今度は自分が何か言われるかもしれないという恐れもある。

■あなたが抱えるモヤモヤの正体

夕方には肩こりがむごすぎるくらいになり、頭痛がしてくることも。

もろもろ考えると、なんとなく心が晴れない。気分が落ち込み、家を出たとしても、自然と足取りは重くなる。

人によって差はあるにせよ、仕事に行くのが毎日楽しくて仕方ないという人がいたら、そういう人のほうが少数派かもしれません。

それでも自分を奮い立たせて、会社にたどりつくあなたは、偉い!

仕事があるのだから、今はそれだけでもありがたいと思うという人もいるでしょう。コロナ禍になり、廃業する会社、人員整理をする会社、働く人を取り巻く環境は悪化するばかりです。そんな中、働く場所があり、収入があるだけでありがたいことなのかもしれません。

なんとなくやる気が出ない。また同じ一日の繰り返し。仕事自体に関心が持てないし、職場に向かうのが苦痛でしかない。

他にも私のところに来る人で、こんなモヤモヤを抱えた人たちがいます。

■何も感謝されない職場

上司モヤモヤ

上司ってどうしていつもあんなにイライラしているんでしょうか? 何に怒っているのか。私が悪いとは思えないのに、何かと私に当たってくる。

それは私のミスではなくて、言われた通りにしたのに。いつもの気まぐれな指示のせいです。ああ言ったり、こう言ったり。指示を明確にしてほしい。

しかも繁忙期に頑張って事務作業をこなしているのに、「じゃあ、お先に」って何の労もなく帰っていく上司。私はまだ残業になりそうなのに。一言「お疲れさま」とか「ありがとう」とかいう言葉があってもいいのでは? 何も感謝されない職場。モヤモヤが溜まっています。

仕事の内容モヤモヤ

仕事がわからないんです。わからなくて泣きそうになります。誰かに聞きたくても声がかけられない。教えてくれる人がいない。自分なりに考えてやったら、上司から怒られて。「いったい何やってるんだ!」と怒鳴られました。それからは新しい仕事を指示されると、びくびくしてしまいます。もっとちゃんと説明してください!

モヤモヤしている若いアジア女性
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/metamorworks

■仕事のデキる人から転職していく

将来モヤモヤ

私、このままでいいのかな? と最近不安です。

この会社、そろそろやばくない? みんな辞めていく。しかも仕事のできる人、まともな人ばかり辞めていく。変な人しか残っていない気がする。だからいっそう仕事が忙しくなる。私もそろそろ辞めたほうがいいのかも?

上司を見ていると希望が持てません。この人のようになりたい! 的な上司はいません。このままこの会社にいても成長がないし、成長がなければ、給与も上がらず、会社自体が危なくなったとき、スキルが身に付いていなくて、転職もできませんよね?

似たようなモヤモヤを感じたことのあるあなた! 一緒に整理してみましょうね。

■仕事のストレスの原因1位は

ところで周りの人はどんなストレスを抱えているのでしょうか?

ここに、働く人のストレスについて全国的にアンケートをとった結果があります。

【図表1】働く人のストレス
『女子が一生食べていける仕事選び』より

厚生労働省が令和4年に発表した、約1万8千人に聞いたものです。(調査実施は令和2年)、主なもの3つ以内の複数回答をまとめています。

「仕事や職業生活に関する強い不安、悩み、ストレスを感じる」とした労働者のうち、その内容を見ると、

1位「仕事の量・質」(56.7%)
2位「仕事の失敗、責任の発生等」(35.0%)
3位「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」(27.0%)

でした。

■休むことは悪いことではない

では、あなたの仕事のモヤモヤ緊急度はどのくらいでしょうか?

1.今日、明日にも辞めたい(心身の安全への危険)。
2.あと数カ月は我慢できるが1年は持たない。
3.1年は続けられそうだが、できれば転職したい。
4.もっと良い条件のところがあるなら、考えたい。
5.この仕事をしばらく(年単位で)続けたい。

あなたの仕事のモヤモヤ度はどのクラスでしたか?

1であれば、即刻会社を休むしかありません。これは学校時代の不登校と同じです。出社しようと思うと、体が動かなくなる、吐き気がする、涙があふれてくる。そういった症状の人はすぐに会社に電話を入れて、「体調が悪いので休む」と伝えましょう。伝え方はいろいろでしょうが、「休む」ことはあなたの権利であり、それが有給休暇なのか、欠勤で無給になるのかは別次元の問題です。まずは体を休めてから、ゆっくり考えます。少し状態が落ち着いてからこの本(『女子が一生食べていける仕事選び』)をお役立てください。

2、3、4の人はこの本に沿って次の仕事、キャリアについて考えていきましょう。

また、5の人も長期的に考えれば転職の機会はあるかもしれませんので、この本がお役に立てるはずです。

■転職活動がうまくいかないワケ

先ほども述べましたが、この段階でいきなり転職サイトに登録するのはおすすめできません。なぜなら、サイトに登録するとすぐに山のようにスカウトメールが来ます。市場調査のつもりが、そこにコーディネーターの面談が入り、あれよあれよという間に面接の日程が組まれていったりします。

自分の意思がフラフラした状態で転職をすすめられてそこに乗っかっていっても、納得がいかず、またすぐに転職ということになりかねません。

ステップとしては図表2のような流れをおすすめします。

【図表2】転職のステップ
『女子が一生食べていける仕事選び』より

まずは少し立ち止まって頭の中を整理する時間を取りましょう。そして、たくさん悩みましょう。考えましょう。次の章では考えを整理するワークシートもご用意しています。

ですが、あまりにも頭の中がグルグルと堂々巡りになってしまっているとしたら、誰かと話しながら整理するのもいいでしょう。いわゆる「壁打ち」です。一人で考え続けるのも良い経験になりますが、適度に「壁打ち」できる相手も必要です。

親しい友人、先生やメンターの人などが良いと思います。

■頼るべきはプロ

もしも友人などには相談しづらければ、お金はかかるかもしれませんが、私のようなプロのキャリアコンサルタントに相談するのもいいですね(無料相談もあります)。

何か教えてほしいときは、その道のプロに相談しますよね。ピアノを習いたければピアノ教室に、料理を習いたければ料理教室に行きます。お花を習いたいのにテニス教室には行きませんよね?

仕事の悩みも同じことです。心理カウンセラーを探す前に、占いの館に行く前に、キャリアコンサルタントを訪ねてほしいですね。何でもその道のプロに相談するのが解決の近道ではないでしょうか。仕事の悩みの窓口はまずはキャリアコンサルタントです。

■常にシミュレーションをしておく

何かで行き詰まってしまう、辛くなっていくのは「他に選択肢がない」という状況のときではないでしょうか? ああ、どうしよう、ニッチもサッチも行かない。

仕事で言えば、「もう私にはこの仕事しかないのにうまくいかない。ダメだ。お金がなくなっていく。この先、生きていけるのか……」とどんどん悪いほうに考えてしまう。そんなループにはまってしまって頭を抱える。ドツボにはまっていく。真面目な人ほど陥りやすいループです。

でも、悩んだときに他の選択肢を持てる。考える筋道を見つけられる。そうすると気が楽になっていきませんか? 仕事に悩んだら、この筋道に沿って考えればいい。転職という道もある。自分から動いてみないで、自分の頭の中だけで考え込んでいる方が多いように思います。

仕事に悩んだらこの筋道で考えればいい。整理しきれなかったら壁打ちする。しっかり自分の話を聴いてわかってくれる信頼できる友だちや先輩、メンターやキャリアコンサルタントを見つけておく。何かあってもこの人に相談すれば大丈夫。そんな考え方が気持ちを楽にしてくれると思います。

上田晶美『女子が一生食べていける仕事選び』(草思社)
上田晶美『女子が一生食べていける仕事選び』(草思社)

実際、私のところには学生時代に就活の相談をしていた人が、初めての転職のときも相談にやってきます。その後も転職の度に数年おきに相談に来る人もいます。必ずそこで転職するとは限らず、会社の中で職場を見直す人もいる。本当に長いお付き合いですね。今のところ起業して30年なので、最長の人で30年のお付き合いです。

いろいろな選択肢を持てば、働くこともぐっと楽になる。節目節目に相談相手を見つけておけば、仕事が辛くなる場面も少なくなるのではないかと思います。

たとえ今すぐの転職は考えていないにせよ、つねにシミュレーションをしておく。それが生きてくるときが後々必ず来ます。

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上田 晶美(うえだ・あけみ)
ハナマルキャリア総合研究所代表取締役
日本初のキャリアコンサルタント。企業研修の実施、女性のキャリア、学生の就活を応援し、これまで約2万人にアドバイス。メディア出演多数。著書に『ちょっと待ったその就活!〜就活前に考えておきたい「大学生のキャリアデザイン」』ほか。

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(ハナマルキャリア総合研究所代表取締役 上田 晶美)

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